上 下
29 / 94

29古城探索

しおりを挟む
結局俺たちは一晩待たされた。出てきた時のみんなの顔が青ざめていたので会談自体はすぐに終わったのだろう。他のみんなは疲れる程大変な会談だと思ったようだが、俺の目にはそうは映らなかった。後で脅してやろう。

一旦城下街に戻り、姫…いやあえて隊長と呼んでおこうかな。古城跡地を提供予定でそこの視察に行くという事で傭兵に警備の依頼が来てしまった、
ギルドスナイパーと俺は強制的に参加らしい。また変なフラグ立ってないか?
同行で蜂族からハニーと蟻族からアニーが来る事になり、各ギルドそれぞれ数人出すようだ。

まず第一目標は盗賊のアジト跡地で蜂族の供養をしてそこからさらに森を超えた先に古城のような砦があるそうだ。

今回は同行人で済むからのんびり自然を満喫して進めそうだ。うちのメンバーも久々の自由を満喫する気のようである。

隊長含むスナイパーと虫人の2人はなぜか集まりガールズトークが炸裂。段々と女子メンバーが増加しすごく賑やかになってしまった。まるでピクニック気分である。危機感まるで無し。

ゾック「な~親方よ。わしらついて来る意味あったのかのう」
俺「ご指名だからね。場合によっては漆黒の谷に抜ける道探すつもりだよ。その時は頼むよ」
ゾ「いよいよエルフ娘のを作れるのかそれならしょうがない我慢するとしよう」
ゴール「お前ら漆黒の谷に用があるのか?」
ムサシ「あそこ何もないだろう」
俺「自然界最強強度の蜘蛛の糸取りに行くんだよ」
ゴ「蜘蛛と言えばこいつら追い出したのが居るって噂あったよな。」
ム「それなら見る価値はあるよな」
俺「2人はどうするんだい?」
ゴ「俺は戦闘に明け暮れる予定だ」
ム「こっちは新人勧誘と連携強化だな」
俺「そうなるとこの話が終わると一旦お別れだな」
ゴ「ただ蜘蛛が興味ある。こっちでも探索するかもしれん」
ム「うちは何人か獣人国方面行くような事言ってたな。何か起きそうなら連絡するよ」

こんな感じで男の話は淡白なものである。
それに比べてガールズトークと言うものは凄いな…後ろに男が居るのに気にせず話してる。恋愛話で済むのかと思いきやエスカレートして性の話題になり、彼氏自慢と思ったら彼氏の変態自慢になり、男同士の恋愛が良いと言うものも居れば、女同士が分かり合えると熱弁を振るう女の子がいたりした。男達は聞かなきゃよかったと思うものや、ひたすら空気に徹するもの、必死にメモを取るものと多種多様である。
そこで食いつく変態も男側にいた。あの隊長に鞭で叩かれたいと言ったり、あの子とあの子が絡み合ったらと自分の性欲で妄想の対象として利用しているようだった。


気の重い行軍もやっとアジト跡地について終了した。誰が言う事もなくみんな穴を掘り亡骸を埋葬して行った。この地も蜂族に提供予定になるそうだ。空いているとまた盗賊に占拠される恐れもあるとの事。

その後は道無き道を切り開きながら進むのでさすがに静かになるが、皆剣を振り回し雑草相手にストレス発散。自然に道を作りながら進んでいった。

隊長「ゼットよ少しよいか?」

まさかの姫様からのご相談。何事かと思ったら、
「あのような洞窟ですら棲みつくものがいたのだ。使ってない古城に誰も居ないと思うか?」
俺「いるでしょうね。噂の蜘蛛か盗賊か」
隊長「この戦力でなんとかなるか?」
俺「無理でしょう。最悪偵察のみで増援呼んでからですね」

本当はゴールやムサシ、なぎさがいる時点でなんとかなるとは思うが下手な事言って無茶な指揮されても困るからあえて無理と伝えてみた。

しかし事態は急変した。
古城が見えるところまで近ずいた時誰かが血の匂いがすると言い始めた。風向きは古城方面から…数人で偵察にでる事になり本体はゆっくり進める事になった。

もちろん俺は偵察に…隊長直々に指名されてしまった。何かフラグを立てられたような気がした。

俺は1人先行してその後に数人が第二弾として進み中継役になった。

皆不思議がっていたが気にせずに進んだ。

古城に着くと生活基盤があるようだ。しかし生気を吸われミイラになってるもの達ばかり。

からーん。

場内で音がした。誰かが生きているかもしれない。躊躇無く入っていく。いたるところに干からびた人がいた。

これはおそらく最悪の展開が待っているだろう。

迷路のような通路を抜け大広間のようなところが見えてきた。入口から中の様子を見ると、裸の女が身動きの取れない男にくちずけをしていた。

男は見る見るうちに老けていきいつしか骨と皮だけになっていた。

すると女の背中に付いている宝石のようなものが輝いた。俺はなぜか直感的にそれが原因だと思った。宝石の輝きが収まると女は壁際に縛られている男に向かっていった。

俺はなぜかチャンスと思ってしまった。隠密スキルを活かし気付かれずに接近し背後を取った。宝石をよく見るとそこから8本の管が出て背中に刺さっていた。何か禍々しい気を放っているそれは、宝石が輝くと大人しくなるように感じた。

おそらく女を使ってこの宝石が食事中なのだろうと思ってしまった。一か八か次のチャンスに引き?がしにかかってみる。男達は催眠をかけられているのか恐れも無く恍惚の表情で待っていた。次の男が犠牲になると共に宝石の輝きに合わせ背中と宝石の間に棒を入れ無理やり引き抜いた。女はそのまま意識を失ったように倒れた。宝石は輝きが収まると8本の管が蠢き始めその気持ち悪い動きに、手に持っていたスコップで叩き斬り管が無くなると大人しくなった。

その頃第二陣が到着。本体に連絡を頼み捉えられている。男達を救出していく。男達は全部で7人いたが皆快楽に浸っているような表情のままだった。

女は背中の穴を見るがもうなくなっていた。呼吸も安定しているようでただ眠っているだけだった。

そこまでくると本体も到着。あとは任せて、隊長を物陰に誘い報告をした。

「姫」
「お前がちゃんと呼ぶ時は重要な話のようだな」

無言で頷き俺の推理を語った。

あの女は宝石に操られ精気を吸っていた。そしておそらく男達は盗賊。潰しあいをしてくれてこちらとしては得しかない。ただ生き残りがあの状態で話もできないであろう。
そして宝石を姫に見せる。俺が持っていると平気だが姫が持とうとすると蠢き始めた。これを危険と見て俺が預かる事になった。
ここからが本題だがあの女はおそらく蜘蛛ではないか?男達を縛っていたものは蜘蛛の糸のように見えた。これだけ大量に男の精気を吸って人の身体を手に入れたのではないか。と話をした。

姫もこの件は黙ってるように言われ、城まで連れて帰る事になった。

そこにハニーとアニーがこの規模なら共存出来るし他の種族も呼ぶ事が出来ると喜んでいた。
それを見た姫は「お前ここに残ってそれとあれを見張っとけ」

また無理難題を…
ま~仕方がない下手に持って帰って暴走されても困るしな。ここにいるしかないだろう。
最悪黒龍の爺さんに聞きに行けばいいだろう。

姫は様々な指示を出し一旦帰っていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

テンプレな異世界を楽しんでね♪~元おっさんの異世界生活~【加筆修正版】

永倉伊織
ファンタジー
神の力によって異世界に転生した長倉真八(39歳)、転生した世界は彼のよく知る「異世界小説」のような世界だった。 転生した彼の身体は20歳の若者になったが、精神は何故か39歳のおっさんのままだった。 こうして元おっさんとして第2の人生を歩む事になった彼は異世界小説でよくある展開、いわゆるテンプレな出来事に巻き込まれながらも、出逢いや別れ、時には仲間とゆる~い冒険の旅に出たり 授かった能力を使いつつも普通に生きていこうとする、おっさんの物語である。 ◇ ◇ ◇ 本作は主人公が異世界で「生活」していく事がメインのお話しなので、派手な出来事は起こりません。 序盤は1話あたりの文字数が少なめですが 全体的には1話2000文字前後でサクッと読める内容を目指してます。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

社畜だけど異世界では推し騎士の伴侶になってます⁈

めがねあざらし
BL
気がつくと、そこはゲーム『クレセント・ナイツ』の世界だった。 しかも俺は、推しキャラ・レイ=エヴァンスの“伴侶”になっていて……⁈ 記憶喪失の俺に課されたのは、彼と共に“世界を救う鍵”として戦う使命。 しかし、レイとの誓いに隠された真実や、迫りくる敵の陰謀が俺たちを追い詰める――。 異世界で見つけた愛〜推し騎士との奇跡の絆! 推しとの距離が近すぎる、命懸けの異世界ラブファンタジー、ここに開幕!

貧乏冒険者で底辺配信者の生きる希望もないおっさんバズる~庭のFランク(実際はSSSランク)ダンジョンで活動すること15年、最強になりました~

喰寝丸太
ファンタジー
おっさんは経済的に、そして冒険者としても底辺だった。 庭にダンジョンができたが最初のザコがスライムということでFランクダンジョン認定された。 そして18年。 おっさんの実力が白日の下に。 FランクダンジョンはSSSランクだった。 最初のザコ敵はアイアンスライム。 特徴は大量の経験値を持っていて硬い、そして逃げる。 追い詰められると不壊と言われるダンジョンの壁すら溶かす酸を出す。 そんなダンジョンでの15年の月日はおっさんを最強にさせた。 世間から隠されていた最強の化け物がいま世に出る。

地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

処理中です...