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第四章 異世界を自由に静かに……生きたい
No.1
しおりを挟む御触れを聞いて、ものすごくだ!
気落ちしている私にさらに追い討ちをかけるように奏歌が、言う。
「さあ、ママ!結婚式までに稼げるだけ、稼ぐよ!」
「………。」
なぜ、娘はこんなに守銭奴のようになってしまったんだ。
……実際には一ヶ月に一度のリサイタルとランチで、一月暮らせるほど稼げる。
野菜は……家庭菜園があるし、何故だかあれから人化して遊びにくる黒サーベルたちがお土産に……狩った肉を持ってきてくれるのだ。
おかげで、野菜と肉については食費から抜いても良いくらいだ。
え?
現在のステータスを知りたい?
……仕方ないな。
ステイタス!
ポチっとな。
ーー鈴木昭子(通称ショウ)
ーー6歳(精神年齢―歳)
ーー冒険者(神の愛子)
ーーギルドランク(S)
ーーレベル99(MAX)
ーーHP(99999/100000)
ーーMP(100000000/100000000)
ーー魔力ランク(SSS)
ーー魔力レベル(∞)
ーー魔力属性/光闇水火土風無
ーー武器ランク(SS)
ーー武器レベル(99MAX)補正+
ーー武器/白銀のサーベルの短剣(解放済)
ーー防具/黒サーベルの守護服(進化)
ーー異世界スキル/マルチリンガル/神の祝福/魅力上/溺愛運特上
ーーユニークスキル/獣語/聖なる癒し手/銀サーベルの護り/テイマー/聖者/空間収納(マジックボックス)/世界の加護/創造神の加護/神聖魔法/獣神の加護/神々の寵愛/創造する力
………なにか?スマホ鑑定の結果だよ?
わかってますよー。
……なんかねー、いろいろ進化するんだね?って思いました。
レベルカウントはどんなに強くなっても表示が99までしかされないんだってさ。
だからレベル99だとしても、スキル補正やさらにレベル自体は上がってるらしいので、レベルが同じでも同じ強さにはならない。
ちなみに、魔法の戦いならロドリヌスに勝てるようになりました(喜)。
でも、実践形式や武力のみでは勝てないのだ(泣)。
なんでよ。
まあ、だから、何が言いたいかっていうと冒険者でガンガン稼ぐ必要はないわけなんだよね。
そもそも、一緒にやっていた頃にかなり稼いで、黒猫亭も買えて……借金がないどころか、貯蓄は使いきれないんじゃなからろうか?と思うくらい稼いだわけさ。
で、その別々に冒険していた時だって、お互い稼いでるわけだしねえ。
私はさ、まあ、のんびりライフも堪能したいので……たぶん、若さ溢れる奏歌ほどは行ってないんだよね。
いや、だって。
シャルをもふりたいし、黒サーベルももふりたいし。アスカももふりたい。ついでに野菜を育てて……ね?
だから、週一から二くらいで1日で済むような依頼をこなしてたんだよ。
それに、ここ三年ほど大規模な冒険者依頼はないしね。
大規模って言うのは、うちらが来てまだ日も浅いころに、兵士と冒険者で盗賊団討伐→ドラコ討伐になってしまったやつ。
そういうのは、落ち着いているのかない。
ただ、兵士団と英雄は国同士の小競り合いとか小規模な戦争?っていうのかな?があって、英雄がいるのといないのとじゃ士気が違うらしくね、ハリーはいつも駆り出され中で……週一会えるかどうか?かな?
で、そのかわりっていうか……うざい人がたまに訪れるんだなこれがっ!
そう、引退した英雄が。
マジでうざい。まあ、これは今度にも詳しく。
だから、稼ぐ必要はあまりないと……言いたいんだ。
なのにだ。
奏歌はガンガン稼ぐという。
これから潤っている一国の王妃(なってほしくないがっ!)になる予定なのに、そんなに蓄えてどするの?
「ねえ、ソカ。そんなにお金いらなくない?」
「なんで?お金で買えないものはあるけど、お金はあるに越したことないじゃん。それに私は、国のお金で贅沢に暮らすなんて嫌。そもそも、美味しいものを食べたり声楽をやめる気はいし。そしたらさ、ドレスとかも必要でしょう?
好きに作るのに自分のお金が一番。
それに『愛』が永遠かはわからないでしょう?
ミリオンのことは好きだよ?でも、未来はわからないし……ミリオンじゃなく王族に嫌気がさしたら、ミリオン連れて逃げるかもだし。
やっぱね、持ってるものがあるのとないのじゃ違うでしょう?心の自由度が。」
「……すごいね。でも、食事は大丈夫なの?」
三年経っても、世間の食事はなかなか塩胡椒のみの味付けはあまり変わらない。一番は出汁の意味がわからないってやつ。
まあ、煮込み料理なら煮込んだ具材からいい出汁は出るんだけどね。
鰹節もねー、思ったより広まんない。
のり玉のおじさんが頑張って加工したものは売っているけど。
やはり、風魔法でそこまでできる人はすくない。
私もね、カンナみたいのを探したんだけど……ないんだよね。
私自身は魔法でできちゃうからさ、必要に駆られなくて。
自分で作ってみようかなあ。
だから王宮の食事がで大丈夫かな?と。
「まあ、多少は慣れたけどさ。まさか、ママを雇うわけにもいかないじゃない?我慢できなくなったら食べにくるし。またママに大量に作ってもらって、空間収納に入れておくよ。今までみたいにね?いつか、個人でママの料理を継いだ人を雇いたいので、弟子をとってよ。」
「無理。」
「だめだ。」
「……ですよね。」
一度、弟子じゃないけど雇ったことがある。黒猫亭オープンしてからね。
したら、まあ、覚える気ないんだもん。
お願いすれば、無理ですだし。
魔法がそもそも……ね。
だから、煮ればいいだけとかにしても、レシピ無視するし。
あげく、私に暴力を振ろうとした。
まあ、私は簡単に逃げましたが……問題はそのあとさ。
ロドリヌスと珍しくいたハリーが大激怒!
どうなったか?
……たぶん?再起不能になるまで叩きのめされて……連れていかれたらしい。
というのは、私は見てないんだよ。
ミリオンの言葉から、たぶんそんな感じ。
「もし、いつか教えてもいい子がいたら、頑張ってもらうことにするよ。」
「そうだね。私的には広めたいんだけどな。」
「ねー。」
まあ、難しいよね。
大半が肉さえあれば、満足って人ばっかだし。
高い料理は庶民の口には難しい。
外でお食事なんて、庶民だと冒険者がほとんどなんだもん。
唯一、私のご飯を真似してくれてるのは、あののり玉のおじさん家くらい。
おじさん自体が元冒険者で、魔力がまあまあ高いってことで……真似ができるってのもあるみたい。
だから、まあ、ロドリヌスとかミリオンがあの店のことを知っていたみたいだよ?
「食事は、なんとかなるよ。さて、ママ、私はね。ママとやるなら一度行きたいとこあったの。たぶん、ミリと結婚したらいけないからさ。」
「えー、どこ?ふつうに旅行だってよくない?」
「稼ぐの!」
「はいはい。」
「ダンジョンいこう?」
「えー!王都から遠いよ?」
実は遠すぎて行っていない。
だって、シャルたちの足でも一ヶ月近いって。
そうしたら……菜園も黒猫亭もかなりの期間休みになるじゃない?
だから、行っていないんだよね。
まあ、めんどくさいってのもあるけどさ。
「ね?いーじゃん。クランなんだからさ。」
「あー、そんなだったねー。」
「うん。……じゃ、行きますかね。」
未だ、神様からも連絡ないしね。
いっちょ、いきますか。
「じゃあ、ギルドに離れるって連絡に行こう!」
わかった。長期で所属ギルドを離れる時は連絡が必要なんだ。
依頼なら別だけど。
新しいダンジョンでも見つからなければ、依頼でのダンジョン攻略はない。
まあ、あのダンジョンのなんとかから取れるドロップ品が欲しいとかはあるみたいだけど。基本的には、離れた都市ではなくダンジョン近くの都市での話だ。
どーしても離れた都市で欲しい時は、ギルド同士のやりとりがあるみたい。よくわからないけどね?
あ、もちろん。
所属ギルドに連絡すれば、向こうのギルドの依頼も受けれますよ?
というわけで、ギルドへ報告し、食材を買い足し……作り置きの足りない分のご飯を作って空間収納に沢山確保しましょうか。
あ、ハリーに連絡をしとかなきゃね。
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