上 下
23 / 58
第2章

依頼達成と初めにあるべき展開

しおりを挟む
色々ありながら、朝ごはんを食べ終えた俺たちは本来の目的のダンジョンの調査に向けてダンジョンに向けて歩みを進めた。

「だいぶ歩いたけどここら辺にあるはずなんだけどなぁ」

ギルドでもらった地図を見ても、ダンジョンの近くにいるはずなのだが......

「周りを見ても木々が鬱蒼としてるだけだもんな。うーん...」

「どうするエリック、手分けして探す?」

「いや、いい。一応手はあるからな」

「何か考えがあるの?」

「まぁな」

もちろん嘘は言ってない。俺のスキルの空間神を使えばどこにあるかわかる......はずだ。

(よし、やるか補助よろしくな。えぇーっと......)

⦅はい!⦆

(呼び方考えないとな......)

そんなことを考えながら空間神を発動する。

(.........あれ?)

ダンジョンは発見できた......だが

「ダンジョン埋もれてんじゃねーよ!」

「きゃっ!」

⦅恐らく、ワイバーンを掃討した時の魔法で入口が無くなったんだと思います。地形を直した時は森の木々や草を直した時だけですので...⦆

「ど、どうしましたか、ご主人様?」

(確かに、それを想像して復活させたけどさ、ダンジョンがあるだなんて知らなかったんだよ!)

⦅お、怒らないでください。とりあえず1件落着じゃないですかぁ!⦆

(お、おう。ごめんな)

確かに、依頼理由としてはレベルの高い魔物やらが出るから調査をしろだったがそもそも出られないのではもう危険がなくなった......はず。

「ちょっと、ご主人様ぁ!」

(それじゃあ......帰っていいのか?)

⦅ダンジョンの入口が無くなったので調査が出来なかったでいいんじゃないでしょうか?⦆

(ま、まぁ、そうだな。それじゃあ...帰るか!)

⦅そうしましょう!⦆

「無視しないでくださぁーい!」




「────ということだから帰るぞ!」

「それなら仕方ないですね!」

「帰ったらどうするのエリック?」

「それはもちろん......寝るんだよ!」

「「「「え?」」」」

4人全員が同じ反応をした。

「だって、ずっと森の中を歩いてたんだぞ!結構疲れるし、それを補うには寝る以外に何がある!」

「エリック......一応貴族なんだよ?」

「それは分かってるさ!」

「ふふっ、エリックらしいね!でも、人が多いところでは言わない方がいいよ!」

「それは分かってるって!それじゃあ帰るか!」

そう言って元来た道を引き返していく。
道と言ってもけもの道だが。
帰るのに転移もありだが、武器を使っての戦いはほとんどしてないため、みんなで闘いながら帰ることにした。

デモンがいないため、俺がデモンの代わりをする。
敵の攻撃を剣でそらしたりするだけだ。
刃が敵に当たったらそれだけで勝負がついてしまう。
この役目、結構きつい。




しばらく敵を倒しながら進んでいた。

「結構近くに道なんかあったんだな」

馬車などで踏み固められた道だが、割としっかりしている。

「これに沿って歩いて行けば王都に着くよ!」

「ルル、なんで知ってるんだ?」

「私はこれでも結構頭いいんだよ?」

「自画自賛かよ」

「ルーちゃんは、あたま、いい」

「そーですよ!ルーちゃんはすんごく頭いいんですよご主人様!」

「そうなのか?」

「うん、そうだよ!王立のがくえ「この先で人が襲われてる!」」

「ほんとですか?」

俺は戦闘のために常時空間神を発動していた。
500メートルほど先で戦闘が起こっていた。1つの馬車を囲むように人が6人。さらにそれを囲むように10人ほど。
おそらくこの6人は馬車を守っている護衛だ。
そしてこの10人が敵。
......人?

「やばい!盗賊に襲われてる!」

「えぇっ!こんな強い魔物がいるところに盗賊なんかいるの!?」

「ということは相当の手練だな」

「う、うん」

「よし、いくぞ!」

「え、ちょっとー!」

俺はみんなを置き去りにして走った。




あのステータスなので10歩程で着いてしまった。

「大丈夫ですか!?」

「き、君は誰だ!お前もこいつらの仲間か!」

「違います!たまたま通りかかったら襲われていたので助けきただけです!」

周りを見れば戦っていた者もびっくりしてこっちを見ている。
護衛のうち、2人は生きているものの、虫の息状態だ。
護衛の人達は銀色をした鎧を着ている。

「下がっていてください!僕がやります!」

「君が危ないぞ!こいつらは相当の手練だ!」

「大丈夫ですよ!まぁ、見ていてください」

(さて、何を使おうかな?)

そう思いながらちらっと自分のステータスを見た。

(よし、これだ!)

『グラビティコントロール!』

ドゴォン!

そう唱えた瞬間、盗賊たち10人が一気にうつ伏せの状態になった。
それと同時に地面が1mほど陥没してしまった。

「なんだ今の魔法は!」

「グラビティコントロールは闇魔法のレベルが12以上いるはずだぞ!」

(あ、やっべ何も考えずに魔法を使ってしまった)

「うぐぐっ...な、なんだ...こ...のまほ...う...は」

盗賊たちは動けそうにない。

「はっ!す、助太刀感謝する!私は王族護衛騎士団、王女護衛隊の隊長だ。君の名前を聞いてもいいか?」

「エリックです」

「そうか、エリックというのか!本当にありがとうな!」

「いえいえ、感謝をされるようなことではないですよ」

「それでも助けて貰ったことは事実だ。本当にありがとう」

すると後ろの方から声がした。

「ご主人様は早すぎますー!はぁ、はぁ、はぁ」

「置いていかないでよエリック!」

「ごめんごめん、早く行かなくちゃって焦ってたから」

「もぉー。......ん?」

「どうした?」

「その馬車にある紋章って......」

「そういえばその馬車すごく豪華だな」

「当たり前じゃない!」

「ふぇ?」

たしかにすごい豪華な馬車だ。フレームが金色でできており、基本の色は赤でいろんな飾りがある。

「1つお聞きしても?」

珍しくルルが敬語を使ったので驚いた。

「いいぞ」

「もしかして......王族の方ですか?」

「あぁそうだ」

「王族?てことは公爵様の?」

「何を言ってるのエリック?公爵様は公爵様だよ?」

「え?あの人が王様じゃないのか?」

「もぅ、あの人は悪戯が好きなんだから!」

「え?」

「エリックは公爵様に騙されてるんだよ!国王陛下がいて、その下に公爵とかの貴族があるんだよ?」

「あの人俺を騙したのか!?」

「騙す騙されるの前に常識がないだけだよ」

ルルは苦笑しながら言う。

ガチャ

不意に馬車の扉が開いた。
そして中から出てきたのは何回か家で見たことがある人だった。
金髪のロングヘアを腰まで伸ばし、身長はルルと同じで、年齢も確か同じだったはず。
顔はかわいい系の美少女だ。
胸はそれなりにあるな。

「お、王女様!」

騎士の人がそう叫び、片膝をいて下を向き、胸に手を当てた。
これは家で教えられたことがある。
確か最上級の挨拶だった......と思う。

「......よー!エリンだ!久しぶりだな!」

たまに家に来るお客の娘さんがエリンで、お父さんとの会話には参加しないことが多かったからルルと一緒に3人で遊んだ事があったので覚えている。

「おい!王女様に失礼だろ!助けたとはいえ冒険者風情が立場をわきまえろ!」

「いいえ、立場をわきまえるべきはあなたです、レクトさん」

「なぜです!こんな冒険者より立場が私の方が下だというのですか?」

「ええ、そうよ。こちらにいるのはリック侯爵の息子、エリック・ミラ・アウィーズ様ですよ!」

「ほ、本当か......ですか?」

「はい、本当ですよ」

俺は懐から貴族証を出して見せた。

「す、すいませんでしたぁ!」

騎士隊長の声が森に響き渡った。





◆❖◇◇❖◆◆❖◇◇❖◆◆❖◇◇❖◆
ちょっと遅れてしまいました( ̄▽ ̄;)
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界に転生した俺は元の世界に帰りたい……て思ってたけど気が付いたら世界最強になってました

ゆーき@書籍発売中
ファンタジー
ゲームが好きな俺、荒木優斗はある日、元クラスメイトの桜井幸太によって殺されてしまう。しかし、神のおかげで世界最高の力を持って別世界に転生することになる。ただ、神の未来視でも逮捕されないとでている桜井を逮捕させてあげるために元の世界に戻ることを決意する。元の世界に戻るため、〈転移〉の魔法を求めて異世界を無双する。ただ案外異世界ライフが楽しくてちょくちょくそのことを忘れてしまうが…… なろう、カクヨムでも投稿しています。

魔境へ追放された公爵令息のチート領地開拓 〜動く屋敷でもふもふ達とスローライフ!〜

西園寺若葉
ファンタジー
公爵家に生まれたエリクは転生者である。 4歳の頃、前世の記憶が戻って以降、知識無双していた彼は気づいたら不自由極まりない生活を送るようになっていた。 そんな彼はある日、追放される。 「よっし。やっと追放だ。」 自由を手に入れたぶっ飛んび少年エリクが、ドラゴンやフェンリルたちと気ままに旅先を決めるという物語。 - この話はフィクションです。 - カクヨム様でも連載しています。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

1枚の金貨から変わる俺の異世界生活。26個の神の奇跡は俺をチート野郎にしてくれるはず‼

ベルピー
ファンタジー
この世界は5歳で全ての住民が神より神の祝福を得られる。そんな中、カインが授かった祝福は『アルファベット』という見た事も聞いた事もない祝福だった。 祝福を授かった時に現れる光は前代未聞の虹色⁉周りから多いに期待されるが、期待とは裏腹に、どんな祝福かもわからないまま、5年間を何事もなく過ごした。 10歳で冒険者になった時には、『無能の祝福』と呼ばれるようになった。 『無能の祝福』、『最低な能力値』、『最低な成長率』・・・ そんな中、カインは腐る事なく日々冒険者としてできる事を毎日こなしていた。 『おつかいクエスト』、『街の清掃』、『薬草採取』、『荷物持ち』、カインのできる内容は日銭を稼ぐだけで精一杯だったが、そんな時に1枚の金貨を手に入れたカインはそこから人生が変わった。 教会で1枚の金貨を寄付した事が始まりだった。前世の記憶を取り戻したカインは、神の奇跡を手に入れる為にお金を稼ぐ。お金を稼ぐ。お金を稼ぐ。 『戦闘民族君』、『未来の猫ロボット君』、『美少女戦士君』、『天空の城ラ君』、『風の谷君』などなど、様々な神の奇跡を手に入れる為、カインの冒険が始まった。

転移した場所が【ふしぎな果実】で溢れていた件

月風レイ
ファンタジー
 普通の高校2年生の竹中春人は突如、異世界転移を果たした。    そして、異世界転移をした先は、入ることが禁断とされている場所、神の園というところだった。  そんな慣習も知りもしない、春人は神の園を生活圏として、必死に生きていく。  そこでしか成らない『ふしぎな果実』を空腹のあまり口にしてしまう。  そして、それは世界では幻と言われている祝福の果実であった。  食料がない春人はそんなことは知らず、ふしぎな果実を米のように常食として喰らう。  不思議な果実の恩恵によって、規格外に強くなっていくハルトの、異世界冒険大ファンタジー。  大修正中!今週中に修正終え更新していきます!

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

処理中です...