おっさん鍛冶屋の異世界探検記

第２部

6こんなに遠かったけ？

旅を初めてパワードスーツの補助を受けながら歩くことにより思ったよりは辛くなく１日目の夜を迎えた。この日は結局スクイレルリッパーってリスのモンスターを倒した以外はひたすら歩いていた。途中歩きながら採取出来そうな植物はたまに取ってはマジックバックに入れながら歩みを止める事は無かった。

陽が落ちかけ野営準備をしなくてはいけなくなった時に近くの岩に削岩機で実験もしたが特に問題は無かった。スクイレルリッパーに刃こぼれさせられているので、削岩機のブレイドを予備で何本か製作しておくことにした。

マキを集め火を起こし、明かりを維持しながら杭打ち機で1.5mほどの杭を1mほど打ち込み、そこからパイプを組み上げ土台として作業台が完成した。

そこに釜を出し100tプレス機も準備して金型もなぜか簡単に加工が出来た。そこにバックの中の金剛鋼を取り出してある程度の大きさになる様に金型に合わせて成形しプレス機もで一気に圧縮を実行した。

さすがに硬い金属で有るのだがプレスの力で一気にがシャンと撃ち抜き一気に今使える最高の物を製作した。あとは刃を研いでやれば良いだけなので実に簡単だった。

だがこれ研ぐのって砥石を使って手でやるしかないのか？
面倒くさいよな～グラインダー作っちゃおうかな～今後も必要だしな～と思いつきで魔石エアタービン式で作ってしまった…てかこんな思いつきで出来ちゃうってなぜ？
何が起きてるの？エアタービンがあるならエアタンクも必要？どうせならいろんな圧力タンクとして魔石をはめ込んでと…魔石がコンプレッサー代わりだからタンクがあれば良いだけで…これをパワードスーツに繋げればいろいろ小型化出来てパワーも出る…それならこれもあれも…

そして夜が明けた…

まずい…これはまずい…いくらなんでもやりすぎだろう…

しかも寝てないからテンションもおかしい…

フッフッフッこれだけ揃えば何でもできるぞ！

圧力タンクがあれば後でいろいろ追加ができる。
パワードスーツも強化されて、杭打ち機が蒸気カタパルトみたいに凄い打出しができる様になった。

これにグラインダーに草刈機の刃をつけて武器化させて釘打ち機の機能も追加してしまった。これでどこから来られても万全だ！

でもちょっと待て…これは端から見るとかなり危ない人だよな…なるべく人に会わない様にしないとな…でもフル装備で歩く事もないのか？その都度装備すれば良いだろうし、それが良さそうだよね？パワードスーツに基本機能を集約すれば後ですぐ装備して使えれば良いわけだし、持って線繋げば良い様にすれば問題ないよな？

よし！さらに改造しよう…

そして翌日の夜も明けた…

眠いさすがに眠い…しかしここで寝ては危ない…プレハブ程度でも用意しなくては…

日も暮れた頃に2畳程の10分で作れる頑丈プレハブが完成した。

やっとこれで寝れる…

そして夜が明けた…

何で俺はこんな所でこんなに夜を過ごしてしまったんだ？
しかもこんなにいろんなものが…
本当にいるのかこんなに…

昨日までのテンションはどこへやら…
気分はかなり沈んでいるが跡かたずけをしてフル装備で旅を続けるのだった…

しばらく歩くと丸い甲殻が転がってきた。
団子虫か？球体の状態で直径1m程ある様だが本当にこれはなんだろう？
魔物なんだろうけど敵対行動なのかも想像できないから、攻撃態勢だけは整えて待つ事にしよう。
先ずは釘撃ち機をスタンバイして杭の方もいつでも打てる様に装填だけはしておこう。
後は接近された時用に削岩ブレードを右手にグラインダーカッターを左手で電源待機状態でいよう。これで中距離2近距離2の選択肢をすぐに選べるだろう。

装備を万全の状態で待機し、パワードスーツもサポート率100％まで引き上げて、膝を曲げ腰を落とし左手を伸ばして釘撃ち機から動ける様にして右肩に乗る杭撃ち機も狙いをつけて発射態勢を維持した。各機器がすぐに動ける様に圧力タンクには高圧の水蒸気が蓄積され、狭い入り口から一気に解放されるので水蒸気爆発並みの解放エネルギーを得て打ち出せる仕組みである。
これは空母の蒸気カタパルト並みに撃ち出す能力を秘めているので、圧力レベルの調整で射出力は調整できるから今のうちに試射して圧力の目安を作っておく事にしている。

他の機器も蒸気圧力のに水圧、空気圧などの様々な圧力に対応できる圧力タンクが同時にいくつもためておけるので、全ての機器が圧力のいるものはそこから供給される様になっている。万が一に破損して圧力を貯められなくなっても予備を内部に作り二系統を上手く切り替えができるので重要パーツと化していた。
また油圧が向くものもあるがこれは水圧にとろみをつけて応用で出来ているのでこれはこれで構想の幅が広がり、たくさんの機器が俺の圧力タンクと互換関係上にあるのでパワーが必要な事にも使う様にカスタマイズは順次行われている。

さて団子くんが10m以内に入ってきた。
先ずは釘を単発で撃ってみよう。

パスーン！パスーン！パスーン！

カーン！カーン！カーン！

う～～ん装甲が硬いんだね。弾かれちゃった。
これはフルパワーでやっても効かないだろうから杭で行きますか…

プシューン！！

ゴン！

おぉ～～直径5cm程の2m程の単菅パイプ並みの杭が半分ぐらいは突き刺さった様だ。
団子くんは転れなくなったのでひっくり返った状態で短い足をパタパタ動かしていた。
形態的にはアルマジロっぽいねこいつ…ま～～腹見せてるので徐ろに近付いて、右手の削岩機が甲殻を貫けるのかと左手のグラインダーがどこまでの硬さを切れるか実験をしてみよう。

先ずは削岩機。
先ずは表面だが適度な丸みで垂直に当てられないので同じ場所が維持できず突きは不向きだった。切断に関しては繋ぎ目には入ったがこいつに対しては鈍器の効果の方が効きそうである。

突きは次にグラインダーの刃をダイヤモンドコートの刃を付けて当てるとすごい火花を撒き散らしながら切り刻んで行った。
ただ時間がかかるので動きを止めてからじゃないとなかなか通用はしなそうだ。
それでも装甲を剥がした後は全部の攻撃が無事に効いてすぐに沈黙をさせる事に成功した。

研究しながらだとなかなか進めないものですな～