旦那様、仕事に集中してください!~如何なる時も表情を変えない侯爵様。独占欲が強いなんて聞いていません!~

あん蜜

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第13話 あの場所

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 アーレイの左手は、ゆっくりと大陰唇と鼠径部の間を動いていく。

「ふぅっ…………はぁ…………はぁ…………」

 ここからどうなるのかがわからない緊張感で、胸がいっぱいになる。

ぬ――ちょ

 ビクンッ!!

「…………ぁ…………ぁっ………………」

 そっと乗せるように、繊細で湿潤な場所へと移動した指。

くちゅ

「ひゃぁっ……ぁっ……はぁっ…………はぁぁ…………っ」

 体に力が入り、漏れ出る声にもどこか力が入る。
 未知の世界にいるような、これから何が起きるか全くわからない場所にいるような……。
 鼓動があわただしい。

ぬる……ぬる……

 指が前後に、ゆっ……くりと撫で動く。
 初めての感触に、胸のバクバクが勢いよく加速していく。

「はぁ……はぁ……はぁ……」

 心を落ち着かせようと、呼吸に集中する。
 熱い……触れられているあの場所全体が、じんじんして熱い……。

「力の加減はどうだ? 痛みはないか?」

「……痛みは……ございません…………はぁ……はぁぁ……」

「そうか……よかった……」

ぬちゅ――ぬちゅ――

「!!」

 指の腹で、少し押すように全体を圧迫するアーレイ。

「っ……っ……!!」

 この感覚は何……?
 わからないっ……!

ちょん

 ピクンッ!!

 全身が、思いっきり動いてしまった。

「……大丈夫か?」

 コクコク、と頷くことしかできない。
 アーレイの指がクリトリスに少し触れただけで、全身に何かが走ったような感覚が来て、胸がどんどんよくわからない苦しさに包まれていく。
 嫌な苦しさではなく、心地よい苦しさに……。

「この体勢ではよく見えないのだが、ここが感じやすいのか……慎重に触る必要があるな」

ふにゅ……

「~~っ!!」

 クリトリスの側面に指が当てられ、少し動かされるだけで全身が疼く。

ふにゅ――ふにゅ――

「んぁぁっ!! ぁ…………はぁぁ……はぁっ……はぁぁ……っ」

 アーレイの首にしがみつく。
 声を抑える余裕はなく、体がビクビク動いてしまうのを止めようとしても、少ししか抑えることができない。
 なんだか……こわい…………。

「力強く掴んでくれて構わない。無我夢中で感じてくれ」

 アーレイの声が聞こえているようで聞こえていないような、聴覚に意識を割く余裕もないほどに、頭も体も激しく高ぶっている。

ふにゅふにゅ ふにゅふにゅ……

「っ……」


ビクンッ――!!


「……はぁーー……はぁーー……はぁぁーー……」

 ……?
 今……一瞬…………。

「イったようだな」

 この前も……同じことを……。
 これが……いく…………?
 一瞬のことでよくわからなかったけれど、強い快感が突然姿を現して駆け巡ったような……。

「はぁ……はぁ……」

ぬる――ぬる――

「ひぁぁん……あっ……まっ……はぁっ……はぁっ」

 アーレイの指が、膣周りをくるくると撫でる。

「感じてやまないようだな。俺が指を動かすたび、ここがぐしょ濡れになっていく」

 ぐしょ濡れ……!!

「はぁっ……はぁぁ……敏感に……っ……なっている……だけですわっ……はぁっ はぁっ」

「敏感に、感じていると」

「違っ……ぁぁ……んん……はぁぁ……はぁぁっ」

 違うわけではないけれどっ……!

「キミが素直に感じていると認めるまでは、この繊細な中を愛撫するわけにはいかない」

「……ぇっ……? はぁ……はぁ……」

ぬるっ――ぬるっ――

「んぁぁ……はぁっ…………はぁぁっ」

 体が……っ……苦しぃ……!

「欲しくてたまらないはずだ。認めたらどうだ」

「はぁっ……ぁぁん……んぅぅ……はぁぁっ……旦那様の……感じてらっしゃるお顔をっ……はぁ……見せてください……んぁぁ……」

 それまでは……認めたくない……っ。

「キミは頑固だな……いや、強がりなのか……」

ちゅう

 唇が重なる。
 すぐに舌が絡められ、その熱さにとろけそうになる。

ぬるぬる……ぬ――ちゅ……ぬ――ちょ

「っ……んんっ……っっ」

 口の中とあの場所が同時に愛撫され、もう何も考えられない。
 しばらくの間、同時に愛撫される状態が続いた後、アーレイはへにょへにょになった私を優しくベッドに寝かせてくれた。

 感じていると認めなかったからか、膣の中に指が入って来ることはなかったけれど、あのまま中も愛撫されていたら、今頃どうなっていたのか……。
 あらゆる意味で許容範囲を超えていたかもしれない。

 まだあの場所にじんじんとした熱さを感じながらも、いつの間にか心地よく寝入っていた。
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