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(野菜狂信者の)口を割って食わそう
BBQ式ブイヤベース・先輩のカキフライ添え
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マレスの料理を堪能してベーコンを売った翌朝……やはり魚市場は朝の方が活気がある。
今日は夕飯にエビフライ以外でクルエビを使う、かつ酒に合う料理を作ってくれとまさかのペグさんからのリクエストだ。
まあエビフライならマレスも作れるが、未成年だから酒との相性は解らんだろうからな。
それに酒に合う料理ならマリアも気に入る可能性が高いし。
という訳で大量のクルエビにイカと蛤、イワシを仕入れて……資金はベーコンの売上があるから問題ない。
まあ1尾1バランという安値だからなくても買えたけどな……そもそも前回の取り分が使わずに余っているし。
ってこれは牡蠣か……しかも日本で見るのより3周りはデカくて5個で3バランって安いしこれも酒に合うから買っておこう。
だが帆立やムール貝はない様だな、まあ牡蠣も美味いし大丈夫だろ。
後は野菜市場でニンニクとタマネギ、トマトに唐辛子……お、エリンギがあった。
これは明日の巨大タコをバーベキューするのに使いたいからたっぷり買っておこう。
本当ならマッシュルームがいいんだが、キノコはこれしかないらしいから仕方ない。
最後にオリーブオイルと俺専用のコーヒー豆もたっぷり買って、これでよし。
セロリやニンジンも欲しかったんだがセロリはなくて、ニンジンは1本で10バランとかいう高値で買う気にはなれなかった。
今度トゥール様にセロリの種も頼んで、オヤッサンに栽培を頼んでみるか。
上手く行けばジャガイモやキュウリに並ぶ収入源になるし。
因みにオヤッサンの育てたキュウリは1本20バランで売るらしい。
……いや、ボッタクリにも程があるだろ!
元は1袋300円……3バランの種だぞ。
「さて、仕入れが終わった所で仕込みをするか」
「手伝いますよ」
今回はセバスさんが手伝ってくれるらしい。
マレスにはキャリの面倒を頼んでるし、ペグさんは漁に向かって、マリアはサーマと酒盛りしてるからな……って朝から飲んでんじゃねぇよ。
まあ、マリアの酒好きは今更か……ついでにキャリとマレスにオヤツの石焼き芋も作ってやるかな。
さてまずはクルエビの頭と殻を炒めて、と。
コメ酒を少量垂らして……水気が飛んでカラッとしたらレモンのワインを1瓶入れてフライパンの底をこそげつつ火から下ろす。
本当ならレモンのワインじゃなくて白ワインがいいんだがな……どうもこの世界にはブドウがないらしい。
まあレモンの爽やかな香りでも臭み取りは上手く行く筈だ……多分。
鍋でセバスさんがみじん切りにしたタマネギとニンニクのみじん切りを炒めて、水とトマト、再び少量のコメ酒……火から下ろした殻や頭を煮汁ごと移して煮込む、と。
半分ぐらいに煮詰まったら別の鍋にザルをかませつつ、木ベラで殻を潰しながら濾してやれば下地の完成だ。
……うん、少し酸っぱいがほぼ理想通りに仕上がった。
「成程、いわゆるアメリケーヌソースでしたか」
「知ってたのか?」
「トゥール様の眷属となって以来、仕事をサボってはあらゆる世界を飛び回るのを探し捕まえていましたからね……その時に何度か味わった事があります」
トゥール様も大概だけどセバスさんも食道楽な所があるんだな……
ってか仕事はちゃんとやろうぜトゥール様よ。
「60年前からはほぼ大阪に入り浸っていたので探すのも楽になりましたが、ウメオさんが協力してくれれば更に早くなるでしょう……期待していますよ?」
有能過ぎるなセバスさん……
まあ、本格的になるのは死後ではあるけど頑張るよ。
よし、トマトの水煮も出来たし……セバスさんが牡蠣の殻を剥いてくれた所で仕上げるか。
タマネギとニンニクのみじん切りをバターで炒めたらトマトの水煮とアメリケーヌソース、レモンのワインを合わせて……
殻を剥いて塩水で洗った牡蠣と蛤、ぶつ切りにしたクルエビ、輪切りにしたイカ、つみれにしたイワシ、賽の目に切ったベーコンを煮込んで、と。
塩コショウとジンジャーパウダー、パプリカパウダーで味付けしたらコンロに蓋をしてじっくり煮込めばブイヤベースの完成だ。
本来なら牡蠣ではなく帆立がいいんだが、ないんだから仕方ない。
このブイヤベースは白ワインに合う料理と言われているが、たっぷり使ったしレモンのワインとも合うだろう。
それとキャリやマレスの為に前回作ったのと同じパエリヤも作っておけばいいな。
後は……
「僭越ながら……この余った牡蠣をフライにしても宜しいでしょうか?」
カキフライか……米やパンは勿論、酒にも合うし反対する理由がない。
「そりゃ助かるけどいいのか?」
「実を言いますと、自分は牡蠣が大好物でして……妻と共に居る世界にはシジミ以外の貝がなくて無性に食べたかったのですよ」
セバスさんの好物は牡蠣……覚えておこう。
あ、それならオイル漬も作って渡しておくか。
巨大タコのバーベキューが終わったらたっぷり仕込んでおこう。
「エビフライのスープが美味しい!」
「キャリ、これはブイヤベースという料理だ」
「お酒にも合うし、パエリヤにも合う……美味しい」
それはそうとマリアさん、朝からどんだけ飲んでるんですかね?
いや、サーマも同じぐらい飲んでるけど。
俺もガッツリと飲みたい所だが明日は例の巨大タコが現れるからな……程々にせねばなるまい。
「酒に合うスープとは初めてだが、確かに美味い……それにこのカキフライというのもたまらんな」
「このパエリヤって料理も美味しいです!」
そういえばマレスにはこのパエリヤの作り方は教えてなかったな。
ペスカタには米がないから作り様がないんだが、レシピぐらいは……って俺はこの世界の文字が書けないし読めないんだった。
「パエリヤなら作り方を見て覚えましたので、自分が代筆しておきましょうか?」
「お願いします」
我ながら情けないがこればかりはなぁ……いや、勉強していない訳ではないが。
ようやくこの世界の【あ、い、う、え、お】だけは読める様になったけど、書くとなるとまた違ってくる。
タープやマリアが言うには俺の字は【似ている様で全然違う何か】との事だし……俺には何が違うのかすら解らん。
今日は夕飯にエビフライ以外でクルエビを使う、かつ酒に合う料理を作ってくれとまさかのペグさんからのリクエストだ。
まあエビフライならマレスも作れるが、未成年だから酒との相性は解らんだろうからな。
それに酒に合う料理ならマリアも気に入る可能性が高いし。
という訳で大量のクルエビにイカと蛤、イワシを仕入れて……資金はベーコンの売上があるから問題ない。
まあ1尾1バランという安値だからなくても買えたけどな……そもそも前回の取り分が使わずに余っているし。
ってこれは牡蠣か……しかも日本で見るのより3周りはデカくて5個で3バランって安いしこれも酒に合うから買っておこう。
だが帆立やムール貝はない様だな、まあ牡蠣も美味いし大丈夫だろ。
後は野菜市場でニンニクとタマネギ、トマトに唐辛子……お、エリンギがあった。
これは明日の巨大タコをバーベキューするのに使いたいからたっぷり買っておこう。
本当ならマッシュルームがいいんだが、キノコはこれしかないらしいから仕方ない。
最後にオリーブオイルと俺専用のコーヒー豆もたっぷり買って、これでよし。
セロリやニンジンも欲しかったんだがセロリはなくて、ニンジンは1本で10バランとかいう高値で買う気にはなれなかった。
今度トゥール様にセロリの種も頼んで、オヤッサンに栽培を頼んでみるか。
上手く行けばジャガイモやキュウリに並ぶ収入源になるし。
因みにオヤッサンの育てたキュウリは1本20バランで売るらしい。
……いや、ボッタクリにも程があるだろ!
元は1袋300円……3バランの種だぞ。
「さて、仕入れが終わった所で仕込みをするか」
「手伝いますよ」
今回はセバスさんが手伝ってくれるらしい。
マレスにはキャリの面倒を頼んでるし、ペグさんは漁に向かって、マリアはサーマと酒盛りしてるからな……って朝から飲んでんじゃねぇよ。
まあ、マリアの酒好きは今更か……ついでにキャリとマレスにオヤツの石焼き芋も作ってやるかな。
さてまずはクルエビの頭と殻を炒めて、と。
コメ酒を少量垂らして……水気が飛んでカラッとしたらレモンのワインを1瓶入れてフライパンの底をこそげつつ火から下ろす。
本当ならレモンのワインじゃなくて白ワインがいいんだがな……どうもこの世界にはブドウがないらしい。
まあレモンの爽やかな香りでも臭み取りは上手く行く筈だ……多分。
鍋でセバスさんがみじん切りにしたタマネギとニンニクのみじん切りを炒めて、水とトマト、再び少量のコメ酒……火から下ろした殻や頭を煮汁ごと移して煮込む、と。
半分ぐらいに煮詰まったら別の鍋にザルをかませつつ、木ベラで殻を潰しながら濾してやれば下地の完成だ。
……うん、少し酸っぱいがほぼ理想通りに仕上がった。
「成程、いわゆるアメリケーヌソースでしたか」
「知ってたのか?」
「トゥール様の眷属となって以来、仕事をサボってはあらゆる世界を飛び回るのを探し捕まえていましたからね……その時に何度か味わった事があります」
トゥール様も大概だけどセバスさんも食道楽な所があるんだな……
ってか仕事はちゃんとやろうぜトゥール様よ。
「60年前からはほぼ大阪に入り浸っていたので探すのも楽になりましたが、ウメオさんが協力してくれれば更に早くなるでしょう……期待していますよ?」
有能過ぎるなセバスさん……
まあ、本格的になるのは死後ではあるけど頑張るよ。
よし、トマトの水煮も出来たし……セバスさんが牡蠣の殻を剥いてくれた所で仕上げるか。
タマネギとニンニクのみじん切りをバターで炒めたらトマトの水煮とアメリケーヌソース、レモンのワインを合わせて……
殻を剥いて塩水で洗った牡蠣と蛤、ぶつ切りにしたクルエビ、輪切りにしたイカ、つみれにしたイワシ、賽の目に切ったベーコンを煮込んで、と。
塩コショウとジンジャーパウダー、パプリカパウダーで味付けしたらコンロに蓋をしてじっくり煮込めばブイヤベースの完成だ。
本来なら牡蠣ではなく帆立がいいんだが、ないんだから仕方ない。
このブイヤベースは白ワインに合う料理と言われているが、たっぷり使ったしレモンのワインとも合うだろう。
それとキャリやマレスの為に前回作ったのと同じパエリヤも作っておけばいいな。
後は……
「僭越ながら……この余った牡蠣をフライにしても宜しいでしょうか?」
カキフライか……米やパンは勿論、酒にも合うし反対する理由がない。
「そりゃ助かるけどいいのか?」
「実を言いますと、自分は牡蠣が大好物でして……妻と共に居る世界にはシジミ以外の貝がなくて無性に食べたかったのですよ」
セバスさんの好物は牡蠣……覚えておこう。
あ、それならオイル漬も作って渡しておくか。
巨大タコのバーベキューが終わったらたっぷり仕込んでおこう。
「エビフライのスープが美味しい!」
「キャリ、これはブイヤベースという料理だ」
「お酒にも合うし、パエリヤにも合う……美味しい」
それはそうとマリアさん、朝からどんだけ飲んでるんですかね?
いや、サーマも同じぐらい飲んでるけど。
俺もガッツリと飲みたい所だが明日は例の巨大タコが現れるからな……程々にせねばなるまい。
「酒に合うスープとは初めてだが、確かに美味い……それにこのカキフライというのもたまらんな」
「このパエリヤって料理も美味しいです!」
そういえばマレスにはこのパエリヤの作り方は教えてなかったな。
ペスカタには米がないから作り様がないんだが、レシピぐらいは……って俺はこの世界の文字が書けないし読めないんだった。
「パエリヤなら作り方を見て覚えましたので、自分が代筆しておきましょうか?」
「お願いします」
我ながら情けないがこればかりはなぁ……いや、勉強していない訳ではないが。
ようやくこの世界の【あ、い、う、え、お】だけは読める様になったけど、書くとなるとまた違ってくる。
タープやマリアが言うには俺の字は【似ている様で全然違う何か】との事だし……俺には何が違うのかすら解らん。
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※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
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