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7話 ダンテの再婚約 ①
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「ダンテ・シュールは既に、新しい婚約相手を見つけているようだ。街の教会で挙式……と、いうよりは婚約を祝して祈りを捧げるのが目的みたいだな」
「新しい婚約者……?」
私は屋敷内で、ダンテ様の身辺調査を行っていたハロルドから途中報告を聞いていた。あの婚約破棄の日から1週間……正式な通達もシュール家から来ており、私とダンテ様は完全に婚約解消となっているんだけど……。
「新しい婚約者の名前は、アイミー・ケリス侯爵令嬢だね。また、ずいぶんと格式の高い令嬢様だ。僕は何度か会っているが……シェルは初めてじゃないかい?」
「アイミー侯爵令嬢……確かにお会いするのは、初めてだと思うわ。でも……再婚約といえばいいのかしら? 私との婚約破棄から1週間でなんて。そんなことが可能なのかしら?」
アロイド帝国の長い歴史の中でも、婚約破棄から1週間で違う者と婚約だなんて、あまり聞いたことがない。これはひょっとすると……。
「おそらくは、君との婚約破棄前から、アイミー令嬢とはそういう関係にあったということだ。彼女がそれを知っていたかどうかは不明だが、婚約破棄と新たな婚約のタイミングを図っていたんだろう」
「……そういうことだったのね……」
アブノーマルを好む性癖……それ以外にも、ダンテ様は浮気をしていた。私は二番手で、最初から振るつもりだったんでしょうね。
「本来であれば、婚約破棄をすれば多額の慰謝料が発生する。しかし、ダンテは自らの家系と他の侯爵家との関係を利用して、エドガー家からの慰謝料請求を破棄する算段も練っているようだ。かなり用意周到と見えるね」
「そんなことまでしているなんて……」
理不尽な婚約破棄だけではなく、私たちの反撃も事前に潰していくスタイル……。議会に属している侯爵家などを懐柔していれば、確かに可能かもしれないけれど……。
ただでさえ、伯爵家である私は抵抗をしづらいのに、万が一のことを考えて、完全に反撃の根を摘んでいるのかしら?
「教会ではダンテのアイミーの婚約発表が行われるはずだ。シェル……僕も一緒に向かうよ」
「ハロルド……でも……」
私って一体、なんだったんだろう……自分の存在意義に疑問が出てきてしまっている。私はもう、ダンテ様の顔なんて見たくないし……。あんな酷い人に騙された私……見抜けなかったことが、何よりも悔しかった。
そんな時、ハロルドの両腕が私の背中を包み込んだ。えっ? これって……抱き着かれている?
「大丈夫だよ、シェル。僕は君を裏切ったりなんかしないさ。必ず君のことを守ってみせる」
「え、ええ……? あの、ハロルド、それって……」
なんだか告白のように聞こえるんですけど? 私を元気づけてくれているんだろうけど、誰かに見られたら大変だわ……!
「まあ! まあまあまあっ!」
「ソシエ……! あの、これは……!」
タイミングが良すぎるというか……ある意味で、一番見られたくないソシエが私たちの前に現れていた。ちょっと……勘弁してよね、絶対にからかわれるわ……ああ、ベッドの中に顔をうずめて叫びたい……。
「新しい婚約者……?」
私は屋敷内で、ダンテ様の身辺調査を行っていたハロルドから途中報告を聞いていた。あの婚約破棄の日から1週間……正式な通達もシュール家から来ており、私とダンテ様は完全に婚約解消となっているんだけど……。
「新しい婚約者の名前は、アイミー・ケリス侯爵令嬢だね。また、ずいぶんと格式の高い令嬢様だ。僕は何度か会っているが……シェルは初めてじゃないかい?」
「アイミー侯爵令嬢……確かにお会いするのは、初めてだと思うわ。でも……再婚約といえばいいのかしら? 私との婚約破棄から1週間でなんて。そんなことが可能なのかしら?」
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「……そういうことだったのね……」
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「本来であれば、婚約破棄をすれば多額の慰謝料が発生する。しかし、ダンテは自らの家系と他の侯爵家との関係を利用して、エドガー家からの慰謝料請求を破棄する算段も練っているようだ。かなり用意周到と見えるね」
「そんなことまでしているなんて……」
理不尽な婚約破棄だけではなく、私たちの反撃も事前に潰していくスタイル……。議会に属している侯爵家などを懐柔していれば、確かに可能かもしれないけれど……。
ただでさえ、伯爵家である私は抵抗をしづらいのに、万が一のことを考えて、完全に反撃の根を摘んでいるのかしら?
「教会ではダンテのアイミーの婚約発表が行われるはずだ。シェル……僕も一緒に向かうよ」
「ハロルド……でも……」
私って一体、なんだったんだろう……自分の存在意義に疑問が出てきてしまっている。私はもう、ダンテ様の顔なんて見たくないし……。あんな酷い人に騙された私……見抜けなかったことが、何よりも悔しかった。
そんな時、ハロルドの両腕が私の背中を包み込んだ。えっ? これって……抱き着かれている?
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「え、ええ……? あの、ハロルド、それって……」
なんだか告白のように聞こえるんですけど? 私を元気づけてくれているんだろうけど、誰かに見られたら大変だわ……!
「まあ! まあまあまあっ!」
「ソシエ……! あの、これは……!」
タイミングが良すぎるというか……ある意味で、一番見られたくないソシエが私たちの前に現れていた。ちょっと……勘弁してよね、絶対にからかわれるわ……ああ、ベッドの中に顔をうずめて叫びたい……。
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