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(野菜狂信者は)何とか肉食できんのか?
旧友と作ったピザ・説明添え
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うーむ、やはり竈で焼いたピザは土台がパリッとしていて美味いな。
何故か一緒に出されたコーラっぽい炭酸飲料に合うが、ピザにはバーボンが一番だ。
だからってピザの為だけにってのもアレだし、あの世界で専用の竈を作るのは止めておこう。
ちょっと焼いて食うならバーベキューコンロで充分だし。
なお酒好きのマリアは今タープと一緒に桃花から妊婦の注意点とやらを習っている。
どの道マリアは妊娠してるから酒が飲めんけど。
「ピザって美味しいね、ベーコン!」
「ンナー!」
今は酒盛りの最中なんだがキャリが膝の上で、ベーコンは頭の上でピザを食っている。
いや、何処で食うかは自由だがベーコンはくれぐれも落とすなよ?
髪に付いたチーズは洗うのが大変なんだ。
「しっかし、その子はあんだけお好み焼きを食っておきながらまだ食えるのかよ……食費は大丈夫なのか?」
「まあ、自家製ベーコンも割と売れてるしそもそも嫁達が大食いだからな……問題はない」
ベーコンの売上以外にもマリアが稼いでいるし、可愛い妹のスイーツも売れてるしな。
最近だと砂糖と強力粉で作ったドーナツの販売もしていて、子供達には評判がいい。
因みに可愛い妹が今作っているのもそのドーナツだ。
「やっほー、飲んでる?」
「えっと、確かあんたはハイドラ様の所の翡翠さん……だったか?」
何か既に出来上がってるんだが、とりあえず俺の分のピザを食うのは止めてくれ。
欲しけりゃ追加を焼くから。
「あ、そうだ……お酒の前にキャリちゃんにお願いがあってね、ちょっとこの子を見てくれる?」
「ヒャー!」
「うわぁ、カワイイ!」
何だこの鯖みたいな尻尾を着けたハトは……
まあ可愛いかと聞かれたら肯定はするが。
「私と契約した幻獣の子供なんだけど、私は勿論ロウくんとナチャちゃんも限界まで契約しててね……かといって今更野生では生きられないし面倒を見てあげて欲しいなって」
「まあ飼えと言うなら引き受けるが……何で野生は駄目なんだ?」
「いやぁ、ライコのお陰で舌が肥えちゃってね……因みにご飯はしっかり焼いた野菜とお肉なら何でも大丈夫だから」
ハトが肉を食うと申したか……まあ食うと言うなら幾らでも焼いてやるけど。
というかあの猿、産まれて間もない子供にまで腕を奮っていやがるのか。
だが相手を差別しないその精神は評価が出来る。
「おっと、肉なら焼き加減は?」
「あ、最低でもミディアムまで焼いてあげて」
最低でもミディアムまで、か……よしメモったぞ。
「お兄ちゃん追加とキャリちゃんのデザートが焼け……何その子すっごく可愛い!」
「翡翠お姉ちゃん、この子のお名前は?」
「まだ決まってないから、好きに付けていいよ」
またキャリに名付けをさせるのか……まあ実際に面倒を見るのは俺かキャリになるからな。
かくいう俺は食事を作るだけだが。
「んー……じゃあこれから宜しくね、エビフライ!」
「ヒャー!」
今度はエビフライか……ウチの娘が食いしん坊過ぎて辛い。
ってかハトにも鯖にも引っ掛かってねぇな……まあ猫にベーコンって付けるぐらいだし今更か。
って可愛い娘がハト、もといエビフライにキスすると同時に黄色く光って首輪が着いた?
「ねぇお兄ちゃん、本当に名前はあれでいいの?」
「キャリの自主性を育てる為だし、本人もとい本鳩も喜んでるっぽいからなぁ……」
「ンナッ!」
「ヒャッ!」
兄貴分?のベーコンにも挨拶したみたいだし、喧嘩はしないとは限らないが……まあ仲良くやってくれよ。
喧嘩したらベーコンを抜くだけだが。
「そういえばキミにはまだ教えてなかったっけ……幻獣について」
「ああ、再会したら是非とも聞いておきたかった」
ベーコンを見る限り害がないのは理解したが、何かしらの問題がないとは限らんしな。
それに野菜狂信者から狙われてるっぽいし。
「んー、まず4女神の世界には倒すと水晶を落とすモンスターが居る事は知ってるよね?」
確か赤青黄緑の4色の水晶があって、それぞれが生活に役立ってるんだったか。
生憎俺はそのモンスターを見た事がないが黄色の水晶だけはよく使っている。
「他にも白と黒の水晶があって、それを核としたモンスターが幻獣……それと心を通わせられる者がハイドラ様に認められたら幻獣使いになれるんだよ」
成程、つまりキャリにはその素質があった訳か……
なら俺はその才能を伸ばす手伝いをするだけだ。
「因みに認められると同時に眷属にもスカウトされるんだけど……キャリちゃんはまだ子供だからかその話はしてないみたいだから、頭の片隅にでも置いといて」
そりゃまだ分別の付いてない6歳の子供だからなぁ……言ったら脊髄反射でイエスと返事しかねん。
女神的にもそういうのはアウトなんだろう。
「最終的に決めるのはキャリ自身だが……まあ解った」
「ドーナツ美味しい!」
肝心の娘は可愛い妹の作った焼きドーナツをベーコンやエビフライと一緒に食ってるし。
ってかエビフライよ、それは肉でも野菜でもないんだが……いや、小麦粉はれっきとした野菜だったな。
だって畑で採れるんだから。
「ん、そしたら出ておいでピーニャ、ライコ」
「ウギッ!」
「グルッヒャー!」
……そこの変わった鳴き声のインコ?は初対面だな。
ってライコ、俺の膝に乗ったキャリに抱き付くな、重いから!
「ウギッ!」
「ヒャー!」
「オウ、ゲンキデヤレヨ」
「察するにあのインコ?がエビフライの親か?」
「そ、セイレーンのピーニャだよ」
セイレーン……ってゲームだと鳥の羽根を生やした人魚だった様な気がするんだが?
まあ見た目はどうでもいい、というかゲーム通りだったらタープとマリアに浮気を疑われてしまう。
「ピー!」
「ヒャー!」
「……そこの丸っこいハト?は何だ?」
「ピーニャの旦那にしてナクアちゃんの友達のリコッタっていってね、あの子は普通の鳥だよ」
ナクアって確か桃花の旦那のもう一人の嫁だったっけか……こっちはチーズの名称を鳥の名前にしたのか。
しかし桃花の奴、洗い出したら交遊関係が凄そうだな。
「所でキミ、そろそろオツマミがなくなりそうなんだけど?」
「あ、ピザの土台がもうねぇ」
「……仕方ない、ベーコンでも焼いてやるよ」
可愛い妹もスイーツは作り終わったみたいだからな。
ってそこの2人、そのラズベリーワインは貴重なんだからガブガブ飲むな!
何故か一緒に出されたコーラっぽい炭酸飲料に合うが、ピザにはバーボンが一番だ。
だからってピザの為だけにってのもアレだし、あの世界で専用の竈を作るのは止めておこう。
ちょっと焼いて食うならバーベキューコンロで充分だし。
なお酒好きのマリアは今タープと一緒に桃花から妊婦の注意点とやらを習っている。
どの道マリアは妊娠してるから酒が飲めんけど。
「ピザって美味しいね、ベーコン!」
「ンナー!」
今は酒盛りの最中なんだがキャリが膝の上で、ベーコンは頭の上でピザを食っている。
いや、何処で食うかは自由だがベーコンはくれぐれも落とすなよ?
髪に付いたチーズは洗うのが大変なんだ。
「しっかし、その子はあんだけお好み焼きを食っておきながらまだ食えるのかよ……食費は大丈夫なのか?」
「まあ、自家製ベーコンも割と売れてるしそもそも嫁達が大食いだからな……問題はない」
ベーコンの売上以外にもマリアが稼いでいるし、可愛い妹のスイーツも売れてるしな。
最近だと砂糖と強力粉で作ったドーナツの販売もしていて、子供達には評判がいい。
因みに可愛い妹が今作っているのもそのドーナツだ。
「やっほー、飲んでる?」
「えっと、確かあんたはハイドラ様の所の翡翠さん……だったか?」
何か既に出来上がってるんだが、とりあえず俺の分のピザを食うのは止めてくれ。
欲しけりゃ追加を焼くから。
「あ、そうだ……お酒の前にキャリちゃんにお願いがあってね、ちょっとこの子を見てくれる?」
「ヒャー!」
「うわぁ、カワイイ!」
何だこの鯖みたいな尻尾を着けたハトは……
まあ可愛いかと聞かれたら肯定はするが。
「私と契約した幻獣の子供なんだけど、私は勿論ロウくんとナチャちゃんも限界まで契約しててね……かといって今更野生では生きられないし面倒を見てあげて欲しいなって」
「まあ飼えと言うなら引き受けるが……何で野生は駄目なんだ?」
「いやぁ、ライコのお陰で舌が肥えちゃってね……因みにご飯はしっかり焼いた野菜とお肉なら何でも大丈夫だから」
ハトが肉を食うと申したか……まあ食うと言うなら幾らでも焼いてやるけど。
というかあの猿、産まれて間もない子供にまで腕を奮っていやがるのか。
だが相手を差別しないその精神は評価が出来る。
「おっと、肉なら焼き加減は?」
「あ、最低でもミディアムまで焼いてあげて」
最低でもミディアムまで、か……よしメモったぞ。
「お兄ちゃん追加とキャリちゃんのデザートが焼け……何その子すっごく可愛い!」
「翡翠お姉ちゃん、この子のお名前は?」
「まだ決まってないから、好きに付けていいよ」
またキャリに名付けをさせるのか……まあ実際に面倒を見るのは俺かキャリになるからな。
かくいう俺は食事を作るだけだが。
「んー……じゃあこれから宜しくね、エビフライ!」
「ヒャー!」
今度はエビフライか……ウチの娘が食いしん坊過ぎて辛い。
ってかハトにも鯖にも引っ掛かってねぇな……まあ猫にベーコンって付けるぐらいだし今更か。
って可愛い娘がハト、もといエビフライにキスすると同時に黄色く光って首輪が着いた?
「ねぇお兄ちゃん、本当に名前はあれでいいの?」
「キャリの自主性を育てる為だし、本人もとい本鳩も喜んでるっぽいからなぁ……」
「ンナッ!」
「ヒャッ!」
兄貴分?のベーコンにも挨拶したみたいだし、喧嘩はしないとは限らないが……まあ仲良くやってくれよ。
喧嘩したらベーコンを抜くだけだが。
「そういえばキミにはまだ教えてなかったっけ……幻獣について」
「ああ、再会したら是非とも聞いておきたかった」
ベーコンを見る限り害がないのは理解したが、何かしらの問題がないとは限らんしな。
それに野菜狂信者から狙われてるっぽいし。
「んー、まず4女神の世界には倒すと水晶を落とすモンスターが居る事は知ってるよね?」
確か赤青黄緑の4色の水晶があって、それぞれが生活に役立ってるんだったか。
生憎俺はそのモンスターを見た事がないが黄色の水晶だけはよく使っている。
「他にも白と黒の水晶があって、それを核としたモンスターが幻獣……それと心を通わせられる者がハイドラ様に認められたら幻獣使いになれるんだよ」
成程、つまりキャリにはその素質があった訳か……
なら俺はその才能を伸ばす手伝いをするだけだ。
「因みに認められると同時に眷属にもスカウトされるんだけど……キャリちゃんはまだ子供だからかその話はしてないみたいだから、頭の片隅にでも置いといて」
そりゃまだ分別の付いてない6歳の子供だからなぁ……言ったら脊髄反射でイエスと返事しかねん。
女神的にもそういうのはアウトなんだろう。
「最終的に決めるのはキャリ自身だが……まあ解った」
「ドーナツ美味しい!」
肝心の娘は可愛い妹の作った焼きドーナツをベーコンやエビフライと一緒に食ってるし。
ってかエビフライよ、それは肉でも野菜でもないんだが……いや、小麦粉はれっきとした野菜だったな。
だって畑で採れるんだから。
「ん、そしたら出ておいでピーニャ、ライコ」
「ウギッ!」
「グルッヒャー!」
……そこの変わった鳴き声のインコ?は初対面だな。
ってライコ、俺の膝に乗ったキャリに抱き付くな、重いから!
「ウギッ!」
「ヒャー!」
「オウ、ゲンキデヤレヨ」
「察するにあのインコ?がエビフライの親か?」
「そ、セイレーンのピーニャだよ」
セイレーン……ってゲームだと鳥の羽根を生やした人魚だった様な気がするんだが?
まあ見た目はどうでもいい、というかゲーム通りだったらタープとマリアに浮気を疑われてしまう。
「ピー!」
「ヒャー!」
「……そこの丸っこいハト?は何だ?」
「ピーニャの旦那にしてナクアちゃんの友達のリコッタっていってね、あの子は普通の鳥だよ」
ナクアって確か桃花の旦那のもう一人の嫁だったっけか……こっちはチーズの名称を鳥の名前にしたのか。
しかし桃花の奴、洗い出したら交遊関係が凄そうだな。
「所でキミ、そろそろオツマミがなくなりそうなんだけど?」
「あ、ピザの土台がもうねぇ」
「……仕方ない、ベーコンでも焼いてやるよ」
可愛い妹もスイーツは作り終わったみたいだからな。
ってそこの2人、そのラズベリーワインは貴重なんだからガブガブ飲むな!
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