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19.決断だっ!
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「まあ、待ちなさい」
全自動こん棒修理マシンを使おう。
「もうちょっと考える時間が欲しい、という気持ちもでてきたよ。
まず、これの動くところを見てもらいましょう」
修理マシンを動かすには、お金を入れなきゃならない。
さて、そのお値段は……アレ?
ボソッ「まっ お高い……」
中学生には、あまりに高い壁だよ!
そうだった。
このマシンには、地元の伝統工芸技術を惜しげも無くつぎ込んだ。と先輩は言ってた。
ここに人が並ばないのは、そういう訳もあったんだ。
そうだ、バーコード決済でなら払える。
でも、決意とはウラハラに、手がかじかむように動かない。
どうしよう。
「おい佐竹くん」
その時、男の人に、呼びかけられた。
ポルタ社のブースからだ。
「社長夫人の調子がおかしいと気づいてくれたそうだな。
社長に代わって、礼を言う」
タイトなスーツを着こなした、引き締まった背の高い人だ。
「昴先輩」
身長2メートルある上から、やさしく見下ろしてくる、鋭い金色の目。
肩までかかったストレートの銀髪。
狩趯弥 昴(かるてきや すばる)先輩はポルタ社の副社長。
ひとみと髪のコントラストが、コスモスみたいで素敵なの。
そうだ、この人も暗号世界ルルディの出身だった。
でも、付き合いは長くて深いの。
魔術学園への交換留学生としてやって来て、そこで同級生だった真脇 応隆先輩やボルケーナ先輩と出会い、ポルタ社を立ち上げたメンバーなの。
私のあこがれ。
「社長は、ボルケーナを迎えにいったよ」
そうですか。
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
私の、イタイタしい想像が起こらなかったことを、天に感謝します。
安菜がボルケーナ先輩のあの長いシッポをにぎり、ブンブン振り回しながら歌うのを。
でも先輩は昔アイドルを志していたそうだから、ノリノリでやりそうな気もするけど。
やっぱりイタイタしいイメージが。
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
「ところで、このマシンを使いたいのかな?」
そ、そうです。
「じゃあ、俺が払う」
「いえ、ここは私が払います」
キッパリと断った。
「私がやるから伝わることが、あると思うんです」
昴先輩は、ビックリした顔になった。
結構かわいいんだ。
「わかった。じゃあ、お礼は別のかたちで。今日中に用意するからね」
みとめてくれた!
とたんに胸が熱くなる。
成功したんだ。
私はスマホを……えいっ!
マシンが動きだす。
若干の期待を込めて、この場の最年長者であるおじさまを見た。
あいかわらず男の子を見つめてる。
私は可能な限り、目を吊り上げて。ギロッ!
男の子は、朱墨ちゃんを向いて。
「ごあいさつが遅れて、申し訳ありません!」
そう言って、頭をさげたの。
「団長……」
おじさまは男の子を見て、それだけ呟いた。
全自動こん棒修理マシンを使おう。
「もうちょっと考える時間が欲しい、という気持ちもでてきたよ。
まず、これの動くところを見てもらいましょう」
修理マシンを動かすには、お金を入れなきゃならない。
さて、そのお値段は……アレ?
ボソッ「まっ お高い……」
中学生には、あまりに高い壁だよ!
そうだった。
このマシンには、地元の伝統工芸技術を惜しげも無くつぎ込んだ。と先輩は言ってた。
ここに人が並ばないのは、そういう訳もあったんだ。
そうだ、バーコード決済でなら払える。
でも、決意とはウラハラに、手がかじかむように動かない。
どうしよう。
「おい佐竹くん」
その時、男の人に、呼びかけられた。
ポルタ社のブースからだ。
「社長夫人の調子がおかしいと気づいてくれたそうだな。
社長に代わって、礼を言う」
タイトなスーツを着こなした、引き締まった背の高い人だ。
「昴先輩」
身長2メートルある上から、やさしく見下ろしてくる、鋭い金色の目。
肩までかかったストレートの銀髪。
狩趯弥 昴(かるてきや すばる)先輩はポルタ社の副社長。
ひとみと髪のコントラストが、コスモスみたいで素敵なの。
そうだ、この人も暗号世界ルルディの出身だった。
でも、付き合いは長くて深いの。
魔術学園への交換留学生としてやって来て、そこで同級生だった真脇 応隆先輩やボルケーナ先輩と出会い、ポルタ社を立ち上げたメンバーなの。
私のあこがれ。
「社長は、ボルケーナを迎えにいったよ」
そうですか。
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
私の、イタイタしい想像が起こらなかったことを、天に感謝します。
安菜がボルケーナ先輩のあの長いシッポをにぎり、ブンブン振り回しながら歌うのを。
でも先輩は昔アイドルを志していたそうだから、ノリノリでやりそうな気もするけど。
やっぱりイタイタしいイメージが。
――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――◆――
「ところで、このマシンを使いたいのかな?」
そ、そうです。
「じゃあ、俺が払う」
「いえ、ここは私が払います」
キッパリと断った。
「私がやるから伝わることが、あると思うんです」
昴先輩は、ビックリした顔になった。
結構かわいいんだ。
「わかった。じゃあ、お礼は別のかたちで。今日中に用意するからね」
みとめてくれた!
とたんに胸が熱くなる。
成功したんだ。
私はスマホを……えいっ!
マシンが動きだす。
若干の期待を込めて、この場の最年長者であるおじさまを見た。
あいかわらず男の子を見つめてる。
私は可能な限り、目を吊り上げて。ギロッ!
男の子は、朱墨ちゃんを向いて。
「ごあいさつが遅れて、申し訳ありません!」
そう言って、頭をさげたの。
「団長……」
おじさまは男の子を見て、それだけ呟いた。
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