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90.草むしりして、お迎えして
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「あれ、イカしたイヤリングだね」
安菜がそうよんだのは、パーフェクト朱墨の両肩に1人づつ、ポンチョをかぶった人影。
色はカーキ。
右肩のポンチョの端から、灰色のモフモフが見えた。
その女性が答えた。
『左肩のは九尾 九尾。
私は、天力 狼万です』
集音マイク、それに外部スピーカーが、しっかり仕事をしてくれる。
左肩からは、金色のモフモフが話す。
『ジョークよ』
モフモフの正体は、しっぽだったんだ。
しかも、金色の方が量が多い。
9本もあるからね。
『九尾 九尾です』
そう言ってポンチョの左をつまんで上げた。
下はスカートだったんだ!
明るいスネが見えた。
しっぽのある人には、ポンチョやスカートが使いやすいんだね。
百万山は、雨雲に隠れて見えない。
黒々とした嵐の山々のバック。
パーフェクト朱墨と聖獣さんたちの姿は、威風堂々と見える。
朱墨ちゃんの仲間の聖獣さんたちだ。
『私たちは、朱墨が悪いことしたときに、ほっぺをツネツネする要員』
そう言うと九尾・・・・・・お姉さんは、横にあるパーフェクト朱墨の頭をツネツネ・・・・・・。
と言うか、グラグラゆらしはじめた。
高さは10メートルくらいある金属の塊を!
『痛い痛い』
じゃれるような声なの。
「アハハ」
笑ってしまう。
無線、外部スピーカー、集音マイクを使った会話は、外にはとてつもないうるささだろう。
けど、ゆるしてほしい。
こういう、異能の者と、そういうのがない人。
仲良くしてる会話がないと、私がこわれそう。
パーフェクト朱墨は、武器を持ってきていた。
グロリオススメで話し合ったあの日、その昼間にペネトの甲板で持っていたあれだよ。
右手にはバルカン砲。
左手には上下に砲身を2つ並べた大砲が。
どちらの砲口も、大きく前に張りだしてる。
でも、あれ?
近くで見ると、わかる。
どっちの砲にも、砲弾を入れておく部分が、ない?
レーザー兵器で、機体からエネルギーを持ってくるのかな?
『両方ともアーリンくんの専用装備ですよ』
あきれたような感じがする? 朱墨ちゃん。
『アーリンです。
これらの砲は、わが騎士団で始めて作った、地球への輸出専用兵器です』
その声は、おびえてる?
『小さくても鉄の弾を高速でぶつける。
その技術実証のための試作兵器です。
砲弾は僕の錬金術作りだします』
それで弾倉ないんだ。
『発射は、雷魔法によるレールガンです』
だ? 脱力と言うか?
そ?
「そんなレベルから試作しなきゃならないんだ」
安菜が拍子抜け、していた。
堤防と桜並木を軽く越える、大きな青いドラゴン。
2つの大砲をゆっくり、でも無造作につる草の上においた。
『河川敷の駐車場を使うなら、こっちから入ったほうがやりやすいです』
朱墨ちゃんの言うとおり。
たしかに、駐車場におりる坂はパーフェクト朱墨のほうから下がっていく。
『出口はボルケーナさんのほうにして、一方通行にしましょう! 』
そう言うと朱墨ちゃんは、堤防の道をどうすすめばいいか、身振り手振りで示し始めた。
ホクシン・フォクシスの北辰が、ハンターキラーの車列を先導する。
先頭できた北辰の口が、通行注意の看板を噛んで引き上げてはずした。
一方、ボルケーナ先輩は、堤防横のつる草をむしり始めた。
「君らもむしれよ」
そのしっぽは、バーンバーンと左右にふられ続けて、草原を叩きつける。
『珍しい!
お義姉ちゃんがブチキレてる! 』
私が思ったことを、達美さんが言った。
獲物を奪われたことに、宇宙怪獣の本能が怒ってるんだ!?
「横取りなんか関係ない!
しっぽは踏み成らしてるだけだ!
むしるの?! むしらないの?! 」
「『無論、むしります!!』」
河原にいた6機の七星が、横一列にならんで堤防にかけ寄る。
達美さんと武志さんも。
20メートルの灰色の人型。
しゃがんで、実に手際よく草むしりを始めた。
あれ、人間の動きを再現するんだよ。
そのために、パイロットのイメージを、そのまま読み込める。
ウイークエンダーたち、プロウォカトルのロボットにもついてる機能だけど、あれらのはさらに高性能みたい。
みるみるうちに、道の端が見えてくる。
わ、私も・・・・・・。
『ああっ。
うさぎちゃんと朱墨ちゃんは、残ってくれ』
応隆さんに止められた。
『士官が必要なんだ』
そう言うと、ポルタのそばにしゃがみ、なかに話しかけた。
『始めましょう。
でてきてください』
出てきたのは、黒いレインウェア。
手には、ライフルをもっていた。
フードで頭をおおってるけど、地球人と、同じ姿に見える。
次々に現れて、ポルタへつながる道を作る。
そう言えば、素顔のこん棒エンジェルスって、見たことないな。
安菜がそうよんだのは、パーフェクト朱墨の両肩に1人づつ、ポンチョをかぶった人影。
色はカーキ。
右肩のポンチョの端から、灰色のモフモフが見えた。
その女性が答えた。
『左肩のは九尾 九尾。
私は、天力 狼万です』
集音マイク、それに外部スピーカーが、しっかり仕事をしてくれる。
左肩からは、金色のモフモフが話す。
『ジョークよ』
モフモフの正体は、しっぽだったんだ。
しかも、金色の方が量が多い。
9本もあるからね。
『九尾 九尾です』
そう言ってポンチョの左をつまんで上げた。
下はスカートだったんだ!
明るいスネが見えた。
しっぽのある人には、ポンチョやスカートが使いやすいんだね。
百万山は、雨雲に隠れて見えない。
黒々とした嵐の山々のバック。
パーフェクト朱墨と聖獣さんたちの姿は、威風堂々と見える。
朱墨ちゃんの仲間の聖獣さんたちだ。
『私たちは、朱墨が悪いことしたときに、ほっぺをツネツネする要員』
そう言うと九尾・・・・・・お姉さんは、横にあるパーフェクト朱墨の頭をツネツネ・・・・・・。
と言うか、グラグラゆらしはじめた。
高さは10メートルくらいある金属の塊を!
『痛い痛い』
じゃれるような声なの。
「アハハ」
笑ってしまう。
無線、外部スピーカー、集音マイクを使った会話は、外にはとてつもないうるささだろう。
けど、ゆるしてほしい。
こういう、異能の者と、そういうのがない人。
仲良くしてる会話がないと、私がこわれそう。
パーフェクト朱墨は、武器を持ってきていた。
グロリオススメで話し合ったあの日、その昼間にペネトの甲板で持っていたあれだよ。
右手にはバルカン砲。
左手には上下に砲身を2つ並べた大砲が。
どちらの砲口も、大きく前に張りだしてる。
でも、あれ?
近くで見ると、わかる。
どっちの砲にも、砲弾を入れておく部分が、ない?
レーザー兵器で、機体からエネルギーを持ってくるのかな?
『両方ともアーリンくんの専用装備ですよ』
あきれたような感じがする? 朱墨ちゃん。
『アーリンです。
これらの砲は、わが騎士団で始めて作った、地球への輸出専用兵器です』
その声は、おびえてる?
『小さくても鉄の弾を高速でぶつける。
その技術実証のための試作兵器です。
砲弾は僕の錬金術作りだします』
それで弾倉ないんだ。
『発射は、雷魔法によるレールガンです』
だ? 脱力と言うか?
そ?
「そんなレベルから試作しなきゃならないんだ」
安菜が拍子抜け、していた。
堤防と桜並木を軽く越える、大きな青いドラゴン。
2つの大砲をゆっくり、でも無造作につる草の上においた。
『河川敷の駐車場を使うなら、こっちから入ったほうがやりやすいです』
朱墨ちゃんの言うとおり。
たしかに、駐車場におりる坂はパーフェクト朱墨のほうから下がっていく。
『出口はボルケーナさんのほうにして、一方通行にしましょう! 』
そう言うと朱墨ちゃんは、堤防の道をどうすすめばいいか、身振り手振りで示し始めた。
ホクシン・フォクシスの北辰が、ハンターキラーの車列を先導する。
先頭できた北辰の口が、通行注意の看板を噛んで引き上げてはずした。
一方、ボルケーナ先輩は、堤防横のつる草をむしり始めた。
「君らもむしれよ」
そのしっぽは、バーンバーンと左右にふられ続けて、草原を叩きつける。
『珍しい!
お義姉ちゃんがブチキレてる! 』
私が思ったことを、達美さんが言った。
獲物を奪われたことに、宇宙怪獣の本能が怒ってるんだ!?
「横取りなんか関係ない!
しっぽは踏み成らしてるだけだ!
むしるの?! むしらないの?! 」
「『無論、むしります!!』」
河原にいた6機の七星が、横一列にならんで堤防にかけ寄る。
達美さんと武志さんも。
20メートルの灰色の人型。
しゃがんで、実に手際よく草むしりを始めた。
あれ、人間の動きを再現するんだよ。
そのために、パイロットのイメージを、そのまま読み込める。
ウイークエンダーたち、プロウォカトルのロボットにもついてる機能だけど、あれらのはさらに高性能みたい。
みるみるうちに、道の端が見えてくる。
わ、私も・・・・・・。
『ああっ。
うさぎちゃんと朱墨ちゃんは、残ってくれ』
応隆さんに止められた。
『士官が必要なんだ』
そう言うと、ポルタのそばにしゃがみ、なかに話しかけた。
『始めましょう。
でてきてください』
出てきたのは、黒いレインウェア。
手には、ライフルをもっていた。
フードで頭をおおってるけど、地球人と、同じ姿に見える。
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