上 下
177 / 184
第五章 とうとう?カウントダウンか?

177

しおりを挟む



朝、兄とセバスに熱をはかられて、さらにアズリアに診察を受けた。
そこでようやく、学園へ登校するのをオッケーしてもらえました。

ご飯もしっかり(ハノエルとしては)食べまして、仲良く学園へレッツゴーです!
兄にはあらかじめ、『鑑定』してみるねって朝なんとなくいってみた。
したら……俺が『鑑定』できるってこと伝えてなかったみたい。
テヘペロしたら、濃い~キスをされてしまった。
普通はゲンコツじゃないか?
と兄に言ったら『ハルを傷つけることができると思うの?』って切り返された。
……惚気じゃないよ?

まあ、そんなで『今日はあのケムケム鑑定しちゃうぞ♡』と可愛く言ってみたら、さらにキスされた……解せぬ。

「ハル、何だか楽しそうね?」
「うん。ちょっと試したいの。」
「そうなの?よくわからないけど、笑顔の方が可愛いから良いわ。」

姉もニコニコです。
やっぱり、学校は楽しくないと。
でも、この一年が終わらないと思いっきり楽しむのは無理だよね?
って、一年したら俺いないじゃんよ!
だって、長くても兄が卒業したら俺も出ちゃうもん。
いつ、赤ちゃんが育ち始めるかわからないから。
ただ、ハノエルを守るために力をつかったから、もしかするとさらに遅くなるかもって言ってたから、卒業まで大丈夫かも?
なんて思ってるんだ。

「そういえば、ヴァル。ヴァルは、あの赤い煙みえる?」
『みえにゃいよ?ただ、いやな気配がただよってる。』
「そうなんだー。」
「ヴァルは、なんだって?」
「うん、煙は見えないけど、嫌な気配があるんだって。」
「ヴァル、誰から嫌な気配がするとかはわからない?」

そっか、気配に敏感なニャンコならもしかしたら?ってこと?

『わかんにゃい。ただ、つよく嫌な気配があるやつとうすいやつがいた。でも、まったくしないのもいた。』
「ハル、なんて?」
「誰って特定はできないけど、強いのと弱いのとまったくしないのはわかるみたいだよ?」
「そうか。ヴァル、もし強く感じる奴がいたら教えて?」
『わかったにゃん。でも、ハルちゃんもわかるよね?』
「そうだねー。」
「ん?」
「わかったけど、僕にもわかるよね?って。」
「濃い奴わかるの?」
「うん。ルドガレス?とかいう子は濃いーいよ?」
「……サーチスは?」
「んー、さすが神聖魔法なのかなあ?彼に伸びる煙は消えるの。」
「そうか……。」

兄は何やら考え中……。

「ハル、脳内でばかり会議しないで、私にもちゃんと報告してね?わかった?」

あ、目が笑っていない。
笑顔が怖い。
俺、そんなに報告してなかった?
あれ?

「ワカリマシタ、ごめんなさい。」
「まったくハル、しかたないわねえ。」

姉にも呆れられてしまった。

そんな中、学園の前まで来ると……ああ、煙が物凄いことに……。
では、いきましょうか?

「じゃ、やってみる!」
「ハル、何を?」
「んと、鑑定を。」
「「「できるの(ですか)?」」」
「らしい。」

あ、みんなが呆れてる。
ひどいなあ。
ちょっといい忘れだけぢゃん?ね?

「……ハル、最低でも兄様には報・連・相してね?わかった?」
「はい。」

って、この世界にも報連相あったんだねー。
当たり前か?日本人が制作したんだもんね!

「では、えっと『鑑定』!」
「「「それだけ?」」」

そう、本当は言葉もいらないんだよー。


《赤の悪威》
魅了を持つものによる悪威のオーラ
魅了の上位
心意を悪い方へ増幅する
記憶をやや操作
悪魔のスキル、邪魔王のスキル
弱点―神聖魔法最高位、聖魔魔法上位


えー………と?
これは、巫女になんとかできる問題ではないらしい?

……悪魔のスキルは納得。
でも、魔王じゃなく邪魔王って……なに?

俺はいったいどーしたらいいの?






しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

【書籍化確定、完結】私だけが知らない

綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ 目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。 優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。 やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。 記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ 2024/12/26……書籍化確定、公表 2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位 2023/12/19……番外編完結 2023/12/11……本編完結(番外編、12/12) 2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位 2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」 2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位 2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位 2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位 2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位 2023/08/14……連載開始

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

俺の彼氏は俺の親友の事が好きらしい

15
BL
「だから、もういいよ」 俺とお前の約束。

淫愛家族

箕田 はる
BL
婿養子として篠山家で生活している睦紀は、結婚一年目にして妻との不仲を悩んでいた。 事あるごとに身の丈に合わない結婚かもしれないと考える睦紀だったが、以前から親交があった義父の俊政と義兄の春馬とは良好な関係を築いていた。 二人から向けられる優しさは心地よく、迷惑をかけたくないという思いから、睦紀は妻と向き合うことを決意する。 だが、同僚から渡された風俗店のカードを返し忘れてしまったことで、正しい三人の関係性が次第に壊れていく――

嫁側男子になんかなりたくない! 絶対に女性のお嫁さんを貰ってみせる!!

棚から現ナマ
BL
リュールが転生した世界は女性が少なく男性同士の結婚が当たりまえ。そのうえ全ての人間には魔力があり、魔力量が少ないと嫁側男子にされてしまう。10歳の誕生日に魔力検査をすると魔力量はレベル3。滅茶苦茶少ない! このままでは嫁側男子にされてしまう。家出してでも嫁側男子になんかなりたくない。それなのにリュールは公爵家の息子だから第2王子のお茶会に婚約者候補として呼ばれてしまう……どうする俺! 魔力量が少ないけど女性と結婚したいと頑張るリュールと、リュールが好きすぎて自分の婚約者にどうしてもしたい第1王子と第2王子のお話。頑張って長編予定。他にも投稿しています。

「優秀で美青年な友人の精液を飲むと頭が良くなってイケメンになれるらしい」ので、友人にお願いしてみた。

和泉奏
BL
頭も良くて美青年な完璧男な友人から液を搾取する話。

処理中です...