98 / 124
99.私と安菜だけの誓い
しおりを挟む
はーちゃんの光は、激しすぎた。
とっさに目を両腕でかばうしかなかった。
不思議と、熱も、音も、衝撃さえない。
ただ、光が消えるまでの間に、たしかに聞いたんだ。
『これにて、おさらばです』
はーちゃんの最後の声が。
声と光が消えると、また夜につつまれた。
焦りながら、やっと目がなれてきた。
ボルケーナ女神像は、消えていた。
ウイークエンダーは、コントロールが戻ってる。
私が最後にだした操作にしたがって、膝をついていく。
私はかけ戻る。
安菜も一緒についてきた。
だけど。
「安菜、これ持って避難して! 」
炊き出しの袋を、押し付けた。
それを安菜は押し返して。
「はーちゃん関連の指示をだすのは私だよ。
避難してほしいなら、まずコクピットの様子を見て! 」
そうなのかな?
まあ、反論するのもめんどくさかったから、それにしたがう。
スマホは、今度はちゃんと使えた。
これで、監視カメラの映像が見れる。
コクピットは、真っ白だった。
「はーちゃんが燃えてる! 」
熱源探知に切り替えると、いちばん熱い所が見えた。
白いのは、煙なんだ!
「他の部分は、自動検査がすむまで、まだ・・・・・・」
また焦ってしまう。
検査はまだかかる。
これまでの戦いで壊れた部分が、律儀に表示されていく。
画面に目を走らせるけど、もどかしい。
表示が端から、下に流れてく。
「一番重要な操作は、はーちゃんがやったはず」
おびえる声で言われた。
安菜から。
「その煙は、操作の負荷に耐えられなかったからだと思う」
そっ、それは、考えられる事だけど。
「うさぎ、はーちゃんを緊急脱出させて」
お願いと一緒に、銀の鎖につながれた黒い宝石。
メガ・エニシング・キュア・キャプチャーのネックレスをわたされた。
「いきなり何言うの!? 」
でも、安菜は止まらない。
「放棄、と言って良い」
私は、その言葉の冷たさに逆らった。
「放棄だなんてそんな! 」
初めて合った、地下の研究室。
あそこで聞いた笑い声が忘れられない。
あれが、私たちと同じ心を持つ証拠だと思ってた。
でも。
「はーちゃんは、破滅の鎧として、AIとして、ゲコンツ星のために働く使命に全てを使ったの。
私たちに都合の良い事をする義理なんか無いの」
・・・・・・私より良く見てるじゃない。
何て事。
でも。
「でも、まだ助かるかもしれないのに! 」
「早く乗りなさい!
次の相手は閻魔 文華なんだよ! 」
怒鳴られた。
「私が逃げるのを援護して! 」
その言葉は、たしかに冷静だった。
だけど、その表情は、本当につらくて、泣き顔で。
ああ、まただ。
なんで私は、安菜みたいな冷静な判断ができないんだろう。
「百万山神社までは、なんとしてでも逃げてよ」
それしか言う事は、ないじゃない。
安菜はうなづいて、ポケットから懐中電灯を取りだした。
私は反対を、ウイークエンダーを目指して走りだす。
足音が離れていく。
辺りのハンターキラーたちも、動きだした。
危ないかもしれないから、道の端に立ち止まる。
・・・・・・早く、連絡をいれないと。
「こちらウイークエンダー・ラビットの、佐竹 うさぎ。
これより、ウイークエンダーから不要な機材を放棄します。
回収は必要ありません」
もう一回、復唱。
次はスマホで遠隔操作。
はーちゃんを席ごと、ロケットではじきだすんだ。
本当なら緊急脱出に使われるレールに乗って、ウイークエンダーの背中から煙と、はーちゃんの席が飛びだした。
戻ってきた街の灯で、パラシュートが開くのがうっすら見えた。
それが終わったら、走るだけ。
乗り込んだら、あの閻魔 文華と向き合わなくてはならない。
パーフェクト朱墨が、ブロッサム・ニンジャが、ディメイション・フルムーンが動いてる。
家の影で見えないけど、七星も同じだろう。
なのに、私に浮かぶのは後悔だけだよ。
幼い頃、私たち二人だけで誓った。
世界中の誰も得も損もしない主君と騎士になった。
だからこれは、今の私だけの後悔。
また、安菜に重要な判断をさせて、泣かせてる。
とっさに目を両腕でかばうしかなかった。
不思議と、熱も、音も、衝撃さえない。
ただ、光が消えるまでの間に、たしかに聞いたんだ。
『これにて、おさらばです』
はーちゃんの最後の声が。
声と光が消えると、また夜につつまれた。
焦りながら、やっと目がなれてきた。
ボルケーナ女神像は、消えていた。
ウイークエンダーは、コントロールが戻ってる。
私が最後にだした操作にしたがって、膝をついていく。
私はかけ戻る。
安菜も一緒についてきた。
だけど。
「安菜、これ持って避難して! 」
炊き出しの袋を、押し付けた。
それを安菜は押し返して。
「はーちゃん関連の指示をだすのは私だよ。
避難してほしいなら、まずコクピットの様子を見て! 」
そうなのかな?
まあ、反論するのもめんどくさかったから、それにしたがう。
スマホは、今度はちゃんと使えた。
これで、監視カメラの映像が見れる。
コクピットは、真っ白だった。
「はーちゃんが燃えてる! 」
熱源探知に切り替えると、いちばん熱い所が見えた。
白いのは、煙なんだ!
「他の部分は、自動検査がすむまで、まだ・・・・・・」
また焦ってしまう。
検査はまだかかる。
これまでの戦いで壊れた部分が、律儀に表示されていく。
画面に目を走らせるけど、もどかしい。
表示が端から、下に流れてく。
「一番重要な操作は、はーちゃんがやったはず」
おびえる声で言われた。
安菜から。
「その煙は、操作の負荷に耐えられなかったからだと思う」
そっ、それは、考えられる事だけど。
「うさぎ、はーちゃんを緊急脱出させて」
お願いと一緒に、銀の鎖につながれた黒い宝石。
メガ・エニシング・キュア・キャプチャーのネックレスをわたされた。
「いきなり何言うの!? 」
でも、安菜は止まらない。
「放棄、と言って良い」
私は、その言葉の冷たさに逆らった。
「放棄だなんてそんな! 」
初めて合った、地下の研究室。
あそこで聞いた笑い声が忘れられない。
あれが、私たちと同じ心を持つ証拠だと思ってた。
でも。
「はーちゃんは、破滅の鎧として、AIとして、ゲコンツ星のために働く使命に全てを使ったの。
私たちに都合の良い事をする義理なんか無いの」
・・・・・・私より良く見てるじゃない。
何て事。
でも。
「でも、まだ助かるかもしれないのに! 」
「早く乗りなさい!
次の相手は閻魔 文華なんだよ! 」
怒鳴られた。
「私が逃げるのを援護して! 」
その言葉は、たしかに冷静だった。
だけど、その表情は、本当につらくて、泣き顔で。
ああ、まただ。
なんで私は、安菜みたいな冷静な判断ができないんだろう。
「百万山神社までは、なんとしてでも逃げてよ」
それしか言う事は、ないじゃない。
安菜はうなづいて、ポケットから懐中電灯を取りだした。
私は反対を、ウイークエンダーを目指して走りだす。
足音が離れていく。
辺りのハンターキラーたちも、動きだした。
危ないかもしれないから、道の端に立ち止まる。
・・・・・・早く、連絡をいれないと。
「こちらウイークエンダー・ラビットの、佐竹 うさぎ。
これより、ウイークエンダーから不要な機材を放棄します。
回収は必要ありません」
もう一回、復唱。
次はスマホで遠隔操作。
はーちゃんを席ごと、ロケットではじきだすんだ。
本当なら緊急脱出に使われるレールに乗って、ウイークエンダーの背中から煙と、はーちゃんの席が飛びだした。
戻ってきた街の灯で、パラシュートが開くのがうっすら見えた。
それが終わったら、走るだけ。
乗り込んだら、あの閻魔 文華と向き合わなくてはならない。
パーフェクト朱墨が、ブロッサム・ニンジャが、ディメイション・フルムーンが動いてる。
家の影で見えないけど、七星も同じだろう。
なのに、私に浮かぶのは後悔だけだよ。
幼い頃、私たち二人だけで誓った。
世界中の誰も得も損もしない主君と騎士になった。
だからこれは、今の私だけの後悔。
また、安菜に重要な判断をさせて、泣かせてる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
