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レポ1〜明成と異世界〜
ついつい……出来心なのです!……やったね♡
しおりを挟むセディに手を引かれ、元の場所に戻る。
リアムくんがなんか目を丸くしていたけど、笑いたきゃ笑えばい!
僕は筋肉に癒されるべく、セディの手を振り切りフロリアさんの膝ににポフンッと抱きついた。
はあー、癒されるぅ。
本当はステキな大腿筋にすりすりウハウハしたかったし、広背筋をさわさわしたりもしたかったけど、それは流石にセクハラで訴えられるレベルだと思う。
だって、治療してるわけではないしなあ。
整体だったら、少しは堪能できたかもしれないけど。
「どうした?」
フロリアさんが頭を撫でてくれた。手の母指内転筋も良いねえ。
『恥ずかしさ』で疲弊した心の傷がやや治る気がします。
「僕、僕ね。(今)とっても恥ずかしいの。」
「ま、まさか!」
と皆がセディを睨みつけるじゃありませんか!
それも何故か、ミカエルさん他侍従さんたちまで。
何故でしょうか?みなさん、どうしたの?
「まさか、こんな年端のいかない子に何かしたんじゃないだろうな!
……お前だけは優しい子だと思っていたのに!」
睨まれて頭をひねっていたセディが、いきなり焦り出す。
「まて!ご、誤解だ!」
「だが、アキが恥ずかしくなるようなことをしたのだろう!」
ん?
話しが斜め上を駆け上がってる?
……すごーい。
みんなが怒ってる。
ちょっと面白い。
でも、セディが可哀想なのでネタバラシしましょうねえ。
ドッキリなんかではありませんが。
「まって?
セディは何にもしてないよ。
ただね……僕、男の子なのにね?
こんなフリフリしてて恥ずかしいって思ったの。」
だから、筋肉に癒されたかったの。
ステキなフロリアさんに癒されたいって思っただけなんだよ?
「なんだ。じゃあ、セディがアキにヤラシイことしたわけじゃないんだな?」
と、リアムくんがホッとしたように言った。
……セディって、王子なのに信用ないの?
「信用はしているが、アキくらい可愛いなら魔が差してもおかしくないからな。」
あれ?
声出てたみたいだ。
「まったく、私がアキに嫌われるようなことをするわけがなかろう!」
とセディが腰に手を当て憤る。
「ごめんなさい。僕が悪い?」
不敬になったら大変!
大丈夫、僕謝るよ!だから、打ち首は嫌なの。
涙目で聞いてみる。
「いや、アキは悪くない。私を信用しないのが悪いのだ。」
やや、焦り目にセディがいう。
「仕方ないんじゃ?アキが恥ずかしいって、セディから離れたからな。」
と全く気にせずにリアムくん。
「ミカエルたちにまで、睨まれるとは思わなかったぞ。」
はあとセディが盛大なため息をついた。
「大変失礼いたしました。少女のように可愛らしいアキ様でしたので、流石のセドリック殿下でも我慢できなかったのではと。」
僕はどうやら可愛いらしい。
やばいって、そっちの意味だったんだね!
やったね、好感度が高いなら筋肉に触れる率が増えるんじゃないかな!
もしかしたら、筋肉の王様もさわれちゃうかも?
「ふふふ。セディ、可哀想だね?
ね、フロリアさん。僕ね、こんな服着たことないし、笑われるかと思ったの。特にリアムくんに。」
「なぜ、俺限定⁉︎」
「ん?とっても失礼だもの。なんでリアムくんは不敬にならないの?」
僕は頭をコテンとさせて聞いてみた。
だって、リアムくんはこんなに失礼なのに、不敬じゃないなんて……理不尽だもん。
僕が筋肉、筋肉言ってるのとわけが違う!
だって、僕は か わ い い 子供だもの。この際、利用できるものはちゃっかり利用しちゃう。
だって、我慢してなんの得があるの?
死んだら終わりだもの。
死んだ僕だから、言えるよ!
死ぬのは最後!どうせ死ぬならやりたいことやってから!
「あ、ああー。俺が貴族って話しただろ?俺の父は王弟でな?今は公爵になるんだ。つまり、殿下たちとは従兄弟になる。
もちろん、公の場ではちゃんとしてるがな。」
ふーん。
従兄弟か……なら、気安いのもわかる。でも、ずるいよねえ。
ま、僕は庶民だからしょうがないよね!絶滅危惧種だけどさ!
でも、犬耳と猫耳……の違いはなんでなの?
普通は同じ種族じゃないのかしら?
不思議に思って聞こうかな?
……なんて思ったのだけれど。
せっかく、フロリアさんがまた抱っこしてくれて、筋肉におもっくそ癒されてからでもいいよね!
そんな風に幸せに浸っていた。
と、その時扉が激しく叩かれた。
な、何ごと?え、え?
びっくりして、つい、フロリアさんのおっぱいにしがみついちゃった。
わ、わざとじゃないよ!
でも……クフフフフフ。
役得なのです…よ。
ちなみにフロリアさんのおっぱいを小さなお手で、もんでしまったことにフロリアさんは気づいてなかった。
たぶん、僕のにやけすぎた顔も!
感触?
な・い・しょ・だよ。
一言言うなら!
『やったね!明成!』
これに尽きる!
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