17 / 30
17話
しおりを挟む
ルナが腰に下げたポーチには、毒消し草が入っていた。
それを口に含ませ、ペットボトルのお茶を飲ませる。
「これでいいのか?」
こくりと頷くルナとネフィティア。
スーモも心配そうに二人を見つめる。
「解毒できるのにどのくらいかかる?」
「分からない、けど……数時間は掛かるかも」
「ここにいたらマズいな。他のモンスターも来るだろうし……」
後ろには大きな岩がある。それこそ持って来たテントぐらいの大きさだ。
「テント……そうだ。この岩をくり抜ければ!」
入口は這って入るぐらいの大きさにして、中も横に慣れるスペースがあればそれでいい。
陽が暮れる前にくり抜くぞ!
「"無"」
スキルの形が変えられるようになった。だがサイズアップしたわけじゃない。
野球ボールより少し小さいサイズを、そのまま薄く延ばしたりできる感じだ。
薄くても、触れさえすれば無に帰すことが出来る。
まずは直径50センチちょいぐらいの円形にして、大岩に押し当てそのまま奥へ。
岩の奥行きはざっと3メートル半ってところか。寝そべってバンザイして届くところまでくり抜いたら、スキルが消えた。
「カ、カケル……なにやってんのよ」
「岩テントを作ってんだよ」
「き、危険ですぅ。カケル、スキル使い過ぎぃ」
「すぐ済む! "無"」
少し眩暈がした。けど、気合で堪える!
今度はさっきより薄く、そして縦に長い長方形の『無』に。
手早く岩をくり抜き、寝るスペースを作った。
さすがに十数秒じゃあ終わらないか。もう一回──
「"無"──」
もう少し──もう少しくり抜くんだっ。
「カケルゥ」
「スーモ、二人を見ててくれっ。こっちはもうすぐ終わるから……もうすぐ」
意識が飛びそうになるのを、顔を振って堪える。
な、なんとか2×2メートルの空間は作れた。高さは座っても頭が天井に着かない程度しかないけど、あともう一回の『無』はたぶん無理。
「スーモ、手伝ってくれ」
「分かったのっ」
スーモには先に中に入って貰い、俺がルナに肩を貸してなんとか立ち上がらせる。
「ルナ、頑張れ。あの中に入るんだ」
「わ、分かったです。ん、んん」
「スーモ、引っ張ってやってくれ」
「はいなの」
ルナの次はネフィティアだ。同じように立たせて、岩に空けた穴の前へ。
「まさか岩を……テント代わりにするなんてね」
「なかなかいいアイデアだろ? ただ狭いから、窮屈かもだけど」
「あんたも休みなさいよ」
言われなくても……もう、限界だから、ね。
ネフィティアが入ったと俺も続く。
匍匐前進するように穴に入って────
「んあ……あっ!?」
がばっと起き上がって、それからスーモと目が合った。
「気絶……してた?」
涙を浮かべてスーモが頷く。そして俺の胸に飛び込んで来た。
「気が付いたです?」
「ルナ……ごめん」
「謝らないでよ。あ、あんたはボクたちのために……頑張ったんだから」
横では二人は岩を背もたれにして座っていた。
「ネフィ……二人はどうなんだ?」
「ネフィテイ……い、いいわよ、もう。ボクたちは大丈夫なんだから」
お、ネフィティアが、「ネフィ」と呼ぶことを許してくれた?
「ふふ。毒でぇ、すこーし頭がぐるぐるしてるです」
「横になるより、こうして座ってる方がいいのよ」
「そうなのか」
「そうよっ」
意外と元気そうで良かった。
だけど岩テントを作って正解かもしれない。
二人は眩暈がするようだし、外で野宿していてモンスターに襲われれば危険だ。
たぶんそこでも俺が気絶して、四人全員でモンスターの胃袋行きになっただろう。
そこでグゥーっと音が鳴った。
「カケル、お腹空いたの?」
「……空いた」
「カケル、お腹空くのは元気な証拠なの。よかったのぉ」
「ごめんなスーモ。心配させて」
スーモは俺から離れると、隅に置いてあったリュックを持って来てくれた。
スーモは小さいから、この穴の高さでも十分立って歩けるようだ。
「二人は?」
「いただくわ」
「食べるですぅ」
「スーモは?」
尋ねても首を傾げるだけ。そういやスーモが何か食べている姿って、見てないな。
「スーモも食べてみるか?」
「精霊は食事を必要としないわよ」
「お花さんとかと同じですよぉ」
じゃあ日光とか水なのか?
お茶を渡すと、おそるおそる口を付けた。
「んぐんぐ」
「飲めるんだな」
「美味しいの」
味覚はあるようだ。じゃあ弁当のキャベツ炒めを食べさせてみると、渋い顔をした。
「食べ物はダメか」
「でも食べれてはいるようね」
「スーモちゃん、美味しくなかったですかぁ?」
スーモはキャベツをじっと見つめた。
それから申し訳なさそうな顔で「焼いてない方がいいの」と呟いた。
「そっか。次は生サラダにしような」
「はいなのっ」
嬉しそうな笑みを浮かべ、スーモはお茶を口にした。
「一晩で毒が抜けてよかったわ」
「けど毒消し草はあと一枚しかないな」
翌朝、すっかり毒が抜けて元気になったルナとネフィ。
気絶の後、スキルを二回使って中の空間を広げた。今後はここを狩りの拠点として使えるだろう。
朝飯を食べながら、今日のことで話し合う。
まだバジリスクエリアの中だ。また毒攻撃を食らう心配だってある。
毒消し草が一枚だと、一度誰かが毒状態になればそれで使い切ってしまう。
「引き返すか?」
「砂のある場所はあともう少しなのよ。あと三十分も歩かないわ」
本当に直ぐそこだな。
「じゃあ慎重に行くしかないか。……ん?」
スーモが服の袖を引っ張る。
目を輝かせ、頬を染めたスーモが俺をじっと見つめていた。
「どうした、スーモ」
「ん、ん。あのね、あのね、ツリーハウスの苗木にね、お水少しだけ欲しいの」
「あ、そうか。ツリーハウスにもご飯をやらなきゃな」
ツリーハウス用の水は、中身を飲み干したペットボトルに入れて持って来ている。
岩テントを濡らさないよう、外に出て水をやった。
その様子を嬉しそうにスーモは見つめ、水やりを終えた苗木を優しく撫でていた。
それからスーモは、期待するような目を俺に向ける。
これは、なにを期待されているんだろう?
「ス、スーモ……偉い?」
「ん? あぁ、教えてくれてありがとうな。偉い偉い」
従姉の子にしてやるように、なんとなくスーモの頭を撫でた。
「えへ、えへへ」
どうやら正解だったようだ。
それを口に含ませ、ペットボトルのお茶を飲ませる。
「これでいいのか?」
こくりと頷くルナとネフィティア。
スーモも心配そうに二人を見つめる。
「解毒できるのにどのくらいかかる?」
「分からない、けど……数時間は掛かるかも」
「ここにいたらマズいな。他のモンスターも来るだろうし……」
後ろには大きな岩がある。それこそ持って来たテントぐらいの大きさだ。
「テント……そうだ。この岩をくり抜ければ!」
入口は這って入るぐらいの大きさにして、中も横に慣れるスペースがあればそれでいい。
陽が暮れる前にくり抜くぞ!
「"無"」
スキルの形が変えられるようになった。だがサイズアップしたわけじゃない。
野球ボールより少し小さいサイズを、そのまま薄く延ばしたりできる感じだ。
薄くても、触れさえすれば無に帰すことが出来る。
まずは直径50センチちょいぐらいの円形にして、大岩に押し当てそのまま奥へ。
岩の奥行きはざっと3メートル半ってところか。寝そべってバンザイして届くところまでくり抜いたら、スキルが消えた。
「カ、カケル……なにやってんのよ」
「岩テントを作ってんだよ」
「き、危険ですぅ。カケル、スキル使い過ぎぃ」
「すぐ済む! "無"」
少し眩暈がした。けど、気合で堪える!
今度はさっきより薄く、そして縦に長い長方形の『無』に。
手早く岩をくり抜き、寝るスペースを作った。
さすがに十数秒じゃあ終わらないか。もう一回──
「"無"──」
もう少し──もう少しくり抜くんだっ。
「カケルゥ」
「スーモ、二人を見ててくれっ。こっちはもうすぐ終わるから……もうすぐ」
意識が飛びそうになるのを、顔を振って堪える。
な、なんとか2×2メートルの空間は作れた。高さは座っても頭が天井に着かない程度しかないけど、あともう一回の『無』はたぶん無理。
「スーモ、手伝ってくれ」
「分かったのっ」
スーモには先に中に入って貰い、俺がルナに肩を貸してなんとか立ち上がらせる。
「ルナ、頑張れ。あの中に入るんだ」
「わ、分かったです。ん、んん」
「スーモ、引っ張ってやってくれ」
「はいなの」
ルナの次はネフィティアだ。同じように立たせて、岩に空けた穴の前へ。
「まさか岩を……テント代わりにするなんてね」
「なかなかいいアイデアだろ? ただ狭いから、窮屈かもだけど」
「あんたも休みなさいよ」
言われなくても……もう、限界だから、ね。
ネフィティアが入ったと俺も続く。
匍匐前進するように穴に入って────
「んあ……あっ!?」
がばっと起き上がって、それからスーモと目が合った。
「気絶……してた?」
涙を浮かべてスーモが頷く。そして俺の胸に飛び込んで来た。
「気が付いたです?」
「ルナ……ごめん」
「謝らないでよ。あ、あんたはボクたちのために……頑張ったんだから」
横では二人は岩を背もたれにして座っていた。
「ネフィ……二人はどうなんだ?」
「ネフィテイ……い、いいわよ、もう。ボクたちは大丈夫なんだから」
お、ネフィティアが、「ネフィ」と呼ぶことを許してくれた?
「ふふ。毒でぇ、すこーし頭がぐるぐるしてるです」
「横になるより、こうして座ってる方がいいのよ」
「そうなのか」
「そうよっ」
意外と元気そうで良かった。
だけど岩テントを作って正解かもしれない。
二人は眩暈がするようだし、外で野宿していてモンスターに襲われれば危険だ。
たぶんそこでも俺が気絶して、四人全員でモンスターの胃袋行きになっただろう。
そこでグゥーっと音が鳴った。
「カケル、お腹空いたの?」
「……空いた」
「カケル、お腹空くのは元気な証拠なの。よかったのぉ」
「ごめんなスーモ。心配させて」
スーモは俺から離れると、隅に置いてあったリュックを持って来てくれた。
スーモは小さいから、この穴の高さでも十分立って歩けるようだ。
「二人は?」
「いただくわ」
「食べるですぅ」
「スーモは?」
尋ねても首を傾げるだけ。そういやスーモが何か食べている姿って、見てないな。
「スーモも食べてみるか?」
「精霊は食事を必要としないわよ」
「お花さんとかと同じですよぉ」
じゃあ日光とか水なのか?
お茶を渡すと、おそるおそる口を付けた。
「んぐんぐ」
「飲めるんだな」
「美味しいの」
味覚はあるようだ。じゃあ弁当のキャベツ炒めを食べさせてみると、渋い顔をした。
「食べ物はダメか」
「でも食べれてはいるようね」
「スーモちゃん、美味しくなかったですかぁ?」
スーモはキャベツをじっと見つめた。
それから申し訳なさそうな顔で「焼いてない方がいいの」と呟いた。
「そっか。次は生サラダにしような」
「はいなのっ」
嬉しそうな笑みを浮かべ、スーモはお茶を口にした。
「一晩で毒が抜けてよかったわ」
「けど毒消し草はあと一枚しかないな」
翌朝、すっかり毒が抜けて元気になったルナとネフィ。
気絶の後、スキルを二回使って中の空間を広げた。今後はここを狩りの拠点として使えるだろう。
朝飯を食べながら、今日のことで話し合う。
まだバジリスクエリアの中だ。また毒攻撃を食らう心配だってある。
毒消し草が一枚だと、一度誰かが毒状態になればそれで使い切ってしまう。
「引き返すか?」
「砂のある場所はあともう少しなのよ。あと三十分も歩かないわ」
本当に直ぐそこだな。
「じゃあ慎重に行くしかないか。……ん?」
スーモが服の袖を引っ張る。
目を輝かせ、頬を染めたスーモが俺をじっと見つめていた。
「どうした、スーモ」
「ん、ん。あのね、あのね、ツリーハウスの苗木にね、お水少しだけ欲しいの」
「あ、そうか。ツリーハウスにもご飯をやらなきゃな」
ツリーハウス用の水は、中身を飲み干したペットボトルに入れて持って来ている。
岩テントを濡らさないよう、外に出て水をやった。
その様子を嬉しそうにスーモは見つめ、水やりを終えた苗木を優しく撫でていた。
それからスーモは、期待するような目を俺に向ける。
これは、なにを期待されているんだろう?
「ス、スーモ……偉い?」
「ん? あぁ、教えてくれてありがとうな。偉い偉い」
従姉の子にしてやるように、なんとなくスーモの頭を撫でた。
「えへ、えへへ」
どうやら正解だったようだ。
4
お気に入りに追加
731
あなたにおすすめの小説

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。
sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。
目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。
「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」
これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。
なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。

アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。

S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。

無能な勇者はいらないと辺境へ追放されたのでチートアイテム【ミストルティン】を使って辺境をゆるりと開拓しようと思います
長尾 隆生
ファンタジー
仕事帰りに怪しげな占い師に『この先不幸に見舞われるが、これを持っていれば幸せになれる』と、小枝を500円で押し売りされた直後、異世界へ召喚されてしまうリュウジ。
しかし勇者として召喚されたのに、彼にはチート能力も何もないことが鑑定によって判明する。
途端に手のひらを返され『無能勇者』というレッテルを貼られずさんな扱いを受けた上に、一方的にリュウジは凶悪な魔物が住む地へ追放されてしまう。
しかしリュウジは知る。あの胡散臭い占い師に押し売りされた小枝が【ミストルティン】という様々なアイテムを吸収し、その力を自由自在に振るうことが可能で、更に経験を積めばレベルアップしてさらなる強力な能力を手に入れることが出来るチートアイテムだったことに。
「ミストルティン。アブソープション!」
『了解しましたマスター。レベルアップして新しいスキルを覚えました』
「やった! これでまた便利になるな」
これはワンコインで押し売りされた小枝を手に異世界へ突然召喚され無能とレッテルを貼られた男が幸せを掴む物語。
~ワンコインで買った万能アイテムで幸せな人生を目指します~

固有スキルが【空欄】の不遇ソーサラー、死後に発覚した最強スキル【転生】で生まれ変わった分だけ強くなる
名無し
ファンタジー
相方を補佐するためにソーサラーになったクアゼル。
冒険者なら誰にでも一つだけあるはずの強力な固有スキルが唯一《空欄》の男だった。
味方に裏切られて死ぬも復活し、最強の固有スキル【転生】を持っていたことを知る。
死ぬたびにダンジョンで亡くなった者として転生し、一つしか持てないはずの固有スキルをどんどん追加しながら、ソーサラーのクアゼルは最強になり、自分を裏切った者達に復讐していく。

異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる