実はαだった俺、逃げることにした。

るるらら

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俺は冒険者として生きている

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 「えっ、俺が行くの!?」
 「他に行けそうな人がいなくて…アル君、報酬は弾むから!ね、お願い!」
 「まだC級の俺に頼む任務じゃないだろこれ。」
 「ギルドマスターからは許可がおりたから問題ないよ。貴方今この瞬間からAランクだ、おめでとうアル君!」
 「飛び級しすぎな!どうなってやがるこのギルド!!」



 賑やかなとある冒険者ギルドの一角で俺は大きなため息をついていた。魔獣討伐の中でも過酷と言われる大森林がある連合ギルドに所属して早10年である。

 出稼ぎに出てきたような幼い子供の俺を拾ってくれたのは冒険者ギルドの受付を担当しているマルさん(男のβ)出会った。

 たまたまギルド内の清掃係を募集しており寮付きの仕事に付くことが出来た。それからは魔法の実力を買われ冒険者ギルドに登録し、仲良くなった冒険者達に連れ出されることが多くなった。

 その頃にはバースも安定して、カードにはαと記載されていた。βだと思っていたけど、αと分かった瞬間に体がメキメキと成長して17歳になると身長は180cmをゆうに超えたのである。

 元々魔法が得意で、そこから体力と筋力も発達したらメインを冒険者として活動しないかとマルさんに言われてそうすることにした。

 確かに元々は冒険者になりたくて家出した部分もあるし、連合ギルドに登録していると本部のある都市で暮らすと税率が少し免除されるから家探しにも苦労はしなかった。

 そんなこんなで10年経ち、単独で任務を熟しているうちに面倒な仕事を押し付けられてしまったようだ。ついさっきまでCランクだった俺を急に上位魔獣の討伐してこいって…人使いの荒いギルドめ…!

 受付にいたマルさんは悪びれる様子なくいい笑顔を振りまく。俺がマルさんの頼みごとに弱いの知ってて任せたなあのおっさん…。



 「昇級試験が免除されたと思って喜んだらいいじゃない。」
 「いやまた20歳だよ?急にAランクに上がったら何言われるかわからないし…。」
 「このギルド内でアル君に喧嘩売れるのギルドマスターとタサファンさんくらいのでしょうに。」
 「タサファンなぁ…。」



 タサファンとは同じギルドに所属してる唯一のS級冒険者である。俺がまだギルドの清掃係をしている時からの付き合いの男…αである。金髪と同じ色をした瞳を持ったの色黒で男で、野性味が強い。

 仲が悪いんじゃなくて悪友のようなもので、先輩冒険者として俺にいろいろ教えてくれたのもタサファンだ。5つほど年上だが気の合う仲間である。

 そんな彼も最近、最上位のS級まで上り詰め人気もうなぎ登りだ。ちなみにΩの奥さんもいるリア充である。羨ましいね。



 「アル君は単独でキマイラ討伐できるんでしょ?キマイラかなり上位魔獣だからね?わかってる?面倒だって昇級試験受けないんだから…。」
 「いや試験とか苦手でさ…。」
 「全く…じゃあ任務の説明するから。」
 「拒否権ないの?」
 「ありません!」
 「ひどいブラック社会た…。」



 
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