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第一章 あれ?腐った呪いなの?

にじゅうに

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俺の護衛云々は、後々考えるってことで話はまとまった……らしい。
ずっと伯父様が『団長やめる』と言って話が進まないからだ。

うーん、が増えそうな今日この頃。
でも溺愛筆頭にいる兄が許さないかも。
だって、父にさえハノエルを取られたくないみたいだしね。

それで魔法の方はというと。
伯母様には2、3日は、ゆっくりしてから家庭教師を始めてもらうことになったんだ。
ついでと言ったらなんなんだけど、兄は伯父様に剣の稽古をつけてもらうらしいよ?
俺も見たいなー。
兄は絶対に剣の稽古を見せてくれないんだもん。
危ないからって言うんだよ。
どこの深窓のご令嬢なのよ……まあ、年齢的にとはいってるけどさ。
でも、実はハノエルくんは過去に何度か盗み見ている。
だから、超かっこいいって、知ってるんだけども。
記憶で見るというか感じるよりも直で見たいじゃない?
だって、ハノエルだって男の子なんだか!
剣に憧れちゃうわけよ。

だ か ら !

伯父様に媚びてみました(キラリッ)。
結果。
オッケー貰ったんだよねー。
ただねえ……おまけ付き。
クリストファー王子とディンゲル王子……までだって!

とは言っても俺は見学、二人は参加って目的はやや違う。
えー、クリストファー王子まではなんとかすんごく我慢するけどディンゲル王子までは見たいと思わないんだよね。

だって、俺様よ?

なんか、さー、負けても勝っても……鬱陶しい気がしない?
あれで6歳なんて、世も末だよね。
俺はカレイド兄様のかっこいい姿が見たかっただけだというのに。


――二日後。

まあ、滞在始めて二日の間にディンゲルは様々な揉め事を起こした。

1、 メイドに手を出すーーお前6歳だろう?って思うじゃない?俺、初めて知ったんだけどさ、この世界の精通って個人差でかいらしい。貴族、王族は何故か早くてと……洗礼の前にはあるんだって!早熟すぎっだろう!
2、 侍従に火傷を負わせるーー確かにお茶を溢したかもだけど、お前が手を振り上げたからだろうが!で、暖炉に突き飛ばすって、殺す気か!
3、 花壇の花荒らすーーあっ、これは母がものすごーく激怒してたから……うん、いいや。
4、 マリーを突き飛ばすーーマリーはいま妊娠してて、ただ、休憩時間に旦那であるセルゲイとイチャコラしていただけ。それも、セルゲイが仕事に戻った直後だというから、悪意を感じるよね!…母子ともに無事だったからよかったけど!

とまあ、こんな感じ。
たった二日の間だよ?
まあ、発散の意味とお仕置きを兼ねてやると伯父様がクツクツと怖綺麗に笑っていた……。………怖い

「いい?ハル。私か、伯母様の側で見ること。わかった?」

姉リオーラが姉様らしく、手を腰に当て俺に言った。
鼻を指で押されながらだ。
ものすごく、本当に物凄く念押しされて……本日3回目のお約束です。
そんなに信用ないのかしら……。
ハノエルは良い子なのに。

「ふふ、そのくらいにしてあげなさい。リオーラ。ハノエルだって、男の子なのだもの。ねえ?」
「はい。だって、ようやく兄様の剣技が見れるのです……。去年(ハノエルの記憶からね)の兄様が出た王都の大会見れなかったし……。」
「……私だってよ?」
「ごめんなさい。でも……。」

ハノエルはすごーく見たかったらしいんだよね。
本当は、俺だけ留守番になるはずだったのだ。
でも、姉がハノエル一人で留守番はかわいそうだからと残ってくれたのです。
マジ天使な姉である。

それで、その大会なんだけども。
4年に一回の大会で、7歳から出れるという……ものすごい脳筋な大会。
もちろん、魔法も使ってオッケーみたいだけどね。
そんな大会に兄は9歳で出場したのだ。
そして見事二位だというから……すごくない?
いや、すごいよね?だって、大人もいるんだよ?年齢別じゃないって、馬鹿じゃない?とか思うけど……すごいよね!

それでもって一位は、騎士団長って……レイズ伯父様ってこと!
すごいよね!なんと十年以上その座を譲ってないんだとか。
……怒らせないようにしよう。

おっ、ようやく始まるようですよ?
鍛錬という名前のお仕置きが!
俺はというと、寒くないようにたくさん着せられた上に膝掛けまで……本当に……過保護だよねえ。
まあ、確かに現在は冬本番前くらい。
でも、この領地は比較的寒暖差が少ないんだ。
まあ、だからこそ俺は領地からほとんど出ないんだけどね。
真冬でも十五度を切る日は少ないし、真夏も二十五度を超える日は少ないっいう。
過ごしやすい気候なんだよね。
今は大体二十度前後の季節。でも、ハノエルには筋肉どころか脂肪もないので、とても冷えやすいんです。
まあ、わがままを言って無理をすると後々寝込むので、過保護は受け入れる所存だ。

「さて、準備運動はいいかい?まずは、誰から来るかね?」
「もちろん、俺だ!」

と構えることもせずに、いきなりディンゲルがレイズ伯父に切り掛かった。
おーまーえー!
馬鹿なの?って聞きたい。
本人は不意打ちを狙ったんだろうけど、簡単にいなされた。
まあ。実力が雲泥の差だと俺でもわかるわ。
だって、ただの力任せだもん。
同年代の剣のひよこたち相手なら、体格もよく力も強いディンゲルは強いのかもしれないけど。いかんせん、全てが未熟だ。俺が思うに……真面目に稽古してないんじゃないかな?
何せ、俺様だし。
王族に勝たせる太鼓持ちはたくさんいるだろうから、きっと『素晴らしい』『素晴らしい』って言われてたんじゃない?

まあ、自分の力を過信していてもおかしくはない。所詮6歳のガキなんだから。

「くそーっ!」

おいおい。
腐っても王族がそんな言葉言っちゃダメじゃないかなあ。
脳内ならいいけどねー。

「俺たちにも勝てないお前が、騎士団長に勝てるわけがないだろう?」

冷静なクリストファー王子の言葉に、さらに加熱!
油に火を注ぐってやつですな?
クリストファー王子って、実はディンゲル嫌い?

顔を真っ赤にして怒って、今度はクリストファー王子に斬りかかる。
馬鹿なの?(二度目)
またもや簡単にいなされた。
一年しか違わないのに、全然ちがう!
やっぱり真面目にしてなかったんじゃない?
ハノエルは別だが、この世界では体が大きいから3歳くらいから剣を教わるらしいんだよね。

そして何故だか……さらに……。
まだ剣も抜いていない兄に切り掛かったのだった。
馬鹿なの?(三度目)
クリストファー王子に簡単にいなされた馬K……ゲフゲフッ、ディンゲルが兄カレイドに勝てるわけもなく、簡単に剣を飛ばされた。
すげーなおい!
何というか、技なのかな?
一瞬で剣を抜いて、相手の剣を巻き込むようにして絡め取りながら手から飛ばしたように見えたんだけど!
すごいな、兄様!
そして、それが見えたハノエルもすごくない?
もちろん、兄は魔法は使っていないんだよ。
だってさ魔力を感じなかったからっ!

唖然とするディンゲルから魔力の高まりを感じた。

「くそがーーーーーー!内なる力を呼び覚まし火を纏え、ファイヤーボール!」

火の玉が兄へ向かうが、片手を前にだして簡単にバシュンッと消してしまう。
おおぉー!流石だ!

「くそくそくそー!」

ディンゲルは、走って逃げた。
あいつ『くそ』しか言ってないぞ?
大丈夫か?

『そんなにクソが、好きなら1日一回う◯こを踏めばいい。』
とこっそり願ったのは、内緒なのだ。

もちろん?
そのあとは兄の勇姿をこの目に、心に焼き付けました。

超かっこえー!
俺が女の子だったら、絶対に惚れます!素敵♡
え?
ああ……苅野先輩声の王子も……うん、まあまあだったよ?
でもね?俺と目が会うたびにウィンクはいらないって思うんだ……。
いらないよね……。


しかし、兄様はサイコーだね!






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