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28-本日の営業は夜までお休みです
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【本日の営業は夜までお休みです】
銭湯の入り口にそう書いた看板を立て、魔人王が破壊した風呂場の壁を修繕する。
「ごめんなのじゃあ」
「分かった分かった。もういいからベソかくな」
「あぃ」
魔人王は俺の隣で割れた板を剥がす手伝いをしている。
足元ではノームたちが破片の掃除をしていた。
新しく切り出した槇を、綺麗にはがした部分に当てて嵌め込んでいく。
全部終わるのに1時間ほどで完成したが、その頃にはすっかり腹も減って。
-ぐぎゅるるるるる。
「俺じゃないぞ」
「……わ、妾じゃ! わ、悪いかっ」
「いや、悪くない。作業も終わったし、飯を食いにいくか」
「わぁーい」
バンザイをして風呂場から駆けていく姿をみると、ただの子供にしか見えないなぁ。
「"ウンディーネ、浴槽に入った木くずを全部外に出して流しておいてくれ"」
水の下位精霊ウンディーネにそう命じると、どこからともなく宙を漂うマンボウが現れた。
土の精霊ノームはモルモット。水の精霊はマンボウ。
ふ。最近見慣れてきて、むしろ彼らが仕事をする姿が愛らしくさえ思えてきた。
「あとは表の看板を引っこ抜いておかないとな」
「妾がやるのだ~」
とととっと駆けて銭湯を出ていくと、外から「ふんぬぅーっ」という子供の声が聞こえた。
そこだけおっさんくさい。
「よし、帰るか」
外に出て撤去した看板を振り回す魔人王に声をかけると、彼女はきょとんとした顔で俺を見上げた。
「どうした」
「……妾は……どこに帰ればいいのじゃ?」
「ん? 俺の家だが」
「い、行ってもいいのかえ?」
いいもなにも、魔人王なんかにその辺をうろうろされた方が困る。
「結界を解いてお前を起こしたのは俺だ。面倒はちゃんと見る。それよりもお前、さっきみたいに突然魔力を収束してあちこち破壊してまわらないでくれよ」
「わ、分かったのじゃ。気を付けるのじゃ!」
そう言って嬉しそうに駆け出す魔人王。
こうして見ると本当に人間の女の子そのものなんだがな。
それでも内に悪魔族の王、魔人王の魂が僅かだが宿っているわけで。
「おーい、ところでお前。俺の家がどこなのか分かっているのかー?」
そう呼び掛けると、少女はピタリと足を止めた。
そして振り返ってにへらと笑い「知らぬ」と。
じゃあお前はいったいどこに向かって走っていたんだ。
「ここが俺の家だ」
「おおぉぉー」
「よし。じゃあ飯に行くぞ」
「おぉー! ……え? 行くのかや?」
「あぁ、行くんだ」
何を当たり前のことを言っているのか。魔人王は俺が料理をするとでも思ったのか?
間もなく夏になろうかというこの時期、空腹もだいぶん限界になった時間だが、外はまだまだ明るい。
駆けて出す魔人王に右だ左だと指示しながらセレナの家へと到着。
魔人王が開けた穴を俺たちが修理している間に、彼女は晩飯の支度をしてくれていた。クローディアと一緒に。
「ただいま。穴の修理今終わったよ。はぁ、腹がペコペコだ」
「ご苦労さまですケンジさん。デーモン・ロードちゃんもお疲れ様」
「ここでご飯を食べるのかえ?」
「あぁそうだ。俺は料理ができない。だからセレナのお世話になっている。美味いぞぉ、セレナの料理は」
などと言っている間に料理が運ばれてきた。
俺だってただ座っているだけじゃない。最近はどの棚にスプーンがあってフォークが入っているのか完璧に覚えた。
人数分のそれらを用意して並べてから、次に果物とコップを準備する。
極小の『重力《グラビティー》』で果物を圧縮すれば、果汁が絞り出される。それをコップに注げば、100%ジュースの出来上がりだ。
「ありがとうございますケンジさん」
「魔法の間違った使い方だ」
「いいだろ、便利なんだから。あ、魔人王は真似をするなよ。魔力操作を少しでも間違えれば、家汁が絞られるからな」
「家にも汁があるのかえ?」
「ない。とにかく真似はするな。いいな?」
こくこくと素直に頷く魔人王。
それから四人揃ってテーブルに着き、俺とセレナ、そしてクローディアの三人がいただきますと手を合わせる。
「デーモン・ロードちゃん、こうするのよ」
お手本を見せるようにセレナが手を合わせなおす。
「真似してもいいのじゃな?」
「あぁ。魔法の類でなければいい」
「うむ、では──こうか?」
「そう。それでね、食べ物をくれた大地や空、そして肉になった動物たちに感謝する気持ちを込めて『いただきます』って言うの」
手をパチンと合わせて、セレナを見ながらぼそりと「いただき、ま、す?」と呟く。
「はい、どうぞ召し上がれ」
セレナがそう返事を返すと、ぱぁっと花が咲いたように明るい表情となって──そして料理をがっつく魔人王。
そういえば悪魔となった肉体でも、食は必要なのだろうか。
いやデーモンは人間と食べてはいるが、それが肉体の維持に必要だからなのか、たんなる欲望なのかは分からない。
「魔人王。お前は食事をとる必要があるのか?」
「んぐんぐ。ない」
「ないのかよ!」
「でもリリカがお腹を空かせているのだ」
「リリカちゃん、起きたの?」
セレナのその問いには首を左右に振る。
眠ったままだが、それでも空腹感を感じているのだと魔人王は説明した。
「それに体を動かすと、リリカの記憶にあるお腹が空いたときと同じような症状があるのだ。おそらく妾の魂がちっこ過ぎるから、肉体も完全には魔人化できておらぬのじゃ」
「肉体は衰えないが、体力は消耗する──か」
「恐らくそうなのじゃ。だから妾は食べるのじゃよ。おかわりなのじゃー」
「はいはい。あ、ケンジさん」
魔人王のおかわりをよそいながら、セレナがにこりと微笑んで俺を見る。
「明日から鶏集め、再開してくださいね」
……すっかり忘れていたあぁぁっ。
銭湯の入り口にそう書いた看板を立て、魔人王が破壊した風呂場の壁を修繕する。
「ごめんなのじゃあ」
「分かった分かった。もういいからベソかくな」
「あぃ」
魔人王は俺の隣で割れた板を剥がす手伝いをしている。
足元ではノームたちが破片の掃除をしていた。
新しく切り出した槇を、綺麗にはがした部分に当てて嵌め込んでいく。
全部終わるのに1時間ほどで完成したが、その頃にはすっかり腹も減って。
-ぐぎゅるるるるる。
「俺じゃないぞ」
「……わ、妾じゃ! わ、悪いかっ」
「いや、悪くない。作業も終わったし、飯を食いにいくか」
「わぁーい」
バンザイをして風呂場から駆けていく姿をみると、ただの子供にしか見えないなぁ。
「"ウンディーネ、浴槽に入った木くずを全部外に出して流しておいてくれ"」
水の下位精霊ウンディーネにそう命じると、どこからともなく宙を漂うマンボウが現れた。
土の精霊ノームはモルモット。水の精霊はマンボウ。
ふ。最近見慣れてきて、むしろ彼らが仕事をする姿が愛らしくさえ思えてきた。
「あとは表の看板を引っこ抜いておかないとな」
「妾がやるのだ~」
とととっと駆けて銭湯を出ていくと、外から「ふんぬぅーっ」という子供の声が聞こえた。
そこだけおっさんくさい。
「よし、帰るか」
外に出て撤去した看板を振り回す魔人王に声をかけると、彼女はきょとんとした顔で俺を見上げた。
「どうした」
「……妾は……どこに帰ればいいのじゃ?」
「ん? 俺の家だが」
「い、行ってもいいのかえ?」
いいもなにも、魔人王なんかにその辺をうろうろされた方が困る。
「結界を解いてお前を起こしたのは俺だ。面倒はちゃんと見る。それよりもお前、さっきみたいに突然魔力を収束してあちこち破壊してまわらないでくれよ」
「わ、分かったのじゃ。気を付けるのじゃ!」
そう言って嬉しそうに駆け出す魔人王。
こうして見ると本当に人間の女の子そのものなんだがな。
それでも内に悪魔族の王、魔人王の魂が僅かだが宿っているわけで。
「おーい、ところでお前。俺の家がどこなのか分かっているのかー?」
そう呼び掛けると、少女はピタリと足を止めた。
そして振り返ってにへらと笑い「知らぬ」と。
じゃあお前はいったいどこに向かって走っていたんだ。
「ここが俺の家だ」
「おおぉぉー」
「よし。じゃあ飯に行くぞ」
「おぉー! ……え? 行くのかや?」
「あぁ、行くんだ」
何を当たり前のことを言っているのか。魔人王は俺が料理をするとでも思ったのか?
間もなく夏になろうかというこの時期、空腹もだいぶん限界になった時間だが、外はまだまだ明るい。
駆けて出す魔人王に右だ左だと指示しながらセレナの家へと到着。
魔人王が開けた穴を俺たちが修理している間に、彼女は晩飯の支度をしてくれていた。クローディアと一緒に。
「ただいま。穴の修理今終わったよ。はぁ、腹がペコペコだ」
「ご苦労さまですケンジさん。デーモン・ロードちゃんもお疲れ様」
「ここでご飯を食べるのかえ?」
「あぁそうだ。俺は料理ができない。だからセレナのお世話になっている。美味いぞぉ、セレナの料理は」
などと言っている間に料理が運ばれてきた。
俺だってただ座っているだけじゃない。最近はどの棚にスプーンがあってフォークが入っているのか完璧に覚えた。
人数分のそれらを用意して並べてから、次に果物とコップを準備する。
極小の『重力《グラビティー》』で果物を圧縮すれば、果汁が絞り出される。それをコップに注げば、100%ジュースの出来上がりだ。
「ありがとうございますケンジさん」
「魔法の間違った使い方だ」
「いいだろ、便利なんだから。あ、魔人王は真似をするなよ。魔力操作を少しでも間違えれば、家汁が絞られるからな」
「家にも汁があるのかえ?」
「ない。とにかく真似はするな。いいな?」
こくこくと素直に頷く魔人王。
それから四人揃ってテーブルに着き、俺とセレナ、そしてクローディアの三人がいただきますと手を合わせる。
「デーモン・ロードちゃん、こうするのよ」
お手本を見せるようにセレナが手を合わせなおす。
「真似してもいいのじゃな?」
「あぁ。魔法の類でなければいい」
「うむ、では──こうか?」
「そう。それでね、食べ物をくれた大地や空、そして肉になった動物たちに感謝する気持ちを込めて『いただきます』って言うの」
手をパチンと合わせて、セレナを見ながらぼそりと「いただき、ま、す?」と呟く。
「はい、どうぞ召し上がれ」
セレナがそう返事を返すと、ぱぁっと花が咲いたように明るい表情となって──そして料理をがっつく魔人王。
そういえば悪魔となった肉体でも、食は必要なのだろうか。
いやデーモンは人間と食べてはいるが、それが肉体の維持に必要だからなのか、たんなる欲望なのかは分からない。
「魔人王。お前は食事をとる必要があるのか?」
「んぐんぐ。ない」
「ないのかよ!」
「でもリリカがお腹を空かせているのだ」
「リリカちゃん、起きたの?」
セレナのその問いには首を左右に振る。
眠ったままだが、それでも空腹感を感じているのだと魔人王は説明した。
「それに体を動かすと、リリカの記憶にあるお腹が空いたときと同じような症状があるのだ。おそらく妾の魂がちっこ過ぎるから、肉体も完全には魔人化できておらぬのじゃ」
「肉体は衰えないが、体力は消耗する──か」
「恐らくそうなのじゃ。だから妾は食べるのじゃよ。おかわりなのじゃー」
「はいはい。あ、ケンジさん」
魔人王のおかわりをよそいながら、セレナがにこりと微笑んで俺を見る。
「明日から鶏集め、再開してくださいね」
……すっかり忘れていたあぁぁっ。
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