エルフの森をキャンプ地とする!

ウサクマ

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(野菜狂信者は)何とか肉食できんのか?

卵かけご飯・干物添え

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ふぅ……今回は二日酔いにならなかったぞ。

やはり酒は適量が一番だ。

……決して朝飯に納豆を食いたくなかったから、という理由で飲む量を抑えた訳ではないぞ。

あいつもピーマンを食いたくないからって抑えた訳ではない……と思う。

まあ、翡翠さんだけは酔い潰れているけどな。

「さて、朝飯は何を作るかね?」

「パパー、ナチャちゃんにあのタマゴが一杯でハチミツと食べるベーコンを作ってあげて!」

朝からベーコンエッグ・フライパンパイを作って欲しいとな?

まあこの人数なら残ったりはしないだろうし、たまにはいいか。

もう何度も出してるし作り方は割愛する。

ついでに作って持って来たベイクドビーンズも一緒に出そう。

「何つーか、いかにもアメリカンな料理だな……」

「でも意外とベーコンとハチミツが合うんだな、美味ぇ」

「この甘いトマト味の豆も美味しいですね……子供達のオヤツにもなりそうです」

オヤツにするのはどうかと思うが後で作り方を書いといてやるか。

因みにこのベイクドビーンズは大豆で作っても美味い、豆腐や醤油を手作りしてるなら大豆はあるだろう。

「お兄ちゃん、帰ったらハチミツ500グラムね」

そんなに使ったのか……まあ人数が人数だったし子供が多いからな、仕方ない。

因みにこの世界の卵は生食も可能で、卵かけご飯でもイケると聞いた。

なので俺と可愛い妹は卵かけご飯を食べている。

ついでに鯖っぽい魚の干物も焼いて食ってみたがこれも美味いな……

タープとマリアは卵かけご飯に興味を示していたが、確か妊婦に生卵は駄目とか言ってたから……後で別の何かを作ってやろう。

「でも本当にいつ振りだろ卵かけご飯……この醤油もいい味だし」

「トゥール様の世界の卵は生や半熟じゃ食えんからな……幾つか買っておきたいがこの世界の通貨がないんだよなぁ」

「ならこの卵も次回のリストに加えておきましょうか?」

「「お願いします!」」

そうと決まれば卵かけご飯の為にも野菜狂信者に肉や魚をおみまいせねばならん。

今回実施された事で人数はリセットしたと言ってたからまた10人に食わせなきゃならない……

そして次に野菜狂信者と遭遇する可能性があるのは2週間後、いよいよマレスが帰る時に採れるというトビバス……いわゆるスズキか。

マレスは修行が目的ながら俺も随分と助けられたな。

当のマレスは今キャリの口元に付いたハチミツを拭いているが。

「はぁぁ、このベーコンエッグ何たらで作ったBLTサンドも美味しいですねぇ」

「それはそうやって食う物じゃないんだが……」

いや、確かにBLTサンドは目玉焼き、またはゆで卵の薄切りを一緒に挟む事もあるけどな。

目玉焼きを挟む場合は黄身を半熟で、食べる直前に潰してパン全体に垂らすのがオススメだ。

ってかハチミツたっぷり掛けて挟んだらカロリーがヤバいぞ。

「そういやヒュドラさんは居るのにセバスさんは居ないのか?」

念のためにと土産用にオイル漬けの牡蠣を作ってあったんだけどな。

まあ居ないなら桃花かヒュドラさんに渡せば済むけど。

「セバスさんなら隣村の領主の所で執事をしていますが、ウメオさんが帰る前までには顔を出すと言ってましたよ」

隣村ってそれなりに距離があるんじゃ……いや、セバスさんは瞬間移動が出来るんだった。

ならちゃんと渡せるな。

「って、こっちの世界でまで執事をしてるのかセバスさんは」

「ええ、主人曰くそういう趣味らしいですよ」

趣味だったのかよ!




「成程、こうするとお魚やクラケンが保存出来る様になるんですね……しかも美味しいです」

「この世界ではイカという名前ですが、同じ作り方でタコも干物に出来ますよ」

「……師匠、タコって何ですか?」

あー……よしタープは居ないな。

名前を聞かせるだけで震えるぐらいだからな、身籠ってる子供に何かあったらレクタさんに何されるか解った物じゃない。

「タコはオクトパスの事だ」

「あー、タコヤキのタコってオクトパスの事だったんですね……」

トゥール様、そういった説明は広める時にちゃんとしといて下さいよ。

しかし多くの迷い人がたこ焼きを見た筈だが誰一人ツッコミは入れなかったのか?

「まあトゥール様ですし、住民も女神様がそう呼んでるなら細かい事は気にしないという精神で受け入れてしまった可能性がありますね……転移者にしてもそこまで気が回らなかったんでしょう」

「全く否定が出来んな」

まあ、わざわざ言う事でもないか。

マレスみたいに聞かれたら答える、それで充分だろ。




さて、帰るのは夕方だからその前に昼飯を作る必要があるんだが……

更にその前に……勇一から俺が使っているのと同じバーベキューコンロが欲しいと言われて組み立ててやっている。

材料は全部あいつが出してるし、設計図なら暗記してるから問題はないけど。

「よし、完成だ」

「おお、有難ぇ……日本でも動画で見かけてからずっと使ってみたかったんだが置き場はないし煙が近所迷惑になるし、何より当時中学生で五千円近い出費は痛かったからなぁ」

「まあ解らんでもない、これは俺みたいにバーベキューに命を賭けてなきゃ手が出せんだろう……おまけにちょっと燻製を作ってるだけで消防車を呼ばれるからな」

「いや、これで燻製を作りたい気持ちは解るが日本の住宅地でやるのは少しぐらい躊躇えや」

「買って開封と組み立てをしたばかりのバーベキューコンロだぞ?それを見て我慢が出来るとでも?」

「無理だな」

本当にこいつとは気が合うな……

あの喧嘩さえなけりゃメールのやり取りぐらいならしてたかもしれんなぁ。

……いや、俺が調子に乗ってダニエルさんとのツーショット写真を送った挙げ句に喧嘩する未来しか浮かばんわ。

「そういや知ってるか?アメリカには新品のバーベキューコンロを手にしたら近隣に得意料理を作って振る舞うという習慣があるんだ」

「マジか……」

まあ、そんな習慣はないけどな……実際にやるとしたら【新しいコンロを買った記念にパーティーするから来てくれ】って感じだ。

俺はやらされたがな。

因みにマレスにも同じバーベキューコンロを作って渡したが、それで売り物のミネストローネを作って配っていたから免除した。

「まあ仕方ねぇ、昼飯はこれで妊婦向けの肉料理でも作るか」

「勇一、お前妊婦向けの料理なんて作れるのか?」

「これでも3児の親父だぞ?多少は心得てるよ……まあ嫁達はミラ以外は料理が出来ないってのもあるし、レシピはキュアの嬢ちゃんに習ったんだが」

ウチと似た様な物か……ミラって確か二日酔いの時にピーマンのスープを作ってた姉御肌な美人だったか。

だがその料理は参考になりそうだからしっかり見ておこう。
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