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第四章 ありえないよね?不憫なのはハノエルだけじゃないのかも・・・ 

ヒャクニジュウニ

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あれから、数日が経ちベッドの上でなら起き上がることができるようになった。

起きてからは、びっくりの連続だったけれども。
神石先輩に愛されていることで、心も落ち着いてきた気がする。
悪夢は見る回数が減ったしね。

悪夢を見てもヴァルが追い払ってくれるのし、兄が癒してくれるので、眠ることが怖くなくなって安定した眠りになってきている。
そのため、体の調子も向上中って感じだ。
やっぱり、良質な眠りは体をリフレッシュさせるんだよね!

まあ、なので数日間に色々と話をしてもらった。
もちろん、話は休み休みではあったから……たまに、同じことを聞いてしまうこともあったみたい。
落ち着いているとはいっても、やはりまだ頭の中は混乱しているみたいだ。
当たり前だけどね。


まず、と、兄こと神石先輩が説明してくれたことをまとめると。

兄が俺の危機に覚醒(?)をしたらしい。
兄が言うには潜在能力的な『何か』の力がグーーーッと湧き上がったらしい。
ちょっと自分で言うには恥ずかしいんだけどっ!
ハノエルへの『愛』がきっかけらしい。
その……エロムービー『魔王編』のヤンヤンデレデレの……その一番溺愛でエロすぎる『魔王様』がカレイドなんだって……さ。ほら、自分のアテレコだけだったから、相手は内緒だったじゃない?
課金バージョンというか、買わないと見れないムービーだったし?
三人中の一人がまさか、兄だとは思わなかったよ。
でも、全部黒い髪だったはずじゃないかな?
兄もそう思っていたんだって。
でも、金色の天使なんだよね。
金色の……天使?
なんか、頭に引っかかる。
でも、俺も天使の羽を持っていたじゃない?
なんだろう。
魔王とか、そーゆーんじゃなくて……重要な何かを忘れてる気がする。
兄は、まあべつに姿は俺が嫌わないならいいのだって(恥ずい!)いうんだよね。
まあ、俺も兄が気持ち悪くないならいいと羽とアザは放置しましたけども。
でも、今となっては放置するべ気ではなかったかもしれない。
なぜなら、もう一人翼人がいるから。
俺の体調が戻り次第、会わなければならないらしい。
俺的にはあまり会いたくはないのだけども。
でも、一応原因を作った張本人でもあるが、助けてもくれたみたいなので、邪険にしすぎて……ゲームの『病んでる』ヤツになられても困るので了解した。
兄が必ず側にいてくれるから。
だって、見た目クリス苅野先輩は……たぶん『魔王』のムービーとあまり変わらないんだもん。でも翼はなかったんだけどね。
ちょっと、ね?だからエロムービーになられても困るんだよ。

で、兄なんだけども。
今のところ、金の天使としての能力は、魔力が強くなったのと『天の裁き』的な力があるらしいこと、すべての属性を使えるようになったけども神聖魔法は使えないんだって。
『天の裁き』なんて、まじで神聖魔法みたいだけどね。
で、クリス苅野先輩も属性が変わっていて、やっぱり全属性の神聖魔法なしなんだって。
……はっきりいうと、どうでもいいんだよね。
俺としては、すごいゲスなこと言わせてもらうと、家族とこの家族を支えている公爵家にいる人以外、マジでどうでもいいんですよ。
まあ、助けてもらったら会いますけど……実際にはどうでもいいんです。
薄情だろうが、自分勝手だろうけど……兄……神石先輩がいて、俺を好きでいてくれるなら、今現在俺の守りたいものは姉とセバスの命だけ。
セバスは、『守華』がいたらしい。
でも、夢で話した『守華』が妹であるなら、きっとたぶん……なんか別の世界に呼ばれて行ったんだと思う。
まあ、あの子なら俺より強いから大丈夫?とは思うけど、もしも妹が苦しんだりしたら、召喚した神を呪ってやるからそのつもりでね?(にっこり)

だから、たぶんセバスの中に『守華』はいないのだろうと思う。
では、なぜ?
起きないのかな?
俺が起こしたらどうだろう?
だめかな?
早く動けるようになりたい。
そしたら、セバスのところに1番に行きたいんだ。

セバスは、俺を助けるために怪我を隠していたって。
それでも来てくれた。
本当に祖父みたいに感じていたんだ。だから、早く会いたい。

ちなみに、父様には会っていない。
母様は、一度だけ姉と覗きにきた。でも、セバスがいないから家の采配をしなければいけないらしく、忙しいらしい。
家令としてセバスは優秀すぎたから。
本当は引退しているのに。
やっぱりセバスは凄かったみたい。
誰も代わりができないほどに。
父は、俺のことだけじゃなく……王が消えたのと王子がアレになってしまって……。
忙しいんですって。
俺から離れたくないとかって、泣きながら仕事に行ったままらしい。

……父様、ごめんなさい。

俺の妊娠については、父が帰ってきたら、アズリアがキッチリと説明してくれることになってます。
一応、我が家の要ですからね。

でも、これで兄と一緒に姉様を守れる。
それが何より嬉しい。




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