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18:あれとそれとこれと
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お母さんの名前はナナさん。
スープを飲んだら落ち着いたのか、また眠った。
それは子供たちも同じで、下の二人は母親に寄り添って安心して眠った。
子供たちが眠ってから、俺は一階へ。
マットは二つしか用意していないし、二階の副隊長部屋で全員が寝泊るするには狭い。
とはいえ、一階の大部屋はストーブが錆びていて穴も開いてるし、使えるのは三階の隊長部屋だ。
大部屋のマットで比較的綺麗な物を引っ張り出して、壁に立てかけておく。
猫人族は小柄だし、マットを横向きにして使えば二人寝ても十分な広さがある。
ってことは、マット三つは欲しいってことだ。
三階の隊長部屋のマットはセミダブルぐらいあるし、あれも使おう。
食事も今使っている机じゃ狭くなる。二階と三階に分かれれば平気だけど、別々の部屋で食事というのもなんか変だし。
かといって食堂はストーブも壊れてて使えないから寒いしなぁ。
いっそ厨房を片付けてそこで食事も出来るようにするとか?
案外出来なくもない広さはある。
食堂のテーブルは四人用が二つ並んだタイプだから、一つを移動させてカウンターにくっつければいい。
あとは椅子を置けば、立派な食事用テーブルっぽくなるだろう。
じゃあさっそく掃除をしますかね。
セリスがある程度掃除はしてくれているけど、隅々まではやっていない。
必要最小限のスペースだけだ。
えぇっと……
生活系魔法で便利なのがあったよな。
『空間掃除』
指定した空間の埃を取り除く魔法だ。
レベルによって指定できる空間の広さが変わって、確かレベル1だと五〇センチ四方だったような。
たったそれだけだと、この広いリビングの掃除に何時間かかることやら。
それに俺の魔力は低いし、何度も魔法を掛けていられない。
となると、スキルレベルを上げてっと──獲得するのにポイントを5消費、そこから1レベル毎に5消費。
とりあえず20にしてみると、1レベル毎に10センチ増えるようで、240センチになった。
「"空間掃除"」
魔法を使うと俺の視界に青白いマス目のような物が浮かぶ。
これで範囲を指定しろってことか。
スマホの画面をタップするような感じで触れると、その範囲がふわぁーっと白い光で包まれた。
「お、綺麗になったな。よし、もう少しっと」
あと意外なほど、魔力の消費量は少なかった。
六回ほど魔法を使うと、ひとまず厨房は綺麗になった。
「最初からこの魔法で砦を掃除すればよかったな」
さて、お次はテーブルと椅子のチェックだ。
食堂に行き、音を立てないように……って難しいな。
荷物運びのスキルを使うと、こう……音を立てないように効率よく物を運んだりとかもできるかな?
まぁどうせリカバリーすればいいことだし、取るだけ取ってみるか。
こっちは獲得も次のレベルに必要なポイントも1。
レベル10でいいかと思ったけど、重い物を効率よく運ぶ──しか出ない。
念のため鑑定スキル1だけ取ったけど、鑑定レベルを上げれば詳細が増えるかなぁ。
けど鑑定はコストがかかるんだよ。
ま、荷物運び20にしてみるか。
すると鑑定画面が変わる。
静かにそっと、素早く物を運べるようになる──という一文が追加された。
「ヨシッ」
人が座ると壊れそうな椅子と、大丈夫な椅子を分けていく。
まぁダメな方が多いよね、うん。
「添木でもすればいいんだけど、薪で丈夫そうなの探さなきゃな」
まぁその辺りは明るくなってからだ。
埃はなくなった。椅子やテーブルのチェックも済んだ。
あとは……
床に転がっているいろんな物を片付けなきゃな。
空間清掃は、箒で掃く、雑巾がけをする──この二つを実行するだけだからなぁ。
えぇっと、片付け関係のスキルは……『整理整頓』でいいのかな。
パパっとやって俺も寝よう。
「スキルレベル30ぐらい上げてみるかな」
スキルをセットすると、『ピコン』という音が頭の中で響いた。
今度はなんだ?
さっきロロたちがここで暮らすことが決まった時の音は、領民が増えたからだ。
それは確認済みで、領民が増えたことで領主レベルも上がっている。
でも今は領民が増えたタイミングじゃない。
なんだ?
そう思ってステータスボードをよく見ると、獲得可能スキル一覧にnewマークがついている物が。
「うへぇ……あったのかよ、このスキル」
そこには確かに【アイテムボックス(new)】という文字があった。
鑑定してみると、このスキル、前提条件があったほうだ。
それによると、空間系魔法、荷物運び、整理整頓の三つのスキルレベルが、20以上であること──とある。
そ、掃除を楽にするために取ったスキルが、こんな結果になるとは。
いや、でもこの三つのスキルを20で固定すると、スキルポイントどれだけ減ってしまうんだ?
荷物持ちと整理整頓は消費1ずつだから、合計40。空間清掃が1レベル毎に5消費なのでレベル20だと100。
そして……アイテムボックスは獲得するのに消費ポイント50!?
全部で190じゃん。
テイミングスキルのように、リカバリーできないようにさせると、190も失ってしまう。
うぅん……。
いや、何も常時セットする必要もないか。
食料調達や物資調達のために出かけて、荷物を運ぶときだけセットして、砦に戻って来たら荷物を出してリカバリーすればいい。
残りポイント100ちょっとあれば、移動時に必要な戦闘スキルもセット出来る。
うん!
万能アイテムボックス、ゲットしたぜ!
アイテムボックスって、どんなかな?
ついでだし、ちょっとセットしてみよう。
アイテムボックス、レベル1……ん?
これってレベル5がマックスなのか。
レベル2に上げるのにもポイント50必要なのか……これ、コストパフォーマンス的にどうなんだろう。
まぁいいや。1だけセットっと。
するとステータスボードに新しく『インベントリ』というタブが追加された。
そこをタップすると、横6マス、縦5マスのウィンドウが開く。
スクロールは可能。合計すると横6×縦10だ。六〇種類のアイテムを入れられるって訳だな。
多いような少ないような。
これは頻繁にアイテム整理必須だな。
ま、どうせリカバリーの時には全部アイテムを出さなきゃいけないんだ。
数時間の間に集められるアイテムの種類なんて、そう多くないだろう。
あとは……。
「このスキルを使うと、流石にセリスも不審がるだろうなぁ。いっそスキルのことを話すべきか」
ほんと、どうしよう。
スープを飲んだら落ち着いたのか、また眠った。
それは子供たちも同じで、下の二人は母親に寄り添って安心して眠った。
子供たちが眠ってから、俺は一階へ。
マットは二つしか用意していないし、二階の副隊長部屋で全員が寝泊るするには狭い。
とはいえ、一階の大部屋はストーブが錆びていて穴も開いてるし、使えるのは三階の隊長部屋だ。
大部屋のマットで比較的綺麗な物を引っ張り出して、壁に立てかけておく。
猫人族は小柄だし、マットを横向きにして使えば二人寝ても十分な広さがある。
ってことは、マット三つは欲しいってことだ。
三階の隊長部屋のマットはセミダブルぐらいあるし、あれも使おう。
食事も今使っている机じゃ狭くなる。二階と三階に分かれれば平気だけど、別々の部屋で食事というのもなんか変だし。
かといって食堂はストーブも壊れてて使えないから寒いしなぁ。
いっそ厨房を片付けてそこで食事も出来るようにするとか?
案外出来なくもない広さはある。
食堂のテーブルは四人用が二つ並んだタイプだから、一つを移動させてカウンターにくっつければいい。
あとは椅子を置けば、立派な食事用テーブルっぽくなるだろう。
じゃあさっそく掃除をしますかね。
セリスがある程度掃除はしてくれているけど、隅々まではやっていない。
必要最小限のスペースだけだ。
えぇっと……
生活系魔法で便利なのがあったよな。
『空間掃除』
指定した空間の埃を取り除く魔法だ。
レベルによって指定できる空間の広さが変わって、確かレベル1だと五〇センチ四方だったような。
たったそれだけだと、この広いリビングの掃除に何時間かかることやら。
それに俺の魔力は低いし、何度も魔法を掛けていられない。
となると、スキルレベルを上げてっと──獲得するのにポイントを5消費、そこから1レベル毎に5消費。
とりあえず20にしてみると、1レベル毎に10センチ増えるようで、240センチになった。
「"空間掃除"」
魔法を使うと俺の視界に青白いマス目のような物が浮かぶ。
これで範囲を指定しろってことか。
スマホの画面をタップするような感じで触れると、その範囲がふわぁーっと白い光で包まれた。
「お、綺麗になったな。よし、もう少しっと」
あと意外なほど、魔力の消費量は少なかった。
六回ほど魔法を使うと、ひとまず厨房は綺麗になった。
「最初からこの魔法で砦を掃除すればよかったな」
さて、お次はテーブルと椅子のチェックだ。
食堂に行き、音を立てないように……って難しいな。
荷物運びのスキルを使うと、こう……音を立てないように効率よく物を運んだりとかもできるかな?
まぁどうせリカバリーすればいいことだし、取るだけ取ってみるか。
こっちは獲得も次のレベルに必要なポイントも1。
レベル10でいいかと思ったけど、重い物を効率よく運ぶ──しか出ない。
念のため鑑定スキル1だけ取ったけど、鑑定レベルを上げれば詳細が増えるかなぁ。
けど鑑定はコストがかかるんだよ。
ま、荷物運び20にしてみるか。
すると鑑定画面が変わる。
静かにそっと、素早く物を運べるようになる──という一文が追加された。
「ヨシッ」
人が座ると壊れそうな椅子と、大丈夫な椅子を分けていく。
まぁダメな方が多いよね、うん。
「添木でもすればいいんだけど、薪で丈夫そうなの探さなきゃな」
まぁその辺りは明るくなってからだ。
埃はなくなった。椅子やテーブルのチェックも済んだ。
あとは……
床に転がっているいろんな物を片付けなきゃな。
空間清掃は、箒で掃く、雑巾がけをする──この二つを実行するだけだからなぁ。
えぇっと、片付け関係のスキルは……『整理整頓』でいいのかな。
パパっとやって俺も寝よう。
「スキルレベル30ぐらい上げてみるかな」
スキルをセットすると、『ピコン』という音が頭の中で響いた。
今度はなんだ?
さっきロロたちがここで暮らすことが決まった時の音は、領民が増えたからだ。
それは確認済みで、領民が増えたことで領主レベルも上がっている。
でも今は領民が増えたタイミングじゃない。
なんだ?
そう思ってステータスボードをよく見ると、獲得可能スキル一覧にnewマークがついている物が。
「うへぇ……あったのかよ、このスキル」
そこには確かに【アイテムボックス(new)】という文字があった。
鑑定してみると、このスキル、前提条件があったほうだ。
それによると、空間系魔法、荷物運び、整理整頓の三つのスキルレベルが、20以上であること──とある。
そ、掃除を楽にするために取ったスキルが、こんな結果になるとは。
いや、でもこの三つのスキルを20で固定すると、スキルポイントどれだけ減ってしまうんだ?
荷物持ちと整理整頓は消費1ずつだから、合計40。空間清掃が1レベル毎に5消費なのでレベル20だと100。
そして……アイテムボックスは獲得するのに消費ポイント50!?
全部で190じゃん。
テイミングスキルのように、リカバリーできないようにさせると、190も失ってしまう。
うぅん……。
いや、何も常時セットする必要もないか。
食料調達や物資調達のために出かけて、荷物を運ぶときだけセットして、砦に戻って来たら荷物を出してリカバリーすればいい。
残りポイント100ちょっとあれば、移動時に必要な戦闘スキルもセット出来る。
うん!
万能アイテムボックス、ゲットしたぜ!
アイテムボックスって、どんなかな?
ついでだし、ちょっとセットしてみよう。
アイテムボックス、レベル1……ん?
これってレベル5がマックスなのか。
レベル2に上げるのにもポイント50必要なのか……これ、コストパフォーマンス的にどうなんだろう。
まぁいいや。1だけセットっと。
するとステータスボードに新しく『インベントリ』というタブが追加された。
そこをタップすると、横6マス、縦5マスのウィンドウが開く。
スクロールは可能。合計すると横6×縦10だ。六〇種類のアイテムを入れられるって訳だな。
多いような少ないような。
これは頻繁にアイテム整理必須だな。
ま、どうせリカバリーの時には全部アイテムを出さなきゃいけないんだ。
数時間の間に集められるアイテムの種類なんて、そう多くないだろう。
あとは……。
「このスキルを使うと、流石にセリスも不審がるだろうなぁ。いっそスキルのことを話すべきか」
ほんと、どうしよう。
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