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72.こん棒エンジェルス
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「その、こん棒エンジェルスは、聴かれてもいないのに、ベラベラしゃべってるそうです。
今回の攻撃を試練である、と言ってます。
私たちは、それに耐えなければならない、そうです」
安菜の報告が終わった。
試練、か。
きっと、安菜が着ているはーちゃんもふくめて。
『こん棒エンジェルス・・・・・・』
そうつぶやいたのは、朱墨ちゃんのパパ。
フォクシン・フォクシスの副隊長、九尾 大さん。
『それが、俺たちの相手・・・・・・』
そう言ったら、この場にいるみんなが、静まり返った。
このままでは何もはじまらない!
私から聴いてみよう!
「それで、相手が日本語を話すのは、確定済みなの? 」
安菜は、ひとしきり自分のモニターをみて。
「そうだよ」
異なる世界でも同じ言葉が通じるのは、時空の謎だよ。
それでも相手が、こん棒をありがたがってるのはわかる。
不気味な感じ・・・・・・。
そう言えば、バースト以前のマンガでほ、英語と日本語を安易にくっ付けた名前がギャグの対象になってた。
この20年で私たちの名前へのセンスはずいぶん変わったらしい。
タイムスリップとかして、20年くらい前の人が来たら、パーフェクト朱墨も笑われるのかな。
それは、イヤだな。
「航空部隊の出動が、はじまりました」
安菜の説明がはじまった。
なんだ。航空機、飛べるじゃん。
ネットで作戦を考えたり、情報を集めたりするE部門。
そこが中心になって、航空部隊をそれぞれの基地に集めたの。
そこの近くの体育館を結んで、運動会。
「航空自衛隊の小松基地からは戦闘機が。
F ー15 とF ー35。
新開発の七星シリーズが来ます」
七星シリーズは、パーフェクト朱墨や北辰と同じ、暗号世界からの輸入品ロボット。
人型と戦闘機型に変型するんだ。
たしか今日、アーリンの騎士団の副団長がいないのは、そっちを見に行ったからだっけ。
そのとき、分厚い装甲を突き抜けて、風を押し退ける音とエンジン音がきこえた。
「もう来た! 」
「安菜、いいオペレーターだね。
加速でダウンも役に立つとは、驚いたよ」
とほめたつもりだったのに。
「瞬間、15Gの加速よ! 」
なじられた。
1Gが地球の重力と同じ。
15Gは体重が15倍に感じるわけだ。
「体がミンチになる! 」
・・・・・・なってないじゃん。
「おだまり!
それはあんたの手柄じゃない!
ウイークエンダーに自分の体細胞を培養して建造してくれた、魂呼さんのおかげ!
それでも、激痛が走る! 」
「私としても、気をつけたつもりなんだけどね」
魂呼さんを捨てた母親が、唯一残したものが、あの人の体。
重力を自在に操り、搭乗者を守るのもその能力の応用だよ。
「文句なら敵に言ってよー」
『まあまあ』
そう言って止めたのは、朱墨ちゃんのパパ。
『せめてもの気晴らしに、訓示をいただこう。
いらだちを言葉にするのは、エネルギーがいるがスッキリするぞ』
ラポルトハテノで、ガラクタを売り付けられてたとき、朱墨ちゃんのパパは店員に怒鳴った。
それは、そんな意味があるのか!
・・・・・・マネしたくはないな。
「へんな訓示ですね」
安菜、そのわりに乗り気みたいだけど。
「まあ・・・・・・」
黙ったのは、ほんの一瞬。
だけど、こういう時の彼女は真剣に考えるんだ。
知ってる。
「こん棒エンジェルスが、こん棒をありがたがってるのは確定です。
でも、そのこん棒が何を引きおこしましたか?
先日、ハテノ市に大量のこん棒が送りつけられました」
静かな、だけど緊迫した空間が、私のすぐ後ろから発生してる。
威厳さえ感じてる。
「その時は無事に下ろすことができました。
しかし、全国ではどうでしょう?
無事下ろしたり、撃ち落とすことなどできません。
うさぎ、MCOは取りついた機械の性能をあげる。
だけどそれは、機械の性能を無視した動きはできない。
そうだよね? 」
ええ。その通り。
「つまり、こん棒にどれだけMCOが込められていても、空を飛んだり、落下速度を落としたりはできない」
声が、熱を帯びてきた。
「今や、こん棒は毎日、2、3ヶ所は落下する。
怪獣事件さえ、週1回です!
これはもう、私たちの対処能力を越えています!
向こうは特訓のあと、私たちから称賛を期待しているのかもしれません。
ですが、そんなものは、間違いだったと思い知らせていただきたいのです!
以上です! 」
お、おお~。
どよめきだ。
「もしかして。
失礼なことをしましたか? 」
安菜がとまどってる。
『いえ、これまでいろいろ言う人はいました。
武器を使うことを嫌う人や、むやみに犠牲をださないように、とか』
驚き声なのは、しゅうじさん。
『なんと言うか、バクゼンとした話ばかりだったんですよ』
なんだか、いえ、かなり筋金くんに雰囲気にてるな。
『誰に何をするのか、明確だ!
しかも痛め付けることは、しないように釘を刺している! 』
感動のあまりなのか、涙声になってる。
『さすがです!!
このことは、上に陳情させていただきます! 』
・・・・・・えらく出世したね。
今回の攻撃を試練である、と言ってます。
私たちは、それに耐えなければならない、そうです」
安菜の報告が終わった。
試練、か。
きっと、安菜が着ているはーちゃんもふくめて。
『こん棒エンジェルス・・・・・・』
そうつぶやいたのは、朱墨ちゃんのパパ。
フォクシン・フォクシスの副隊長、九尾 大さん。
『それが、俺たちの相手・・・・・・』
そう言ったら、この場にいるみんなが、静まり返った。
このままでは何もはじまらない!
私から聴いてみよう!
「それで、相手が日本語を話すのは、確定済みなの? 」
安菜は、ひとしきり自分のモニターをみて。
「そうだよ」
異なる世界でも同じ言葉が通じるのは、時空の謎だよ。
それでも相手が、こん棒をありがたがってるのはわかる。
不気味な感じ・・・・・・。
そう言えば、バースト以前のマンガでほ、英語と日本語を安易にくっ付けた名前がギャグの対象になってた。
この20年で私たちの名前へのセンスはずいぶん変わったらしい。
タイムスリップとかして、20年くらい前の人が来たら、パーフェクト朱墨も笑われるのかな。
それは、イヤだな。
「航空部隊の出動が、はじまりました」
安菜の説明がはじまった。
なんだ。航空機、飛べるじゃん。
ネットで作戦を考えたり、情報を集めたりするE部門。
そこが中心になって、航空部隊をそれぞれの基地に集めたの。
そこの近くの体育館を結んで、運動会。
「航空自衛隊の小松基地からは戦闘機が。
F ー15 とF ー35。
新開発の七星シリーズが来ます」
七星シリーズは、パーフェクト朱墨や北辰と同じ、暗号世界からの輸入品ロボット。
人型と戦闘機型に変型するんだ。
たしか今日、アーリンの騎士団の副団長がいないのは、そっちを見に行ったからだっけ。
そのとき、分厚い装甲を突き抜けて、風を押し退ける音とエンジン音がきこえた。
「もう来た! 」
「安菜、いいオペレーターだね。
加速でダウンも役に立つとは、驚いたよ」
とほめたつもりだったのに。
「瞬間、15Gの加速よ! 」
なじられた。
1Gが地球の重力と同じ。
15Gは体重が15倍に感じるわけだ。
「体がミンチになる! 」
・・・・・・なってないじゃん。
「おだまり!
それはあんたの手柄じゃない!
ウイークエンダーに自分の体細胞を培養して建造してくれた、魂呼さんのおかげ!
それでも、激痛が走る! 」
「私としても、気をつけたつもりなんだけどね」
魂呼さんを捨てた母親が、唯一残したものが、あの人の体。
重力を自在に操り、搭乗者を守るのもその能力の応用だよ。
「文句なら敵に言ってよー」
『まあまあ』
そう言って止めたのは、朱墨ちゃんのパパ。
『せめてもの気晴らしに、訓示をいただこう。
いらだちを言葉にするのは、エネルギーがいるがスッキリするぞ』
ラポルトハテノで、ガラクタを売り付けられてたとき、朱墨ちゃんのパパは店員に怒鳴った。
それは、そんな意味があるのか!
・・・・・・マネしたくはないな。
「へんな訓示ですね」
安菜、そのわりに乗り気みたいだけど。
「まあ・・・・・・」
黙ったのは、ほんの一瞬。
だけど、こういう時の彼女は真剣に考えるんだ。
知ってる。
「こん棒エンジェルスが、こん棒をありがたがってるのは確定です。
でも、そのこん棒が何を引きおこしましたか?
先日、ハテノ市に大量のこん棒が送りつけられました」
静かな、だけど緊迫した空間が、私のすぐ後ろから発生してる。
威厳さえ感じてる。
「その時は無事に下ろすことができました。
しかし、全国ではどうでしょう?
無事下ろしたり、撃ち落とすことなどできません。
うさぎ、MCOは取りついた機械の性能をあげる。
だけどそれは、機械の性能を無視した動きはできない。
そうだよね? 」
ええ。その通り。
「つまり、こん棒にどれだけMCOが込められていても、空を飛んだり、落下速度を落としたりはできない」
声が、熱を帯びてきた。
「今や、こん棒は毎日、2、3ヶ所は落下する。
怪獣事件さえ、週1回です!
これはもう、私たちの対処能力を越えています!
向こうは特訓のあと、私たちから称賛を期待しているのかもしれません。
ですが、そんなものは、間違いだったと思い知らせていただきたいのです!
以上です! 」
お、おお~。
どよめきだ。
「もしかして。
失礼なことをしましたか? 」
安菜がとまどってる。
『いえ、これまでいろいろ言う人はいました。
武器を使うことを嫌う人や、むやみに犠牲をださないように、とか』
驚き声なのは、しゅうじさん。
『なんと言うか、バクゼンとした話ばかりだったんですよ』
なんだか、いえ、かなり筋金くんに雰囲気にてるな。
『誰に何をするのか、明確だ!
しかも痛め付けることは、しないように釘を刺している! 』
感動のあまりなのか、涙声になってる。
『さすがです!!
このことは、上に陳情させていただきます! 』
・・・・・・えらく出世したね。
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