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第二章 異世界というものは

No.21

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ラナンたちが出かけていって数日が経ってしまった。
私たちは、その間変わらずロドリヌスたちから『この世界』のあり方や、魔法を教わっていた。
ロドリヌスたちから、そろそろいいだろうとクエストを受けてみることにした。
この間みたいに、たまたまのを売るんじゃなくて、ちゃんとしたやつね。
そう、受けたのをこなすってやつ。
周りはたぶんロドリヌスたちが手伝って闇スライムを倒したと思ってるんだろうなあっておもうしね。
ギルドカードにはちゃんと倒すとそれがレベルにつながるらしい。倒したモンスターというか、魔物や魔獣……時には敵対した人間までギルドカードにデーターとして残るとか……つまりは人殺しかどうかって、わかってしまうわけさ。なんか、すごいハイテクだよね。
……ただねえ。人を殺しても功績として残るのことがあるわけよ。そう……国同士の戦い、いわゆる戦争に関してってのは、世界が変わっても変わらないね。
まったく、嫌なものです。それ以外は、基本『悪い奴ら』は捕獲です。懸賞金がつくってやつ?警察がいないせかいですからねえ。
捉えるのは『国』の『王』なわけ、で騎士団とかが働くらしいけど。実際には捕まってからの管理や処罰がそこで下されるらしい。だいたいが捕まえてくるのは、クエストで冒険者みたいよ。

あ、脱線しちゃった。

まあ、だからクエストを受けていなくてもレベリングされたのは、反映されるんだとか言う話なんだ。
ただ、ギルドランク自体はどれだけ難しい高ランクのクエストをこなすかにかかるから、実際には低く見られがちだったり、逆に高ランクのカードを持っていてもレベル自体はそこそこだったりなんてこともあるんだって。まあ、私たちは前者だね。
請け負うことによってって上がるってこと。
でも、流石にAランク以上は認定試験が必要なんだってさ。
よくわからないけど。
まあ、そのくらいまで上がったらまた講義してくれるっていうから、それまで待つことにする。
Cランク以上に上がれないと受けられないクエストもあるそうですので、またランクが上がったら教えてもらうことにした。そう、今回のラナンたちみたいにね。『ランク』が必要なわけ。
魔石取りとかは、別にスライムじゃなくても出てくるアイテムらしいので、もっと弱い闇系魔物を倒せばいいというんだ。
ただ、闇系は夜の森に出るのは変わらないんだってさ。だから、闇系は、難易度はそこそこみたい。
ただね?
スライムたちの魔石は、純度が高く質がいいらしいんだよ。だから人気がたかい。
でも他の魔石とは見た目はあまり変わらないから、どの魔物の魔石かは、ギルドにしかわからないみたい。あ、魔力が高くて魔力を探知できちゃう人はわかっちゃうよ。つまりロドリヌスには、わかってしまう。
もちろん、他にも採取クエストはあるんだけどね。
まあ、最初のクエストにありがたなよくある薬草に始まって、なかなかみつからない薬草やキノコだったり。魔獣の牙とか骨とか皮とか……。魔物だとゲームみたいなドロップアイテムっての?になるんだけどさあ、魔獣の牙やら皮やらは、自分で捌かなきゃいけないだってさ。……うー、なるたけ魔獣のクエストは受けたくないかなあ。魔物は、ゲームと同じでドロップアイテムに変わるというか、魔石に変わる。それぞれの属性のね。

で、まずはコテ始めですね。

「ショウ、これなんか良くない?」
「うーん、炎のスライムかー。難しいって言われない?」
「でもさ、見てみたいなって。どんなかな?炎のはスライムの中でも下の方なんじゃないの?」
「まあ、そうだな。炎ならな。大丈夫だろ。」

とロドリヌスの言う『大丈夫』は、倒せるだろうではなく。私ら二人が倒しても疑われたり過度に仲間にしようとされたりしないだろうってくらいのレベルって言うのかな?
なんかね、ほら自分で言うのもなんだけどね?
うちら二人、かわいい女の子じゃない?
ロドリヌスがいうには、やっぱり『かわいい女の子』って貴重なんだってさ。
女性自体が少し男性より少ないのもあるけど、華奢な女性はさらに輪をかけて少ないんだとか。
この世界での一般的な華奢に見える女性は、うんとあの女性騎士くらいみたいだよ?
ラナンが外国人女性のサッカーとかバレーボールとかの体つきで、女性騎士は女性のボディビルダーかなあ。
うん。
どっちもおっぱいはバイーンだけどね。
あ、話を戻すね。
それで、かなりうちらはモテるらしいのですよ。
そ ・ れ ・ も ・!
変態さんに特に!もう、お前は変態ホイホイかってくらい?
なぜって?
そりゃあ、持ち運ぶのも簡単だしね。
あとは、幼く見えるわけで……この日本人特有の黄色というか、肌色の肌……の白い方なわけさ。
この世界は、色白って言われる肌の色は夏の焼けた小麦色くらい?
だから、私とソカは色白なんです。
ピーチスキンて感じで希少だって。
なわけで、よくてマスコット。
悪いと性奴隷的な仲間にしたいパーティに狙われる可能性があると、言われたのですよ。
まじ?考え過ぎじゃなあい?
と思ったんだけど……。
現在、物凄く気持ち悪い視線が集まってるわけで。
これ、ロドリヌスとミリがいるから寄ってこないだけなんだよね?
いなかったらと思うと……ちょっとゾッとするね。

「うん、ショウ。やっぱこれでいこう!」
「わかった。」
「じゃ、申し込みにいこう?」
「うん。」

貼られていた用紙をとって、カウンターに向かおうとすると、前から三人の嫌な笑いを浮かべたおぢさんたちが立ちはだかる。
まったく、ロドリヌスたちから少し離れたらこれか。

「おい、おい。二人で行くのかい?おれたちのパーティに入らねーか?大丈夫だ、守ってやるぜー?」

と言われても。大きなお世話だ。
娘はちらりとスマホを見る。

「おじさんたち、邪魔。うちらは二人で十分。」
「またまた、そんな細腕で。無理無理。」
「まだ、Fランクじゃ、その森はきついぞー。」
「俺らはCランクだからな。」

Cランクねえ。
だからなに?だ。

「大丈夫です。ロドさんとミリさんのお墨付きをもらってますから。」
「あの二人に尻拭いさせんのか?」
「ちがう!ソカと私で倒せるの!」

ガハハハと大笑いされてしまった。
まあね~見た目じゃねー、分かりますよ?そりゃあ、華奢な女性とお子様ですもん。

「なあ、助けてやるから仲間に……。」

「なあ?誰に言ってるんだ?」

とうとう見ていることに痺れを切らしたのか、ロドリヌスが割って入る。

「いや、仲間に。」
「ロドリヌス様のパーティではないのですよね?」
「ああ、パーティではない。だが、二人はバディを組んでいるし。火の草原くらいなら二人で大丈夫だ。」
「そうよ?二人で十分よ。それに、私たち二人が後見してますもの。変な虫から私たちが守りますので。」

ミリまで、にっこりと口を挟む。
笑顔が怖いって。

「そそそ、それなら……あ、安心だ。じゃ、ま、その。」

ともごもごいいながら、男たちはいってしまった。
二人とも過保護だなあ。
まあ、助かったけども。

「ロドさん、ミリさん、ありがとう。」
「ほんと、すぐに虫が寄るわねえ。」
「ああ、少し離れただけでな。」
「目が離せないわね。」
「大丈夫!いざとなったら魔法で!」
「そうね、そうしてちょうだい。」
「うん。」
「じゃ、気をとりなおして、ショウ、いこう!」
「うん。」

で、そのあとは無事にギルマスにちゃんと申し込みました。
『火の草原』で火のスライムを5匹以上討伐……赤の魔石買取。3日以内。

「じゃ、明日は朝一で出るわよ?半日くらいかかるけど。馬は乗れる?」
「?遠いの?」
「馬で半日ね。」
「乗れない。」
「じゃあ、相乗りね。」
「えー。」
「これが終わったら、馬に乗る練習か?まあ、何か足が必要だな。」

……たしかに。
この世界では、公共の乗り物ないもんね。
はあ、色々大変だなあ。
ゲームみたいな世界でもゲームじゃないもんね。
馬を手に入れました→移動スピードアップ
ってわけにはいきませんね。
コツコツとできることを増やさなきゃ。

というわけで明日からは初討伐だ!


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