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第五章 とうとう?カウントダウンか?
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しおりを挟む兄や姉が学校に行ってしまうと暇だ。
ルイくんは今日一日は、お休みして明日からは復帰。
俺は今週はなし。
これは体力の差だから仕方ない。
ルイくんは基礎体力があるので、治癒魔法をかけて完全に治っている。いいなあ。
俺はこの子のおかげで治癒されていたけど、まあ、念のためだ。
微熱がねえ、出たりしてるから。
たぶん、魔力が不安定なんじゃないか?ってアズリアが言っていた。
いろいろあったからねえ。
魔力を封じられたり……ね。
やはり、ストレスというものはこの世界でも支障をきたすらしい。
そりゃそうか。
前世でもストレスで精神を壊して身体に影響するって言うじゃない?
まして、ここは精神力で魔力を使う世界……。
精神力に影響大なストレスは、絶大なものだよねえぇ?
しかし、暇だー。
でも、あんなことがあって……兄様も姉様もいないんじゃ、部屋から出るのも怖いし。
この部屋は、ハノエルが結界をはっているし、さらにセバスが見張っているから安全なのです。
仕方ないかー。
「ヴァル、ノア、ブラン。ブラシ持っておいでー、ブラッシングしてあげるよー。」
「「「にゃあーん。」」」
ヴァルがブラシを咥えてもってきた。
うん、犬みたいだね。
ヴァルはやっぱり、体が小さめなんだよね。
本で調べたら魔法猫は、魔力のせいで体から小さめらしい。
だからって小柄な猫全てが魔力を持つかは謎。
猫って『隠すのがうまい動物』って言われてるくらい、隠すの。
特に、体の不調とか病気、怪我なんか。
だから、まあ病気を発見する頃にはかなり症状が進んでるってこともあるんだけど。
ただ、それも『魔力』に当てはまるらしいんだ。
つまり、魔力さえも隠すことがうまい動物なんです。
だから、もっているかどうかは、わかるのは猫しだいになるんだって。
……なんかすごいね。
魔法使いが『使い魔』に使うわけだよね。今は従魔として契約するみたいだけど。
他にも魔法を持つ動物はいるんだけど、みんな魔王の配下として載っているんだよね、本に。
でもね、鳥で魔力を持つのだけは……神の使徒で伝説なんだとか。
翼を持つ神にのみ従うとか……ってあったかなあ。
猫だけは主人にしか従わない。
それが人でも魔王でもなんでも、気に入ったものにしか魔力は見せないんだって。
狐とか狼、猿に魔力持ちがいるってあったかなあ。
この種類は魔力を見せつけるらしいから大抵ボスで魔王に従うとかなんとか?
絶対数が少ないから、よくわかってないってのが本当のとこみたい。
だから、俺がヴァルに認められたのはものすごい幸運ってことなのだ。
まあ、俺は魔法猫じゃなくてもヴァルは大切な猫ちゃんなんです。
『きもちいーにゃん。』
「そうか、そうか。ほれほれ、ここはどーじゃぁ?」
『くしゅぐったいにゃー。』
「ならば、ここはどうじゃー?」
『きやー、やめて~。』
とヴァルと悪代官と町娘ごっこをしながらブラッシング。
前に説明したらノッテくれるようになった。万能な猫である。
それをどこか、呆れ顔で姉猫二頭は大人しく順番をまっている。
こちらの二頭にはこんなことできないのでね。
気高きお姫様たちですから、うやうやしくブラッシングさせて戴きます。
三頭終わるとモフモフたいむー!
はあ……幸せ~。
そのまま昼寝に突入してしまったようで、気がつくと暖かい毛布をかけられていた。
「ふふ、ハル。ただいま。」
「レイ、兄様おはよう?じゃない、お帰りさないませ。
……ごめんなさい。寝ちゃっtん……。」
ふわっと膝に乗せられて、キスをされた。
お帰りなさいのキスだね。
なんか、寂しかったの飛んでちゃったみたい。
俺からも兄に抱きついて、セバスに食事の時間だと言われるまで、チュッチュタイムを満喫したのでした。
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