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22常人国で緊急事態

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フェルの装備は整ったが攻撃面で単純な召喚より異種精霊の複合攻撃が得意になりつつあるから新しいアイデアの相談。
今後はより高出力も見込めるという事で何個か思いついたのを提案した。
また同属性でも威力倍加が見込めるらしく協力的な精霊もいるらしい。

まー使う時は黒龍クラスが出てこないとなかなか無さそうだが隠し玉は持っていてそんは無いからフェルに任せる。
そんなこんなで国王からいろいろ事後報告を受けフーペ様の気晴らしを頼まれてしまった。
やっと王城から町に戻りひとまず支配人に挨拶に行きゾックを紹介することにした。
支配人「まったくあんたって人はどこでそんな人脈作るんだか…」
俺「なんだろうね人には縁って物があって会うべくして会っちゃうだろうね」
ゾック「これもおぬしのものなのか!?何者だ?」
俺「何もしてないんだけどね勝手に大きくなって、きっかけ俺だからオーナーなんだって。たまには工房の若いのしごいてやってね」
支配人「それにしても嬢ちゃん変わったな」
フェル「わたくしに惚れてもダメですよ。マスターのものですからね」

なんてたわいも無い会話を楽しみつつ情報を聞くことにした。
獣人国は政変の恐れがあり渡航禁止が出ているようだ。竜人国も盗賊が暗躍していて一流の傭兵で無いと生き残れないらしい。
エルフの森は安定漆黒の谷も黒龍が行方不明らしくあまり行く人はいないそうだ。
今はもっぱら妖精国が安定したってことで人が集まっている。
ただ常人国が読めないらしい。
外見は安定しているが良からぬ気配が漂っているらしい。
支配人も一旦常人国にベテランを集めることにしているようだ。

諜報組織がこれだけ警戒するってことは何か起きるか?
隊長じゃなくってエリザ姫には世話になってるしちょっと行ってみるか?
支配人と打ち合わせをして俺たちも行くことにした。
元の俺の工房を拠点としゾックに親方役をやってもらい俺は下っ端役で乗り込むことにした。
4人は支配人に預けてコスプレ営業させたって姿を見たいということで使ってもらうことにした。

さすがに常人国は俺の工房と道具屋カウンターがあったことから中央の露店飲食スペースを囲うように各店が出ている。
城からは少し離れた位置だがそれなりに流行っているようだ。
新人の傭兵が修練場で励むのを見ると初々しい。
なんか故郷に帰ってきたような感じだな。

懐かしさに浸りながらベテラン諜報員が戻り始めギルドとして隠密が始動した。
俺はゾックに親方をやらせ新人を鍛えさせ、工房の受付兼雑用係として回りに目を配れるポジションを確保した。
支配人は管理者として全体を統括
4人はウエイトレスとしてそれぞれコスプレ衣装で接客していた。
ま~それにしても支配人よく見出したと思うよ。
リンドウはどっかの高級料亭の女将って感じだしテオなんて銀髪褐色の肌のメイド、フェルは高級店のホステス、クーニャは浴衣って…ま~よくぞやってくれたって感じだね。
噂を聞いて食堂が連日満員になりつつある。

「よ~久しぶり」
声をかけられ振り返るとなんとギルドハーレーのメンツ
やべ~忘れてた。ナタリーにアイテム説明とメグに複合魔法説明あったんだ。
ガンマのエルフはって?ほっといていいでしょう。

ハーレーメンバーはコスプレの噂を聞いて来たようだ目的はこんな事やるの俺しか居ないだろうって…
確かにそうなんだけどさ。
いい加減ナタリーのアイテム見てもらわないと装備の強化が困るって。
ごめんナタリー
それで見た結果は一回つけたら終わりの弓の軽減アイテムだった。
簡単に言えば竹の時の強いのを軽く引ける装置だね。だから自分の引けない弓を手に入れたらこれつけるのを薦めといた。
メグには自然現象を作るのイメージしたらって事で想像力次第って事を伝えた。
そしてさっきからチラチラ見えるものが…
ガンマの回りを漂うエルフ…どうやら見極めがあるからか見えたようだ。
本人は見えて無いようだが背後霊?こういう時は守護霊か?どっちでもいいや守ってくれてるよと言っといた。

なんで俺がここにいるかって話にはちょっと大怪我してリハビリが必要になったってしといた。
4人が暇だから食堂に預けたらこうなった。
今じゃ主要ギルドのほとんどが行ける場所がなく暇なのかここで楽しんでいる。

客寄せパンダじゃ無いが怪我の功名。もし何かあっても対応は出来そうだな。
数日後
俺の工房で出す防具がゾックのおかげで大繁盛。
ダメージ軽減小と軽量化のついた防具に改造できるという事で行列が出来た。
ま~暇つぶしにはなるよね。
支配人(頭)からの報告では盗賊が関わってるかもしれないと連絡が来た。
もしそうなら盗賊狩りをやった王族を狙ってくるかもしれない。
姫にもその旨連絡を入れた。

もしかしたらまた闇堕ちした人が関わってくるかもしれない。
親しいギルドにもそれとなく不穏な噂という事で情報を流した。
俺もこっそり爆裂玉と火炎瓶を量産フーペ様のおかげで妖精国の倉庫に保管。いつでも取り出せるようにしてもらった。

数日後
突如城から爆発音とともにピンクの煙!?
なんだあれ?実験の失敗か?
さすがに食堂の人々も警戒している。
しばらくしてブーンと音が聞こえてきた。
空を見るとそこには…
大量の虫…
普通の虫サイズなら良いですよ。
人の腹ぐらいの大きさがあって中には人と同じサイズまでいる。
全部ピンクの煙に集まっていく。
これってやばく無い?

各ギルドは動き始め中には新人の勧誘も含め動き出している。
虫が相手だと装甲硬いだろうし撲殺になりそうだよな。
下手したら酸で装備とかされるか?

考えたらきりがないな。
こちらも動くか。
優先順位は姫の救出だな。最悪姫さえ残れば盛り返せる。
そこから王族を脱出。近衛兵がどのくらい残せるかだな。

支配人に姫救出を任せこっちは力技で近衛兵や騎士団の退路を作るか。
ガンマに王族の救出と騎士団の退路を確保する事を伝えると各ギルドと連絡を取り合い。
新人部隊を中心に城門付近の退路を確保。
実力者のみで城内強行探索チームに分かれた。俺はもちろんこっち強制参加。
うちのメンバーは全員外に残した。
ゾックはハルバードで撲殺担当、リンドウは間合いの遠い虫を惹きつけてもらう。
テオには飛んでる虫の羽根を打たせ、フェルには万が一の時脱出路確保の大技で待機してもらった。
クーニャは騎士団の脱出に機動力で手助けしてもらうために。
俺の脱出路を確保しといてという事で納得してもらった。
中にはハーレー、バトルジャンキー、トップハンターが突っ込む事になった。
もちろんパワー系の人ばかり、目指すは謁見の間付近。

今回の俺は忍びスタイルで背中にはハンマーとスコップ。
さらに道具袋を背負って中には回復薬、爆裂玉を満載。支援スタイルで行きました。
もちろん背負ってるもの見て突っ込み入るが華麗にスルー。
狭い城内を7人で強行突入
各ギルド2人づつ前に立ち側面から支援。ある程度進むとローテーションで入れ替わり回復と殿
無理な疲労も溜めずになれてるようです。

程なく進み曲がり角に差し掛かり、その先には大量の虫が密集。
そこで一度角まで下がり爆裂玉の出番。
なるべく奥まで投げ込んで炸裂。
爆風と黒曜石の欠片が容赦なく叩きつけ一気に殲滅。
まだ息のあるのを潰しながらさらに前進
今度は金属の打ち合う音が聞こえてきた。
通路の先には二足歩行の蟻の集団。追い詰められた騎士団が傷だらけで戦っていた。
まだ気づいてない蟻の後ろから一気に攻撃。自然に一人一人が相手を決め初撃で一気に沈めていった。
前後から挟まれて動揺した蟻はもう相手ではなかった。
しかしこいつら蟻酸で武器を劣化させやがった。
応急で整備はしたが斬れ味はだいぶ落ちた。

武器の整備中に回復薬で騎士団を回復させ城内の配置がだいぶわかった。
通路に分断された騎士団が残っていて、近衛兵が謁見の間で王族を匿っているらしい。
目的地の変更もなくそのまま進む事に。
騎士団は先に撤退路の確保を頼み俺たちは相変わらず無茶な強行突破を繰り返した。

#######
その頃場外では…
ギルドスナイパーのなぎさを中心に、弓部隊が飛んでる虫の羽根をボロボロにしたところで落ちた個体を地上部隊が殲滅していった。
ところがここで蟷螂が現れた。その巨体は3mを超え次第にその鎌の犠牲者が増えていった。
救援に入るにもそのリーチの長さで阻まれ近寄れなかった。
ここで槍などの長柄の武器持ちが次第に集まり間合いを押し込んで行った。
回復部隊が救助に入れたところで魔法部隊が集中攻撃。なんとか撃破に成功。
場外もだんだん飛行速度の遅いパワー系の昆虫が増えてきてだんだん城から離されていった。
虫たちは相変わらず出ているピンクの煙に群がっていくが城門付近の血の臭いに反応したのか様々な種類が集まり始めていた。

まだ密集しているので魔法部隊は中心部に魔法を叩き込み順調に数を減らして行くが予想外の生命力を持った虫が燃えながら突っ込んできてこちらにも少なくない犠牲を強いられていった。

#######
城内の方も順調に進んでいたがついに強敵が出現した。
カブト虫が角を振って威嚇し、進路を塞いでしまった。
あと通路を2つ程進んだ先は謁見の間があるそうなのだがこいつをなんとかしないと進めない。
幸いこちらに腕利きの騎士が殿についてくれたので、前に専任すればいいのだが間合いが詰められない。
かといって爆裂玉は効くだろうが破片でこちらもダメージ食らうから使えそうにない。

さっきから何人か通路の両脇に分かれて同時に進むが装甲が硬く弾かれてしまう。
脚の関節に攻撃は入ったが逆に警戒されて近寄れなくなってきた。

ここで俺はメタルジェットハンマーを取り出した。
同時攻撃で間合いを詰めるも角が俺の方に来た。
スレスレでかわし仕方なく角に向けてメタルジェットを発動。
肉の焼ける匂いとともに角の根元には大穴を開けた。
痛覚はないのか怒って振り回しているが勢い余って壁に激突させその衝撃で角は折れた。
このチャンスに一気にたたみ掛け関節やつなぎ目に武器を差し込んでいった。

動きは鈍くなったがまだ沈まない。俺はもう一度メタルジェットを身体に叩きつけた。その空いた穴に爆裂玉を埋め込んだ。
もちろん火を点けてである。
ドゴーン
外見は無傷であるが沈黙した。
内側から破片が飛んで装甲は抜けなかったようだが身体の中で暴れてトドメを刺せたようだ。その後はたいして強い個体も出てこなく謁見の間前の扉にたどり着けた。



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