72 / 102
72.こん棒エンジェルス
しおりを挟む
「その、こん棒エンジェルスは、聴かれてもいないのに、ベラベラしゃべってるそうです。
今回の攻撃を試練である、と言ってます。
私たちは、それに耐えなければならない、そうです」
安菜の報告が終わった。
試練、か。
きっと、安菜が着ているはーちゃんもふくめて。
『こん棒エンジェルス・・・・・・』
そうつぶやいたのは、朱墨ちゃんのパパ。
フォクシン・フォクシスの副隊長、九尾 大さん。
『それが、俺たちの相手・・・・・・』
そう言ったら、この場にいるみんなが、静まり返った。
このままでは何もはじまらない!
私から聴いてみよう!
「それで、相手が日本語を話すのは、確定済みなの? 」
安菜は、ひとしきり自分のモニターをみて。
「そうだよ」
異なる世界でも同じ言葉が通じるのは、時空の謎だよ。
それでも相手が、こん棒をありがたがってるのはわかる。
不気味な感じ・・・・・・。
そう言えば、バースト以前のマンガでほ、英語と日本語を安易にくっ付けた名前がギャグの対象になってた。
この20年で私たちの名前へのセンスはずいぶん変わったらしい。
タイムスリップとかして、20年くらい前の人が来たら、パーフェクト朱墨も笑われるのかな。
それは、イヤだな。
「航空部隊の出動が、はじまりました」
安菜の説明がはじまった。
なんだ。航空機、飛べるじゃん。
ネットで作戦を考えたり、情報を集めたりするE部門。
そこが中心になって、航空部隊をそれぞれの基地に集めたの。
そこの近くの体育館を結んで、運動会。
「航空自衛隊の小松基地からは戦闘機が。
F ー15 とF ー35。
新開発の七星シリーズが来ます」
七星シリーズは、パーフェクト朱墨や北辰と同じ、暗号世界からの輸入品ロボット。
人型と戦闘機型に変型するんだ。
たしか今日、アーリンの騎士団の副団長がいないのは、そっちを見に行ったからだっけ。
そのとき、分厚い装甲を突き抜けて、風を押し退ける音とエンジン音がきこえた。
「もう来た! 」
「安菜、いいオペレーターだね。
加速でダウンも役に立つとは、驚いたよ」
とほめたつもりだったのに。
「瞬間、15Gの加速よ! 」
なじられた。
1Gが地球の重力と同じ。
15Gは体重が15倍に感じるわけだ。
「体がミンチになる! 」
・・・・・・なってないじゃん。
「おだまり!
それはあんたの手柄じゃない!
ウイークエンダーに自分の体細胞を培養して建造してくれた、魂呼さんのおかげ!
それでも、激痛が走る! 」
「私としても、気をつけたつもりなんだけどね」
魂呼さんを捨てた母親が、唯一残したものが、あの人の体。
重力を自在に操り、搭乗者を守るのもその能力の応用だよ。
「文句なら敵に言ってよー」
『まあまあ』
そう言って止めたのは、朱墨ちゃんのパパ。
『せめてもの気晴らしに、訓示をいただこう。
いらだちを言葉にするのは、エネルギーがいるがスッキリするぞ』
ラポルトハテノで、ガラクタを売り付けられてたとき、朱墨ちゃんのパパは店員に怒鳴った。
それは、そんな意味があるのか!
・・・・・・マネしたくはないな。
「へんな訓示ですね」
安菜、そのわりに乗り気みたいだけど。
「まあ・・・・・・」
黙ったのは、ほんの一瞬。
だけど、こういう時の彼女は真剣に考えるんだ。
知ってる。
「こん棒エンジェルスが、こん棒をありがたがってるのは確定です。
でも、そのこん棒が何を引きおこしましたか?
先日、ハテノ市に大量のこん棒が送りつけられました」
静かな、だけど緊迫した空間が、私のすぐ後ろから発生してる。
威厳さえ感じてる。
「その時は無事に下ろすことができました。
しかし、全国ではどうでしょう?
無事下ろしたり、撃ち落とすことなどできません。
うさぎ、MCOは取りついた機械の性能をあげる。
だけどそれは、機械の性能を無視した動きはできない。
そうだよね? 」
ええ。その通り。
「つまり、こん棒にどれだけMCOが込められていても、空を飛んだり、落下速度を落としたりはできない」
声が、熱を帯びてきた。
「今や、こん棒は毎日、2、3ヶ所は落下する。
怪獣事件さえ、週1回です!
これはもう、私たちの対処能力を越えています!
向こうは特訓のあと、私たちから称賛を期待しているのかもしれません。
ですが、そんなものは、間違いだったと思い知らせていただきたいのです!
以上です! 」
お、おお~。
どよめきだ。
「もしかして。
失礼なことをしましたか? 」
安菜がとまどってる。
『いえ、これまでいろいろ言う人はいました。
武器を使うことを嫌う人や、むやみに犠牲をださないように、とか』
驚き声なのは、しゅうじさん。
『なんと言うか、バクゼンとした話ばかりだったんですよ』
なんだか、いえ、かなり筋金くんに雰囲気にてるな。
『誰に何をするのか、明確だ!
しかも痛め付けることは、しないように釘を刺している! 』
感動のあまりなのか、涙声になってる。
『さすがです!!
このことは、上に陳情させていただきます! 』
・・・・・・えらく出世したね。
今回の攻撃を試練である、と言ってます。
私たちは、それに耐えなければならない、そうです」
安菜の報告が終わった。
試練、か。
きっと、安菜が着ているはーちゃんもふくめて。
『こん棒エンジェルス・・・・・・』
そうつぶやいたのは、朱墨ちゃんのパパ。
フォクシン・フォクシスの副隊長、九尾 大さん。
『それが、俺たちの相手・・・・・・』
そう言ったら、この場にいるみんなが、静まり返った。
このままでは何もはじまらない!
私から聴いてみよう!
「それで、相手が日本語を話すのは、確定済みなの? 」
安菜は、ひとしきり自分のモニターをみて。
「そうだよ」
異なる世界でも同じ言葉が通じるのは、時空の謎だよ。
それでも相手が、こん棒をありがたがってるのはわかる。
不気味な感じ・・・・・・。
そう言えば、バースト以前のマンガでほ、英語と日本語を安易にくっ付けた名前がギャグの対象になってた。
この20年で私たちの名前へのセンスはずいぶん変わったらしい。
タイムスリップとかして、20年くらい前の人が来たら、パーフェクト朱墨も笑われるのかな。
それは、イヤだな。
「航空部隊の出動が、はじまりました」
安菜の説明がはじまった。
なんだ。航空機、飛べるじゃん。
ネットで作戦を考えたり、情報を集めたりするE部門。
そこが中心になって、航空部隊をそれぞれの基地に集めたの。
そこの近くの体育館を結んで、運動会。
「航空自衛隊の小松基地からは戦闘機が。
F ー15 とF ー35。
新開発の七星シリーズが来ます」
七星シリーズは、パーフェクト朱墨や北辰と同じ、暗号世界からの輸入品ロボット。
人型と戦闘機型に変型するんだ。
たしか今日、アーリンの騎士団の副団長がいないのは、そっちを見に行ったからだっけ。
そのとき、分厚い装甲を突き抜けて、風を押し退ける音とエンジン音がきこえた。
「もう来た! 」
「安菜、いいオペレーターだね。
加速でダウンも役に立つとは、驚いたよ」
とほめたつもりだったのに。
「瞬間、15Gの加速よ! 」
なじられた。
1Gが地球の重力と同じ。
15Gは体重が15倍に感じるわけだ。
「体がミンチになる! 」
・・・・・・なってないじゃん。
「おだまり!
それはあんたの手柄じゃない!
ウイークエンダーに自分の体細胞を培養して建造してくれた、魂呼さんのおかげ!
それでも、激痛が走る! 」
「私としても、気をつけたつもりなんだけどね」
魂呼さんを捨てた母親が、唯一残したものが、あの人の体。
重力を自在に操り、搭乗者を守るのもその能力の応用だよ。
「文句なら敵に言ってよー」
『まあまあ』
そう言って止めたのは、朱墨ちゃんのパパ。
『せめてもの気晴らしに、訓示をいただこう。
いらだちを言葉にするのは、エネルギーがいるがスッキリするぞ』
ラポルトハテノで、ガラクタを売り付けられてたとき、朱墨ちゃんのパパは店員に怒鳴った。
それは、そんな意味があるのか!
・・・・・・マネしたくはないな。
「へんな訓示ですね」
安菜、そのわりに乗り気みたいだけど。
「まあ・・・・・・」
黙ったのは、ほんの一瞬。
だけど、こういう時の彼女は真剣に考えるんだ。
知ってる。
「こん棒エンジェルスが、こん棒をありがたがってるのは確定です。
でも、そのこん棒が何を引きおこしましたか?
先日、ハテノ市に大量のこん棒が送りつけられました」
静かな、だけど緊迫した空間が、私のすぐ後ろから発生してる。
威厳さえ感じてる。
「その時は無事に下ろすことができました。
しかし、全国ではどうでしょう?
無事下ろしたり、撃ち落とすことなどできません。
うさぎ、MCOは取りついた機械の性能をあげる。
だけどそれは、機械の性能を無視した動きはできない。
そうだよね? 」
ええ。その通り。
「つまり、こん棒にどれだけMCOが込められていても、空を飛んだり、落下速度を落としたりはできない」
声が、熱を帯びてきた。
「今や、こん棒は毎日、2、3ヶ所は落下する。
怪獣事件さえ、週1回です!
これはもう、私たちの対処能力を越えています!
向こうは特訓のあと、私たちから称賛を期待しているのかもしれません。
ですが、そんなものは、間違いだったと思い知らせていただきたいのです!
以上です! 」
お、おお~。
どよめきだ。
「もしかして。
失礼なことをしましたか? 」
安菜がとまどってる。
『いえ、これまでいろいろ言う人はいました。
武器を使うことを嫌う人や、むやみに犠牲をださないように、とか』
驚き声なのは、しゅうじさん。
『なんと言うか、バクゼンとした話ばかりだったんですよ』
なんだか、いえ、かなり筋金くんに雰囲気にてるな。
『誰に何をするのか、明確だ!
しかも痛め付けることは、しないように釘を刺している! 』
感動のあまりなのか、涙声になってる。
『さすがです!!
このことは、上に陳情させていただきます! 』
・・・・・・えらく出世したね。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
後宮の胡蝶 ~皇帝陛下の秘密の妃~
菱沼あゆ
キャラ文芸
突然の譲位により、若き皇帝となった苑楊は封印されているはずの宮殿で女官らしき娘、洋蘭と出会う。
洋蘭はこの宮殿の牢に住む老人の世話をしているのだと言う。
天女のごとき外見と豊富な知識を持つ洋蘭に心惹かれはじめる苑楊だったが。
洋蘭はまったく思い通りにならないうえに、なにかが怪しい女だった――。
中華後宮ラブコメディ。
異世界起動兵器ゴーレム
ヒカリ
ファンタジー
高校生鬼島良太郎はある日トラックに
撥ねられてしまった。そして良太郎
が目覚めると、そこは異世界だった。
さらに良太郎の肉体は鋼の兵器、
ゴーレムと化していたのだ。良太郎が
目覚めた時、彼の目の前にいたのは
魔術師で2級冒険者のマリーネ。彼女は
未知の世界で右も左も分からない状態
の良太郎と共に冒険者生活を営んで
いく事を決めた。だがこの世界の裏
では凶悪な影が……良太郎の異世界
でのゴーレムライフが始まる……。
ファンタジーバトル作品、開幕!
No One's Glory -もうひとりの物語-
はっくまん2XL
SF
異世界転生も転移もしない異世界物語……(. . `)
よろしくお願い申し上げます
男は過眠症で日々の生活に空白を持っていた。
医師の診断では、睡眠無呼吸から来る睡眠障害とのことであったが、男には疑いがあった。
男は常に、同じ世界、同じ人物の夢を見ていたのだ。それも、非常に生々しく……
手触り感すらあるその世界で、男は別人格として、「採掘師」という仕事を生業としていた。
採掘師とは、遺跡に眠るストレージから、マップや暗号鍵、設計図などの有用な情報を発掘し、マーケットに流す仕事である。
各地に点在する遺跡を巡り、時折マーケットのある都市、集落に訪れる生活の中で、時折感じる自身の中の他者の魂が幻でないと気づいた時、彼らの旅は混迷を増した……
申し訳ございませんm(_ _)m
不定期投稿になります。
本業多忙のため、しばらく連載休止します。

SFサイドメニュー
アポロ
SF
短編SF。かわいくて憎たらしい近未来の物語。
★
少年アンバー・ハルカドットオムは宇宙船飛車八号の船内コロニーに生まれました。その正体は超高度な人工知能を搭載された船の意思により生み出されたスーパーアンドロイドです。我々人類はユートピアを期待しています。彼の影響を認めれば新しい世界を切り開けるかもしれない。認めなければディストピアへ辿り着いてしまうかもしれない。アンバーは、人間の子どもになる夢を見ているそうです。そう思っててもいい?
★
完結後は2024年のnote創作大賞へ。
そのつもりになって見直し出したところいきなり頭を抱えました。
気配はあるプロト版だけれど不完全要素がやや多すぎると猛省中です。
直すとしても手の入れ方に悩む部分多々。
新版は大幅な改変になりそう。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる