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第2部

ぼくはげーむのきゃらくたー

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武器屋に冒険者が現れた。
「イラッシャイマセ。
    ココハブキヤデス。
   ナニヲオモトメデショウカ?」

銅の槍 銀貨1枚
鉄の槍 銀貨7枚
鋼の槍 金貨1枚
魔鋼槍 金貨30枚

冒険者は魔鋼槍を選んだ。

武器屋の店主の声が変わった。

「魔鋼剣でよろしいでしょうか?
   こちらは許可証を提示頂くか、
   実力をお見せ頂く必要がありますがよろしいでしょうか?」

冒険者は実力を見せる方を選んだ。

「ではこちらの侍女と対戦して勝利してください」

長柄の刀のような、槍に刀のような物を構えたメイド服の女性が現れた。
頭には何か角のような物が付いている。

「好きな時に攻撃をすると良いのじゃ」

メイド服の女性が告げてきた。

冒険者の攻撃  侍女は回避した。
侍女の攻撃      冒険者は耐えた。
冒険者の攻撃  侍女は回避して反撃をした。
冒険者は立ち上がれなかった。

「ゴリヨウアリガトウゴザイマシタ。チカラヲツケテカラオコシクダサイ」

武器屋に獣人が現れた。
「イラッシャイマセ」

「魔獣爪くれ」

店主が話す前に獣人は注文を入れた。
店主の声が変わった。
「金貨30枚になります。許可証を提示頂くか、実力をお見せ頂く必要がありますがよろしいでしょうか?」
獣人は対戦を選んだ。

「ではこちらの侍女と対戦してください」

両腕に三本爪をつけた小手を装備したメイド服の女性が現れた。
頭には猫の耳が動いて尻尾が揺れていた。

獣人の攻撃 侍女は回避した。
侍女の攻撃 獣人は小手で防いだ。小手が破損した。
獣人の攻撃 侍女は拳を掴んだ。
侍女の攻撃 獣人は投げ飛ばされた。

「ゴリヨウアリガトウゴザイマシタ。チカラヲツケテカラオコシクダサイ」

武器屋に駆け出し冒険者が現れた。

「イラッシャイマセ
   ココハブキヤデス
   ナニヲオモトメデショウカ」

「銅の剣ください」

「コチラニナリマス。銀貨1枚デスガヨロシイデスカ?」

「ゴリヨウアリガトウゴザイマシタ。マタノゴリヨウオマチシテオリマス」

駆け出し冒険者は満足そうに帰って行った。


武器屋に新人騎士が現れた。

「イラッシャイマセ
   ココハブキヤデス
   ナニヲオモトメデショウカ」

「鉄の剣をいただきたい」

「コチラニナリマス。銀貨7枚デスガヨロシイデスカ?」

「ゴリヨウアリガトウゴザイマシタ。マタノゴリヨウオマチシテオリマス」


武器屋にエルフが現れた。

「イラッシャイマセ
   ココハブキヤデス
   ナニヲオモトメデショウカ」

「こちらに魔弓が有ると伺ってきたのだが」

武器屋店主の声が変わった。

「金貨30枚になります。許可証を提示頂くか、実力をお見せ頂く必要がありますがよろしいでしょうか?」

「許可証を貰ってはいるのだが対戦をしてみても良いか?」

「もちろん構いません。許可証を預かってもよろしいでしょうか?」

エルフは懐から一枚の手紙を取り出した。

「ほぉ~よく黒龍が出しましたね」

「ま~贈り物したらな。替わりにもらったよ」

「ではこちらの侍女と対戦をしてください」

女性が持つには大型の弓を持ったメイド服の女性が現れた。
肌は褐色で尖った耳を持っていた。

動く狐の背につけた的で点数勝負となった。
狐に軽い防具をつけ背から50cm離した的である。

エルフの一矢目 9点 侍女の一矢目10点
エルフの二矢目 8点 侍女の二矢目  9点
エルフの三矢目 9点 侍女の三矢目  8点
エルフの四矢目 8点 侍女の四矢目10点

「許可証が無くても安定した実力を発揮していますので合格です。こちらが魔弓になります。金貨30枚になります」

エルフから金貨を貰い魔弓を引き渡す。

「ありがとうございます。
    次回この魔弓をお持ちいただければ許可証の代わりとなりますので、無くさないよう             にお気をつけください。」

「ご利用ありがとうございました」


今俺は武器屋をやっている。
心ここに在らずでリハビリ中のような感じでもあるのだが。

魔法を喰らい冥府の穴から帰ってこれた後、双方被害が酷く自然に引くことが出来た。
その後俺は意識を失い、安全そうな黒龍の所に運ばれて、半年寝たままだったそうだ。

生命維持装置のついた本体はその後どうなったのかはわからないが完全にゲームの中に取り込まれるための時間だったのではないだろうか?

今でも無気力なのに勝手に動いている感じがあるのでなんとも言えないのだがやっと意識を保てる時間が増えてきた様だ。

これで嫁達に迷惑を掛けないで済みそうである。

嫁達は俺が寝たきり状態になってパニックになりそうであったが俺の身柄を安全に確保しようとまとまり、自分達が大変なのも苦にせず一気に黒龍の所に転がり込んだそうだ。

ただそのまま居候するにはいろいろと邪魔する黒龍が居たので漆黒の谷の途中ではあるが宿屋を開いて生活基盤を作った様だ。
そこは次第に美人姉妹の隠れ宿として人気になり、制服もメイド姿でその姿を見るためだけにくる人もいた様だ。

それから程なくして俺は目覚めたらしいが意識は無く抜け殻の様になっていたそうだ。
そこからみんながいろいろして昔の道具を手にして弄っている時が目の色が戻りそうなのに気付き、いろいろ持たせ、弄らせ、何かを作らせ、やっと製作中だけ意識が戻る時が出来たそうだ。

そんなみんなの苦労から1年。

やっとゲームのキャラクター並の事が出来るくらいは回復した。
時々こだわりの品にまつわる事になると意識がはっきりするのだが、それでも多くの時間はまだまだマニュアル朗読マシーンと化している様だ。

現在は流行り過ぎた漆黒の谷の宿屋を閉鎖してひっそり辺境に移って宿屋と武器屋、雑貨屋を営んで、嫁達とまったりした時間を満喫中なのである。

こんな生活も良いよね。
時が来るまではゆっくりと過ごすとしよう
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