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73.できる限りの、高速
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ブロッサム・ニンジャの右肩からせりだすコンテナ。
10メートルはあるけど、およそ50メートルのブロッサムの背中だとリュックサックに見える。
頭のすぐ後ろから、ふたが開く。
「こんな近くでブロッサムの砲撃をみるの、ひさしぶり」
私も今年はじめてだよ。
ん?
「安菜、見たことあったっけ? 」
『MLRS、撃ちまーす』
ウワッ!
ブロッサムの青い機体が、オレンジ色のまばゆさに隠される。
安菜の返事は、しのぶの声と爆音でかき消された。
MLRSは訳すると多連装ロケットシステム。
コンテナから飛びだす巨大なロケット砲が、雨を突っ切る。
全部で4発。
鋭く立ち上がる山の、深い谷を飛び越えて、山の向こうに落ちて・・・・・・。
『弾着! ハズレなし!』
しのぶが、真剣な声で報告した。
弾着の様子はハンターキラー仲間がヘリコプターで撮影してくれる。
その視界の下からは、ロケット弾の火が次々に飛んでいく。
この谷のつづき。
海に向かって広がって、街としても大きくなったあたり。
そこでも切り立ちながら見下ろす山々に、4つの閃光がまたたいた。
それが、合図。
「行け! 行け! 行け! 」
私は叫ぶと、同時に飛び上がった!
背中と足の裏からジェットを噴射。
一気に加速する。
同時に、スカートを手で広げる。
腰から左右にのびた赤い鉄板2枚。
中のプロペラが風を起こして、機体を安定させる。
後ろを見ると、ブロッサムも同じ格好で空を飛んでいた。
ディメンション・フルムーンと並んでる。
私のとなりには、パーフェクト朱墨がいるよ。
ロケット砲の爆心地が見えてきた。
土がえぐられて、周りの木もなぎ倒されてる。
そばには、こん棒エンジェルスのポルタ。
そして頭上には、雨に逆らって飛ぶ、ハンターキラーのヘリコプターや戦闘機たち!
それに、雷切!
爆心地の周りに、さらに攻撃を加えてくれる。
私は、その爆心地を飛び越えた。
目指すのは、この向こう!
後ろでの爆心地で、ブロッサムが着陸する気配。
爆心地がもう1つ見えてきた。
こっちでもダメだしの攻撃がつづく。
その度に、木々が歪む。
痛そう!
だけど、爆発に関係なく、歪む木々もあった。
あそこが、着陸点!
攻撃がやむ。
今度は私が木々を歪ませて、着地する!
右に下る、山の途中へ。
足を踏ん張る。
なんとか停止した!
左にはポルタ。
私は手にしてた手榴弾を、放り込んだ。
ドーン
効果を確かめる間もない!
山の下へ目をうつす。
急な山を下りればすぐ川があって、その向こうが百万山市。
ここはホクシン・フォクシスの基地がある、あの山のならび。
ポルタたちは、曲がったりぶつかったりしながら、4つは山に引っ掛かるように止まったの。
ちなみに、1つは海に落ちたよ。
「見つけた! 」
また、AIより早く安菜が見つけた。
指し示された指にしたがって、かけだす!
メリメリ
腰から下に木の弾力がかかる。
押し戻す力に逆らって、すすむ。
足下の土は雨水を巻き込んで、土砂崩れみたいになる。
泥が足にまとわりつく。
それでも、木と雨の間からでも、足下の地形を見抜くAIは、さすがだよ。
それでも。
「「そこだ!」」
地形も何もかも無視して、ダイブ!
勝手に揺れ動く木々!
そこに隠れた者を、土ごと抱えるようにして、つかまえた!
「「えーい! 」」
なぜか安菜も叫ぶ。
目標は両手でしめあげながら、立ち上がる!
10メートルはあるけど、およそ50メートルのブロッサムの背中だとリュックサックに見える。
頭のすぐ後ろから、ふたが開く。
「こんな近くでブロッサムの砲撃をみるの、ひさしぶり」
私も今年はじめてだよ。
ん?
「安菜、見たことあったっけ? 」
『MLRS、撃ちまーす』
ウワッ!
ブロッサムの青い機体が、オレンジ色のまばゆさに隠される。
安菜の返事は、しのぶの声と爆音でかき消された。
MLRSは訳すると多連装ロケットシステム。
コンテナから飛びだす巨大なロケット砲が、雨を突っ切る。
全部で4発。
鋭く立ち上がる山の、深い谷を飛び越えて、山の向こうに落ちて・・・・・・。
『弾着! ハズレなし!』
しのぶが、真剣な声で報告した。
弾着の様子はハンターキラー仲間がヘリコプターで撮影してくれる。
その視界の下からは、ロケット弾の火が次々に飛んでいく。
この谷のつづき。
海に向かって広がって、街としても大きくなったあたり。
そこでも切り立ちながら見下ろす山々に、4つの閃光がまたたいた。
それが、合図。
「行け! 行け! 行け! 」
私は叫ぶと、同時に飛び上がった!
背中と足の裏からジェットを噴射。
一気に加速する。
同時に、スカートを手で広げる。
腰から左右にのびた赤い鉄板2枚。
中のプロペラが風を起こして、機体を安定させる。
後ろを見ると、ブロッサムも同じ格好で空を飛んでいた。
ディメンション・フルムーンと並んでる。
私のとなりには、パーフェクト朱墨がいるよ。
ロケット砲の爆心地が見えてきた。
土がえぐられて、周りの木もなぎ倒されてる。
そばには、こん棒エンジェルスのポルタ。
そして頭上には、雨に逆らって飛ぶ、ハンターキラーのヘリコプターや戦闘機たち!
それに、雷切!
爆心地の周りに、さらに攻撃を加えてくれる。
私は、その爆心地を飛び越えた。
目指すのは、この向こう!
後ろでの爆心地で、ブロッサムが着陸する気配。
爆心地がもう1つ見えてきた。
こっちでもダメだしの攻撃がつづく。
その度に、木々が歪む。
痛そう!
だけど、爆発に関係なく、歪む木々もあった。
あそこが、着陸点!
攻撃がやむ。
今度は私が木々を歪ませて、着地する!
右に下る、山の途中へ。
足を踏ん張る。
なんとか停止した!
左にはポルタ。
私は手にしてた手榴弾を、放り込んだ。
ドーン
効果を確かめる間もない!
山の下へ目をうつす。
急な山を下りればすぐ川があって、その向こうが百万山市。
ここはホクシン・フォクシスの基地がある、あの山のならび。
ポルタたちは、曲がったりぶつかったりしながら、4つは山に引っ掛かるように止まったの。
ちなみに、1つは海に落ちたよ。
「見つけた! 」
また、AIより早く安菜が見つけた。
指し示された指にしたがって、かけだす!
メリメリ
腰から下に木の弾力がかかる。
押し戻す力に逆らって、すすむ。
足下の土は雨水を巻き込んで、土砂崩れみたいになる。
泥が足にまとわりつく。
それでも、木と雨の間からでも、足下の地形を見抜くAIは、さすがだよ。
それでも。
「「そこだ!」」
地形も何もかも無視して、ダイブ!
勝手に揺れ動く木々!
そこに隠れた者を、土ごと抱えるようにして、つかまえた!
「「えーい! 」」
なぜか安菜も叫ぶ。
目標は両手でしめあげながら、立ち上がる!
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