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いくらなんでもドラゴンは無理!
「なのに俺はなんで、木から下りて走っているんだ!」
こんな性格だから、野球部も辞めさせられたんじゃないか。
余計なことをすれば、自分に返って来るんだ。
野球部の先輩が部活の帰りに金を要求してきたり、顧問がいない間に俺たち一年生に嫌がらせのようなしごきをしたり。
それを面と向かって抗議して、顧問にもそのことを話して。
結果どうなった?
退部させられたのは俺の方だっただろう。
あの時我慢していれば……。
我慢してでも野球を続けたかったのか、俺は。
見て見ぬふりをして──あの二人がドラゴンに食われるのを見ていればいいのか?
そんなの……
「出来る訳ないだろう! おい、こっちだっ」
追いかけられていた二人を見つけた。若い、俺とそう変わらない年齢の女の子二人だ。
顔がよく似ているのは、姉妹だからだろうか?
俺の『無』の効果はまだよく分かっていない。
たぶん、球体が触れたものが消滅する効果だとは思う。
けど今この場でそれは確認できないよな。何発か撃つと気絶するんだし。
「あれはドラゴンだよな!?」
「ち、違うよぉ。あのね、あのね……なんだっけネフィちゃん」
走りながら水色の髪の子が言う。
この二人、耳が長い!?
ま、まさかエルフってやつか!
「フォレスト・リザード。ドラゴンではない」
ネフィと呼ばれた、薄い緑色の髪の子のほうが言う。
逃げているっていうのに、もうひとりの子に特に危機感を持った表情はしていない。
「と、とにかくあれを倒さないと。──"無"!」
こんな小さな球体じゃあ、しっかり急所を狙わなきゃ倒せない。
急所と言えば心臓……は、蜥蜴相手に正確な場所なんか分からない。
分かっているのは──
「頭!!」
「こめかみっ」
「え? こめ──」
緑色の髪の方、ネフィだっけ。彼女の言うこめかみに視線を向けると、小さく光る物があった。
「あの光ってるのを狙えばいいのかっ」
「早くして。そろそろ走るの、限界よ」
「ルナはもう限界ーっ」
そう言って水色髪の子が、こけたーっ!?
狙いをつける余裕もないのかっ。
「くっそ。飛んでけ!」
こめかみに向かって飛ばした球体だが、少しだけ逸れた。
逸れたけど、
『グオオォォォッ』
右目に穴が空いた。
追いかけてくる蜥蜴の足が少し遅くなる。なったけど、まだだ。
まだ奴の足は止まっていない。
「もう一発! "無"」
奴の足が遅くなった分、一瞬でも立ち止まって狙いを定める時間が出来た。
球種はストレート!
「っしゃー。行けぇ!」
真っ直ぐ飛んだ黒い球体は、走る蜥蜴の額に──
「ストライクッ、バッターアウト!!」
吸い込まれるようにして、そこにあった蜥蜴の肉片と一緒に消滅した。
「……お見事」
「すっごい、すっごーい! とぉっても硬い核なのに、簡単にシュって消しちゃったぁ」
「い、いやぁ……はは。あ?」
蜥蜴の体が黒い靄になって消える?
あっという間に四散して、そこに残ったのは大きな鱗が一枚と半透明の大きな宝石?
「き、消えた!? どうなってるんだ」
「どうって、おでこの核が消えたからですよぉ。ルナだってそのぐらい知ってるのに、あなたは知らなかったんですかぁ?」
「いや、知らないって言うか」
そもそもこの世界に来たのが一昨日だし、何も教えられていないんだ。知らなくて当然だろ。
「ルナ。彼……異世界人よ」
「えぇぇ!?」
物静かな、いや、クールな印象の緑色の子は、俺が別の世界から来た人間だと気づいているようだ。
ルナと呼ばれる水色の子は分かっていないようだけど。
「いせかいじん?」
「別の世界から来た人間。そんなことより、里に帰るわよ」
「え、でも長老様に──」
「彼を連れて帰る。あの船についても、彼が──話してくれるわよね?」
緑の髪の子は、まるで威嚇でもするかのように俺を見た。
あの船ってのは、飛行船のことだろうな。
町に行けるっていうなら、こちらとしても有難い。
「俺は……そう、異世界人だ。でも望んでここに来た訳じゃない。無理やり召喚されて……俺だけ置いていかれたんだ」
「えぇ、どうしてどうしてぇ」
「それは──スキルの鑑定をされたときに、ユニークスキルなしって出たから」
二人は顔を見合わせ、それから俺をじっと見つめた。
エメラルドのような瞳の少女と、サファイアのような瞳の少女。
どちらも物凄く綺麗な子だ。
顔立ちは似ているというよりそっくりだけど、緑の子はクールな印象で、水色の子は愛らしい印象と、違いはある。
「でもでも、さっきすっごい魔法使ってたよねぇ」
「ユニークスキルなしなんて、わざわざ鑑定の水晶玉に出るかしら……」
「いや、あの。俺の個人的な考えなんだけどさ、『なし』じゃなく『む』だったみたいなんだ」
「「む?」」
声をハモらせ、更に二人は俺にぐいっと詰め寄った。
「そ、そそ、そう。いろいろ試してみたいとは思うんだけど、今朝、四発使って気絶したんだ」
「わぁー。さっき二回使いましたよねぇ?」
「気絶は困るわ。話はあとでいい。ついて来なさい」
「え、あ、待って! 荷物があるんだっ」
二晩お世話になった巨木の根元にリュックを置いて来た。走るのに邪魔だったから。
それを拾って二人の下へと走る。
「ふふ。じゃあエルフの里にご案内しまーっす。あのね、ルナはルナーリアっていうの。ルナって呼んでね」
「お、俺は鈴村翔。カケルでいいよ。えっと、君たちは姉妹?」
「うん。双子なの。それでね、そっちはネフィちゃん。ルナのほうがお姉さんなの」
「……ネフィティアよ」
人懐っこそうなほうが水色の子でルナ。
ちょっとツンとしたクールな感じの緑色の子の方がネフィティアか。
そしてやっぱり二人はエルフだった。
「改めてよろしく、ルナ、ネフィ」
「はぁい、よろしくお願いしまーっす」
笑顔で俺の手を握るルナ。
「……ふん。ネフィティアよ。気安くネフィなんて呼ばないで」
ツンっとそっぽを向くネフィ。
双子の姉妹といっても、性格はかなり違うみたいだ。
突然異世界に召喚されて三日目。
どうやら俺にも運が向いて来たかも?
「なのに俺はなんで、木から下りて走っているんだ!」
こんな性格だから、野球部も辞めさせられたんじゃないか。
余計なことをすれば、自分に返って来るんだ。
野球部の先輩が部活の帰りに金を要求してきたり、顧問がいない間に俺たち一年生に嫌がらせのようなしごきをしたり。
それを面と向かって抗議して、顧問にもそのことを話して。
結果どうなった?
退部させられたのは俺の方だっただろう。
あの時我慢していれば……。
我慢してでも野球を続けたかったのか、俺は。
見て見ぬふりをして──あの二人がドラゴンに食われるのを見ていればいいのか?
そんなの……
「出来る訳ないだろう! おい、こっちだっ」
追いかけられていた二人を見つけた。若い、俺とそう変わらない年齢の女の子二人だ。
顔がよく似ているのは、姉妹だからだろうか?
俺の『無』の効果はまだよく分かっていない。
たぶん、球体が触れたものが消滅する効果だとは思う。
けど今この場でそれは確認できないよな。何発か撃つと気絶するんだし。
「あれはドラゴンだよな!?」
「ち、違うよぉ。あのね、あのね……なんだっけネフィちゃん」
走りながら水色の髪の子が言う。
この二人、耳が長い!?
ま、まさかエルフってやつか!
「フォレスト・リザード。ドラゴンではない」
ネフィと呼ばれた、薄い緑色の髪の子のほうが言う。
逃げているっていうのに、もうひとりの子に特に危機感を持った表情はしていない。
「と、とにかくあれを倒さないと。──"無"!」
こんな小さな球体じゃあ、しっかり急所を狙わなきゃ倒せない。
急所と言えば心臓……は、蜥蜴相手に正確な場所なんか分からない。
分かっているのは──
「頭!!」
「こめかみっ」
「え? こめ──」
緑色の髪の方、ネフィだっけ。彼女の言うこめかみに視線を向けると、小さく光る物があった。
「あの光ってるのを狙えばいいのかっ」
「早くして。そろそろ走るの、限界よ」
「ルナはもう限界ーっ」
そう言って水色髪の子が、こけたーっ!?
狙いをつける余裕もないのかっ。
「くっそ。飛んでけ!」
こめかみに向かって飛ばした球体だが、少しだけ逸れた。
逸れたけど、
『グオオォォォッ』
右目に穴が空いた。
追いかけてくる蜥蜴の足が少し遅くなる。なったけど、まだだ。
まだ奴の足は止まっていない。
「もう一発! "無"」
奴の足が遅くなった分、一瞬でも立ち止まって狙いを定める時間が出来た。
球種はストレート!
「っしゃー。行けぇ!」
真っ直ぐ飛んだ黒い球体は、走る蜥蜴の額に──
「ストライクッ、バッターアウト!!」
吸い込まれるようにして、そこにあった蜥蜴の肉片と一緒に消滅した。
「……お見事」
「すっごい、すっごーい! とぉっても硬い核なのに、簡単にシュって消しちゃったぁ」
「い、いやぁ……はは。あ?」
蜥蜴の体が黒い靄になって消える?
あっという間に四散して、そこに残ったのは大きな鱗が一枚と半透明の大きな宝石?
「き、消えた!? どうなってるんだ」
「どうって、おでこの核が消えたからですよぉ。ルナだってそのぐらい知ってるのに、あなたは知らなかったんですかぁ?」
「いや、知らないって言うか」
そもそもこの世界に来たのが一昨日だし、何も教えられていないんだ。知らなくて当然だろ。
「ルナ。彼……異世界人よ」
「えぇぇ!?」
物静かな、いや、クールな印象の緑色の子は、俺が別の世界から来た人間だと気づいているようだ。
ルナと呼ばれる水色の子は分かっていないようだけど。
「いせかいじん?」
「別の世界から来た人間。そんなことより、里に帰るわよ」
「え、でも長老様に──」
「彼を連れて帰る。あの船についても、彼が──話してくれるわよね?」
緑の髪の子は、まるで威嚇でもするかのように俺を見た。
あの船ってのは、飛行船のことだろうな。
町に行けるっていうなら、こちらとしても有難い。
「俺は……そう、異世界人だ。でも望んでここに来た訳じゃない。無理やり召喚されて……俺だけ置いていかれたんだ」
「えぇ、どうしてどうしてぇ」
「それは──スキルの鑑定をされたときに、ユニークスキルなしって出たから」
二人は顔を見合わせ、それから俺をじっと見つめた。
エメラルドのような瞳の少女と、サファイアのような瞳の少女。
どちらも物凄く綺麗な子だ。
顔立ちは似ているというよりそっくりだけど、緑の子はクールな印象で、水色の子は愛らしい印象と、違いはある。
「でもでも、さっきすっごい魔法使ってたよねぇ」
「ユニークスキルなしなんて、わざわざ鑑定の水晶玉に出るかしら……」
「いや、あの。俺の個人的な考えなんだけどさ、『なし』じゃなく『む』だったみたいなんだ」
「「む?」」
声をハモらせ、更に二人は俺にぐいっと詰め寄った。
「そ、そそ、そう。いろいろ試してみたいとは思うんだけど、今朝、四発使って気絶したんだ」
「わぁー。さっき二回使いましたよねぇ?」
「気絶は困るわ。話はあとでいい。ついて来なさい」
「え、あ、待って! 荷物があるんだっ」
二晩お世話になった巨木の根元にリュックを置いて来た。走るのに邪魔だったから。
それを拾って二人の下へと走る。
「ふふ。じゃあエルフの里にご案内しまーっす。あのね、ルナはルナーリアっていうの。ルナって呼んでね」
「お、俺は鈴村翔。カケルでいいよ。えっと、君たちは姉妹?」
「うん。双子なの。それでね、そっちはネフィちゃん。ルナのほうがお姉さんなの」
「……ネフィティアよ」
人懐っこそうなほうが水色の子でルナ。
ちょっとツンとしたクールな感じの緑色の子の方がネフィティアか。
そしてやっぱり二人はエルフだった。
「改めてよろしく、ルナ、ネフィ」
「はぁい、よろしくお願いしまーっす」
笑顔で俺の手を握るルナ。
「……ふん。ネフィティアよ。気安くネフィなんて呼ばないで」
ツンっとそっぽを向くネフィ。
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