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第一章 あれ?腐った呪いなの?

じゅうはち

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次の日やってきた仔猫は、超かわいい!
もう、それにつきます。

何て名前にしようか考えに考えたんだけど……どうしよう。

「ハル、名前決まったかい?」

三毛くんはクリーンしてもらったのか、すごく毛並みが綺麗。
この世界の猫たちは、いいね!ストレスなくトリミングしてもらえるじゃないですか!
ねえ?
で、ブルーのおリボン首輪。
ベリーベリーキュート♡ですよ。
名前……。
だめだ!ポチとかタマとかじゃまずいよねえ。
キャリコ……女の子みたいだし、まんまだし!
……………あっ、ヴァールハイト。
愛称は、ヴァルでいいかな?
ドイツ語で真実って意味だったかな?
俺が真実を知って守れるように願いを込めて!なんて……ちょっとくさいかな?

「兄様、ヴァールハイトはどうかな?」
「ふふ、いいのではないかな?真実か……。」

え?この世界……ドイツ語なんてわかるの?
わかるか……何でもありな日本のゲームだもんね。

「ヴァル。おいで。」
「みゃあん。」

かわいー、かわいいわ。
もう、癒されるわー。
はあ、幸せだ~。

「ハルと仔猫……可愛すぎるわ。」
「癒しが増えたね。」
「本当に。」

俺は心ゆくまで毛玉な子猫を堪能したのだった。
それを見守る兄と姉。
うん、どこから見ても幸せ一家だよね。
どこに悪役家族がいるのか、俺にはさっぱり理解できないんだよね。
俺は、ゴロゴロとヴァルと転げてるうちに、ヴァルと眠ってしまったらしい。
気がつくとベッドにいて、頭の隣にはふわふわの三毛ニャンコ。
目の前には姉リオーラの美しいお顔が。後ろからは、抱き込むように……たぶん、兄カレイドが寝ているようです。
三人と一匹でのお昼寝タイムとなったみたいだ。
幸せタイム。
二人が起きないようなので、俺っち、ハノエルの……ステイタスをじっくりと見てみようと思うんだ。
見て驚け!って俺は一体誰にいっているんだろう。
まあね、昔から独り言が多い子供だったみたいだし。
よく、脳内で一人三役やらしていたし……脳内会議ってゆうの?
してたんだよね。
そこ、哀れな目を向けない!
別に友達がいないわけじゃないからな!ちゃんといたから。
本当に!
では、気を取り直して……。

カードオープン

名前[ハノエル・アドレイド]
歳[5歳]
性別[第二種男]
魔力[SSS]
魔力値[♾/♾]
属性[光・闇・風・火・水・土・緑・空間・重力・☆$#]
体力[D]
知力[SSS]
運[80]
スキルーー

って感じ。
体力のDははっきりいって、最低値だよ。
知力は、きっとハノエルのだね。
魔力値が♾って……マジで暴走したら終わりじゃね?
って思うよね。うん。
今のところはまだ、マジ暴走はないのかもしれない。
もしかすると体力的にもたないから、まだこんなもんですんでいるのか?
あと属性の文字化けのは何かね。正式に『洗礼』すればでるかもね。
あとね、一つよくわからないやつ。
第二種男ってなにさ?
それがわからないんだよ!
何それ。
設定にはそんな種類なかった、なかったと思うんだ。
というか、このステイタスカードだってなかった気がするんだ。
え?じゃあステイタスはどうだったか?
簡単に言うと、さっき言ったカードオープンなんて言葉もない。
ただよくあるじゃない?
自分のステイタスが右の上くらいにバー表示で出たりするやつ。
そんな感じででるんだ。ほら、ゲーム中も言葉によっては声で喋ってくれるじゃない?
乙女ゲームなんかだと、その子の決まったセリフ?的な。
俺がヒロインと絡むときの言葉は、『気をつけて。』とか『だめだよ、行かないで。』とか『……ごめんなさい。』とかです。
まあ、事前に姉の罠に気付いてすれ違い様に注意したりするってやつなんだけど。
その時に、ヒロインのステイタスが上にあったんだよ。
攻略者とか敵のはヒロイン側から、ステイタスが見れるんだ。ただ、ヒロインのレベルが低いと?????で表されていた気がする。
で、ハノエルは攻略相手じゃないので、名前しか出ない。
でもね、攻略者はレベル、体力(HPでね)、強さ、魔力値、属性、♡ポイントが出るわけ。
♡は50%やマイナス20%とかで表されて、バーの色でマイナスかプラスかわかる感じだったかな?
ごめんなさい、あんまりゲーム自体に興味なかったから……らしいとか、かな?そんなんばっかで。
で、ステイタスカード自体は家族以外には見せないものだとか。
あとは、忠誠を誓うときに見せたりもするらしいです。
まあ、なので俺のステイタスを知っているのは家族を除けば神官長だけ。
神官長が悪いやつなら終わりだよね?だって、『洗礼』受けた人のステイタス全部見ているんだから。
でも、そこはやはりちゃんとしていた。
ステイタスカードを見れるのは、本人が見せないと見れないのが通常。
でも、カードを作るときに神官長だけは見れてしまう。
しかし、神官長はこのステイタスカードのカード化の力を代々受け継ぐんだけど、その時に恐ろしい誓約を神とするらしい。
つまり、口外したら死に直結するらしいんだ。そ れ も 血の繋がる全ての者ごと。
さらに『神官長』ってスキル?みたいになっていて、自白系の魔法と薬は跳ね除けるらしい。
王ですら命令で自白させられないんだとか。
すごいね、『神官長』って。
まあ、なので他に知られたりはないなでそれについては安心しなさいって言われた。

で、ちなみに見せてもらった兄カレイドのは、前にも言ったけど高いわけ。
魔力値とかも10歳児の普通の標準値が50~100くらいらしい。がその10倍の1000だそうですよ。
で、スキルに剣技とか体技とかでランク表示があったかな?
ただ、性別が第一種男でした。
……第一種や第二種ってさ。
何がちがうのかな?
第一子と第二子の違いくらいならいいけどって、俺第三子だし?
これは、姉様のを見せてもらう?
長男、次男って意味ならいいのだけど………。
俺的にはすんごく嫌な予感がするんだよね……。
何故って、すごくすごくすごくすごくすごく……ハノエル設定が腐ってるから………。






side カレイド

俺のハノエルは、マジで可愛い。
妹のリオーラだって、素晴らしく綺麗な少女だろう。
だが、全ての者が太刀打ちできないほど、我が家の至宝ハノエルは可愛らしいのだ。
仔猫と戯れ合う姿は、すでに天使にしか見えない。
まじで、皆がいう『マイスイートエンジェル、ハノエル♡』だ。
普段、俺は『私』を使うが日記くらいは、『俺』戻ったところで咎めは受けないはずだ。
まあ、公爵家のものとして恥じないように『私』を使うけれども。
しかしながら、本当にマジで可愛い。
実は俺には所謂前世の記憶というものがある。
俺が今いる世界がゲームの世界と類似していることも承知だ。
このゲームは、色々とある人物の『遺作』としてかなりの人気となったゲームだ。
俺自身も関わっているが。
だから、何度かはプレイしたゲームでもある。それもかなり過去になるわけで。俺がこの世を去ったのは、このゲームに関わってから15年以上経過したはず。
なのに、今更類似世界なんてな。
人生とはわからないものだ。
だから、ついハノエルをハルと呼んでしまう。
ハル……福良春樹……。
実は好きだったんだよね。
しかし……結ばれるなんてあるわけない。というか、好きだなんて言って関係を壊すなんて出来なかった。
結局、彼以上に好きな奴は出来なかったが、ほどほどに遊んで過ごして……15年後に事故ったわけだが。
だが、このゲームには彼の声が残っていて……何度もやろうとしたが数回繰り返したところで、虚しくなった。声は聞けても……ね。
だから、今は幸せだ。
春樹とどことなく似ている(なんでも、開発のキャラ担当が春樹をイメージしたとか)ハノエルでたぶん、春樹の声を幼くしたような声……。
この世界でなら結ばれることができるかもしれない。なぜなら、俺に心底懐いているからっ!
俺なしでは生きていけないように。そう……していけばいい。
ただ、確かハノエルは死にキャラって奴だったはず。
なら、俺は絶対にハノエルを守って見せよう。
一度は失敗しかけたが、もう絶対に一人にはしない。
それに死なないにしても、他の男との絡みムービーなぞに誰がさせるものか!絶対に……俺以外との絡みなどさせやしない。
ハノエルの全ては俺の、俺だけのものにする。
幸いにもハノエルは第二種だ。
父上、母上の許可も得ている。

安心して?ハノエル。お前はずーーーっと公爵家の宝なのだから。



ハノエル……ハル。絶対に離さない。
ヒロイン?知ったことか!


俺は日記に不可侵の魔法をかけて、日記をしまった。




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