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第二章 聖女(仮)編
♡1
しおりを挟むあたし、サクラ。
サクちゃんって呼んでくれたら嬉しいわ。
え?このフレーズ、聞いた覚えがある?
あったりまえじゃない。
あたしのバーに来て、コレを聞いたことがないならあなた、モグリよ。
そう、あたしの自己紹介は必ずコレよ。
え?本名?絶対に教えない。
だって、この世界でならあたしの本名を探れる奴はいないのよ?
だから、初めからサクラとしていきていくわ。
絶対に!
現在のあたしは、放置されてて暇としか言えないわ。
ジークンの悲惨な過去を教えてもらって、樹人族のもとに旅することは決まったのよ。
ただね?
ジークンだけじゃないでしょう?
聖女(仮)もいるわけじゃない?だから、旅のメンバー決めが難航中らしいの。
その旅のメンバーと騎士団が『悪しきものを消滅させる軍』になるらしいのね。
まあ、騎士団自体は後方支援?的な?街とかを守る的な?感じなんだけど。
『旅のメンバー』がなかなか、決まらないのよ。
コレが、勇者一団っていうの?
ああ、ゲームでいうならクエストのパーティメンバーっていうのかしら?
総勢5名になるらしいわ。
なんだか、人数と職業は決まってるんですって。
勇者(ジークン♡)
聖女(あたし♡)
コレは決まり。
あとは、剣士、槍士、斧士、騎士、魔導師、治癒師、呪術師、召喚士、召喚士。
なんかから選ぶらしいわ。
歴代の聖女様は、[聖なる力=魔なるものの浄化]って力だけらしくて。それを勇者の扱う聖剣に授ける存在らしいの。
聖女様自体が使うのは穢れた地への祝福のみだったみたい。
要は、瘴気?によって汚れてしまって作物も人も住めなくなった場所を浄化する力?
らしいわ。
それ以外の力を持っていなかったのですって。
で、この世界じゃありえないくらい『華奢な女性』で『戦う』のは無理だったから、聖女を物理的にも魔力的にも守りながらの戦いなんだとか。
まあね?黒髪黒目の白い肌(この世界基準)で華奢なとくれば、アジア系の聖女様ばかり。
そりゃあ、儚そうにもみえるわよね。
とくに、日本の少女なら……まあ、八割以上が『華奢な』にはみえるでしょ。この世界なら。
って、あたし思うわけ。
でもね、今回はあたし。
守ってもらえるに越したことはないけど。まるごと守ってもらわなきゃいけない、か弱い少女じゃないのよ?
たくさんの男をこの武器で転がしてきたの、一応すいもあまいも体験してきた(27年ほどだけどお水に浸かっていたんですもの、いろいろあるわ♡)オンナですもん。
それに、今までの戦い方って、勇者だけが前線じゃないの。
あたし、それはどうなの?っておもっちゃうわけよ。それをジークンによ?
あたしは、い・や。
だって、魔物とか魔獣は騎士団だって戦えるのよ?武器を扱ってるんなら戦うことはできるの。
ただ、浄化できないから戦ったあとには、草一本なくなるってだけ。勇者だって、聖女の力を宿さなきゃ同じよ? なのに、勇者一人に押し付けるの!
ちょっと、人間性を疑っちゃうわ。
まあ、その大厄災がどのくらいすごいのかわからないけど。
聖剣だけじゃ、浄化もできないわけ。だから、最後にあたしが祝福するみたい。
まあ何言いたいかというと、戦闘力重視のパーティでも良いわけよ。
あたしは、守られてばかりの少女じゃないのよ?(大事なので二度目)
あとねえ、ここだけの話。
あたし、暇だから色々試したの。
だって、ジークンまであたしをほっておくのよ?
ロリーナに呼んでって頼むと、『申し訳ございませんが、私は勇者様に会う許可が出ないのです。』って、断られたから。
じゃあ、それをできるお偉いさんを呼んでもらったら、『勇者は現在忙しくて、お会いできないとのことです。』って、ずっとそれだけ!
一晩たって、朝を迎えてから三日。
ずっと、この言葉だけよ?
で、ルノベッチラさんも呼んでもらえないの!
偉いおっさん(たぶん、執事なのかしら?それか、メイドとか侍従の長みたい)がルノベッチラさんもそのパーティメンバーの選出で忙しいんですって!
な に よ !
って思っちゃってもいいわよね?
まあ、それで暇を持て余してるわけ。
ご飯はゲロマズだったし……。水は怖いし(やっぱり汚かった)。
ロリーナにこれでも、民よりは綺麗な水と言われたあたしは、意識が遠のいたわ。
で、あたし、『魔法』についても聞いたの。
普通の人は『魔力』が少しあって魔法』も使えるらしいの。だから、料理の火おこしのは魔法なんだとか。
一般的には火付け魔法くらいみたい。あとは、なんだか『科学的なかわり』でつかってるみたいね。
生活そのものは、ヨーロッパの中世か、それよりも前みたい。
だってあたしの思う『魔法使い』じゃないみいなんですもの。
話をつづけるわね。
(ゲームに)よくある属性魔法は、いわゆる攻撃と治癒に使われるものらしいの、属性が高くないと使えないみたい。
あたしは暇だから、さらにロリーナに魔法とか職業的な魔法とか?について聞いたのよ。
魔導師ーその名の通り、魔法使い。攻撃魔法で火、風に分かれた属性を持つのが魔法師。その両方を操れるのが魔導師なんですって。だが、ルネベッチラさんは若い頃は赤風の魔導師って、二つ名がつくほどの実力者だったらしいわ。
呪術士ー闇の魔法を操って、呪いをかけたり、呪いを解いたりするみたい。……怖いわね。
治癒士ーその名の通り、水魔法で治療する人。でも、傷を塞いだり回復を早めるくらいらしいの。
水属性の魔法って言うだけで、水をだしたりはできないみたい。もちろん、水を操ることもできないそうよ。
召喚士ー簡単に言えば、獣や土人形みたいなものを召喚して戦わせるみたい。魔力と召喚する力が強いと聖獣とかも呼び出せるらしいけど……未だに机上の話なんですって。
ほかにも伝説では、精霊使いとかもいるとか、いないとか?
勇者ー魔法剣士らしいの。とくにジークンは、魔力も魔法もすごくてルノベッチラさんが師事していたみたい。その力がなくなってしまったなんて……。
聖女ー光魔法。浄化の力なんだとか。他に魔法を使った記述はないみたい。他の使えなかったともいわれてるみたい。
騎士ー初級の魔力があり、数回の攻撃魔法も使えるそう。でも、目潰し程度の力なので、剣重視の戦いみたい。
民間人ー魔力は少し。魔法は火魔法くらいらしいわ。お湯を沸かすための、火を着火するのに使う程度みたい。
王族ー魔力が多いとされてる。魔法は魔導師寄りの力だとか。
ただ、女性には発現しにくい。民間人程度の魔法しかつかえないが、民間人より魔力は多いそう。
王族直系の王子は、多少の多い少ないはあっても、魔導師並みの魔力をもっているんだとか。
ジークンが使えない今、王族で1番の魔法の使い手は、あのアンドリー王子なんだとか。
で。
あたしなんだけど。ロリーナには一人になりたいと言って、考えてるの。
魔法を使えないはずの魔法が、あたしには使えるわ。
でね?ちょーっと、あたしね?
前にも言ったと思うんだけど、ラノベとかゲーム好きなのね?
まあ、だから試しに言ってみたのよ。
あ、厨二病なんていわないでね?
試しよ、た め し♡
ちっさい声で、
「ステータスオープン」
……………………………。
結果、でたわ。
通称→サクラ
本名→桜城拳ノ助(ぎゃー!それはだすな!あたしは認めない名前よー!)
職業→聖女
レベル→♾
魔力→♾
拳力→♾
武器力→♾
魔法属性→全
ユニークスキル→オール翻訳、自己再生、若返り+不老、愛の鞭、愛の飴、鑑定、空間収納(マジックボックス)
エキストラスキル→聖なる光、愛ある光、創造
加護→白き獣の守護
…………………。
…………………。
…………………。
…………………。
…………………。
どこをどう突っ込んだらいいとおもう?
あたし、これ、どーしたらいいの?
チート中のチートよね?
ねえ?
ねえ?
ねえ!誰に聞いたらいいの?
そもそも、ステイタスって見れるの?
誰に何を聞いたら、大丈夫なんだとおもう?
あとね、なんで名前をあんだけ捨てたって言ったのに!
あっさりだすんじゃねー!
あら、いけないわ。拳ちゃんが出ちゃう♡
流石にあたしもアワアワしちゃっていいわよね。
で、冒頭近くに戻るわけ。
いろいろ小さく魔法をつかったの。
いやん、もう、すごいしか言えないわ。お水は綺麗なミネラルウオーターに。ご飯も何故かしら、空間収納(マジックボックス)からでてこいってしたら、好物のカツ丼と豚汁が。
これ、これが『創造』ってスキルなのかしら!
……癒しが、欲しいわ。
よし、決めた。
あたしらしくもなく、訪れを待ってしまったわ(呼び出したけど!)。
あちらが来れないなら、暇なあたしが行けばいいのじゃない?
では、ちょっとお出かけしましょうか?
ふふふ。
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