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58強行突破2

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「たまも~どうだ?式神に何か引っかかったか?」
「大丈夫よぉ~怪しいのは居ないわぁ~」
「リンドウこの先が黄竜の支配地なんだろ?」
「そうなのじゃが…何か雰囲気が違う様に感じての~」
「そうか~わかった。みんな警戒は怠るなよ」

トカゲを振り切って黄竜の支配地目前まで迫り、慎重に進んでいた。

街道を進んでいたが途中から林の中に入り盗賊の目につかない様にひっそりと進んだ。おそらくあまり意味はないだろうが見つからずに進みたい。激戦ばかりではこちらの身がもたない。

それに盗賊自体が闇落ちしていて意思が無さそうなのも有るのだが何か不自然な者を感じる。

「あっちゃ~やっぱりこうなるよね~」
俺たちは林の端に到達していた。黄竜支配地の村と思われるのが見えるのだがやはり囲まれている。しかし中には人の気配が感じられた。だいぶ苦戦していそうだがここは助けに入って補給と情報を手に入れたい。

「どうしようか?突入して中に入りたいけど逆に俺たちが敵と思われて攻撃を受けるかもしれないけど」
「それはわらわの名を使えば受け入れてくれるじゃろう。ヌシ殿問題無いと思うぞ」

リンドウの一言により何も言わなくてもみんな武器の手入れを始めた。ふと思った事を口にした。

「フェル~唐突ですまん。ここから土の魔法で橋作って壁までいけるか?」
「ちょっとマスター!?なんか凄い事考えてません?」
「いや~あれ相手にするの大変じゃん。とりあえず中入っちゃおうかなって」
「不可能では無いですけど…しばらく休まなくてはいけなくなります」
「ふむ~」

しばらく考えてみたが少数が個別に対応しても苦しいだけだしな。
ここは合流を優先で中に入っちゃおうかな?ただフェルの魔力が無くなるのは痛い…それなら少し近ずいてから橋を架けるか…少しの間フェルを守って準備するぐらいならなんとかなるだろう。

早速無茶な案をみんなに伝えると意外とみんな乗ってきた。
リンドウを先頭にしてクーニャを補佐につけて、たまもとアラクネと俺でフェルを囲みテオに後ろから支援してもらい、トカゲの群れにギリギリまで接近壁との距離を短くしフェルの橋に橋を作ってもらい強行突破を仕掛ける事を伝えた。

林を出て突撃を敢行。
リンドウが青龍偃月刀をヘリコプターのプロペラの様に回しだした。
クーニャは機動力を活かし右に左にサポートに入った。
たまもは護符の力で全員の能力底上げを始めた。
アラクネは粘着糸でトカゲの壁を作っていった。
フェルは次に続く力技の為に守られていた。
テオは鞭でトカゲを近付けないようにしていた。

なんか急に覚醒してないか?
みんなの動きが急に良すぎる。
アラクネの糸も結構便利だ。あんな使い方が出来るとは思わなかった。
一定の距離でトカゲをくっつけて超えてきたのに追加で糸つけて、簡単な壁が出来た事で一方向からの動きが阻害されゆとりが出来てきた。
リンドウがこじ開けアラクネが壁を作り漏れたのをクーニャが処理。
なかなか効率がいい。
テオと俺で側面から後ろをカバーして、フェルの身辺でたまもが補佐。

この城壁まで100mのトカゲだらけを苦もなく退けている。
このままいけるんじゃないか?
爆裂玉もまだ温存しておくか。
何が起こるかわからないし、予備の手を残しておきたい。

「フェルそろそろいけそうか?」
「無理すればいけると思います」
「リンドウ体力は平気か?」
「この程度問題ないか」
「よしあと10m進んだら始めよう。アラクネそれを見越して壁を作ってくれ」

お~アラクネなかなか考えてるな。
リンドウ側に先に壁を作ってリンドウが進みやすくなってるんだな。リンドウがあと3mってとこか。

アラクネも器用だよな鎌を振りつつ糸を飛ばして着実に両側に壁が出来つつある。
段にして5段の1mって壁が出来超えてきたのを狩るからちょうど射程距離の目安げいいな。

おかげで俺が後ろを専任テオが無双してるよ。

前も前で凄い事になってきた。リンドウが目的地点に差し掛かった。あとはフェルが安全に場所取りできれば…

おや?たまもが地面に札貼った?

ゴゴゴゴ

土の人形が出てきた!?

ゴーレムってやつか?
なんでそんなの呼出せんだ?式神とかと関係あるのか?
二体呼び出してフェルの護衛につかせたな。
なら任せるか。

フェルはノーミを呼び出して詠唱を始めた。
高さ2mの所に土の橋が出来始めた。

さて誰から行かせる?リンドウが行かないと話が始まらない。
テオを先にあげて弓で支援してもらうか。たまものゴーレムには残ってもらって、アラクネの糸も足止めには使える。
フェルの護衛にクーニャをつかせれば大丈夫だろう。

テオが先に登り支援が始まる。リンドウ側にゴーレム二体が入りリンドウが先行して橋を進む。たまも、フェル、クーニャが後に続いた。

俺とアラクネが残りながら足止めをする。簡単な壁が出来勢いが落ちたところでアラクネを行かせる。
俺が登り終えたところでテオも進ませた。爆裂玉を投げながら後を追った。

やべ~近くに投げすぎた。
後ろから橋が崩れだした。これはまずい走らなくては…

リンドウが誰かと話してるな。お~中に飛び込んだ。無事に行けたようだ。

フェルが転んだ。クーニャ、たまもを先にいかす。テオ、アラクネにも先にいかす。
駆けつけてフェルをお姫様だっこで走る。

最後の一歩で足場が崩れた。やっぱり無茶すぎたか…これで俺とフェルはトカゲの餌か…

ピューピシッ

俺たちの体が白い物で巻き付かれ地面に落ちる前に無理やり引っ張られた。
目の前にはアラクネの糸を引っ張るみんなの姿があった。



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