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復帰した俺に不穏な影
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しおりを挟むメタルスライムを数匹捕まえて核を残してブチリと体を引きちぎってツルツルのスライムゼリーを回収する。核さえあればスライム系の魔物はすぐに再生する。
小さくなったメタルスライムがキャーッと急いで逃げていくのを眺め、さて十分に量も集まったから帰ろうか?と、ユニコーン姿のコハクに言うと、上機嫌に頷いて俺を背に乗せた。
コハクの背中は実に乗り心地が良く、長く移動してもお尻が痛くない。なので超距離の移動はもっぱら彼の背中に乗ることが多い。
ハクアやコクヨウに乗せてもらったことはあるけど、ハクアはフェンリルで大きな体だが如何せん動きが乱暴でロデオみたいになるからあまり乗りたくない。
コクヨウは背中じゃなくて大きな角のある頭に跨るので、人の頭に跨がっている気分になってなんか嫌なのだ。コクヨウは気にしていないようだが、なんとも言えない気持ちになる。
そんなわけで、コハクの背中が一番良いという判断になった。たまに他の面々が駄々を捏ねるので定期的に散歩の時に乗るけど。
『今日は~、すぐにお仕事~、終わっちゃったね~?もう帰っちゃう~?』
「どこか寄り道したいの?」
『どうせ~、ハクア様とコクヨウは帰るの遅くなるし~。少し遠回りして~、お散歩しながら帰ろ~?』
「そういや最近は疾駆けしてないもんな。たまにはいいよ。」
『やった~!!コハク、アル様乗せて走るの大好き~!』
コハクは大喜びで俺を背中に乗せると岩場もなんのその、一気に駆け下りて平地まで下り降りる。危ない!そんな急に降りないで!
立派な金色混じりの白い鬣にしがみつき振り下ろされないように気をつける。普段ならこんな乱暴に走らないんだが、コハクはどうやら興奮状態らしい。
「コ、コハク!ちょっと速い!俺落ちるって!」
『大丈夫だよ~。今まで~、落としたことなんて無かったでしょ?』
「そ、それはそうだけども!今日はやけに乱暴じゃない!?」
『ん~?そうかなぁ?久方ぶりにアル様と二人きりだから~、つい嬉しくなっちゃったのかも~?』
鉱山を降り終え、コハクは気にした様子もなく一気に加速して走り出す。帰り道はコハクも分かっているはずだから迷子にはならないと思うけど、流れる景色が新幹線の窓を覗いているような速さで切り替わっていく。
確かに、リハビリ中は常に誰かしらは俺についていたし、こうやって二人きりで一緒に走るのはかなり久方ぶりな気がする。
子供の面倒を見るように俺を世話するコクヨウや、親のように常に俺を気にかけるハクアとは違い、コハクは友達や兄弟のように俺と遊びたがる。一緒に泣くし、よく一緒に笑う。
こうして見ると、コハクは保護者枠の面々より少し幼いのかもしれない。だから、俺と気が合いよく遊ぶのだろうか?今も、邪魔者はいないから存分に遊んでやろうということなのかな?
「コハクーっ!帰りに街で食べ歩きしよーなー!」
『食べ歩きした~い!でもでも~、ハクア様やコクヨウに怒られない~?晩ごはん食べられなくなっちゃうでしょ~!?って。』
「い、言われなねない…!いやでも流石にもう俺もいい大人だし!26歳だよ?」
『アル様はまだまだ子供だよ~?赤ちゃんは卒業したけどね~。』
「うっそ!まだそのレベル!?人間の領域を超えたはずなのに!」
『あれだよ~、アル様の世界で言うとショウガクセイ?チュウガクセイくらい?コウコウセイにはまだかな~?』
「俺はいつになったら大人の区分に入れるんだ!?せめて早く大学生くらいにはなりたいなぁ……。」
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