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第三章 え?本当?迷惑少女は突然に?
ハチジュウゴ
しおりを挟む「ご機嫌よう、レンミリオン様。」
「ハル。会ってくれてありがとう。ずっと直接あって……あやまりたかったんだよ?」
「……兄の方こそ、暴力を振るってしまったとか、申し訳ありません。……ですので、そのことは、もう、結構ですよ?」
噛んで言い含めるように。
暗にもう来なくていいよーって、意味で行ってみたが通じるかなあ。
なにせ、クリストファー殿下には通じなかったから!
「怒ってなくて安心しました。」
怒るとかおこならないとかじゃなく、もう会いたくないんだよ!
「……ご機嫌よう、レンミリオン様。ハルに一体なんのようですの?」
「ご機嫌よう、リオーラ様。いつもお美しいですね。
王都で起こった怪事件のために主だった貴族が呼ばれているようですよ?私の父も呼ばれまたのです。
なので、私も父と一緒にまいりました。」
ニコニコと答えるレンミリオン……長い。
もう、脳内はレオンでいいかな?
でも、直接はレオンなんて愛称では呼ばないよ?
でも会話が成り立ってないねえ。
うん、やっぱりどっかの王子様とおんなじだー。
自分のことしか考えていない。
「で、何か御用なのですか?」
用事があるならちゃっちゃと言って帰ってほしい。
時間は有限なんだから。
俺的には苦手な人とより大好きな兄や姉と楽しい時間を過ごしたいわけです。
それが正しい時間の過ごし方!
「用はそれだけなんだけど……。ハル、今度遊びに行かない?」
遊びにねえ……。
行けるものなら兄と行きたい。
行けるものなら家族で行きたい。
だけど、いけるわけがない。
「セバス、レンミリオン様がお帰りですわ!」
冷たい笑顔で姉が帰れという。
マッケンシーくんと違い、あの領地にいたなら知っているはずだ。
『アドレイド公爵家次男は体が弱い』と。
同じ年だとしても?
まあ、ちょっとお出かけもできないくらいとは思っていないのだろうけど。
まして婚約発表会で倒れたことも知っているし。
それなのに、出かける?
無理にきまってるじゃないか!ねえ?
「君は、私の婚約者になんと言ったのかな?
君も伯爵家の子だ、知らないとは言わせないよ?
婚約者がいるものに、遊びに行こうだなんて……許されると思っているのかな?」
あ、そっち系でもアウトか!
ハノエルが男だから忘れてました。
確かに婚約者がいる身で異性として見られる関係ですもん、そりゃあ不敬だよ。
まして、身分の高い者の婚約者様ですよ?
そしてなにげに、兄様『氷の闇公爵』降臨ですか?
確かにこの世界というか、貴族社会は婚約者のいる者を誘うことは、相手の婚約者に対して下に見ているということ。
そして、この場合は兄がレンミリオンに決闘を申し込んでも許されるという。だって、誓いまでしてるんだから。ピアスで。
そう、だから国王に父は怒っているんだ。
上から目線で兄から俺を奪い取ろうとしているから。
「……ですが、ハルは同性です。同じ性別で遊びにいくのは……。」
「確かに、ハルの性別を知らなければね?だが、君はしっているよね?
ハルが第二種だということを。
同じ年で学園の同期になるだろうから……我慢しようかと思ったが、やはり、君にハルを『ハル』と呼んで欲しくはないなあ。
婚約者として、許可しないことにしよう。よいね?ハル。」
「はい。兄様の良いように。」
だって、兄様が嫌なら呼んで欲しくない。
マッケンくんは友達。きっといつかは親友だもの。
だから、兄も許してくれてる。
「そんな……。ハルはそれでいいというの?」
ん?返事したのきいたよね?
だって、俺、レオンの声聞くのやだし。
出来たら迷惑少女に攻略されに行ってください!
「はい。僕は兄のものですから。」
「ふふ、良い子。でも私もハルのものだよ。」
「はい。兄様。」
「ふふ、そうゆうことですわ。ですから、ハルにはもう寄らないでくださる?
体が弱いのを知っているくせに、外に連れ出そうなんて……紳士の風上にも置けませんわ。」
姉は、案に好きな子のことも知らないで、みたいな?感じなんだとおもう。
ほら、情報が欠かせないのが貴族社会だからさ。
たぶん、姉は思慮に欠けるって言いたいんだよね。
まあ、そんなこと普通は10歳には無理だけどさ。
俺からすると、入院してる子に『お前退院しないの?』と『学校行かないの?』ってきいてるようなものだからさ。
「そんな。私はただ……。」
「ただ?たった数時間のパーティーにも耐えられず倒れてしまうのよ?それをみていたはずよね?
それに、婚約者がいるハルを勝手な思い込みで抱き上げましたわよね?私、はっきり申し上げて、許せませんの。
あのあと、ハルが落ち着くまで苦しんだのですからっ!」
あれ?もしかしてあのパーティーのをかなり姉様は怒っていたらしい。
激おこだったみたい。
「姉様、それはもういいのです。でも、僕はあの時から兄様と婚約しているのです。ご存知ですよね?
だから、レンミリオン様とは出かける気はありません。
兄様が不快なら僕の名も、普通にハノエルとお呼びください。」
「……好きなんだ。」
はい?
「好きなんだ!だから!なあ、ハノエルは第二種だから無理やり、兄弟の結婚なんだろう?
だから、俺が……私と結婚しないか?もし、無理やりならっ!」
はいい?
「俺が守るし!父も兄も、お爺さまも賛成だって、言ってくれた!
喜んで迎えるって。みんなで、幸せにするって。大事にって!」
血走った目を向けられて、背中がゾクリと震える。
知らず、兄の手にしがみつく。
……それって。
たぶん、『第二種男の悲劇』的なやつだよね?
『性的玩具』にするための結婚だよね?
レオンはそのつもりがなくても、絶対に家族は違うともう。
「だって、第二種男は家中の男の宝なんだろう?兄に聞いたら『好きもの』ってやつなんだろう?
だから、俺のになればいいよ。みんなで可愛がってあげれるんだから。」
うん、前言撤回。
こいつはわかっていってる。
兄が、姉が震えだす。
怒りに震えているのが、わかる。
……ゲームでのレオンってこんなだったか?
……ああ、こいつとの絡みムービーは……。
ああ、確かに15歳のレオンは『ゲス』だったかもしれない。
でも!
俺は、ハノエルは、『性的玩具』になんかなりたくない!
絶対にだ!
まあ、結局は友達なんかじゃないよね!
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