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決戦
最終決戦という名の調理です
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「よし……クックーの肉と骨と卵、ポクーのバラ肉とビフーのロース肉、小麦粉、リーアさんに生やして貰ったタマネギ、リンゴ、ガリクにジンジャー、その他各種野菜とハーブ、そして調味料……全部揃いましたね」
「油も……沢山、用意したし……寸胴鍋、4つ……火に掛けたよ」
「ウギッ!」
「何故わたくしまで……」
サーグァ様に妊娠を報告されてから2日後の朝……
あたし達は今日、サーグァ様(分体)を満腹にさせなければなりません。
これまでは精々で腹八分目までしか作れなかったというのに……それも例外なく食材が無くなるという終わり方でしたし。
そう考えるとお城の食堂で勤めていた料理人の方々は優秀なんですね……一部は変態でしたが。
作るのは本人の希望で唐揚げとラーメン……付け合わせは出せば食べるでしょうが、サーグァ様の食欲の前では焼け石に水でしょう。
というか水増しで満腹にさせた所で意味はありませんし、サーグァ様も満足はしないでしょうからね。
ラーメンは麺とスープと具と薬味で1セットだからいいとして、から揚げの皿にはレタス……じゃなかったグリンを1枚添えるだけで充分です。
レモン?添える訳がありません。
他の野菜が食べたいと仰ればサラダを出せば済みます。
「キュアさん、栄養バランスって言葉はご存知ですの?」
「サーグァ様に対しては無意味な物ですよ」
ネタでも比喩でもなく、本当に意味がないですからね……
「コカちゃんはスープ作り、ライコは薬味をみじん切りに、クティはクックー肉を切ってリンゴ果汁に、あたしは麺を打って具を作ります」
今回はクックー肉を全て唐揚げにするので、代わりにビフーとポクーでチャーシューを作ります。
本当ならポクー肉だけで作りたい所ですが必要な量を確保すると半分も作れなくなりますからね……このポクーだって「売れないクックー肉を沢山買ってくれたからお礼だよ」って肉屋のご厚意に甘えて頂いた物です。
王様と農家の方々が頑張った成果が出たのか最初見た時に比べれば安くなってはいますけど……まだ気軽に食べられる値段ではありませんからね。
農家の方々には引き続き頑張って頂かなければ……
おっと、ポクーのバラ肉は丸めて料理用の糸で縛ったら塩漬けにしてジャンプ、約1晩分の時間を経過させたら塩を洗い流してコカちゃんの作っているスープで下茹でして、と。
肉は塩漬けにする事で余分な水分を排出しつつスープを吸い込み易くなります、これの下茹でをスープで行えばスープに肉の、肉はスープの旨味を吸って美味しくなるのです。
味付けにはお酒と醤油を1対1で火に掛けて、ガリクとジンジャーを皮ごと横半分に切った物と乾燥昆布も入れて沸騰させて、これで下茹でした肉を煮込んで……このまま火を消して味が染みるのを待ちましょう。
ビフーのロース肉は塊のまま表面をしっかりと焼いて、ミディアムとウェルダンの中間まで火が通ったら同じ醤油ダレに漬け込めばオーケーです。
そしてこの醤油ダレがラーメンの味付けにもなります。
「ウギッ!」
ライコの作業が終わりましたか……タマネギのみじん切りは水に晒していますね、よし。
「次はクックーの皮を焦げる寸前まで焼いて、脂を溜めて下さい……そうしたら脂にジンジャーの薄切りとガリクのみじん切りをサッと通すんです」
「ウギィッ!」
ライコに頼んだのはいわゆる香味油という奴で、ラーメンに少量浮かべる事で全体の旨味が増すのです。
ラー油とか、後はネギ油なんかが一般的でしょうか?
これは前々から使おうと考えていましたが、レンを出てからずっとラーメンを作っていませんでしたからね……
まさか初めて使うのがサーグァ様に対してだとは思いませんでしたけど、よく考えたらこの世界で初めてラーメンを食べたのがサーグァ様でしたし、ある意味最も相応しいお客様でしょう。
さて次は麺を……
「キュアさん、此方は終わりましたわよ?」
何だかんだ言いながらノリノリで手伝っていますねクティ……助かりますけど。
「では卵を半熟に茹でて、殻を剥いたらこの醤油ダレの中に入れて下さい」
「これ……お肉の塊が入ってますわよ?」
「問題はありません」
煮玉子はチャーシューのタレで味を付ける、何処のレシピにもそう書いてあります。
まあ一部や一般家庭ではめんつゆを使ったりしますが、この世界にはめんつゆなんてありませんし。
あればレンで苦労はしませんでしたよ、本当に。
「キュアちゃん、スープ……出来たよ」
流石コカちゃん、既に濾して余分な脂も取り除いてありますね。
「では唐揚げの下味と……タルタルソースを作る準備をお願いします」
「うん、解った」
……うん、麺の生地もいい感じに練れました。
買った小麦粉の中で強力粉は全て麺にしたし、中力粉は揚げる前のクックー肉にまぶすのに使いますからね……
後は延ばして切って、食べる直前に茹でるだけ……唐揚げも揚げるだけにしておきます。
具は今の内に切って皿に並べておけば乗せるだけで済みますし、唐揚げの皿にグリンを乗せれば揚がったのを並べるだけで済みます。
後は昼食の時間を待つだけですね……
「……時間ですね、ライコはどんどん揚げて、コカちゃんはタレを丼に!」
さあ、闘いの始まりです!
唐揚げに添える塩、味噌、粉チーズ、マヨネーズにタルタルソースは既にテーブルに……ボウル一杯に入れて用意してあるからそう簡単に尽きたりはしない筈です。
「クティは揚がった唐揚げを皿に並べて!アプさんと翡翠さん、リーアさんも出来た端から持って行って下さい!」
「物凄いペースで作ってますけど、これ本当に1人分の食事ですの!?」
そういえばクティはサーグァ様の食事を見た事がありませんでしたね。
1度でも見ていればそんな事は絶対に言えなくなります。
「キュアちゃん、最初の丼と皿が空いたよ!」
「次は出来上がっています!急いで洗うからコカちゃん、代わって下さい!」
「う、うん!」
「ライコ、一段落したらグリンの用意を!」
「ウギィッ!」
ラーメンの丼は洗うだけで済みますけど唐揚げはグリンも乗せなければ……
まあグリンの下拵えは済んでるから乗せるだけなんですけど。
「って配膳の3人がぎこちない上に危なっかしいですね……クティも配膳に回って下さい」
「仕方ありませんわね……」
アプさん昨日は休肝日だったから飲んではいない筈なのに……まあこの忙しさだし無理もありませんけど。
ついでにクティはサーグァ様の食べっぷりを拝見するといいですよ。
「キュア、次のラーメンは出来てるかい!」
「キュアさん、唐揚げも急ぎで!」
「大丈夫です!どんどん運んで下さい!」
何時もよりかなり早いペースで食べてますねサーグァ様!?
本体の食欲が落ちたとか言ってましたけど、もしかしたら分体に移っただけなんじゃないですか?
「……キュアさん、サーグァさんって本当に人類ですの?」
あ、見ましたか。
端から見れば食材があの小さな身体に吸い込まれていくのは見ていて気持ちいいって言う人も居ますけどね……
主に料理は出来ない皆さんが。
「本人曰く、本体と同じだけ食べられるそうですが……作る側から言わせて貰えば、本体はあんな物ではありませんよ?」
「……あの方が詩人で本当に良かったですわ」
それは同感です。
もし戦闘職に就いていたらと思うとゾッとしますよ……勿論、食欲的な意味で。
「ウギィ……」
「もう……ダメぇ」
唐揚げ用のクックー肉が尽きた所でライコとコカちゃんがバテてしまいましたか……
ふと外を見れば空が茜色……疲れるのも無理はありませんね。
まあリーアさんも既に限界らしいですし。
「キュアさん、ラーメンの肉と卵も尽きかけていますわよ!」
「ぐぬぬ……スープも底が見えてしまいましたよ!」
寸胴鍋4つ分も作ったのに……麺も残り7玉しか残っていませんし!
……ってサーグァ様の手が止まった?
「ふぅ……御馳走様でした」
良かった……やっと終わった!
あ、クティと翡翠さんも膝を付きましたね。
「つ……疲れましたわ」
「お、終わったぁ……」
昼からずっと動いてましたからね……今夜はグッスリと眠れそうです。
それにしてもセラエの食堂や行商市の屋台よりもサーグァ様1人を相手にした方が忙しいって……何かがおかしくないですか?
今更ですけど。
「皆さんのお陰で、生まれて初めて満腹になりました……ありがとうございます」
今まで満腹になった事はなかったんですね……
そりゃこれだけ食べてようやくなら無理もありませんけど。
ざっくり計算すると……唐揚げはクックー25羽分、ラーメンは寸胴鍋4つ分、更に具や薬味、調味料も加わりますし。
これは流石に王家でも毎日満腹は不可能でしょう。
満腹になったサーグァ様は非常に良い笑顔で消えましたよ……ボリアに戻った時か、サーグァ様の出産が終わった辺りにまた同じ事が起こりそうですけど、その時は城の食堂に居る料理人やデストさんにも手伝って貰います。
ライコとクティは元の世界に帰って居なくなっていますからね。
残ったラーメンはあたし達の夕飯にして、出汁殻の骨や野菜等はイケボスライムに処理して貰いましたし……ちゃんと塩も与えて瓶に詰め直しましたよ。
「流石にもう動けそうにありませんが……掃除をしなくてはなりませんね」
「そうですわね……」
「うん……もう少し、頑張らなきゃ」
「ウギィ……」
終わる頃には日付が代わってそうですけれど……明日はゆっっっくりと休ませて貰いますよ。
今回ばかりはアプさんですら疲れていますし、骨休めは必要でしょう。
とはいえ食材を揃えるのに大金を失いましたから早めに働かないといけませんが。
ああ……温泉にでも浸かって疲れを取りたいです。
「油も……沢山、用意したし……寸胴鍋、4つ……火に掛けたよ」
「ウギッ!」
「何故わたくしまで……」
サーグァ様に妊娠を報告されてから2日後の朝……
あたし達は今日、サーグァ様(分体)を満腹にさせなければなりません。
これまでは精々で腹八分目までしか作れなかったというのに……それも例外なく食材が無くなるという終わり方でしたし。
そう考えるとお城の食堂で勤めていた料理人の方々は優秀なんですね……一部は変態でしたが。
作るのは本人の希望で唐揚げとラーメン……付け合わせは出せば食べるでしょうが、サーグァ様の食欲の前では焼け石に水でしょう。
というか水増しで満腹にさせた所で意味はありませんし、サーグァ様も満足はしないでしょうからね。
ラーメンは麺とスープと具と薬味で1セットだからいいとして、から揚げの皿にはレタス……じゃなかったグリンを1枚添えるだけで充分です。
レモン?添える訳がありません。
他の野菜が食べたいと仰ればサラダを出せば済みます。
「キュアさん、栄養バランスって言葉はご存知ですの?」
「サーグァ様に対しては無意味な物ですよ」
ネタでも比喩でもなく、本当に意味がないですからね……
「コカちゃんはスープ作り、ライコは薬味をみじん切りに、クティはクックー肉を切ってリンゴ果汁に、あたしは麺を打って具を作ります」
今回はクックー肉を全て唐揚げにするので、代わりにビフーとポクーでチャーシューを作ります。
本当ならポクー肉だけで作りたい所ですが必要な量を確保すると半分も作れなくなりますからね……このポクーだって「売れないクックー肉を沢山買ってくれたからお礼だよ」って肉屋のご厚意に甘えて頂いた物です。
王様と農家の方々が頑張った成果が出たのか最初見た時に比べれば安くなってはいますけど……まだ気軽に食べられる値段ではありませんからね。
農家の方々には引き続き頑張って頂かなければ……
おっと、ポクーのバラ肉は丸めて料理用の糸で縛ったら塩漬けにしてジャンプ、約1晩分の時間を経過させたら塩を洗い流してコカちゃんの作っているスープで下茹でして、と。
肉は塩漬けにする事で余分な水分を排出しつつスープを吸い込み易くなります、これの下茹でをスープで行えばスープに肉の、肉はスープの旨味を吸って美味しくなるのです。
味付けにはお酒と醤油を1対1で火に掛けて、ガリクとジンジャーを皮ごと横半分に切った物と乾燥昆布も入れて沸騰させて、これで下茹でした肉を煮込んで……このまま火を消して味が染みるのを待ちましょう。
ビフーのロース肉は塊のまま表面をしっかりと焼いて、ミディアムとウェルダンの中間まで火が通ったら同じ醤油ダレに漬け込めばオーケーです。
そしてこの醤油ダレがラーメンの味付けにもなります。
「ウギッ!」
ライコの作業が終わりましたか……タマネギのみじん切りは水に晒していますね、よし。
「次はクックーの皮を焦げる寸前まで焼いて、脂を溜めて下さい……そうしたら脂にジンジャーの薄切りとガリクのみじん切りをサッと通すんです」
「ウギィッ!」
ライコに頼んだのはいわゆる香味油という奴で、ラーメンに少量浮かべる事で全体の旨味が増すのです。
ラー油とか、後はネギ油なんかが一般的でしょうか?
これは前々から使おうと考えていましたが、レンを出てからずっとラーメンを作っていませんでしたからね……
まさか初めて使うのがサーグァ様に対してだとは思いませんでしたけど、よく考えたらこの世界で初めてラーメンを食べたのがサーグァ様でしたし、ある意味最も相応しいお客様でしょう。
さて次は麺を……
「キュアさん、此方は終わりましたわよ?」
何だかんだ言いながらノリノリで手伝っていますねクティ……助かりますけど。
「では卵を半熟に茹でて、殻を剥いたらこの醤油ダレの中に入れて下さい」
「これ……お肉の塊が入ってますわよ?」
「問題はありません」
煮玉子はチャーシューのタレで味を付ける、何処のレシピにもそう書いてあります。
まあ一部や一般家庭ではめんつゆを使ったりしますが、この世界にはめんつゆなんてありませんし。
あればレンで苦労はしませんでしたよ、本当に。
「キュアちゃん、スープ……出来たよ」
流石コカちゃん、既に濾して余分な脂も取り除いてありますね。
「では唐揚げの下味と……タルタルソースを作る準備をお願いします」
「うん、解った」
……うん、麺の生地もいい感じに練れました。
買った小麦粉の中で強力粉は全て麺にしたし、中力粉は揚げる前のクックー肉にまぶすのに使いますからね……
後は延ばして切って、食べる直前に茹でるだけ……唐揚げも揚げるだけにしておきます。
具は今の内に切って皿に並べておけば乗せるだけで済みますし、唐揚げの皿にグリンを乗せれば揚がったのを並べるだけで済みます。
後は昼食の時間を待つだけですね……
「……時間ですね、ライコはどんどん揚げて、コカちゃんはタレを丼に!」
さあ、闘いの始まりです!
唐揚げに添える塩、味噌、粉チーズ、マヨネーズにタルタルソースは既にテーブルに……ボウル一杯に入れて用意してあるからそう簡単に尽きたりはしない筈です。
「クティは揚がった唐揚げを皿に並べて!アプさんと翡翠さん、リーアさんも出来た端から持って行って下さい!」
「物凄いペースで作ってますけど、これ本当に1人分の食事ですの!?」
そういえばクティはサーグァ様の食事を見た事がありませんでしたね。
1度でも見ていればそんな事は絶対に言えなくなります。
「キュアちゃん、最初の丼と皿が空いたよ!」
「次は出来上がっています!急いで洗うからコカちゃん、代わって下さい!」
「う、うん!」
「ライコ、一段落したらグリンの用意を!」
「ウギィッ!」
ラーメンの丼は洗うだけで済みますけど唐揚げはグリンも乗せなければ……
まあグリンの下拵えは済んでるから乗せるだけなんですけど。
「って配膳の3人がぎこちない上に危なっかしいですね……クティも配膳に回って下さい」
「仕方ありませんわね……」
アプさん昨日は休肝日だったから飲んではいない筈なのに……まあこの忙しさだし無理もありませんけど。
ついでにクティはサーグァ様の食べっぷりを拝見するといいですよ。
「キュア、次のラーメンは出来てるかい!」
「キュアさん、唐揚げも急ぎで!」
「大丈夫です!どんどん運んで下さい!」
何時もよりかなり早いペースで食べてますねサーグァ様!?
本体の食欲が落ちたとか言ってましたけど、もしかしたら分体に移っただけなんじゃないですか?
「……キュアさん、サーグァさんって本当に人類ですの?」
あ、見ましたか。
端から見れば食材があの小さな身体に吸い込まれていくのは見ていて気持ちいいって言う人も居ますけどね……
主に料理は出来ない皆さんが。
「本人曰く、本体と同じだけ食べられるそうですが……作る側から言わせて貰えば、本体はあんな物ではありませんよ?」
「……あの方が詩人で本当に良かったですわ」
それは同感です。
もし戦闘職に就いていたらと思うとゾッとしますよ……勿論、食欲的な意味で。
「ウギィ……」
「もう……ダメぇ」
唐揚げ用のクックー肉が尽きた所でライコとコカちゃんがバテてしまいましたか……
ふと外を見れば空が茜色……疲れるのも無理はありませんね。
まあリーアさんも既に限界らしいですし。
「キュアさん、ラーメンの肉と卵も尽きかけていますわよ!」
「ぐぬぬ……スープも底が見えてしまいましたよ!」
寸胴鍋4つ分も作ったのに……麺も残り7玉しか残っていませんし!
……ってサーグァ様の手が止まった?
「ふぅ……御馳走様でした」
良かった……やっと終わった!
あ、クティと翡翠さんも膝を付きましたね。
「つ……疲れましたわ」
「お、終わったぁ……」
昼からずっと動いてましたからね……今夜はグッスリと眠れそうです。
それにしてもセラエの食堂や行商市の屋台よりもサーグァ様1人を相手にした方が忙しいって……何かがおかしくないですか?
今更ですけど。
「皆さんのお陰で、生まれて初めて満腹になりました……ありがとうございます」
今まで満腹になった事はなかったんですね……
そりゃこれだけ食べてようやくなら無理もありませんけど。
ざっくり計算すると……唐揚げはクックー25羽分、ラーメンは寸胴鍋4つ分、更に具や薬味、調味料も加わりますし。
これは流石に王家でも毎日満腹は不可能でしょう。
満腹になったサーグァ様は非常に良い笑顔で消えましたよ……ボリアに戻った時か、サーグァ様の出産が終わった辺りにまた同じ事が起こりそうですけど、その時は城の食堂に居る料理人やデストさんにも手伝って貰います。
ライコとクティは元の世界に帰って居なくなっていますからね。
残ったラーメンはあたし達の夕飯にして、出汁殻の骨や野菜等はイケボスライムに処理して貰いましたし……ちゃんと塩も与えて瓶に詰め直しましたよ。
「流石にもう動けそうにありませんが……掃除をしなくてはなりませんね」
「そうですわね……」
「うん……もう少し、頑張らなきゃ」
「ウギィ……」
終わる頃には日付が代わってそうですけれど……明日はゆっっっくりと休ませて貰いますよ。
今回ばかりはアプさんですら疲れていますし、骨休めは必要でしょう。
とはいえ食材を揃えるのに大金を失いましたから早めに働かないといけませんが。
ああ……温泉にでも浸かって疲れを取りたいです。
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