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第一章 マジ異世界ですね
No.2
しおりを挟むスマホを奏歌に渡すと読み始めた。もちろん覗き混んで私も一緒に見てはいる。
「えっと、僕は神さまです。
昭子ちゃんと奏歌ちゃんのこれからの為に少し説明しますね。
そこは、所謂、異世界というやつです。二人はそういう話が好きだからたぶん、きっと受け入れてくれると思います。
ダンプカーは実際には貴方達二人を跳ねる予定ではなかったのです。
これは守秘義務から『何故』そうなってしまったかはお話できません。
昭子ちゃんが、奏歌ちゃんの幸せと恋愛を望んだし。別の世界でも良いっていったから。
なんとか体を再生できる僕の世界で生きていけるようにできました。
もう、地球では無理だったのです。ごめんなさい。
ただ、問題が一つ。
もう気づいてると思いますが、昭子ちゃんのことです。
……あろうことかその『何故』の原因の奴が昭子ちゃんの転生前準備を勝手始めてやがりまして、止めた時には33年分が……ああ。ごめんなさい。本当にごめんなさい。戻せないんです。
な、なんで、昭子ちゃんにはチートというか、あのたくさん能力やら授けたんで許して?ね?お詫びです!
一応、魔法と剣の世界で。割と女性や子供には優しい世界を選んだつ・も・り・♡
だから、あのその世界で幸せになってくれたらなあって……おもうんだー。
で、他にもツールとして二人のスマホには、ラノベで定番かもだけど、自動修復機能と永遠継続機能をつけたの。で、お互いは連絡ツールとして使えるし、自分のステイタスとかも見れちゃうんだ。それも二人にだけの特典だよ!
所謂、ゲームのステイタスウィンドウみたいな感じ?
その上ね?鑑定もそれでできるよ。色々と活用してみて?
とりあえず、適と…ゲフッゲフッ……いろいろ機能あると思うんだ。
あとね。魔法なんだけど。そ・れ・はあ、二人の感覚次第だから!
あ、もちろん、奏歌ちゃんにもちゃんと魔法が使えるよ?
……だって、魔法がないと危険だもんね。
実際には呪文があるみたいだけどー、そっから覚えんのむりじゃん?面倒じゃん?僕も面……ゲフゲフっ。こほん。
あ、言葉はマルチで大丈夫。でも、ごめん、読んだり書いたりは勉強してくれる?
ああでもでも安心して、なんと、あら不思議……スマホにかざすと、読むことはできるではありませんか!
まあ素ではむりですがね。
あと、昭子ちゃん特典。眼鏡なしでも、見えます。つまり、視力は回復したっこと!僕、素晴らしいほどの気遣いさん♡
寿命もちゃんとこの世界に合わせたから。
ただ、体の大きさはごめん、無理だったっていうか、変えたく……ゲフゲフっ……あははは~。じゃ、頑張ってね?
原因になったやつは、蹴飛ばしとくからさ。じゃ、アデュー。
幸ある人生をねがってまーす!
ーーーーーby神さま
………………だって。
なげーわ!マジ、なげーわ!なのに、軽すぎるよね?かりーわ!マジで!」
「うーん、ママ、ひとちゅだけまちがえちゃったな。
ちょうかのことばぢゅかい。わるちゅぎる!」
「え?いま?いま、必要?ちがうよね?考えるとこ、ママ間違えてない?神さまを突っ込もーよ!」
「ああ、ちょだね。」
でもね、今更かな?って。
「キーー!返信できねーし。書いても既読されない、あ、ひど!退室だって。絶対見たくせに!神さまひど!」
「まあまあ、おちちゅけ。」
「ママ、なんで落ち着いてんの?」
「んー、なんかね?ちゃとったっていうの?」
「はあああ?もう。……でも、なるようになるしか、なんないか。」
「でちょう?」
「うん。」
わりと、親子でポジティブだと思う。でなきゃ、やっていけなかったから。
『明るく元気に!』が二人のもっとうである。まあ、単純で考えなしかもですがね?あははは。
「ねえ、ねえ。ママはチートとか書いてあったし。うちらのスマホ、多機能になったみたいじゃん!使ってみる?魔法!」
「だね、だね!」
私らはやはり厨二っぽいのかも!でもさ、夢じゃん?魔法!
誰だって、一度くらいは思わない?
魔法を使ってみたいって!
使えるなら試したいのが、人だよね?
ふふふ。
やりましょう。
「ママ、私からでいい?」
「いいよ。」
二人ともこんな状況だというのにワクワクするのが抑えらんない!
「いくよ?えっと。ファイヤボール!」
ボンって木が燃えましたよ。なぜ、攻撃魔法を試すんだ。娘よ。
って、落ち着いてる場合じゃない!
不味かろ!
ああ、木がー!火事ー!
「ママ、どど、どー!」
落ち着け!娘よ!いや、私も!
「ああ、ああ、もー!うぉーたーちゅくりゅう!」
水がうねって火を取り巻き消した。
何が起きたかと言いますとね?
①娘がファイヤーボール
②大木に当たる
③燃えて、大惨事!
④私、ウォータースクリュー
⑤消し止める←イマココ
であります。
「ごめんね?木ちゃん。にゃんにょ木かわかんにゃいけど。
えっと、じゅもんはぁ、てきちょうって、いったよねえ、?うーん。みどり、ちゃいちぇー!」
おお、木が少し元気になって、焼け折れた枝から緑の芽が……チートってすごい……。
ふう、日本語もおっけいな魔法って、素晴らしい。
「ちょうか、めでちゅよ!」
「はーい。ごめんなさい。ママ。」
「あたちじゃ、にゃくて。木に謝りなちゃい!」
「ごめんなさい。」
娘は素直に木に謝った。
うむ。我ながら素直に育てられた娘が可愛い。ああ、娘ラブ♡
「ここで、ためちゅのはきけん。とりあえじゅ、みじゅは、でるから。町をちゃがちょう。」
「そうだね。ママ、靴も履けないもんね。私の体育館ばきも無理だし。パンプスもダメだしねえ。サイズ一緒だったけど……今は、完全に無理だしなあ。私のバックに体操着あるよ?それにする?ワンピになるよ。ブラウスだと、前がね。とりあえず、スカートやブラ。パンツは……ああ、端を結んだんか。暑いから私も、上着は鞄だな。下はジャージを履こう。虫がいそうだし。」
荷物の軽いうちにと、娘は体操着やらジャージやらも持っていた。いや、私にも少し持たせていたのだが、流石に今は全部を持ってくれるらしい。
テキパキと大きめのリュックから出して、履いたり私に着せたりした後、使わないものを中にしまった。
もちろん、私の持ち物もだ。
で、背負う。
完全にジャージに着替えないのは、着替えがなくなるのが嫌だからだそーだ。まあ、年頃の娘だし。あ、浄化は?クリーンは?
「まって、くりーんちたらきれいにならにゃい?」
「ああ、クリーンか。やってみる?えっと、ママの足をクリーン!おっ、なった。やった。じゃあ、少しはましか。足、痛くない?」
「ん、今のところは、こけでいたくない。」
あまり気持ちがいいとはいえないが、こけが、ふかふかして痛くはない。裸足じゃと……、娘が靴下を脱いでくれてそれを履いた。娘は、ローファーだと辛いので、体育館履きに変えていた。まあ、運動靴もどきだしな。
「あー、もうアップシューズも持ってくればよかったよ。」
「だねえー。」
アップシューズは、所謂、外用の運動靴だ。それなら、足に負担はかかりにくかったかもね。
「抱っこする?ママ。」
「だめ、ちょうかは、にもつもあるし、ちゅかれてもママ、なにもちてあげらんにゃいから。」
「うーん、わかった。でも、疲れたら言って?一応、ピチピチの女子高生だから力や体力はおばさんで幼児のママよりあるよ。」
「あい、あい。あいがとうね!」
一言余計だけどね!まったく、誰に似たんだ……って私か!
とりあえず、私たちはスマホでマッピングが出来ないか確認した。
結論、できた。
この森は、『原始の森』というらしい。いかにもでカッコいい!
で、一番近い町まで15キロだ。森を最短で10キロ……そしたら街道に出るみたい。そこから5キロ……らしい。
長い。ただ、歩いた道は道として記憶されているが、歩いていない場所は道が書いてない。
一番街道らしき場所まで短い方向に歩き出す。黙々と歩きながら後、街道まで2キロくらいか?と言うところまで来た。
日がくれなくてよかったなあ。
と、娘が言う。
「ねえ、ママ。いまおもったんだけどさ。剣と魔法の世界なんだよね?」
「うん。」
「じゃあさ。魔物とかいるのかな?」
「うん……え?」
今、言うな!フラグか立つだろ!
と思った時には遅かった。
目の前に巨大な熊の様な黒い影が立ち塞がったのだった。
ーー万事休すである。
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