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第2話:風雲児と宇宙海賊
#06
しおりを挟むベシルス星系行きの定期船『ラーフロンデ2』が出港したのは、それから約二時間後であった。
乗船名簿へ記入されたノヴァルナ達の情報は、ガルワニーシャ重工役員ミシャスの息子ノーランと、二人の娘マーリとフーア、そしてその友人四人と世話係の社員三人であった。なるほどそう見れば、見えなくもない集団ではある。
「ふふッ!ノーラン兄様っ、マーリ姉様っ!」
フェアンはこの設定が気に入ったらしく、キャビンの席に座ると早速、ニセの名前で懐いて来る。
「貴女、大人しくしなさい。すぐにDFドライヴに入るんだから」
「あ、そっかぁ。ここは星系外縁部だったよね。はーい」
マリーナに注意され、フェアンはすぐに席に戻った。超空間転移は一瞬だが、そのための星系外縁部まで到達するのに時間がかかる。だが『ラーフロンデ2』がいるのはすでにその外縁部だ。
座席に座るフェアンを追った目で、何気なく窓の外を見たノヴァルナは、ゲートの方から駆逐艦級の宇宙艦が一隻、接近して来るのに気付いた。しかしウォーダ家の使用している型ではなく、皇国のゲート警備艦隊のものでもなさそうに思える。舷側には家紋も識別標示の類いも見当たらない。
“…どこの艦だ?”
訝しげに艦の動きを追うと、視界を斜め上へ横切って消える。その軌道を想像し、そのまま通り過ぎず『ラーフロンデ2』の斜め上に固定位置を取るとすれば、標準的な護衛ポジションだ。
しかも『ラーフロンデ2』の動きに変化がない事から、宇宙艦の護衛は承知の行動らしい。だが中立宙域に軍艦は入れないはずであり、奇妙な話であった。
考え込む表情になったノヴァルナに、フェアンが声をかける。
「ノヴァ…じゃなかった。ノーラン兄様、どうしたの?」
「ん?いや、サフローって、ベシルス星系の何番惑星だったかと思ってな」
ノヴァルナの適当な話を調べるため、右のこめかみを指先で触れ、NNL(ニューロネットライン)を立ち上げようとするフェアン。その手をマリーナの手がピシャリと叩いた。
「いたっ!」
そしてマリーナはフェアンに代わって、すかさず答える。
「六番惑星ですわ」
さらにマリーナは、フェアンを強引に引き寄せて耳打ちした。
「駄目よ貴女。NNL使ったら、私達がここにいる証拠が残るじゃない」
「うう…はい」
そう返事したものの、フェアンは姉に叩かれて痛む右手を左手でさすりながら、横を向いて口を尖らせ、不満げに呟いた。
「なによ…犬子」
するとマリーナはその言葉が耳に入ったらしく、フェアンの胸倉を掴み、声を荒げて言い放つ。
「誰が犬子ですってぇぇッ!!??」
マリーナがいつも、悪党面した犬のぬいぐるみを抱えている事を揶揄した言葉のようだが、冷めた態度が多いマリーナにしては珍しい逆鱗ぶりであった。その豹変に、それまでぼんやりとした顔で和んでいたイェルサスも驚いて硬直する。
「ひえぇ!ごめんなさい!!」
怯えた声で手を合わせ、マリーナを拝むフェアン。その間にノヴァルナは、『ホロゥシュ』筆頭のマーディンを手招きし、何事かを小声で告げる。
その直後、キャビンに女性の声でアナウンスが流れた。
「本日は旅客船『ラーフロンデ2』をご利用、ありがとうございます。本船は間もなくディメンション・フォール航行に入ります。転移の際には衝撃を伴いますので、御着席の上、シートプロテクターをご使用下さい」
その言葉を聞き、ノヴァルナは窓の外の宇宙を見詰めた。
“アナウンスでも護衛の事は何も言わねーか。こいつはちょっとばかし、キナ臭くなって来やがったぜ………”
惑星サフローのあるベシルス星系は、オ・ワーリ=カーミラ星系から約115光年の距離だ。ただし第6惑星サフローに観光目的のドーム都市があるだけで、植民地となる居住可能惑星は存在しないため、超空間ゲートは置かれていない。
オ・ワーリ=カーミラのゲートから距離を取った旅客船『ラーフロンデ2』は、船体前方の船殻を、六箇所でスライドして開き、中から大型の重力子放出デバイスを出現させた。
大昔の大砲のような形状のそれは、砲身にあたる部分が六角の筒状をしており、十メートル程の長さで、幅は三メートル程。内側はジェットエンジンの、コーンノズルに似た構造となっている。
その内側には、淡いオレンジ色をした光の粒子が発生しており、次第にその数を増やして輝きを大きくしていた。
「それにしてもさっきの人…いきなり雇ってくれとは、随分と変わってましたね」
『ラーフロンデ2』がDFドライヴを開始しようとしている時、イェルサスは今しがたの猿顔の少年の事を話題にのせた。彼らは今、四人横並びの席に、窓側からフェアン、ノヴァルナ、マリーナ、イェルサスの順で座っており、その前後を『ホロゥシュ』達が三人ずつで埋めている。
イェルサスの言葉に最初に反応したのは、フェアンであった。
「あたしさっきのアイツ。好きじゃない」
傍若無人がノヴァルナの代名詞であるように、フェアンと言えば自由奔放な性格が代名詞だが、そうであるが故に二人とも物事の本質を見抜く眼は優れていた。
「貴女がそういう言い方をするの…珍しいわね」
マリーナがそう言うと、フェアンは口を尖らせる。
「だって…」
ナグヤ空港に降り立ち、出迎えのファンに対した時に見せた、普段のフェアンの人懐っこさは、誰に向けても分け隔てはない。そのフェアンがあの少年には、警戒心をあらわにしていた。
そこにノヴァルナはぶっきらぼうに、言葉を割り込ませる。
「まぁ、油断はならねーヤツだったが、ああいうの、俺は嫌いじゃねーぜ」
「兄様!」
不満げな目をフェアンが送る。
「たぶん、俺が誰か知ってて、ああいう物言いをしたんだろうが…ただまだ、詰めは甘いな」
「詰めですか?」とイェルサス。
「おう。雇われるために惑星バリオンの生き残りとか言って、俺の同情を誘おうとしたようだが、そりゃあ不正解ってヤツだ。雇われるなら、あそこで同じバリオンネタで、俺を笑わせなきゃな」
ノヴァルナがそう言い放って「ハハハ!」と笑う。そこに船内アナウンスが、DFドライヴの開始を告げた。
「アテンション。DF航法開始。衝撃発生にご注意下さい」
その直後、『ラーフロンデ2』の六つの重力子放出デバイスが、出力を全開にし、それらを結んでオレンジ色の光の環が出現する。
そしてそれと同じ光の環が、船の前方およそ千メートルに発生し、環の内側が時空光と呼ばれる純白の光で満たされた。目標のベシルス星系外縁部と繋がったのだ。
真っ白な光で満たされるのは、目的地とそこに至るまでの宇宙の光が、環の内側に凝縮されるからである。つまりは超空間ゲートと同じものを、短時間の間、船の前方に発生させているのだった。
そしてまず護衛の宇宙駆逐艦が動き、『ラーフロンデ2』の作り出した、白い時空光の目前まで移動するとそこで停止。ついで光の中へ、魚雷のような形の有線プローブを撃ち込んだ。転移先の空間状況を確認するためだ。
そのまま三分が経つ。転移先の宇宙空間に異常がない事を認めたらしく、駆逐艦は前進を始め、ゆっくりと白く輝く時空光の中へ、進入して行く。
やがて駆逐艦がその姿を光の中へ消すと、『ラーフロンデ2』も推進機の出力を上げて、『虚空界面』へと向かった。
『虚空界面』を転移する瞬間、船にズシンという震動が起こる。旅客船にしては大きな揺れだ。まだ恒星間旅行の経験が少ないフェアンは、不安げにキャビンの天井を見上げるが、もっと激しく揺れる軍艦に乗り慣れたノヴァルナは、素知らぬ顔でさっきの菓子、『アッカーフック』の残りを食べている。
「ご乗船のお客様にお知らせ致します。本船はDFドライヴを終え、予定通りベシルス星系外縁部へと転移致しました。これより惑星間航法を開始。第六惑星サフローへ向かいます。所要時間は5時間28分。到着までの間、ごゆっくりお寛ぎ下さい」
キャビンの前方に浮かぶホログラムスクリーンに、現在の状況とこの先の航路図を映し出して、船内アナウンスが流れると、ノヴァルナは待ってましたとばかりにシートプロテクターを外し、席を立った。
「よっしゃ!三人とも、メシ食いに行こうぜ!」
笑顔をマリーナとフェアン、イェルサスに向けて言い放つノヴァルナに、マリーナが冷めた口調で言葉を返す。
「兄上。いまお菓子を召し上がってたじゃありませんか!? それでお食事ですか!?」
「おう、育ち盛りだからな!」
「そういう問題では…」
茶化すノヴァルナに、真面目に返すマリーナ。それに席を立ったフェアンが、ノヴァルナと腕を組みながら、明るい声で絡む。
「甘いものは別腹だよね、兄様」
「おう」
「それ使い方違うでしょうに…」
そう言ってマリーナも仕方なく席を立つ。そしてふとイェルサスに目をやると、トクルガル家の嫡男は、シートプロテクターの外し方が分からないらしく、太ももを固定するパーツに苦戦していた。
一方のノヴァルナはと言えば、前後に座る護衛の『ホロゥシュ』達に、「お前らも自由にやれ」と命じて、イェルサスに気付かないまま、フェアンを連れ、もうラウンジへと繋がるドアの前だ。
座席を見れば、通常はオートモードになっているはずのプロテクターのロックが、手動に切り替わっている。イェルサスがよく知らないのに触って、切り替えてしまったらしい。揃えた指をねじ込んで、強引に広げようとするが、それがかえってセンサーに異常圧力を検出させ、ロックを強力にしていたのだ。
「待ってなさい」
マリーナはイェルサスに告げ、彼の座るシート右横側にあるレバーを、落ち着いて『自動』に切り替えた。するとプロテクターはひとりでにイェルサスを解放する。
「あ…」
ポカンと自分の膝を見下ろすイェルサス。その顔を覗き込んだマリーナは、笑顔こそ見せはしないが優しく、諭すように言う。
「力任せは駄目よ。よく見て」
「は…はいぃっ!!」
顔を真っ赤にしたイェルサスは、椅子から飛び上がって直立不動になった。さらにマリーナは続ける。
「いくさも…政治も…何事もよく見て、粘り強く…ね」
「は…ははは…は…はい!」
イェルサスのあまりの硬直ぶりと、それに比例した純情ぶりに、マリーナは珍しくクスリと笑顔を浮かべた。
「さ、行きましょう。あまり遅れると、また兄上がうるさいですし…」
マリーナに誘われるまま、イェルサスはぎこちない動きで席を離れる。それを待ってマーディン達も席を立った直後、船が大きく揺れた。
「!!」
キャビンの客から驚きの声が上がり、一瞬『ラーフロンデ2』が、再び空間転移を行ったのでは?と多くの乗客が思う。
しかしラウンジに出たノヴァルナは、それが転移ではない事を見抜いていた。怯えたフェアンを抱き寄せ、ノヴァルナは険しい目をする。
「こいつは、回避行動だぜ」
ノヴァルナが警戒の声を発したその時、彼等の乗る『ラーフロンデ2』は、右に大きく舵を切っていた。
ラウンジに設けられた大窓に、星空が流れる。そこでノヴァルナは、窓の外を移動する護衛の宇宙艦の数が、増えているのを見た。一瞬の光景だが、ノヴァルナがいかに普段から戦闘訓練を重ね、そういったものに反応する視覚を研ぎ澄ましているかを、端的に示している一瞬だ。
数を増やした護衛艦は三隻。うち一隻はオ・ワーリ=カーミラ星系からついて来た駆逐艦のはずで、あとの二隻はこのベシルス星系に待機していたのだろう。何を警戒しているのかは分からないが、三隻はみな同じ方向を向いているように見えた。
「ノヴァ!…ノーラン様!」
キャビンから駆け込んで来たマーディンが、ノヴァルナの本名を言いそうになったのを、慌てて言い直す。その背後ではマリーナとイェルサスを、『ホロゥシュ』達が守っていた。『ホロゥシュ』達は合流すると、ノヴァルナとフェアンも囲んで警護にあたる。
しかし『ラーフロンデ2』が緊急回避的な動きを見せたのは、そこまでであった。しばらくすると、船は再び、そして今度はゆっくりと回頭する。
頭の中でその航路を描いていたノヴァルナは、船が元のコースに戻った事を認識した。するとようやく、船内にアナウンスが流れる。
「乗客の皆様にお知らせ致します。先程の急な針路変更は、小惑星の急接近を回避したためによるものです。回避は完了し、通常航路へ復帰致しましたので、皆様におかれましては、ご安心の上、引き続きお寛ぎ下さい。繰り返します…」
無論小惑星など存在せず、仮に存在していたとしても、事前の有線プローブ投入で探知していなければならないはずだ。しかしアナウンスは、カーミラで護衛艦が現れた時と同様、本当の事は何も言わなかった。ただ戦闘経験など無いであろう他の乗客達は、アナウンスを真に受け、それぞれに安堵した表情を浮かべている。
一方で『ホロゥシュ』は、そのような偽りの言葉に納得出来るはずもなく、シンハッド=モリンが代表するように声を上げた。
「あ!?何が小惑星を回避だ!嘘つくんじゃ…」
そう言い掛けたところで、モリンの頭をノヴァルナがパチン!とはたく。
「…てっ!」
「いーから、てめーは黙ってろ」
何か裏があるなら、今は下手に騒ぎ立てない方がいい…そう判断してのツッコミだった。
「兄上…」
マリーナも顔にこそ出さないが不安を抱き、フェアンと反対側のノヴァルナの腕を取る。
「二人ともそう心配すんじゃねぇって…一番アテになる『ホロゥシュ』連中がいて、その上、この俺がいるんだぜ」
そう言って妹達にウインクしてみせたノヴァルナは、『ホロゥシュ』のラン・マリュウ=フォレスタに向き直り、軽く目配せした。その意を察したランは、“はい。我が身命を賭して、お二人とイェルサス殿をお護り致します”と目で応じ、深く頷く。
マーディンやササーラといった『ホロゥシュ』も当然、ノヴァルナ達を護るためなら命を賭ける。ただし彼等には同時に、将来のノヴァルナ政権の中核を担いたい、という意識もあった。それが彼等の忠義の方向なのだ。一方のランは政治より、どこまでもノヴァルナと、彼の愛する者を護って行こうというのが、忠義の方向である。
であるなら、妹達や友人のイェルサスの命をまず預けるのが、ランであるのがノヴァルナにとって、正しい判断と言えた。
その上でノヴァルナは、もう一度ラウンジの大窓から外の宇宙空間に目をやる。
“イル・ワークランの様子を大人しく探るつもりが、これかよ。何だか知らねーが、面倒な成り行きになって来たぜ。やっぱ似合わねー事は、やるもんじゃねーな…”
胸の内でそう呟きながらも、危機の匂いを嗅ぎ取ったノヴァルナの口元は、自然と不敵な笑みを生み出していた………
スクリーンに映る『ラーフロンデ2』が遠ざかり、船影が次第に小さくなっていく。それを庇うように、横列を組んだ三隻の護衛艦が舳先をこちらに向けたまま、後進をかけて後を追う。
ホログラムスクリーンが描くその映像に、満足げな笑みを浮かべる、厳めしい顔つきの男達がいた。そう広くない管制室のような場所に、頭の長い異星人を含む、着衣も様々な六人の男が着席している。
「よし。こちらもあとを追うとするか。つかず離れず、演技を忘れるな…とあとの二隻にも言っておけ」
そう言ったのは、頭の長い異星人だった。彼が指揮しているらしい。彼等が乗っているのは、長距離シャトルをひとまわり大きくしたサイズの、宙雷艇である。それが三隻、ゆっくりと動き出す。
「頭(かしら)に連絡しろ!!予定通り護衛の注意は、俺達で引き付けているとな!!」
その指示は暗号化され、『ラーフロンデ2』の進行方向のその先へと放たれて行った………
▶#07につづく
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