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「おはよう! 今日も体力をありがとう!」
朝、目を覚ましてステータス強奪で体力を2貰う。それから飯を食って、丘向こうにあるサバンナのような平原で狩りをし、夜はテントでぐっすり安眠。
夜にしか気づかなかったが、奴の体は静電気が弾けたようにあちこちチカチカと光っている。日中だと分からない程度の、小さな光だ。
そこで奴の事を『電気くん』と呼ぶことにした。
肝心のレア個体は百体に一体ぐらいの割合だと聞いたが、ここでは十体に一体ぐらいがレアだった。
一日に二体ぐらいは狩れたが、獲り過ぎると絶滅しかねない。
少し余分に狩っても、八体分で辞めることにした。
「ルガーウルフは夜にしか現れないんだっけ?」
「うん、はい。昼は寝てて、夜になったら巣穴から出てくぅの」
「巣穴を襲撃すれば一網打尽に出来ないか?」
「んー……巣穴どこかわかあないし、いっぱいよ?」
巣穴にいっぱいルガーウルフがいるってことか。
一網打尽にするつもりが、失敗すればこっちが喰われてしまうってことにもなりかねない。
やっぱり個別に狩る方がいいのか。
生活リズムを変えるために徹夜して、体を慣らすのに三日かけた。
万全の態勢でいざルガーウルフ探しだ!
それからは明け方に狩りを終えて戻って来ると、飯を食って一休みしたら寝る。
昼過ぎに起きたらステータス強奪して遅めの昼飯に。それから適当に素材になりそうな奴を狩って、暗くなったらルガーウルフ狩りだ。
ルガーウルフはキックバードと違って、単独か、多くても二、三頭でしか行動していない。
しかも平原だけじゃなく、東側の森にもいるってんで捜索範囲が広すぎる。
「はぁ……今日もただのルガーウルフをようやく二頭見つけられただけか。なぁ、これってレアじゃないんだよな?」
「んー、レアの子がどんなのかしあないけど、たぶん違うの」
三日で倒したルガーウルフは五頭。発見した奴も入れるともう少し多いけど、全部毛色は同じだ。
限りなく白に近いグレーの毛並みに、背中から尻尾に掛けて黒い毛が生えている。頭には小さな角があって、これがなければただの狼だ。もちろん狼より一回りデカいけど。
レア個体の毛色を聞いておくんだったなぁ。
「そろそろ解体しなきゃならない獲物も増えてきたし、今日は早めに引き上げるか」
「そうね。キックバーオも袋に入ぇっぱなしだもんね」
問題は……俺が解体未経験ってことだ。
セシリアがやるのを見て、覚えなきゃなぁ。
丘を下りて森に行こうとした時だ──
「ぐあぁぁっ」
平原から人の声が聞こえた。
朝、目を覚ましてステータス強奪で体力を2貰う。それから飯を食って、丘向こうにあるサバンナのような平原で狩りをし、夜はテントでぐっすり安眠。
夜にしか気づかなかったが、奴の体は静電気が弾けたようにあちこちチカチカと光っている。日中だと分からない程度の、小さな光だ。
そこで奴の事を『電気くん』と呼ぶことにした。
肝心のレア個体は百体に一体ぐらいの割合だと聞いたが、ここでは十体に一体ぐらいがレアだった。
一日に二体ぐらいは狩れたが、獲り過ぎると絶滅しかねない。
少し余分に狩っても、八体分で辞めることにした。
「ルガーウルフは夜にしか現れないんだっけ?」
「うん、はい。昼は寝てて、夜になったら巣穴から出てくぅの」
「巣穴を襲撃すれば一網打尽に出来ないか?」
「んー……巣穴どこかわかあないし、いっぱいよ?」
巣穴にいっぱいルガーウルフがいるってことか。
一網打尽にするつもりが、失敗すればこっちが喰われてしまうってことにもなりかねない。
やっぱり個別に狩る方がいいのか。
生活リズムを変えるために徹夜して、体を慣らすのに三日かけた。
万全の態勢でいざルガーウルフ探しだ!
それからは明け方に狩りを終えて戻って来ると、飯を食って一休みしたら寝る。
昼過ぎに起きたらステータス強奪して遅めの昼飯に。それから適当に素材になりそうな奴を狩って、暗くなったらルガーウルフ狩りだ。
ルガーウルフはキックバードと違って、単独か、多くても二、三頭でしか行動していない。
しかも平原だけじゃなく、東側の森にもいるってんで捜索範囲が広すぎる。
「はぁ……今日もただのルガーウルフをようやく二頭見つけられただけか。なぁ、これってレアじゃないんだよな?」
「んー、レアの子がどんなのかしあないけど、たぶん違うの」
三日で倒したルガーウルフは五頭。発見した奴も入れるともう少し多いけど、全部毛色は同じだ。
限りなく白に近いグレーの毛並みに、背中から尻尾に掛けて黒い毛が生えている。頭には小さな角があって、これがなければただの狼だ。もちろん狼より一回りデカいけど。
レア個体の毛色を聞いておくんだったなぁ。
「そろそろ解体しなきゃならない獲物も増えてきたし、今日は早めに引き上げるか」
「そうね。キックバーオも袋に入ぇっぱなしだもんね」
問題は……俺が解体未経験ってことだ。
セシリアがやるのを見て、覚えなきゃなぁ。
丘を下りて森に行こうとした時だ──
「ぐあぁぁっ」
平原から人の声が聞こえた。
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