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俺は冒険者として生きている
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しおりを挟む「アル、アル?大丈夫か?」
「はっ…!いや少し疲れてるだけだから大丈夫…はぁ。」
「あぁ、そうかお前ギルドマスターの任務終わりに直接来たんだもんな。どうだったブラックサーペント。」
「見当たりませんでしたよ。森の奥に帰って行ったんでしょ。タサファンはどうだった?」
「まぁ上々かな。やっぱエルダがいるとやる気が違うぜ!」
「はいはいよかったねー。」
辺りが夕焼けで薄暗くなり始め、ヨルダンの街に到着した頃には既に沢山の冒険者が集まって来ていた。
明日の大規模な魔獣討伐作戦に向けてやる気満々って感じ。俺は早く休みたいからタサファンと顔を合わせて直ぐに別れた。ギルドマスターが俺の部屋を事前に取っておいてくれたから宿を探さずに済んだ。
夕飯も適当に空間魔法に保管していたパンを齧り、チェックインした宿のベッドに寝転がる。
「はあ~!眠たい~!」
「だらしの無い男め。」
「あっ、こら!勝手に出てきたら駄目だっていったでしょ!」
「人の気配はありませんから、大丈夫ですよアル様~。」
「なかなかいい部屋ではないか。」
「ああもうみんな出てきちゃって全く…。」
宿の部屋に入るなり大柄の男が占領を始めていく。備え付けのソファにどかりと座る白銀の髪の男に、寝転がる俺を叱る黒髪褐色肌の男、そして俺と同じようにベッドに寝転がって楽しんでる白髪ロン毛の男……うん、賑やか!
こいつら遠慮しないな、なんて思っていればさっさと風呂に入れと言わんばかりに俺を叱る大柄の黒髪褐色肌男に抱き上げられる。俺、180cm以上あるはずなんだけどな…。
面倒くさいから浄化の魔法ですまそうと思っていたのに。男はムスッとしたまま俺を風呂場に運んでいく。
「コクヨウ君。別に俺の面倒は見なくていいよ。自分で出来るから。」
「黙って大人しくしてろ。直ぐに終わる。」
「ハクア、コクヨウ止めてくれ。コハクも見てないでどうにかしろ。」
「なに、我が変わろうか?」
「コハクがお風呂入れてあげようか~?」
「違う、そうじゃない。」
げんなり。体から力が抜けてしまうのは仕方ないじゃないか。こいつら話全く聞かず好き勝手しやがって…。
急に現れたこの男達…まぁ想像つくだろうが、あの泉にいた子犬とブラックサーペントと角のある白馬だ。なんで人型になって俺の面倒をみているのかというと、俺を転生させた張本人の神様…マーニアム様の眷属である彼らからすると、俺はマーニアム様の子供のような存在らしい。
だから眷属である自分達がこれから面倒を見るって言って言う事聞かないんだ…困ったなぁ。マーニアム様も止めるつもりはないみたいで、勝手に縁を結ばれちゃって今に至るわけだ。
「20歳なのでお風呂は一人ではいれるんだよなぁ。……こら、パンツを脱がすんじゃない。」
「まだまだ赤子じゃないか。溺れたらどうするんだ。」
「大変だ~!コハクも一緒に入ってあげる~!」
「うわあぁぁー!頼むやめてくれー!」
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