54 / 140
(野菜狂信者に肉を)おみまいするぞー
恩師の昔話・遺言添え
しおりを挟む
野菜狂信者共を退けてからもひたすらワニを解体して、以前イノブタを焼くのに使った様なコンロ4つに火を入れつつ準備を進めている。
というかこのコンロってまさか……
「そいつはダニエルが最後に設計したあのコンロを再現した物だ、こいつなら一度に4匹のアリゲーターを焼けるぜ」
そういやあのコンロの設計図はジョニーさんが持ってたんだっけな……しかし4つも作るとは。
まあワニもデカいしこれぐらいは必要だよな。
「……時間だな、焼くぞボーイ」
「おう!」
溜め池から出したワニは水気を拭き取ってスタッフィングを詰めて、料理用の糸で縛ったら塩コショウ、それに醤油とバーボンにコーン油を霧吹きでふりかけて……よし。
「最初の1時間はこのまま焼き続け、30分に一度様子を見ながら酒と油を霧吹きで湿らせてやれ……まあ完成までは4時間って所だな」
やっぱり丸焼きだと時間が掛かるな……
美味い物を食う為だから苦ではないにしろ待つ時間はソワソワする。
ってこれ、バーボンか?
「焦るなよボーイ、美味い肉を焼きながら酒を飲んで待つのがいい人生の楽しみ方って奴だ」
「それ、ダニエルさんの口癖じゃねぇか」
「だが、この世の心理だ」
お、美味いなこのバーボン……酒精が強いけどトウモロコシの甘味が出てて飲みやすい。
「……実はな、俺がこの世界に来たのはこれが2度目なんだ」
え……?
「1度目はこの世界の時間でおよそ800年前、そこから3年はお隣の領土で世話になっていてな……俺以外のあのピットメンバー全員がそうだったが何人かはそこで結婚もした」
ロリババアに会った時に言ってたあの時の、ってそういう事だったのか。
道理でジョニーさん以外の全員に結婚願望がなさ過ぎると思った。
そういや牧場長はイタリア人で、可愛い妹にマナーを教えていたのはブラジル人……他のメンバーも国籍はバラバラだったっけ。
バーベキュー好きが総じて集まったとか聞いたがこの世界で出会っていたのか。
「当時のベジマニア共は今より更に話が通じなくてな……元の世界に戻る事になった原因はお隣がベジマニア共との抗争に負け、村を焼かない代わりにあらゆる肉や魚を焼いては食っていた俺達を追放しろと言ってきたからだ」
それで戻って来て俺はダニエルさんに出会えた、って訳か。
「元の世界で俺達が再会を果たしたのはジャパン……ボーイがダニエルに出会う1年ぐらい前だったな」
そんな最近だったのかよ……
その割には全員日本語が上手かった様な?
「元々全員がソイソースから興味を持ったジャパン贔屓だったから本場のソイソースを味わう為に覚えたのさ、まあこの世界の言語も日本語だったし覚えて正解だった……文字は読めんがな」
スゲェな醤油!
うん、これからも重宝しよう。
そしてジョニーさんもこの世界の文字は読めないのか……何か安心してしまった。
「それに再会できたのはダニエルがカリスマピットマスターとして名声を得ていたからだ」
ダニエルさんは月に何本かの動画を投稿して、レシピ本を出すぐらいだからアメリカでは有名だったんだろう、ぐらいには思ってたが……予想以上だったわ。
ってバーボンの追加と……手紙?
「そいつはダニエル以外のピットメンバーがこの世界でボーイに宛てた遺言だ、レシピと一緒に渡そうと思っていたがこれだけは先に渡しておく」
「遺言……って他の皆もこの世界に来てたのか!?」
「ああ、転移した時間はバラバラで痕跡を辿るのには苦労したが……間違いなく全員が来ていた」
そんな……そんな事があるのかよ。
まだ話したい事や聞きたい事が山ほどあったってのに。
「ストロベリーには秘密にしておけよ、遺言はボーイの分しかないし……事実を知るにはまだ若い」
「ああ……解った」
遺言という割にはやけに薄いと思いきや寄せ書き風になっているのは気になるが……この世界の文字ではなく英語だから何とか読めるな。
勉強は嫌いな俺だが英語とバーベキューだけは真面目に習っておいて良かった。
【この手紙は後にこの世界に来るであろうウメオ・スズイという男に託す、そして我等のやり残した事を引き継いで貰いたい】
このクッソ汚い字は間違いなく牧場長だな……
実際に来たけど、何で俺もこの世界に来ると思ったんだ?
【我等はカーニズと呼ばれる地でラムの畜産を安定化させる事に成功したが、ラムの肉の美味さを教える事は出来なかった……原因は解っている、必要なスパイスと調味料、ハーブが足りなかったからだ】
ああ、ラムにしろマトンにしろマスタードかローズマリーがないと呆けた味になっちまうからな……
特にローズマリーは絶対に欠かせない。
【だからこそウメオがこの世界に来た時にそれらが手に入ると信じ、この悲願を託す】
まあ、手に入れようと思えば可能だし……トゥール様が言う女神のお茶会とやらが終わり次第着手しよう。
次は可愛い妹にマナーを教えていたブラジル人のティーチャーか。
……今更だがダニエルさんとジョニーさん以外の本名を聞いた事なかったな。
【俺達のやり残した事は牧場長が語ってくれていた、だから俺はアドバイスだけを書き残す】
アドバイスか……それは有難い。
【角が燃えている鹿と空を走る豚を食ったらどちらかのほんの一部でいい、皮でも角でも身に付けていればナイフの切れ味が上がるぜ】
すまん、もう知ってる。
って一部を身に付けてって……そういや今着てる上着はその鹿の皮を加工した奴だったな。
完全に偶然が重なったお陰だが、あの場でタープに出会えたのは幸運だった。
次は何よりもエビが好きだったクラッシュか。
【俺もティーチャーと同じくアドバイスだけを残しておこう、銀色のクラブを焼いたら甲羅を残しておけよ、どういう理屈かは知らんがその甲羅を使ってシーバスを料理するとコンロが汚れなくなるからな】
シーバス……まさか水の魔物ってスズキの事だったのか!?
まあ海水だろうが淡水だろうが平気で生きる上に凶暴な魚だからな……ある意味納得だ。
甲羅は確か記念にと思って幾つか貰って1つはキャリの部屋に飾って、残りは車の荷台に積んであったな……
ちゃんと腐らない様に処理はしたぞ。
【なお、この世界のシーバスは弾丸の様に勢いよく飛んで向かってくるから注意しろよ】
どこのサメ映画だよ!
まあ出方が解れば対処の仕様はあるだろ。
っと、最後は誰よりも酒を愛したスコッチだな。
【もしウメオがこの遺言を見たならば、海辺の町に居るであろう我が孫シェラフを訪ねてやってくれ……きっと良い友人になれるだろう】
シェラフの爺さんはあんただったのかよ!?
あんたの孫、ゲイになってるぞ!
だがまあ無理矢理迫る様な事はないし、付き合いは続けるよ。
突き合いをする気は一切ないけどな。
ってまた牧場長の字に戻ってる……
【最後にウメオ、いや我等の息子よ……日本に帰るにしろこの世界に留まるにしろ、1つだけ約束して欲しい
この先何があろうと、相手が何であろうと、バーベキューを心から楽しんでくれ……それが人生を楽しむという事だ】
……ったく、最後の最後まで俺を子供扱いしやがって。
こんな、こんな不出来な俺を息子と言ってくれてありがとな。
あの世でまた会おうぜ、俺の親父達。
というかこのコンロってまさか……
「そいつはダニエルが最後に設計したあのコンロを再現した物だ、こいつなら一度に4匹のアリゲーターを焼けるぜ」
そういやあのコンロの設計図はジョニーさんが持ってたんだっけな……しかし4つも作るとは。
まあワニもデカいしこれぐらいは必要だよな。
「……時間だな、焼くぞボーイ」
「おう!」
溜め池から出したワニは水気を拭き取ってスタッフィングを詰めて、料理用の糸で縛ったら塩コショウ、それに醤油とバーボンにコーン油を霧吹きでふりかけて……よし。
「最初の1時間はこのまま焼き続け、30分に一度様子を見ながら酒と油を霧吹きで湿らせてやれ……まあ完成までは4時間って所だな」
やっぱり丸焼きだと時間が掛かるな……
美味い物を食う為だから苦ではないにしろ待つ時間はソワソワする。
ってこれ、バーボンか?
「焦るなよボーイ、美味い肉を焼きながら酒を飲んで待つのがいい人生の楽しみ方って奴だ」
「それ、ダニエルさんの口癖じゃねぇか」
「だが、この世の心理だ」
お、美味いなこのバーボン……酒精が強いけどトウモロコシの甘味が出てて飲みやすい。
「……実はな、俺がこの世界に来たのはこれが2度目なんだ」
え……?
「1度目はこの世界の時間でおよそ800年前、そこから3年はお隣の領土で世話になっていてな……俺以外のあのピットメンバー全員がそうだったが何人かはそこで結婚もした」
ロリババアに会った時に言ってたあの時の、ってそういう事だったのか。
道理でジョニーさん以外の全員に結婚願望がなさ過ぎると思った。
そういや牧場長はイタリア人で、可愛い妹にマナーを教えていたのはブラジル人……他のメンバーも国籍はバラバラだったっけ。
バーベキュー好きが総じて集まったとか聞いたがこの世界で出会っていたのか。
「当時のベジマニア共は今より更に話が通じなくてな……元の世界に戻る事になった原因はお隣がベジマニア共との抗争に負け、村を焼かない代わりにあらゆる肉や魚を焼いては食っていた俺達を追放しろと言ってきたからだ」
それで戻って来て俺はダニエルさんに出会えた、って訳か。
「元の世界で俺達が再会を果たしたのはジャパン……ボーイがダニエルに出会う1年ぐらい前だったな」
そんな最近だったのかよ……
その割には全員日本語が上手かった様な?
「元々全員がソイソースから興味を持ったジャパン贔屓だったから本場のソイソースを味わう為に覚えたのさ、まあこの世界の言語も日本語だったし覚えて正解だった……文字は読めんがな」
スゲェな醤油!
うん、これからも重宝しよう。
そしてジョニーさんもこの世界の文字は読めないのか……何か安心してしまった。
「それに再会できたのはダニエルがカリスマピットマスターとして名声を得ていたからだ」
ダニエルさんは月に何本かの動画を投稿して、レシピ本を出すぐらいだからアメリカでは有名だったんだろう、ぐらいには思ってたが……予想以上だったわ。
ってバーボンの追加と……手紙?
「そいつはダニエル以外のピットメンバーがこの世界でボーイに宛てた遺言だ、レシピと一緒に渡そうと思っていたがこれだけは先に渡しておく」
「遺言……って他の皆もこの世界に来てたのか!?」
「ああ、転移した時間はバラバラで痕跡を辿るのには苦労したが……間違いなく全員が来ていた」
そんな……そんな事があるのかよ。
まだ話したい事や聞きたい事が山ほどあったってのに。
「ストロベリーには秘密にしておけよ、遺言はボーイの分しかないし……事実を知るにはまだ若い」
「ああ……解った」
遺言という割にはやけに薄いと思いきや寄せ書き風になっているのは気になるが……この世界の文字ではなく英語だから何とか読めるな。
勉強は嫌いな俺だが英語とバーベキューだけは真面目に習っておいて良かった。
【この手紙は後にこの世界に来るであろうウメオ・スズイという男に託す、そして我等のやり残した事を引き継いで貰いたい】
このクッソ汚い字は間違いなく牧場長だな……
実際に来たけど、何で俺もこの世界に来ると思ったんだ?
【我等はカーニズと呼ばれる地でラムの畜産を安定化させる事に成功したが、ラムの肉の美味さを教える事は出来なかった……原因は解っている、必要なスパイスと調味料、ハーブが足りなかったからだ】
ああ、ラムにしろマトンにしろマスタードかローズマリーがないと呆けた味になっちまうからな……
特にローズマリーは絶対に欠かせない。
【だからこそウメオがこの世界に来た時にそれらが手に入ると信じ、この悲願を託す】
まあ、手に入れようと思えば可能だし……トゥール様が言う女神のお茶会とやらが終わり次第着手しよう。
次は可愛い妹にマナーを教えていたブラジル人のティーチャーか。
……今更だがダニエルさんとジョニーさん以外の本名を聞いた事なかったな。
【俺達のやり残した事は牧場長が語ってくれていた、だから俺はアドバイスだけを書き残す】
アドバイスか……それは有難い。
【角が燃えている鹿と空を走る豚を食ったらどちらかのほんの一部でいい、皮でも角でも身に付けていればナイフの切れ味が上がるぜ】
すまん、もう知ってる。
って一部を身に付けてって……そういや今着てる上着はその鹿の皮を加工した奴だったな。
完全に偶然が重なったお陰だが、あの場でタープに出会えたのは幸運だった。
次は何よりもエビが好きだったクラッシュか。
【俺もティーチャーと同じくアドバイスだけを残しておこう、銀色のクラブを焼いたら甲羅を残しておけよ、どういう理屈かは知らんがその甲羅を使ってシーバスを料理するとコンロが汚れなくなるからな】
シーバス……まさか水の魔物ってスズキの事だったのか!?
まあ海水だろうが淡水だろうが平気で生きる上に凶暴な魚だからな……ある意味納得だ。
甲羅は確か記念にと思って幾つか貰って1つはキャリの部屋に飾って、残りは車の荷台に積んであったな……
ちゃんと腐らない様に処理はしたぞ。
【なお、この世界のシーバスは弾丸の様に勢いよく飛んで向かってくるから注意しろよ】
どこのサメ映画だよ!
まあ出方が解れば対処の仕様はあるだろ。
っと、最後は誰よりも酒を愛したスコッチだな。
【もしウメオがこの遺言を見たならば、海辺の町に居るであろう我が孫シェラフを訪ねてやってくれ……きっと良い友人になれるだろう】
シェラフの爺さんはあんただったのかよ!?
あんたの孫、ゲイになってるぞ!
だがまあ無理矢理迫る様な事はないし、付き合いは続けるよ。
突き合いをする気は一切ないけどな。
ってまた牧場長の字に戻ってる……
【最後にウメオ、いや我等の息子よ……日本に帰るにしろこの世界に留まるにしろ、1つだけ約束して欲しい
この先何があろうと、相手が何であろうと、バーベキューを心から楽しんでくれ……それが人生を楽しむという事だ】
……ったく、最後の最後まで俺を子供扱いしやがって。
こんな、こんな不出来な俺を息子と言ってくれてありがとな。
あの世でまた会おうぜ、俺の親父達。
0
お気に入りに追加
131
あなたにおすすめの小説
異世界でのんびり暮らしてみることにしました
松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
【完結】異世界で小料理屋さんを自由気ままに営業する〜おっかなびっくり魔物ジビエ料理の数々〜
櫛田こころ
ファンタジー
料理人の人生を絶たれた。
和食料理人である女性の秋吉宏香(あきよしひろか)は、ひき逃げ事故に遭ったのだ。
命には関わらなかったが、生き甲斐となっていた料理人にとって大事な利き腕の神経が切れてしまい、不随までの重傷を負う。
さすがに勤め先を続けるわけにもいかず、辞めて公園で途方に暮れていると……女神に請われ、異世界転移をすることに。
腕の障害をリセットされたため、新たな料理人としての人生をスタートさせようとした時に、尾が二又に別れた猫が……ジビエに似た魔物を狩っていたところに遭遇。
料理人としての再スタートの機会を得た女性と、猟りの腕前はプロ級の猫又ぽい魔物との飯テロスローライフが始まる!!
おっかなびっくり料理の小料理屋さんの料理を召し上がれ?
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
HOT 1位!ファンタジー 3位! ありがとうございます!
父親が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
その他、多数投稿しています!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
【完結】帝国から追放された最強のチーム、リミッター外して無双する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
スペイゴール大陸最強の帝国、ユハ帝国。
帝国に仕え、最強の戦力を誇っていたチーム、『デイブレイク』は、突然議会から追放を言い渡される。
しかし帝国は気づいていなかった。彼らの力が帝国を拡大し、恐るべき戦力を誇示していたことに。
自由になった『デイブレイク』のメンバー、エルフのクリス、バランス型のアキラ、強大な魔力を宿すジャック、杖さばきの達人ランラン、絶世の美女シエナは、今まで抑えていた実力を完全開放し、ゼロからユハ帝国を超える国を建国していく。
※この世界では、杖と魔法を使って戦闘を行います。しかし、あの稲妻型の傷を持つメガネの少年のように戦うわけではありません。どうやって戦うのかは、本文を読んでのお楽しみです。杖で戦う戦士のことを、本文では杖士(ブレイカー)と描写しています。
※舞台の雰囲気は中世ヨーロッパ〜近世ヨーロッパに近いです。
〜『デイブレイク』のメンバー紹介〜
・クリス(男・エルフ・570歳)
チームのリーダー。もともとはエルフの貴族の家系だったため、上品で高潔。白く透明感のある肌に、整った顔立ちである。エルフ特有のとがった耳も特徴的。メンバーからも信頼されているが……
・アキラ(男・人間・29歳)
杖術、身体能力、頭脳、魔力など、あらゆる面のバランスが取れたチームの主力。独特なユーモアのセンスがあり、ムードメーカーでもある。唯一の弱点が……
・ジャック(男・人間・34歳)
怪物級の魔力を持つ杖士。その魔力が強大すぎるがゆえに、普段はその魔力を抑え込んでいるため、感情をあまり出さない。チームで唯一の黒人で、ドレッドヘアが特徴的。戦闘で右腕を失って以来義手を装着しているが……
・ランラン(女・人間・25歳)
優れた杖の腕前を持ち、チームを支える杖士。陽気でチャレンジャーな一面もあり、可愛さも武器である。性格の共通点から、アキラと親しく、親友である。しかし実は……
・シエナ(女・人間・28歳)
絶世の美女。とはいっても杖士としての実力も高く、アキラと同じくバランス型である。誰もが羨む美貌をもっているが、本人はあまり自信がないらしく、相手の反応を確認しながら静かに話す。あるメンバーのことが……
料理を作って異世界改革
高坂ナツキ
ファンタジー
「ふむ名前は狭間真人か。喜べ、お前は神に選ばれた」
目が覚めると謎の白い空間で人型の発行体にそう語りかけられた。
「まあ、お前にやってもらいたいのは簡単だ。異世界で料理の技術をばらまいてほしいのさ」
記憶のない俺に神を名乗る謎の発行体はそう続ける。
いやいや、記憶もないのにどうやって料理の技術を広めるのか?
まあ、でもやることもないし、困ってる人がいるならやってみてもいいか。
そう決めたものの、ゼロから料理の技術を広めるのは大変で……。
善人でも悪人でもないという理由で神様に転生させられてしまった主人公。
神様からいろいろとチートをもらったものの、転生した世界は料理という概念自体が存在しない世界。
しかも、神様からもらったチートは調味料はいくらでも手に入るが食材が無限に手に入るわけではなく……。
現地で出会った少年少女と協力して様々な料理を作っていくが、果たして神様に依頼されたようにこの世界に料理の知識を広げることは可能なのか。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる