おっさん鍛冶屋の異世界探検記

モッチー

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34漆黒の谷裏ルート

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常人国内は比較的に新人でもなんとかなる程度のモンスターばかりで一人一人順番でスキル無しで基礎練習がてら進んでいた。古城近くはさすがにスキルを使い出したがそういえばうちの娘達がスキルを使ってるのあまり見た事無かった。

今回いい機会なのでじっくり見させてもらうとフェルは召喚魔法があるけど4属性同時使役、テオの鞭技はもろ女王様だし弓も狙撃系が得意そうだ。リンドウも薙刀奥義は多人数向け。クーニャは回避が強く攻撃は猫パンチにしか見えなかった。ふむ~みんななかなか特技があって羨ましいね。

メグ「ゼットさんは~なんで~スキル使わないのですか~?」
俺「戦闘スキル持ってないから」
「「「うそ~!!」」」

基本俺は生産職だから戦闘系は何も無しだから、武器に頼る戦いでなんとか鍛冶に通じるハンマーとスコップが生産技能として戦闘でも使えるものがある。作る以上は一通り武器は扱えるが戦闘でも使えるかは別問題。アイテムに頼ったりするから爆弾魔などと言われてしまうのだが…

そんな雑談をしながらいつの間にか古城に到着。ここで6人には先に行ってもらいダークエルフの村を拠点に戦闘をしてもらって、黒龍の爺さんに俺が行くまで手を出すなと伝言を頼んでおいた。

こっちは勝手知ったる古城に入り、蜂、蟻の女王様に挨拶して宝石女の監視と起きたら聞きたい事があるので連絡をもらえるように頼んできた。その代わり高級栄養剤の量産をしないといけなくなった。まだ生産ランクが俺しか作れるのが居ないらしい。そのうち材料届けさせて出来たものを持ってこさせる役職作るとか言ってるしどんだけはまってるんだか…

量産を手早く済ませ、旅立つ前に宝石女の様子を見るが特に変わった様子は無い。ところがここでリンドウが意外な事を言った。「体の中の気脈が狂っている。これを治さなければ起きる事はあるまい」なるほどね~
そんなもんかね~エリザ姫に伝言を頼み俺たちは漆黒の谷に歩みだした。
「ヌシ殿。先ほどはあのように申したが起こさぬ方が良いなもしれぬぞ。あやつは人では無いようじゃ何かが人の姿を得たようじゃ」
ムムムッ

とんでもない爆弾発言ですな~ま~それは流れに任せて放っておく事にしよう。そして俺たち3人は実験と称して高級栄養剤がどこまで効くか飲んで走りながら進む事にした。

しばらく走るが全然疲れを感じない。これはいいかも知れない。高級栄養剤の効果を実感しながら進んでいた。モンスターは意外と小型が多いがその代わり数も多くて捌くのが苦労した。

リンドウはトラウマを思い出し上から大量に降ってきた蛇が着物の中に入ってしまいパニック寸前。なんでも昔100匹の蛇が身体中を這い回って気持ち悪い記憶が蘇ってくるそうだ。
クーニャは猫の好奇心なのか大百足にちょっかい出し鼻を挟まれ腫れさせていた。
俺は蜘蛛の糸の塊見つけたと思ったら、急に割れて子蜘蛛が大量に発生。あの気持ち悪さはもう勘弁してもらいたい。

そんなハプニング続きだったが怪我の功名でハンマーを空振りしたら遠心力で一周させて威力がアップしたり、高く持ち上げ重さで叩きつける。スコップの突きに合わせて蹴りを入れ食い込ませるなど、ちょっと攻撃力上がりそうな動きを確認できた。

リンドウも波状攻撃を楽々こなしてるがたまに手を滑らせてるね。滑りにくいようにすれば完璧なのかな?
クーニャも指の間にクナイ3本づつ挟んで猫パンチさらに持ち替えて小太刀で一刀。持ち替えが忙しそうだな。何か作ってみようかな

そんな事を考えながら、息切れしてきたので栄養剤補給。つい落ち葉の山に瓶を投げ込んでしまったら…ガサガサ…出てきました!大量の百足!まだ生れて日が経ってないようでサイズは小さいがその数が尋常じゃなかった。3人は顔を見合わせ一斉に逃げに転じた。あれは誰がなんと言おうと気持ち悪いものは気持ち悪い。一か八か爆裂玉にハチミツ塗って、(ポーイ)3.2.1どかーん。ハチミツ程度では集まってくれないか~でもだいぶ減った。

ここで反撃に転じるがなんせ小さい。攻撃を当てるので一苦労。時間はかかったが無事に撃退に成功した。


####
その頃6人はメンツも揃っているので安定して進んでいた。
ダークエルフの村に近付き個体もだいぶ大型化してきた。ただ前衛2人後衛4人は少々近接攻撃に不安が残っていた。そうなると起こるのが蛇による木の上からのバックアタック。

フェルとテオは以前経験があったから警戒出来ていたが、隙のあったナタリーとメグは狙われた。前衛がいるから直接自分が接近戦にならないとの慢心が生んだ結果である。2人は蛇に締め上げられ文字道理痛い目にあった。ところが救助の手は早くフェルの召喚でサラが熱源を作り蛇の熱感知能力を麻痺させテオが頭を撃ち抜いた。
さすがに絡みついたのを解くのは男2人が担当したがそれでも助けられた2人の顔は青ざめていた。村までもう少しだったが2人が精神的に回復するのを少し待とうとしていると今度は蜘蛛が近付きガンツが盾を構えるが、粘着性の糸で絡め取られ置物とかした。下手に触ると自分も動けなくなるのでテオが綱鞭剣で女王様のようにガンツを鞭打って救出。その間に残った4人で駆逐した。

なんとか村に着きハーレーの3人はどんよりしていた。下手をしたら3人ともやられていた現実とテオの対応力を見せつけられその差に愕然としていた。さらに言えばそんな人を従えているゼットの存在が計り知れない者のように感じているのである。

「テオやっと帰ってきたか。婿殿はどこじゃ?それより先にこの可愛い女子を紹介せい」

突然の呼びかけと相変わらずのノリに全員ぽかーんとしてしまった。テオは渋々紹介していくがテオが黒龍を紹介すると…
「「「黒龍!?」」」
知らないメンツは唖然としてしまった。
「早く婿殿来ないかの~おぬしの乳に触れんのなら眺められる装備を作らすのじゃ。」
ウキウキしながらとんでもない事を呟く黒龍に別の意味で頭を抱える一同であった。
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