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第19話:勝利への選択

#18

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 ノヴァルナ・ダン=ウォーダが、クーデターに失敗したカーネギー=シヴァ姫を引見したのは、第1艦隊が惑星ラゴンに帰還して二日後の事である。

 こちらはカダールの時と違い、キオ・スー城の謁見の間での対面だった。ノヴァルナが裁可を下すのはカーネギーだけでなく、彼女の計画の共犯者である皇国貴族ジョルダ・ガブフ=イズバルトと、ニノージョン星系独立管領のトルドー=ハルトリスも集められている。

 左右に並ぶキオ・スー家重臣達と、玉座に座るノヴァルナの眼前に並ばされた、クーデターの首謀者三人。イズバルトは皇国貴族の自分には、ノヴァルナも迂闊に手は出せないだろうとタカをくくっているのか、どこかに余裕があるように見え、領地の星系をドルグ=ホルタの、キオ・スー家第7艦隊に押さえられているハルトリスは、対照的に怯懦の表情だ。
 そしてカーネギー=シヴァ姫は、ノヴァルナに向かって背筋を伸ばし、凛とした表情を見せてはいるが、それが瘦せ我慢であるのは、顔の白い肌がいっそう白く感じられる事から明らかだった。

「さて、カーネギー姫。この度の事は非常に残念に思います―――」

 穏やかな口調のノヴァルナだが、その視線は厳しい。

「このような企てのために、姫をお助けしたのではないのですが」

 ノヴァルナがそう言うと、カーネギーは口惜しげに言い放った。

「私の地位を利用するため、助けただけではないですか!」

「これは異なこと。我等が旧ナグヤ家時代に救援を求めて来られたのは、姫の方からではありませんか」

 カーネギーのシヴァ家はかつて、オ・ワーリ宙域を領有していた皇国管領で、名目上は現在でもオ・ワーリ宙域の、正統な支配者の名門貴族である。
 旧キオ・スー家の庇護下にあったシヴァ家だが、日頃の待遇に不満を募らせて、ノヴァルナ殺害計画を漏洩したがために、報復の討伐を受け先代当主ムルネリアスは死亡。その一人娘であったカーネギーはシヴァ家の家督を継いで、ノヴァルナのナグヤ=ウォーダ家へ亡命して来たのだ。

「それは認めます。しかしあなたは私に忠誠を誓いながら、私を肩書だけの領主に祭り上げて、シヴァ家ではなく、キオ・スー家の勢力拡大に利用するばかり。これでは以前と、何も変わらないではないですか!」

 カーネギーの言葉に、ノヴァルナは小さくため息をついた。この姫様は勘違いをしておられる。自分が認めて忠誠を誓ったのは、シヴァ家の旧オ・ワーリ宙域領主の権威に対してのみであり、旧領主としての権力とその復権を、認めたわけではないのである。そしてこれはカーネギー姫自身も、自分で理解しなければならない、冷厳なる事実だった。
 
「カーネギー姫。申し訳ございませんが、これははっきりと言わせて頂きます。もはやシヴァ家には、オ・ワーリ宙域を治める実力は残されていません」

「!!??」

 ズバリと宣告されて、切れ長の眼を見開くカーネギー。蒼白だった頬に怒りの赤みが差して来る。

「改めて最初から出直し、我等ウォーダ家を排して領主の座に返り咲くなら、それはそれで良いでしょう。しかし我等が庇護下にあられる現状に胡坐をかき、その上で領主の座を奪い返そうとするのは、無理な話にございます」

 カーネギーにとっては一番聞かされたくない、“庇護下”という単語をノヴァルナから直接聞かされ、口ごもりながらも抗議の声を上げる。

「ぶ…無礼でしょう! その物言い!!」

「無礼だが事実です」

「く!…よくも…」

 口調は強いカーネギーだが、きっぱりと言い切るノヴァルナに、気圧されているのは明らかだった。

「今のお立場がお気に召さない、と言われるのでしたら、この地を離れ、ご自由になされるがいいでしょう。止めは致しません」

「わ、わたくしを、追放しようと言うのですか!?」

「お互いに不満を抱いたまま、顔を合わせ続けるのは不健全でしょう」

「わたくしが居なければ、キラルーク家のライアン様と結んだ、イマーガラ家との停戦協定が、維持できなくなりますよ!」

 すると玉座の周囲を囲む、幔幕の陰から声が発せられた。ヴァルキスの声だ。

「イマーガラ家との停戦協定に、もはやキラルーク様は必要ありません」

 そう言って姿を見せたヴァルキスは、玉座に座るノヴァルナの傍らに歩み寄り、「遅くなりました。ノヴァルナ様」と頭を下げる。それを見てカーネギーはサッ…と表情を硬くした。ヴァルキスがノヴァルナを裏切ってはいない…つまり、裏切られたのは自分達の方だと、ようやく気付いたからである。さらにカーネギーにとって衝撃的な事をヴァルキスは告げた。

「我がアイノンザン家はナルミラ星系のヤーベングルツ殿を通じ、イマーガラ家の家老モルトス=オガヴェイ殿と、外交のパイプを持っております。こちらを使う事で、キラルーク様との関りを抜きにしても、停戦協定を維持する事が可能です」

 しかしカーネギーには、その言葉など聞こえていない。自分を欺いた男に対する怒りで、その他の事が思考停止していたのだ。

「ヴァルキス!! この恥さらしっ!!!!」

 甲高い怒声を発して詰るカーネギー。
 
 カーネギーのヴァルキスに対する、怒りようは尤もだった。彼女にすれば女の武器―――つまり自らの体を使って、ヴァルキスを味方に引き込んだつもりであったからである。それをヴァルキスに寝返る気などなかったとなると、自分は体をもてあそばれただけだ。皇国の名門貴族の姫たる自分が、そのような扱いに耐えられるはずがない。

 ただカーネギーの罵倒も、ヴァルキスには通じないようだ。ノヴァルナの玉座の傍らで、なんの感情も浮かべない眼をして、かつて偽りの情を交わした相手を見詰めている。

「よくもわたくしを、たばかりましたね!」

「………」

「ヴァルキス!」

 カーネギーが強く呼びかけると、ヴァルキスはようやくカーネーギーに対して口を開く。その口調は淡々としたものであった。

「誘って来られたのは、姫の方からではないですか―――」

 “誘って来た”に、二つの意味を込めて言うヴァルキス。それを聞いて、カーネギーは頬を引き攣らせる。追い討ちをかけるように、ヴァルキスはさらに続けた。

「ノヴァルナ様が駄目なら、私…些か安直に過ぎましょう」

「!!…」

 言われたくない事を告げられ、カーネギーは顔を赤くして動揺する。

 カーネギーはノヴァルナが旧キオ・スー家を征服すると、当時はまだ婚約者だったノアとの不仲の噂と、別居状態の事実に乗せられ、ノヴァルナを誘惑してノアから略奪しようとしたのである。ただその目的は恋愛感情などではなく、ノヴァルナの妻の地位を手に入れ、夫にシヴァ家の名を与え、自分の家の再興を図るものだった。

 ところがノヴァルナとノアの不仲の噂は、ノアの父親ドゥ・ザン=サイドゥが嫡男ギルターツの謀反に遭い、その争いにノヴァルナが介入、ドゥ・ザンを支援するための布石として、意図的に流布したのである。
 互いに相手を利用しようとしていただけである事を知ったカーネギーは、一方的にノヴァルナに反感を抱き、今度はノヴァルナに接近して来たアイノンザン星系のヴァルキスを取り込んで、自分達が計画したクーデターに加担させようとしたのであった。

 そしてその結果がこれである。体を弄ばれて捨てられる…貴族として以上に、女として耐え難い屈辱を受ける事になってしまったとあっては、まだ手を出そうとしなかったノヴァルナの方が、紳士的であったと言うものだ。

「………」

 唇をきつく真一文字にし、カッと見開いたカーネギーの瞳から涙が零れ落ちる。自らの考えの稚拙さが招いた事とはいえ、その姿にノヴァルナは哀れさを感じずにはいられなかった。
 
 信賞必罰。幾ら哀れに思えても、裁定は下されなければならない。クーデターを企てたカーネギーは当初ノヴァルナが言った通り、惑星ラゴンから追放。領有権を与えられていた植民星系も没収となった。ただ追放までに、身辺整理のための三十日の期限と、当座の生活には困らないだけの資金を与えられる事になったのは、ノヴァルナのせめてもの温情だろう。

 またカーネギーと結託したニノージョン星系独立管領のハルトリス家は、キオ・スー家家臣として完全支配下に入る事で許され、皇国貴族のジョルダ・ガブフ=イズバルトには銀河皇国へ、宙域を統治する星大名家に対する騒乱罪としての訴状が送られる事となった。
 貴族であるが故、ノヴァルナが銀河皇国へ訴えても、大した事にはなるまいとタカをくくっていたイズバルトだが、後日、星帥皇テルーザから直接、資産を半分にする処分通知が届き、ノヴァルナとテルーザの繋がりに愕然としたという。



 三人の謀叛人に裁可を下したその日、ノヴァルナは夕食に招いたヴァルキスに、カーネギー姫の事で釘を刺した。

「…ところで、ヴァルキス殿」

「はい」

「カーネギー姫の事…ああいうやり方は、俺は好かねぇ」

 ノヴァルナからすればヴァルキスに、カーネギーと情を交わすぐらいなら、クーデターなどという愚かな行為を、説得して止めて欲しかったのだ。

「恐れ入ります」

 詫びの言葉を入れるものの、軽く頭を下げるヴァルキスの口調には、本当に恐れ入ったような響きは無い。しばらく無言で食事を続けると、今度はヴァルキスの方から切り出した。

「しかしノヴァルナ様は思いのほか潔癖で、温情家であらせられますな。世間の評判とはまるで違いまする」

「そりゃどーも」

「ただお気をつけなさるが、宜しかろうと思います。ここ一番での温情…そして過剰な信頼は、かえって自らを危険に晒しますゆえ」

 するとノヴァルナは穏やかな口調でありながら、ヴァルキスに切り返した。

「なるほど…つまりは敵に回る者に余計な温情は無用と。それは無論、ヴァルキス殿に対しても、という事かな?」

 ノヴァルナの指摘に対し、動じることなく応じるヴァルキス。

「そういう事です…」

 自分は裏切るつもりはないと言っているのか、はたまたその真逆の意味か、真意を読み取らせないヴァルキスは、表情を穏やかにし、話題を変えた。

「さて。食事の味が落ちるような話題はこの辺りにして、私にもお聞かせ下さい。噂の“ノヴァルナの世直し旅”とやらの真相を………」



▶#19につづく
 
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