異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔

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 そのマジックアイテムを発動させるためには、魔術の心得のある奴じゃないとダメらしい。
 聞いてみると、セシリアのような精霊使いでもいいんだとか。なんだったら神官でもOKとのこと。

「他にも、収集品の買取は期間中に限り査定額から一割増で買取しております。あ、当然ですが、階層情報、モンスター情報は随時買取しておりますよ。こちらも期間中は一割増の代金をお支払いいたします」
「その辺りは早いもん勝ちですよね」
「信憑性の問題もありますので、情報に関してはその場でお支払いは出来ません。同じ情報を複数の冒険者から得られた時点で、それまで提供してくださった皆様にお支払いする形なのですよ」

 情報は期間中ずっと買取している訳ではなく、ある程度揃えば締め切ってしまう──とも。
 なるほど。たったひとり、または一組の情報を鵜呑みにするわけじゃないのか。
 なかなかしっかりしている。

 だが早くダンジョンに入った冒険者のほうが有利だ。
 問題は──

「階層情報とかって、上層と下層では値段が違ったりするんですか?」
「ふふ、もちろんです」

 手堅く地下一、二階の情報をパパっと売りに行くか、もっと潜って売りに行くか。
 当然上層の情報は直ぐに集まるだろうから、下層を目指している間に「もういらない」情報量に達するだろう。
 楽して稼げるから、スタートダッシュはみんな必死だろうな。

「ね、ね、リヴァ」

 隣でセシリアが服の袖を引っ張る。

「どうしたセシリア」
「ん。あの入口近くの穴、どうなったかなぁと思って」
「あぁ、あの穴か……底がどこに続いているかとはか?」

 職員に尋ねたが、彼女の首を左右に振った。

「ライトの魔法を落してみましたが、かなり深いってことしか分かりませんね。途中で術者との距離が離れすぎて効果が切れてしまいましたから」
「効果範囲ってどのくらいなんです?」
「百メートルはございますよ」

 つまりあの穴の底までは、少なくとも百メートルはあるってことか。
 落ちたらいっかんの終わりだ。

「お二人も探索にご参加されますか?」
「んー……したいのはやまやまだけど、人数制限あるんですよね?」
「はい。一階以外はまだどんなモンスターが生息するかも分かりませんので、最低限の人数を指定させて頂いております。今回は五人ですね」

 俺たちは二人だし、三人足りない。
 それに俺の戦い方はパーティーだと効果を発揮しないからな。

 でも……行きたい。

「リヴァ、せっかくだから行こうよ」
「あ、あぁ……でも俺の一時停止が……」
「リヴァはあのスキル無くても平気。だって強いもん。体力も筋力も、普通の人より高いでしょ?」

 一時停止をまったく使わない状況というのは、いまいち不安がある。
 彼女の言う通り、特に体力の数値は高い方だろう。
 神父の魔力が2000超えでSランク冒険者だっていうのを考えると、俺もまだまだ未熟なんだろうけど。

 けど、Sランクじゃなきゃ攻略出来ないようなダンジョンなら、直ぐに引き返せばいい。
 それが可能なアイテムだってある。

「よし。じゃあ残り三人、探してみるか」
「うん、はいっ」
「ふふ、頑張ってくださいね。お二人には期待していますので」

 ギルド職員に見送られ、俺とセシリアは席を立った。
 メンバーを探すなら建物の外の方がいいだろう。

 そう思ったのだが──

「もし。よかったら私たちと一緒に、探索パーティーはどうでしょう?」

 そう声を掛けてきた三人組が現れた。

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