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39:お尻マッサージ
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『優しい英雄の物語』
英雄は困っている人のために、毎日モンスターと戦った。
ある日英雄は、人の言葉を話すモンスターと出会う。
みんなは言葉を話すモンスターを気味悪がって、早く退治してくれと英雄に頼んだ。
だけど英雄は──
「にゃ! 大きな街が見えてきたにゃよっ」
やっと!
やっとか!
幌馬車じゃないから大丈夫だと思っていた。
でも大丈夫じゃなかった。
買った絵本を読んで気を紛らわそうとしたけど、長時間読んでいると気分が悪くなるし。
結局この二日間で、冒頭の数ページしか読めていない。
そして何が大丈夫じゃないかって言うと──
お尻だ!!
「早く……早く到着してくれ!!」
「街についたらすぐに宿を取りましょう。もう私……」
「ルナも!? ルナもずっと我慢していたのか!?」
「くっ」
彼女は顔を背けて頬を赤らめた。
「お尻が痛むのでしょう?」
「「ひゃっ!?」」
「おっと、驚かせてしまってすみません。どうやら旅慣れしていないご様子ですが、乗合馬車に乗る際には、クッションを持参なさったほうがよいですよ」
「ク、クッションですか?」
後ろの座席に座っている男は、商人だって昨日言っていた。
そのお尻には確かにクッションが敷かれていた。
「街に行ったら、あれ買いましょう」
「うん、そうしよう」
そうこう話す間も馬車は着実に進み、俺たちの願いが叶ってレゾの町へと到着した。
「ここから歩きなんでしょ?」
ベッドにうつ伏せになったルナがそう尋ねて来た。
俺もうつ伏せだ。
「ブレンダの故郷ムジークの町は、小さくて乗合馬車が通ってないからね。早朝に出れば、ギリギリ夕方には到着するって聞いたんだけど」
「早朝かぁ……明日までに痛みが引くといいんだけど」
まったく同じ気持ちだ。
もちろんお尻の痛みのこと。
宿に向かう途中、何としてでもクッションだけは買うんだと強く決意して雑貨屋には寄って来た。
でもよく考えたらムジークの町で買っても良かったんだよな。
ムジークの町で用を済ませたら、再び徒歩で別の町へと移動。そこから乗合馬車で次の町へ。
コポトの故郷はまた小さな町で、再寄りの起きな町からは徒歩になる。
馬車、徒歩、徒歩、馬車、徒歩。
こういう流れだ。
「引くといいなぁ」
「いいわねぇ」
お互いベッドにうつ伏せになって、大きなため息を吐いた。
「にゃびは痛くないのか?」
「平気にゃよ~。もみもみするにゃか?」
「え?」
肉球? それって、効くのか?
「ちょ、ちょっとだけやってみてくれ」
「ん? どうしたのロイド」
「うん。にゃびが、ほあぁっ!」
「ちょ、変な声出さないでよ」
痛い。でも気持ちいい?
にゃびが肉球でお尻を揉み解し始めた。
「え、それスキルのアレ?」
「う、うんんんんー」
「だから変な声ださないでよっ」
そう言われても……イタ気持ちいいんだよ。
そうか。肉球もみもみは疲労回復だもんな。この痛みはお尻の疲労って訳か。
「お客さーん。凝ってるにゃよぉ」
「お前、そんなのどこで覚えてくるんだよ。ああぁぁ……そこそこ。はあぁぁ」
「もう、何やってるのよ二人とも」
「いや、これほんと効くって。ルナもあとでやって貰いなよ」
段々とお尻の痛みも和らいできた。
これなら今夜は無事に仰向けで寝れそうだな。
「にゃ、にゃびにお尻を触って貰うってことでしょ?」
「そりゃあ、もみも……」
そう。お尻をもみもみして貰うんだ。
ルナは女の子だし、恥ずかしいに決まってるか。
「ルナ。出発は明後日にしよう。明日一日ゆっくり休めば、痛みも治まるだろうし」
「この宿にもう一泊するってこと? でも……」
「お金の心配はいらないから」
ルナはとにかく節約したがる。
だけどお金は十分過ぎるほど持っているのだから、一日ぐらい、なんだったら一週間ぐらい泊まったって構わないんだ。
「んー……にゃび、私もお願い」
「ルナ、無理はしなくても」
「む、無理じゃないわっ。こ、この程度で宿に二泊するなんて、勿体ないだけよ」
「にゃー、もみもみするにゃー」
なんでもみもみってスキル名なんだろうな……。
スキル……
「あっ」
「ひゃうっ。ななな、なに?」
「あ、いやごめん。スタンピードのあとは疲れ切ってたし、落ち着く前にすぐ出発したから忘れてたんだけど」
ステータスボード、地下八階で弄ってからずっと見ていなかった。
スタンピート中に結構レベルも上がっていたし、チェックしておかなきゃな。
あの時、勢いでスキルも取ってるし。
「ステータスボードをチェックするから、何か上げたいものがあったら言って」
「そういえばしばらく見ていなかったわね」
「おいにゃどうするかにゃ~」
ステータスボードを開き、いくつレベルが上がっているのか確認する。
ずっとプチ魔術師だったけど、記憶にあるのはレベル33だ。
それが今は39になっていた。
ルナとにゃびも、それぞれ5ずつ上がっている。
「ん? ルナの職業欄……あれ?」
「んー、どうしたのぉ。ぁふ……にゃび、そこ、そこぉ」
ちょ。ルナだって変な声出してるじゃないか!?
「い、いや。君の職業欄のところに──」
俺と同じような十字マークがついている。
よく見るとにゃびにもだ!
もしかして転職が可能になったのか!?
英雄は困っている人のために、毎日モンスターと戦った。
ある日英雄は、人の言葉を話すモンスターと出会う。
みんなは言葉を話すモンスターを気味悪がって、早く退治してくれと英雄に頼んだ。
だけど英雄は──
「にゃ! 大きな街が見えてきたにゃよっ」
やっと!
やっとか!
幌馬車じゃないから大丈夫だと思っていた。
でも大丈夫じゃなかった。
買った絵本を読んで気を紛らわそうとしたけど、長時間読んでいると気分が悪くなるし。
結局この二日間で、冒頭の数ページしか読めていない。
そして何が大丈夫じゃないかって言うと──
お尻だ!!
「早く……早く到着してくれ!!」
「街についたらすぐに宿を取りましょう。もう私……」
「ルナも!? ルナもずっと我慢していたのか!?」
「くっ」
彼女は顔を背けて頬を赤らめた。
「お尻が痛むのでしょう?」
「「ひゃっ!?」」
「おっと、驚かせてしまってすみません。どうやら旅慣れしていないご様子ですが、乗合馬車に乗る際には、クッションを持参なさったほうがよいですよ」
「ク、クッションですか?」
後ろの座席に座っている男は、商人だって昨日言っていた。
そのお尻には確かにクッションが敷かれていた。
「街に行ったら、あれ買いましょう」
「うん、そうしよう」
そうこう話す間も馬車は着実に進み、俺たちの願いが叶ってレゾの町へと到着した。
「ここから歩きなんでしょ?」
ベッドにうつ伏せになったルナがそう尋ねて来た。
俺もうつ伏せだ。
「ブレンダの故郷ムジークの町は、小さくて乗合馬車が通ってないからね。早朝に出れば、ギリギリ夕方には到着するって聞いたんだけど」
「早朝かぁ……明日までに痛みが引くといいんだけど」
まったく同じ気持ちだ。
もちろんお尻の痛みのこと。
宿に向かう途中、何としてでもクッションだけは買うんだと強く決意して雑貨屋には寄って来た。
でもよく考えたらムジークの町で買っても良かったんだよな。
ムジークの町で用を済ませたら、再び徒歩で別の町へと移動。そこから乗合馬車で次の町へ。
コポトの故郷はまた小さな町で、再寄りの起きな町からは徒歩になる。
馬車、徒歩、徒歩、馬車、徒歩。
こういう流れだ。
「引くといいなぁ」
「いいわねぇ」
お互いベッドにうつ伏せになって、大きなため息を吐いた。
「にゃびは痛くないのか?」
「平気にゃよ~。もみもみするにゃか?」
「え?」
肉球? それって、効くのか?
「ちょ、ちょっとだけやってみてくれ」
「ん? どうしたのロイド」
「うん。にゃびが、ほあぁっ!」
「ちょ、変な声出さないでよ」
痛い。でも気持ちいい?
にゃびが肉球でお尻を揉み解し始めた。
「え、それスキルのアレ?」
「う、うんんんんー」
「だから変な声ださないでよっ」
そう言われても……イタ気持ちいいんだよ。
そうか。肉球もみもみは疲労回復だもんな。この痛みはお尻の疲労って訳か。
「お客さーん。凝ってるにゃよぉ」
「お前、そんなのどこで覚えてくるんだよ。ああぁぁ……そこそこ。はあぁぁ」
「もう、何やってるのよ二人とも」
「いや、これほんと効くって。ルナもあとでやって貰いなよ」
段々とお尻の痛みも和らいできた。
これなら今夜は無事に仰向けで寝れそうだな。
「にゃ、にゃびにお尻を触って貰うってことでしょ?」
「そりゃあ、もみも……」
そう。お尻をもみもみして貰うんだ。
ルナは女の子だし、恥ずかしいに決まってるか。
「ルナ。出発は明後日にしよう。明日一日ゆっくり休めば、痛みも治まるだろうし」
「この宿にもう一泊するってこと? でも……」
「お金の心配はいらないから」
ルナはとにかく節約したがる。
だけどお金は十分過ぎるほど持っているのだから、一日ぐらい、なんだったら一週間ぐらい泊まったって構わないんだ。
「んー……にゃび、私もお願い」
「ルナ、無理はしなくても」
「む、無理じゃないわっ。こ、この程度で宿に二泊するなんて、勿体ないだけよ」
「にゃー、もみもみするにゃー」
なんでもみもみってスキル名なんだろうな……。
スキル……
「あっ」
「ひゃうっ。ななな、なに?」
「あ、いやごめん。スタンピードのあとは疲れ切ってたし、落ち着く前にすぐ出発したから忘れてたんだけど」
ステータスボード、地下八階で弄ってからずっと見ていなかった。
スタンピート中に結構レベルも上がっていたし、チェックしておかなきゃな。
あの時、勢いでスキルも取ってるし。
「ステータスボードをチェックするから、何か上げたいものがあったら言って」
「そういえばしばらく見ていなかったわね」
「おいにゃどうするかにゃ~」
ステータスボードを開き、いくつレベルが上がっているのか確認する。
ずっとプチ魔術師だったけど、記憶にあるのはレベル33だ。
それが今は39になっていた。
ルナとにゃびも、それぞれ5ずつ上がっている。
「ん? ルナの職業欄……あれ?」
「んー、どうしたのぉ。ぁふ……にゃび、そこ、そこぉ」
ちょ。ルナだって変な声出してるじゃないか!?
「い、いや。君の職業欄のところに──」
俺と同じような十字マークがついている。
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