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第2話:風雲児と宇宙海賊
#00
しおりを挟む「…結局、あの『カラッポ殿下』殿が、キオ・スー家を救ったという事か?」
「はい。まことにもって、遺憾の限り…」
「ヤツめが、キオ・スー城で割り当てられていた部屋を、勝手に使用人の部屋なんぞに移し替えたため、監視も盗聴も出来ず、動きを掴みきれなかったのも、原因の一つかと…」
「しかも、BSHOまで持ち出して来るとは、全くの予想外…」
「状況が不明瞭な場合は、即断かつ、その時の最大戦力を投入するのが、戦いの鉄則ではありまするが…」
「いや。あのうつけに、そんな頭があるか?」
「さよう。どうせたまたま、暴れようとしてBSHOを用意していたのが、上手く立ち回れたのであろう…」
「うむ…事実、ヤツめは城から逃げ出す際、『金花の松』をへし折ったとか」
「なに!?あの星帥皇室より賜った松をか!?」
「我等ですら傭兵どもに、あの松には可能な限り傷をつけぬよう、言い付けていたというのに…呆れたものよ!」
「しかも、傭兵どもを倒して帰還するとあのうつけ、主家の面々を前に、得意顔で己の武功を訴え、褒美にナグヤの領地をもっと増やせ!と要求したそうな」
「これはまた、呆れたたわけ」
「それで恩賞どころか大揉めになり、逆に首を刎ねられてもおかしくない、『金花の松』を折った件を咎めなしとする事で、どうにか決着したとか」
「ハッハッハッハ…」
「これはやはり、あのうつけにとって、偶然上手くいっただけのようだな…」
「ハッハッハ…違いあるまい」
「まぁ、今回はあのうつけを、調子づかせた事をよしとしよう。少々高くついたが、ヤツがナグヤの家督を継げば、いずれ図に乗って本格的に、キオ・スーと争い始めるに相違ないて。その時には存分に、利用させてもらおうではないか………」
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