4 / 23
妖刀夜話
突然のボーイミーツガールなんて有り得ない
しおりを挟む
立った状態から前屈。両手の平を地面につける。手を交互に動かして、少しずつ足から離す。徐々に体が地面と平行に近くなり、体幹部に強烈な負荷がかかる。
だがほとんど腹が接地するまでに体を開いても、重力に負けるどころか震えすらなく、ぴたりと手足が接着されたように止まっている。
見た目より遥かに苦しい運動だ。普段の堂馬なら5秒と保たないはずだが、10秒以上経ったいま、まだ余裕がある。
そのまま限界を確かめるべく姿勢を維持し。
「なにやっとんじゃあ!」
「おおでんた!」
妹の華麗な足払いを腕にかまされ、顔から落ちた。
「まったくもう!嫌なことがあるとすぐ鍛錬だ~筋トレだ~でごまかすんだから!」
「ハイ、スイマセン」
「いきなり警察の人からお電話貰って、心臓止まりそうになったんだからね!」
「モウシワケゴザイマセンデシタ」
結局警察から解放されたのは、午後の9時を回ったあたりで、その後ショートボブの髪を逆立てた稲の怒りの説教をくぐり抜けてと、散々な1日であった。
しかし今日は日曜、日曜日なのである。失った時間を今こそ取り戻す時。まずは怒り心頭の妹をなだめて、買い物にでも行こう。
そう思った矢先、玄関のインターフォンが鳴り響いた。
「あれ、誰だろ?」
稲に心当たりは無いらしい。当然堂馬にも無い。
「む、俺が見てくる」
面倒は大抵隊列をなして攻め込んでくる。良かろう。ガトリングの前のラストサムライがごとく、片っ端から粉砕してやる。
「はい、どちら様で」
決然とした表情でがらりと戸を開ける。
まず目に入ってきたのは腰まで伸びた黒髪。セーラー服を校則通りに着こなし、膝丈のスカートからちらりと覗くふくらはぎは雪のように白く、細い。
たれ目の優しげな顔は、背筋に定規を入れたような凛とした立ち姿に引き立てられて、優雅かつ清楚な百合の花が思い浮かぶ。
まあ美少女と言っていい、知らない女だ。
戸をピシャリと閉めた。
「ちょちょ、待って!待って下さい!まだ一言も喋ってないです!」
「お兄、誰だったの?」
「知らねえ女だ。保険の勧誘員だろうな」
「セーラー服着てたけど」
「なら保険の少年勧誘員だ。国際条約違反だが連中手段を選ばないからな」
「違います!この前お会いしたはずですよね!ほら、木曜日の夜に!あの刀を持っていたのは私です!」
「ああいってるけど?」
堂馬は無言でこめかみを指差すと、三回回した。
「やっぱり……、ご迷惑ですよね。いきなり切りかかってきて、こりもせずにまた現れるなんて。でも!あの太刀は本当に危ない物なんです。償いは何でもします。どうか……どうか入れてください!」
何か風向きがおかしなことになってきた。ひょっとして入れてくれるまで動かないとかいうあれだろうか。一体こいつは俺に何の恨みがあるのだ。ああ、ご近所さんの目が。
まず、戸を開ける。
「あ……ありがとうわぶ!?」
油断した所に布団をひっかぶせる。
「むー!むー!」
す巻きにして家に引きずり込む。
客間に通せば招待完了である。
「ぶはっ!」
「こんにちは」
こめかみに血管をうかべ、無表情で怒りをあらわす。
少女、能島風花が正気の目で見た恩人の、これが初の形相であった。
「粗茶ですが」
稲が湯のみを差し出す。芦屋家の客間は畳敷きなので、全員正座だ。
「あ、どうもご丁寧に」
稲が女子特有の猫かぶりにてもてなすが、される方の風雅はそれどころではない。
殴られ、罵声を浴びせられる覚悟はしていた。しかし踏み潰したカメムシを見やるような視線を浴びせられた挙げ句に、お前など知らないと言い切られるのは予想外であった。
「ん……まあね、能島さんだったかな?家の門はいつでも開かれているのが取り柄だからね。いつでもくぐってもらっても構わないんだよ?」
「いえ、まずは話を聞いてもらわないことには」
「ふむ、そんなら聞いてみようじゃないか」
苦節15分、ようやく話が出来るとほっとした様子の風花は、表情を引き締めて話し始める。
「芦屋さん。妖刀の所在を知っていますか?」
稲が不安そうな面もちで堂馬を見る。
堂馬はどうしようもねーなこいつ。という目をしつつアメリカンスタイルで肩をすくめた。
「いや!真面目な話なんです!」
「真面目だったら余計に不味いだろうが」
やはり妹ほど洗練されていないからか、堂馬の化けの皮はあっさり剥がれた。
「え、えっとお兄さん?ひょっとしてあれではないでしょうか?ほら、この前持ってきた黒い刀」
「そう!それです!あれは危険なんです!」
一方妹は猫をかぶり過ぎて誰だかわからない。あの得体の知れない刀なんて渡しちゃって早いとこ帰って貰おうよ。という気配がありありと滲み出ている。
仕方なしに買ったばかりの桐箱に入った例の太刀を持ってくる。
「しかしね能島さん。こりゃ確かに貰いもんではあるが、あんたが持ち主って証拠はどこにも無い訳だ。それはどうやって証明するんだ?」
堂馬の質問にしかし少女は自信満々に答える。
「はい、あれは家伝の宝物でして、といっても銘も無い安物なんですが、銘の代わりにご先祖様の書いた無縁の文字があるはずです」
正解だ。少なくともあの夜の通り魔は眼前の少女で間違い無いらしい。
「それじゃあ確認してくれ。妹が証人だ」
「ええ!では」
風花は太刀に手をかけて、客間の一枚板のちゃぶ台を抜きざまに断ち切った。
湯のみが音を立てて落ち、お茶がこぼれる。
「おおおお俺様が?やすものう!?舐めてんのかこんがきゃあああ!生まれ落ちて、いやさ打ち出されて700年、今の今まで並ぶもの無き大名刀の」
谷折りに倒れたちゃぶ台に足をかける風雅の右手から、柄頭に手のひらを置き逆の手で鍔元を握って、てこの原理を用いて刀を奪う。
納刀、収納、向き直る。
「はっ!私は何を」
「うん、帰れ」
稲はちょっと涙目だ。これ以上好きにさせて置けない。
「い、いえ違うんです!これはこの剣の声が」
「うん分かってる。お前がアカデミー賞ばりの名演をしてまでこいつが欲しいってのは理解出来た。その上で、帰れ」
こちらも泣きそうな風花が助けを求めるように稲の方を見る。
「お……お大事に?」
「うわぁぁぁん!」
涙の粒が星屑となって流れ落ちた。涙の主は、家を出てどこかへと走り去っていく。
堂馬はそれをしばらく眺めて。
「つーかテーブルの弁償はどうしたぁ!待てやこのアマ!」
刀をひっつかんで追って行く。おのれ、Gショックとテーブルの仇。このままで済ますか。我が家の家庭菜園でロシア農奴ばりの強制労働に就かせねば気が済まん。
「おお!インテリゲンツィアー!」
「ああ!お兄がまた妙なことを!結構怒ってる!」
さあ、戦いだ。刀一つを握りしめ、いざゆかん、
だがほとんど腹が接地するまでに体を開いても、重力に負けるどころか震えすらなく、ぴたりと手足が接着されたように止まっている。
見た目より遥かに苦しい運動だ。普段の堂馬なら5秒と保たないはずだが、10秒以上経ったいま、まだ余裕がある。
そのまま限界を確かめるべく姿勢を維持し。
「なにやっとんじゃあ!」
「おおでんた!」
妹の華麗な足払いを腕にかまされ、顔から落ちた。
「まったくもう!嫌なことがあるとすぐ鍛錬だ~筋トレだ~でごまかすんだから!」
「ハイ、スイマセン」
「いきなり警察の人からお電話貰って、心臓止まりそうになったんだからね!」
「モウシワケゴザイマセンデシタ」
結局警察から解放されたのは、午後の9時を回ったあたりで、その後ショートボブの髪を逆立てた稲の怒りの説教をくぐり抜けてと、散々な1日であった。
しかし今日は日曜、日曜日なのである。失った時間を今こそ取り戻す時。まずは怒り心頭の妹をなだめて、買い物にでも行こう。
そう思った矢先、玄関のインターフォンが鳴り響いた。
「あれ、誰だろ?」
稲に心当たりは無いらしい。当然堂馬にも無い。
「む、俺が見てくる」
面倒は大抵隊列をなして攻め込んでくる。良かろう。ガトリングの前のラストサムライがごとく、片っ端から粉砕してやる。
「はい、どちら様で」
決然とした表情でがらりと戸を開ける。
まず目に入ってきたのは腰まで伸びた黒髪。セーラー服を校則通りに着こなし、膝丈のスカートからちらりと覗くふくらはぎは雪のように白く、細い。
たれ目の優しげな顔は、背筋に定規を入れたような凛とした立ち姿に引き立てられて、優雅かつ清楚な百合の花が思い浮かぶ。
まあ美少女と言っていい、知らない女だ。
戸をピシャリと閉めた。
「ちょちょ、待って!待って下さい!まだ一言も喋ってないです!」
「お兄、誰だったの?」
「知らねえ女だ。保険の勧誘員だろうな」
「セーラー服着てたけど」
「なら保険の少年勧誘員だ。国際条約違反だが連中手段を選ばないからな」
「違います!この前お会いしたはずですよね!ほら、木曜日の夜に!あの刀を持っていたのは私です!」
「ああいってるけど?」
堂馬は無言でこめかみを指差すと、三回回した。
「やっぱり……、ご迷惑ですよね。いきなり切りかかってきて、こりもせずにまた現れるなんて。でも!あの太刀は本当に危ない物なんです。償いは何でもします。どうか……どうか入れてください!」
何か風向きがおかしなことになってきた。ひょっとして入れてくれるまで動かないとかいうあれだろうか。一体こいつは俺に何の恨みがあるのだ。ああ、ご近所さんの目が。
まず、戸を開ける。
「あ……ありがとうわぶ!?」
油断した所に布団をひっかぶせる。
「むー!むー!」
す巻きにして家に引きずり込む。
客間に通せば招待完了である。
「ぶはっ!」
「こんにちは」
こめかみに血管をうかべ、無表情で怒りをあらわす。
少女、能島風花が正気の目で見た恩人の、これが初の形相であった。
「粗茶ですが」
稲が湯のみを差し出す。芦屋家の客間は畳敷きなので、全員正座だ。
「あ、どうもご丁寧に」
稲が女子特有の猫かぶりにてもてなすが、される方の風雅はそれどころではない。
殴られ、罵声を浴びせられる覚悟はしていた。しかし踏み潰したカメムシを見やるような視線を浴びせられた挙げ句に、お前など知らないと言い切られるのは予想外であった。
「ん……まあね、能島さんだったかな?家の門はいつでも開かれているのが取り柄だからね。いつでもくぐってもらっても構わないんだよ?」
「いえ、まずは話を聞いてもらわないことには」
「ふむ、そんなら聞いてみようじゃないか」
苦節15分、ようやく話が出来るとほっとした様子の風花は、表情を引き締めて話し始める。
「芦屋さん。妖刀の所在を知っていますか?」
稲が不安そうな面もちで堂馬を見る。
堂馬はどうしようもねーなこいつ。という目をしつつアメリカンスタイルで肩をすくめた。
「いや!真面目な話なんです!」
「真面目だったら余計に不味いだろうが」
やはり妹ほど洗練されていないからか、堂馬の化けの皮はあっさり剥がれた。
「え、えっとお兄さん?ひょっとしてあれではないでしょうか?ほら、この前持ってきた黒い刀」
「そう!それです!あれは危険なんです!」
一方妹は猫をかぶり過ぎて誰だかわからない。あの得体の知れない刀なんて渡しちゃって早いとこ帰って貰おうよ。という気配がありありと滲み出ている。
仕方なしに買ったばかりの桐箱に入った例の太刀を持ってくる。
「しかしね能島さん。こりゃ確かに貰いもんではあるが、あんたが持ち主って証拠はどこにも無い訳だ。それはどうやって証明するんだ?」
堂馬の質問にしかし少女は自信満々に答える。
「はい、あれは家伝の宝物でして、といっても銘も無い安物なんですが、銘の代わりにご先祖様の書いた無縁の文字があるはずです」
正解だ。少なくともあの夜の通り魔は眼前の少女で間違い無いらしい。
「それじゃあ確認してくれ。妹が証人だ」
「ええ!では」
風花は太刀に手をかけて、客間の一枚板のちゃぶ台を抜きざまに断ち切った。
湯のみが音を立てて落ち、お茶がこぼれる。
「おおおお俺様が?やすものう!?舐めてんのかこんがきゃあああ!生まれ落ちて、いやさ打ち出されて700年、今の今まで並ぶもの無き大名刀の」
谷折りに倒れたちゃぶ台に足をかける風雅の右手から、柄頭に手のひらを置き逆の手で鍔元を握って、てこの原理を用いて刀を奪う。
納刀、収納、向き直る。
「はっ!私は何を」
「うん、帰れ」
稲はちょっと涙目だ。これ以上好きにさせて置けない。
「い、いえ違うんです!これはこの剣の声が」
「うん分かってる。お前がアカデミー賞ばりの名演をしてまでこいつが欲しいってのは理解出来た。その上で、帰れ」
こちらも泣きそうな風花が助けを求めるように稲の方を見る。
「お……お大事に?」
「うわぁぁぁん!」
涙の粒が星屑となって流れ落ちた。涙の主は、家を出てどこかへと走り去っていく。
堂馬はそれをしばらく眺めて。
「つーかテーブルの弁償はどうしたぁ!待てやこのアマ!」
刀をひっつかんで追って行く。おのれ、Gショックとテーブルの仇。このままで済ますか。我が家の家庭菜園でロシア農奴ばりの強制労働に就かせねば気が済まん。
「おお!インテリゲンツィアー!」
「ああ!お兄がまた妙なことを!結構怒ってる!」
さあ、戦いだ。刀一つを握りしめ、いざゆかん、
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
カメラとわたしと自衛官〜不憫なんて言わせない!カメラ女子と自衛官の馴れ初め話〜
ユーリ(佐伯瑠璃)
ライト文芸
「かっこいい……あのボディ。かわいい……そのお尻」ため息を漏らすその視線の先に何がある?
たまたま居合わせたイベント会場で空を仰ぐと、白い煙がお花を描いた。見上げた全員が歓声をあげる。それが自衛隊のイベントとは知らず、気づくとサイン会に巻き込まれて並んでいた。
ひょんな事がきっかけで、カメラにはまる女の子がファインダー越しに見つけた世界。なぜかいつもそこに貴方がいた。恋愛に鈍感でも被写体には敏感です。恋愛よりもカメラが大事! そんか彼女を気長に粘り強く自分のテリトリーに引き込みたい陸上自衛隊員との恋のお話?
※小説家になろう、カクヨムにも公開しています。
※もちろん、フィクションです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
運命の番?棄てたのは貴方です
ひよこ1号
恋愛
竜人族の侯爵令嬢エデュラには愛する番が居た。二人は幼い頃に出会い、婚約していたが、番である第一王子エリンギルは、新たに番と名乗り出たリリアーデと婚約する。邪魔になったエデュラとの婚約を解消し、番を引き裂いた大罪人として追放するが……。一方で幼い頃に出会った侯爵令嬢を忘れられない帝国の皇子は、男爵令息と身分を偽り竜人国へと留学していた。
番との運命の出会いと別離の物語。番でない人々の貫く愛。
※自己設定満載ですので気を付けてください。
※性描写はないですが、一線を越える個所もあります
※多少の残酷表現あります。
以上2点からセルフレイティング
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる