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第二章 王都でドッキリ!早くない?
ロクジュウゴ
しおりを挟むあれから王様からのお迎えは、無くなり……表向きは平穏無事な日々を過ごしています。
リステリア伯母様に教えていただいた結界魔法『ウォーターシールド』を毎日唱えています。
見えない水の壁ができるらしい。
なので防音もされるんだとか。
風のウィンドシールドよりも気密性が高いとかなんとか……。
よくわかりませんが、守りには最適だそうです。
まず一つに銃器類が持ち込めない。
二つ目に触れた者を記憶するようです。三つ目、危険な思想を持つと捉えて溺れさせてしまうとか……。つまり、兄と二人の空間が出来上がるのです。
そして、これのいいところは一度の設置ですむこと。
つまり、夜設置して朝解除するまでは誰も入れないのだよ。
素晴らしい!
で、それを毎晩して寝るでしょう?
だからか、誰にも襲われないのですよ。
襲ってくる人がいるのかは、わかりませんが。まあ、変態ホイホイなわけですからね?いつ、兄と二人のベッドに不埒な奴が入ってくるかわからないから、念のためにする予防策という感じです。
なので、平穏無事というわけ。
セバスたちが撃退しているかどうかは、俺にはわかりません。
だって、教えてくれないもの。
セバスに聞くと『坊っちゃまが心配するようなことは、ございませんよ。』で終わるのですよね。
笑顔が怖いけど。
なので、忍び込んでくる人がいるのかもしれないし、いないのかもしれない。
そんな日々を過ごしていたらとうとう明日は兄の入学式になりました。
何故だか、入学式の次の日が休みで登校自体は明明後日になるという。
やっぱり貴族が多いから、その日は遅くまで祝うのかな?だから、次の日が休みなんだろうか?なんて思っているんだけどね?
でもって兄には、宣言されちゃったんだよね。
何を?ってナニすることを。
入学式までは、アズリア叔父にくれぐれも絶対にえっちぃことはしてはダメだと……。
だって、入学式は見たいから。
この間は、はからずも社交界にデビューみたいな感じに(姉がなんですけどね!)なってしまったので、かなりそれだけでも消耗したわけです。
でもって、国王云々もあり……、何故か攻略キャラのオンパレードだったわけよ?
疲れるじゃない?精神的にもね。
だから、万全の態勢ってことで……えっちぃのは禁止。
ハノエルくんの体力がもたないし、何より盛り上がってしまったら……止める術は二人にはありませんから!
だから、まあ兄が悶々としているのはわかるのですよ。だって、15歳っていろんな意味で煮詰まるじゃない?
で、あなた!その同じベッドにハノエルが一緒に寝ていて……あまつさえ、甘えてくるんですよ?
……そんな地獄を兄は過ごしているわけで。
俺?うーん。性欲的には体に引っ張られてるのか……それほどしたいとは思わない。
興味はもちろんあるし、煽られれば……ねえ?
でも、溜まるとかはないので……兄に甘えているだけで満足なんですもん。
当たり前だとおもうんだよね。
だって、未だに精通がないんだから。
いつになったらなりますかねえ。
きっと体が中学生くらいになったらくるかもしれない。
この世界の常識的な歳とはかけ離れてしまうけど、そもそもこの世界がおかしいんだと思う。
だって、エロいゲームなんだから。
ショタありのエロいゲームなんだから。
大事なことなんで三度言うよ?
このゲームは、腐ったチームの作ったエロい乙女ゲームなんだから!
だから、精通の年やら、エッチしてもいい年齢やらが……低いんだよ。倫理観も底辺なんだよ!きっと。
とりあえず、そのことは置いておいて。
兄にね?
聞いたんだよ。
入学祝い何がいいか?
そしたら……ハノエルがいいんだって。
つまり、エッチがしたいと。
だから、するからね?って言われました。
俺もやぶさかではないのでオッケーしました。
つまり、入学式の夜は……初夜だよ、初夜!
まあね、入学式の後は俺は寝込んでもオッケーだし、兄も次の日は寝坊できるしね。
ちょっとドキドキです。
知恵熱出ませんように!
―――――――――――
次の日。
「ハノエル様、これを着てくださいませ。」
「はあい。」
はあぁ、やっぱりフリフリつきなんだねー。
まあ、さすがにフリフリシャツやらには慣れましたが……色はもう少し紺とか黒とか灰色とかさ……落ち着いた色だといいのにな……パステルピンクやらパステルブルーやら……淡い可愛い色ばかり。
似合うよ?ショタの鏡のハノエルくんだもの。
でも、何度も言うけど中身は25歳の春樹なんですもん。
キツイわー。
それに今日の夜はドキドキ1000%ラブって感じじゃない?
2000%でも3000%でもいいけど。
「ハル、用意はできた?」
「はい。できました。」
「待ってくださいませ、ハノエル様。後これをつけたら終わりですから!」
「はあい。」
えー、リボン帯は要らないんじゃないかな?
もう、可愛すぎる格好だよ……。
でも、兄様はかっこいい!
「兄様、素敵です。」
「そうか?ありがとう。ハル。」
マジで、マジカルレイズ学園の制服かっこいいよね!
厨二病はくすぐるけど。
何というか、軍服っぽいんだけど……青に金の刺繍が入ってるんだよね。女の子はセーラー服なんだけど、すごく凝ってるんだよ。
ちなみにセーラー服は白が基調となってます。
姉と俺が入るまではまだだけども。 20歳までの六年間。15、16、17、18、19、20の年の間通う。21歳で卒業なわけ。
だから、姉は三年、俺は五年兄から遅れて入学。
姉は四年間、俺は一年間だけ兄と被るわけです。
さてさて、乙女ゲームのシナリオはどんなルートで来るのか……わかるのは四年後のはず。
用意も整い家族で入学式にいきましょう♪
熱出さなくてよかった……。
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