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9話
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「これが……ツリーハウス」
朝食後に見せて貰った巨木の中。
空洞があって、そこにはテーブルや椅子もあれば、階段まであった。
くり抜いて作られたんじゃない。壁を見ればすぐに分かる。
「なんで、どうなっているんだ? 何十本もの木は、密着して生えてるってこと?」
「違うよぉ。これぜーんぶ、一本のツリーハウスなの」
「いや、ツリーハウスって、普通は木の上に建てた家のことだろ?」
「え? そうなの?」
と、ルナは後ろで落ち込み気味の女性エルフに尋ねる。
彼女が落ち込んでいるのは、食パンが無くなったからホットサンドがもう作れない。そう話したからだ。
尋ねて来た時も、俺の顔を見て「ほっとさんどの異世界人」と言っていたし。
なんて覚えられ方だ。
「ほっとさんどの異世界人さんが住んでいた世界ではどうだか知らないけれど、ここではこの木をツリーハウスと呼ぶの。ねぇ、本当にもう無理なの?」
「小麦を栽培してください。そうしたらまた作れますから」
「まぁ!? じゃあ長老様にそうお話ししましょうっ」
「昨夜話はしました。そういう方向で行くみたいですよ」
途端に元気になるエルフ女性。
ここは彼女の一家が住む家で、ルンルン気分で中を案内してくれた。
「夫は森に薬草を摘みに行っているの。息子も今は他の子と遊びに行っているから気兼ねなく見ていってね」
「ど、どうも。それにしても、なんで木がこんな形に?」
「ツリーハウスだからよ。この木は私たちエルフと共存しているの。私たちが暮らしやすいように、自ら空洞を作るようにして成長するのよ」
理解しがたいけれど、異世界なんだからと無理やり納得するしかない。
階段の支柱になっているのも木の幹で、床板は別に取り付けたものらしい。
ところどころ壁──幹に穴があって、それが窓の役目をしていた。
「じゃあ里の巨木は全部?」
「ううん、違うのー。大きな木が全部ツリーハウスって訳じゃないんだよぉ」
「これは精霊が宿った木。意図的に宿らせたんじゃなく、精霊が好んで宿ったものよ。フンッ」
ツンっとしながらも説明してくれるネフィティア。
精霊が宿って、エルフと共存する巨木が『ツリーハウス』となるらしい。
うぅん……もう見たまんまを理解するしかないな。
「テント暮らしもいいけど、ツリーハウスも楽しそうだな」
「フンッ、残念だったわね。空きツリーはないのよ。ボクたちだってツリー待ちしているんだから」
「まさかの順番待ち……」
「ルナたちもツリーハウスが欲しいもん」
じゃあ俺はやっぱりテントか。ま、いいや。
「あら、じゃああのツリーハウスがいいんじゃない? ほら、大岩の隣の少し焦げちゃって、へそ曲げしちゃったアレ」
焦げた?
へそ曲がり?
「確かに焦げてるな」
ルナとネフィティアに連れて来て貰ったのは、高さ20メートル弱の準巨木だった。
上から見た時に、視力検査をするときに使うCマークに似た形になるんだろう。
「筒状に育っているんだな。この入口になっている所が焦げているけど、燃えたのか?」
「雷よ。空洞を形成する段階で雷が落ちてしまって、焦げて削れた部分が再生しないのよ」
「だからねぇ、天井も出来なかったのぉ」
ツリーハウスの内側から上を見上げると、確かに青空がよく見える。
木の枝が揺れているから風が吹いているんだろうけど、中までは届かないようだ。
「あれ? ここってテントを張るのに最適な場所じゃないか」
「使うなら長老様に報告しなさい。べ、別にボクが行ってやってもいいけどねっ」
「いやぁ、それはネフィティアに悪いよ。ところで大岩って?」
「イディノアさんが言ってた岩のことね。こっちこっちぃ」
ルナに手を引かれて外に出て、次はぐるりと裏手に回り込む。
なるほど、大きな岩だ。
何かの拍子に岩が転がり落ちてくるような、そういう状況だったらと不安があったけど大丈夫そうだ。
岩は大部分が地面に埋まっているみたいだけど、それでも見えているだけでも高さが5メートル以上はありそう。
「これなら転がったりしないだろうし、安心かな」
「なにあんた、大岩が転がって来て木を押し倒さないかとか考えてたわけ?」
「そりゃあ考えるさ。せっかく住み始めたのに、直ぐぺしゃんことか嫌だろ?」
「……意外とちゃんと考えてるのね。──べ、別に褒めてないわよっ」
「いや、何も言ってないし。まぁいいや。長老に報告すればいいんだよな」
昨夜の円形小屋へと行くと、五人衆のひとりだけがそこにいた。
「へそ曲がりのツリーハウスに住む? それは構わぬが、天井はないぞ。良いのか?」
「えぇ。テントを張って暮らそうと思っているので、天井は無くて結構です。幹が風を防いでくれるし、テント暮らしには最適な場所ですよ」
「テント暮らし? ほぉ、それは面白い。異世界のテントがどんなものか、見てみたいな」
・
・
・
「いや、だからってこの人数はいかがなものかと」
テントの組み立てから見たいと言う長老は、歩くたびに暇を持て余しているエルフに声を掛けて回った。
その結果、直径7、8メートルの準ツリーハウスの中には、三十人ぐらいのエルフが集まってしまった。
「なんだこの素材は? つるんとしているな」
「これが支柱になるのかしら? 鉄……にしてはぐにゃって曲がるわよ!?」
「あの、ちょっと……全部種類ごとに分けて置いてるんだから、あちこち持って行かないでくださいよっ」
「テントに網が付いているぞ。これはいったいなんだい?」
あぁぁーっ!
ぜんっぜん進まねぇーっ。
キャンプ本にある「初心者でも安心、組み立て解説!」を見ながらやってるのに、エルフが邪魔をする!
「俺だってこんなテント、初めて組み立てるんだから邪魔しないでくれよ!」
「ほぉほぉ、これはなかなか分かりやすい」
「あ、おい。本持っていかないでくれよ」
「これがこう?」
「待てまて、順番通りにやるんだ。ほら見ろ。この絵の順番でやるんだろう。えぇっと、ここにはなんて書いてある?」
ん?
言葉は通じているけど、文字は読めないのか。
「えぇっと、ここは──1、テントのフレームを立てる。フレームってのはこれだな」
「よし、出来たぞ」
「はぁ!?」
五人ぐらいがフレームをサクっと組み立ててしまった。
「「次っ」」
他のエルフたちが、自分の出番はまだかと言わんばかりに待機。
結局、俺は本に書いてある説明を読んだだけで、テントは完成してしまった。
朝食後に見せて貰った巨木の中。
空洞があって、そこにはテーブルや椅子もあれば、階段まであった。
くり抜いて作られたんじゃない。壁を見ればすぐに分かる。
「なんで、どうなっているんだ? 何十本もの木は、密着して生えてるってこと?」
「違うよぉ。これぜーんぶ、一本のツリーハウスなの」
「いや、ツリーハウスって、普通は木の上に建てた家のことだろ?」
「え? そうなの?」
と、ルナは後ろで落ち込み気味の女性エルフに尋ねる。
彼女が落ち込んでいるのは、食パンが無くなったからホットサンドがもう作れない。そう話したからだ。
尋ねて来た時も、俺の顔を見て「ほっとさんどの異世界人」と言っていたし。
なんて覚えられ方だ。
「ほっとさんどの異世界人さんが住んでいた世界ではどうだか知らないけれど、ここではこの木をツリーハウスと呼ぶの。ねぇ、本当にもう無理なの?」
「小麦を栽培してください。そうしたらまた作れますから」
「まぁ!? じゃあ長老様にそうお話ししましょうっ」
「昨夜話はしました。そういう方向で行くみたいですよ」
途端に元気になるエルフ女性。
ここは彼女の一家が住む家で、ルンルン気分で中を案内してくれた。
「夫は森に薬草を摘みに行っているの。息子も今は他の子と遊びに行っているから気兼ねなく見ていってね」
「ど、どうも。それにしても、なんで木がこんな形に?」
「ツリーハウスだからよ。この木は私たちエルフと共存しているの。私たちが暮らしやすいように、自ら空洞を作るようにして成長するのよ」
理解しがたいけれど、異世界なんだからと無理やり納得するしかない。
階段の支柱になっているのも木の幹で、床板は別に取り付けたものらしい。
ところどころ壁──幹に穴があって、それが窓の役目をしていた。
「じゃあ里の巨木は全部?」
「ううん、違うのー。大きな木が全部ツリーハウスって訳じゃないんだよぉ」
「これは精霊が宿った木。意図的に宿らせたんじゃなく、精霊が好んで宿ったものよ。フンッ」
ツンっとしながらも説明してくれるネフィティア。
精霊が宿って、エルフと共存する巨木が『ツリーハウス』となるらしい。
うぅん……もう見たまんまを理解するしかないな。
「テント暮らしもいいけど、ツリーハウスも楽しそうだな」
「フンッ、残念だったわね。空きツリーはないのよ。ボクたちだってツリー待ちしているんだから」
「まさかの順番待ち……」
「ルナたちもツリーハウスが欲しいもん」
じゃあ俺はやっぱりテントか。ま、いいや。
「あら、じゃああのツリーハウスがいいんじゃない? ほら、大岩の隣の少し焦げちゃって、へそ曲げしちゃったアレ」
焦げた?
へそ曲がり?
「確かに焦げてるな」
ルナとネフィティアに連れて来て貰ったのは、高さ20メートル弱の準巨木だった。
上から見た時に、視力検査をするときに使うCマークに似た形になるんだろう。
「筒状に育っているんだな。この入口になっている所が焦げているけど、燃えたのか?」
「雷よ。空洞を形成する段階で雷が落ちてしまって、焦げて削れた部分が再生しないのよ」
「だからねぇ、天井も出来なかったのぉ」
ツリーハウスの内側から上を見上げると、確かに青空がよく見える。
木の枝が揺れているから風が吹いているんだろうけど、中までは届かないようだ。
「あれ? ここってテントを張るのに最適な場所じゃないか」
「使うなら長老様に報告しなさい。べ、別にボクが行ってやってもいいけどねっ」
「いやぁ、それはネフィティアに悪いよ。ところで大岩って?」
「イディノアさんが言ってた岩のことね。こっちこっちぃ」
ルナに手を引かれて外に出て、次はぐるりと裏手に回り込む。
なるほど、大きな岩だ。
何かの拍子に岩が転がり落ちてくるような、そういう状況だったらと不安があったけど大丈夫そうだ。
岩は大部分が地面に埋まっているみたいだけど、それでも見えているだけでも高さが5メートル以上はありそう。
「これなら転がったりしないだろうし、安心かな」
「なにあんた、大岩が転がって来て木を押し倒さないかとか考えてたわけ?」
「そりゃあ考えるさ。せっかく住み始めたのに、直ぐぺしゃんことか嫌だろ?」
「……意外とちゃんと考えてるのね。──べ、別に褒めてないわよっ」
「いや、何も言ってないし。まぁいいや。長老に報告すればいいんだよな」
昨夜の円形小屋へと行くと、五人衆のひとりだけがそこにいた。
「へそ曲がりのツリーハウスに住む? それは構わぬが、天井はないぞ。良いのか?」
「えぇ。テントを張って暮らそうと思っているので、天井は無くて結構です。幹が風を防いでくれるし、テント暮らしには最適な場所ですよ」
「テント暮らし? ほぉ、それは面白い。異世界のテントがどんなものか、見てみたいな」
・
・
・
「いや、だからってこの人数はいかがなものかと」
テントの組み立てから見たいと言う長老は、歩くたびに暇を持て余しているエルフに声を掛けて回った。
その結果、直径7、8メートルの準ツリーハウスの中には、三十人ぐらいのエルフが集まってしまった。
「なんだこの素材は? つるんとしているな」
「これが支柱になるのかしら? 鉄……にしてはぐにゃって曲がるわよ!?」
「あの、ちょっと……全部種類ごとに分けて置いてるんだから、あちこち持って行かないでくださいよっ」
「テントに網が付いているぞ。これはいったいなんだい?」
あぁぁーっ!
ぜんっぜん進まねぇーっ。
キャンプ本にある「初心者でも安心、組み立て解説!」を見ながらやってるのに、エルフが邪魔をする!
「俺だってこんなテント、初めて組み立てるんだから邪魔しないでくれよ!」
「ほぉほぉ、これはなかなか分かりやすい」
「あ、おい。本持っていかないでくれよ」
「これがこう?」
「待てまて、順番通りにやるんだ。ほら見ろ。この絵の順番でやるんだろう。えぇっと、ここにはなんて書いてある?」
ん?
言葉は通じているけど、文字は読めないのか。
「えぇっと、ここは──1、テントのフレームを立てる。フレームってのはこれだな」
「よし、出来たぞ」
「はぁ!?」
五人ぐらいがフレームをサクっと組み立ててしまった。
「「次っ」」
他のエルフたちが、自分の出番はまだかと言わんばかりに待機。
結局、俺は本に書いてある説明を読んだだけで、テントは完成してしまった。
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