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復帰した俺に不穏な影
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しおりを挟むまぁ元気そうで良かったよ、なんて青白い顔で言われても良くない。まさかロンバウトの野郎め、俺のことずっと捜していたとか恐怖なんですけど…喧嘩別れしてから音沙汰なしだったのに…おかしい…。
それにエリンティウスもそうだ!顔合わせても鼻で笑うだけだったし、ろくに挨拶もした事がなかった兄が今更俺を捜すメリットとは…謎だ…。
ロンバウトの場合はなんか個人的な執念を感じるけど、エリンティウスは個人的に捜してるってよりは家関係かな…なんか前にアルディウス失踪事件はかなり大規模で国総出で捜したらしいしな…怖い。
ヨルダンが後継者争いで荒れに荒れた時期だったから大森林ギルドまでは捜査の手が伸びてこなくて本当に良かった。
「……で?元王子様と元お兄様はどうした?もう諦めてくれた?」
「いやあれは一生追っかけてくるぞ。アントムの野郎に帰ってきたら直ぐに連絡寄越せぇぇ!って鬼の形相してたからな。」
「エリンティウス様もゾッとするくらい血の気がない顔で睨んでたしね…。」
「なにその鬼気迫る感じ。怖すぎるんだが。」
でもなんとなく想像出来てしまうのは何故だろう?恐怖で身を震わせる俺を気遣ってコハクが背中を撫でてくれる。きっと戦力的には俺のほうが上だとしても、精神攻撃は向こうのほうが上……みたいな。
なんだよ!簡単に冒険者として復帰出来なさそう!ギルドマスターもすぐ連絡入れちゃうかな!?逃げる時間くらい欲しいなぁ!
どうしよう、どうしよう…!冷や汗を流しながらオロオロしていれは、ハクアが大笑いしながら「何をそう怯える必要があるか!」と、バシリと背中を叩かれた。
いっっった……!!こんの馬鹿力め!手加減しなくなってきたなと思ったら力が強すぎるんだよ!痣できるわ!!
「まぁ、この際さっさとお前から切り出してしまえばよいと思う。貴様らは不必要だとな。どうだ?」
「あ~…ん~……どうだろうねぇ~?話を聞く限りは~…無理じゃないかな~?」
「我らが保護したアルディウスを、やすやすと返すつもりなどないわ!なぁ、我らと共にいたほうが有意義だろう?」
「有意義もなにも、そもそも帰る選択肢がないの!…でも、逃げ惑っても意地で追いかけられちゃうのは困るな。コクヨウが言うように言い切っちゃうのも一つの手か…。」
「ハクア様達で追い払うことはできないのですか?」
「我は神の眷属ぞ?人の運命を決めることは出来ぬ。アルディウスが神の子だからこそ共にいるだけだ。保護はするが、無闇に運命を刈りとるつもはりはないのだよ。」
そう言ってハクアは笑うが……なんだその、楽しげな声は…!こいつまた面白がっているな!?運命云々言ってるがただの暇つぶしに見たいだけじゃないのか!?
疑惑の眼差しを向けてもハクアは気にした様子もなくニヤリとするだけだった。なにこいつ…腹立つな…。
「とにかく、ギルドマスターにも話ししてから色々決めようかな。」
「不安です…大丈夫かなぁ…。」
「まぁもし会う予定になったら俺も一緒にいてやるから。」
「迷惑なけないよう気をつけますね。」
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