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菜食主義者と炭酸水
タクァと再会しました
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アップルパイもどきを作った翌朝……何故かあたしが姉さんのご両親にまで夕飯と朝食を振る舞う羽目になりましたが、寝床を借りてる身だし文句は言えませんね。
ご両親もどうやら以前は他の村に住んでいた様で肉や魚が平気だったのは助かりました……朝は目玉焼きを食べたかったので。
父親の方は特にイカの塩辛を気に入った様で……あたしの秘蔵の塩辛が空になってしまいましたよ。
それはさておき、早く屋台を再開せねばならないのに何を出すべきかが決まらない……
スイーツの大半が卵や牛乳を使うから出せない、肉や魚が使えないからラーメンも作れない、デストさんの作るゼラチンは動物の皮から取るのでゼリーも駄目、豆腐や豆乳なら出せるでしょうが売れるかは疑問……
だからって野菜スープじゃ面白くありませんし、ずんだ餅は枝豆を育てるスペースがないと来ました。
……改めて考えると菜食主義者の食事って大変ですね。
野菜だけ使えばいいんだから考える必要はないだろ、とかぬかす輩が居るなら急所をぶん殴っても構いませんよね?
それが男性なら股ぐらを蹴り飛ばしたって許される筈です。
で、考えながら町をブラブラと進んでいたのですが……
「あ、お久しぶりです」
あの時のタクァに遭遇してしまった……そういえばここで氷屋をしてると言っていましたね。
「一応ここではアスラと名乗っていますから、出来たらそう呼んで頂きたいのですけど……」
「アスラさんですね……覚えました」
考えてみればタクァは種族名ですからね……そりゃ個人の名前ぐらいありますよね、うん。
ん?氷屋……野菜……果物……何かが閃きそうな気がします。
「因みに氷ってどうやって作ってるんですか?」
「普通に氷魔法で出してますよ?私達タクァの魔力は水晶みたいに澄んでるから、そのまま食べても大丈夫です」
成程……青の水晶も澄んでれば飲料水が出ますし、魔力が澄んでるというのも種族の特性みたいな感じなのでしょう。
……閃きました。
「アスラさん、今日だけあたしに屋台を手伝わせてはくれませんか?」
「え……それは構いませんけど、一体何を?」
「本日よりアスラの氷屋から新しい食べ物を出しますよー!」
さて、宣伝はお任せするとして……お客さんが来る前に数を揃えなくては。
「アスラさんの手料理だと!よし、俺が1番乗りだ!」
「何言ってやがる!俺が先だ!」
「アスラさんの料理ならタマネギの皮だって残さず食える!」
「アスラさんの椅子になりたい!」
モテモテではないですかアスラさん……
その気になれば幾らでも相手が居るでしょうに、何で発情で暴走なんてしてたんですか?
「私は色白でムキムキな、私だけを見てくれるダンディな殿方が好みなんです……」
……目の前に並んでいるのは日焼けした細身のチャラい方々のみですね。
というかその好みなら暴走中にロウを見ても平気だったんでしょうか?
見事に正反対な人しか居ないんならいっそ引っ越した方がいいんじゃないですかね?
「タクァ族にはしきたりがありまして……結婚して旦那の家に入る場合を除いて、1つの町に1人しか居られないんです」
他の町や村は既に埋まっていたんですか……
同情はしますが……これはもう好みの旅人か行商人が現れるのを待つしかありませんね。
「以前はこの町で見た目だけは好みなスミスの殿方が居たんですけれど、残念ながら性格だけが合いませんでした……それに美人な女性を2人も侍らせていましたし」
色白なスミスで美人が2人……ってああ、間違いなくデストさんですね。
どちらかと言えば細マッチョでその2人に振り回されていますが……因みに好意を抱く女性はもう1人増えましたよ。
言いませんけど。
おっと、早く商品を作らないと……後は棒を刺して固めて、っと。
皮を剥いてすりおろしたリンゴにアマミズの水を加えて凍らせて、アスラさんの出した氷と一緒に削って、棒を刺して固めたシャーベット……
解りやすく言えばガ○ガリ君もどきの出来上がりです。
個人的にソーダ味が好きなのですが、まあソーダなんてありませんし。
そもそもソーダの作り方も知りませんからね……何故か無性に炭酸飲料が飲みたくなりました。
因みにもう少し細かく削れればスムージーになりますが、あれミキサーじゃないと途中で氷が溶けるんですよね。
このもどきもアスラさんが魔力で冷し続けてくれているから作れる訳ですし。
ちゃんとレシピも渡しますから明日からも作れるでしょう。
冬は売れないでしょうけれど。
「この歯に染み渡る冷たさと程よい甘さは癖になりそうだ……」
「口の中でガリガリして、少しずつ溶けるのが面白いな」
「ぐおぉぉぉ!あ、頭が割れる様に痛ぇー!」
「は、歯が凍みるぅ!」
あ、やっぱりアイスクリーム頭痛になる人が出ましたね……あれ痛いんですよ、本当に。
少しだけ囓って飴みたいに食べるとなり難い様ですけれど……まあ教える必要はないでしょう。
それと歯はちゃんと毎日磨いていれば痛くなりませんよ。
といってもこの世界の歯磨きは掌一杯の塩をよく噛んでうがいをする事なんですけど……歯ブラシが恋しい。
アプさんはその辺りが本当に厳しくて毎日やらされていますよ。
旅の途中でも朝食は抜いても歯は磨け、って言ってます……まあ歯医者なんて居ませんからね、虫歯になったが最後という奴です。
魔法でも抜けた歯は元に戻りませんからね……当然生えたりもしません。
因みにナクアちゃん、塩を噛む時のジャリジャリとした感じが嫌いな様で……最近はロウのキスをご褒美にして渋々やっています。
思ったよりも早く売り切れてしまったので再び暇になりました……
ガリ○リ君もどきは作ってて楽しかったのですがタクァの魔力がないと作れませんからね……あたしの屋台では無理です。
というか新しい商品のレシピのお礼だとかで大きな氷を頂いてしまったんですが……これをどうしろと?
「お、嬢ちゃん……その氷はどうした?」
「氷屋を手伝ってたらお礼だとかで頂いてしまいました」
「そ、そうか……ん?氷か……よし」
おや?
何か思い付いた様な顔をしていますが……
「暇ならちょいと手伝わないか?いい物を作ってやる」
で、言われるがままに着いて行った訳なのですが……
何故かロウとナクアちゃんにコカちゃんまで居ました。
「……よし、お嬢はこの竈に火を起こしてくれ」
「う、うん……」
何やら金属の箱に大量の塩を詰めて密封していますが……何をする気なのでしょうか?
「嬢ちゃん、こいつに電流を流してくれ」
それ、中で奮迅爆発が起こるんじゃ?
まあ、デストさんのする事だし……密封していたから爆発はしないでしょう、多分。
とりあえず雷(中)で……
って何故か竈に付いていた管を箱に取り付けた?
随分と色んなギミックを詰めてますね、本当に。
「……そろそろいいかな?」
開けた箱を恐る恐る覗いてみたら……やたらときめ細かい粉末?
「よし、上出来だ」
白い粉末……塩の筈なのにちょっと違う様な?
「塩を電気で分解して、そこに二酸化炭素を流すと出来上がるのがこの重曹だ……底には重曹にならなかった塩の塊がある」
重曹……主婦の強い味方と言われるあの重曹ですか!
掃除に使えばどんな汚れも落とし、料理ならお肉を柔らかくする効果もある万能薬品……でも何でまた?
「日本では薬品じゃなくて食品として売られてたけどな……長い間ずっと試行錯誤していたが造れなかった、この重曹が欲しかったんだ」
って人数分のコップにオレンジの果汁とレモン果汁、アマミズの水と普通の水……そこに重曹を入れて混ぜて砕いた氷を?
「あ、コップの中で泡がブクブクしてるー!」
泡……まさか!
「くぅーっ!この口と喉で弾ける感覚……炭酸ジュースだ!」
先程から急に飲みたくて堪らなかった炭酸飲料……まさかその日の内に飲めるとは!
「ちょっと、喉が痛い……けど、甘くて……美味しい」
「おかわりー!」
「お代わりは少し待ってな……ここからが本番だ」
本番?
あたしはこれで充分満足しましたが……まだ何かあると?
「確か嬢ちゃんはアマミズの粉を持ってたよな?それで……カラメルは作れるか?」
「カラメル……成程、目的はコーラですか」
炭酸飲料と言えば何が思い付く、と聞かれたら答えるのは……コーラかサイダーのどちらかでしょう。
それだけ人気がある、かつ美味しいのがコーラです。
「まあ本格的なコーラの作り方は知らんが……気分だけでも味わえる筈だと思ってな」
成程……やりましょう。
アマミズの粉と水をひたすら弱火で煮込み、沸騰して色が変わってきたらかき混ぜ続けて……と。
出来たカラメルを冷ましたらコップに入れて、レモン果汁と水を混ぜて、重曹を加えて混ぜたら氷を入れて……
「……よし、成功だ!」
「おお……久しぶりのコーラだ!」
「何故か懐かしさすら感じますね……日本に居た頃はそんなに好きだった訳ではなかったのですが」
貰えば飲むけど自分で買おうとは思わない……そんな立ち位置だったんですけどね。
しかしまさかこんな簡単に作れるとは……
「これも美味しー!」
「このバチバチ……癖になるかも」
ナクアちゃんとコカちゃんも気に入った様ですね……
うん、重曹を少し貰ってたまに作りましょう。
「受けも上々だな、嬢ちゃん……共同屋台をやらないか?儲けはキッチリ5:5でどうだ?」
「共同……つまりあたしとデストさんでコーラを?」
「といっても俺とジェネは5日後にボリアへ戻るからな……その後も引き続き売っていいぞ」
それ実質7:3ぐらいになりませんかね?
売り物で悩んでいたし有難いお話ではありますが。
「実際これは嬢ちゃんが居なきゃ作れないし、俺にもちゃんとメリットがあるぞ?この重曹は今ボリアで需要があるからな」
成程……重曹そのものが売れると。
そういう事なら遠慮なく。
「という訳で……この塩200キロを重曹にするのを手伝ってくれ」
何気に人使いが荒くないですかね!?
雷を使うのもそれなりに体力を消耗するんですよ!
やりますけど!
終わった頃には夕方になってしまいました……そして疲れました。
夕飯作りはデストさんに丸投げしましたけどね。
あ、餃子はとても美味しかったです。
ご両親もどうやら以前は他の村に住んでいた様で肉や魚が平気だったのは助かりました……朝は目玉焼きを食べたかったので。
父親の方は特にイカの塩辛を気に入った様で……あたしの秘蔵の塩辛が空になってしまいましたよ。
それはさておき、早く屋台を再開せねばならないのに何を出すべきかが決まらない……
スイーツの大半が卵や牛乳を使うから出せない、肉や魚が使えないからラーメンも作れない、デストさんの作るゼラチンは動物の皮から取るのでゼリーも駄目、豆腐や豆乳なら出せるでしょうが売れるかは疑問……
だからって野菜スープじゃ面白くありませんし、ずんだ餅は枝豆を育てるスペースがないと来ました。
……改めて考えると菜食主義者の食事って大変ですね。
野菜だけ使えばいいんだから考える必要はないだろ、とかぬかす輩が居るなら急所をぶん殴っても構いませんよね?
それが男性なら股ぐらを蹴り飛ばしたって許される筈です。
で、考えながら町をブラブラと進んでいたのですが……
「あ、お久しぶりです」
あの時のタクァに遭遇してしまった……そういえばここで氷屋をしてると言っていましたね。
「一応ここではアスラと名乗っていますから、出来たらそう呼んで頂きたいのですけど……」
「アスラさんですね……覚えました」
考えてみればタクァは種族名ですからね……そりゃ個人の名前ぐらいありますよね、うん。
ん?氷屋……野菜……果物……何かが閃きそうな気がします。
「因みに氷ってどうやって作ってるんですか?」
「普通に氷魔法で出してますよ?私達タクァの魔力は水晶みたいに澄んでるから、そのまま食べても大丈夫です」
成程……青の水晶も澄んでれば飲料水が出ますし、魔力が澄んでるというのも種族の特性みたいな感じなのでしょう。
……閃きました。
「アスラさん、今日だけあたしに屋台を手伝わせてはくれませんか?」
「え……それは構いませんけど、一体何を?」
「本日よりアスラの氷屋から新しい食べ物を出しますよー!」
さて、宣伝はお任せするとして……お客さんが来る前に数を揃えなくては。
「アスラさんの手料理だと!よし、俺が1番乗りだ!」
「何言ってやがる!俺が先だ!」
「アスラさんの料理ならタマネギの皮だって残さず食える!」
「アスラさんの椅子になりたい!」
モテモテではないですかアスラさん……
その気になれば幾らでも相手が居るでしょうに、何で発情で暴走なんてしてたんですか?
「私は色白でムキムキな、私だけを見てくれるダンディな殿方が好みなんです……」
……目の前に並んでいるのは日焼けした細身のチャラい方々のみですね。
というかその好みなら暴走中にロウを見ても平気だったんでしょうか?
見事に正反対な人しか居ないんならいっそ引っ越した方がいいんじゃないですかね?
「タクァ族にはしきたりがありまして……結婚して旦那の家に入る場合を除いて、1つの町に1人しか居られないんです」
他の町や村は既に埋まっていたんですか……
同情はしますが……これはもう好みの旅人か行商人が現れるのを待つしかありませんね。
「以前はこの町で見た目だけは好みなスミスの殿方が居たんですけれど、残念ながら性格だけが合いませんでした……それに美人な女性を2人も侍らせていましたし」
色白なスミスで美人が2人……ってああ、間違いなくデストさんですね。
どちらかと言えば細マッチョでその2人に振り回されていますが……因みに好意を抱く女性はもう1人増えましたよ。
言いませんけど。
おっと、早く商品を作らないと……後は棒を刺して固めて、っと。
皮を剥いてすりおろしたリンゴにアマミズの水を加えて凍らせて、アスラさんの出した氷と一緒に削って、棒を刺して固めたシャーベット……
解りやすく言えばガ○ガリ君もどきの出来上がりです。
個人的にソーダ味が好きなのですが、まあソーダなんてありませんし。
そもそもソーダの作り方も知りませんからね……何故か無性に炭酸飲料が飲みたくなりました。
因みにもう少し細かく削れればスムージーになりますが、あれミキサーじゃないと途中で氷が溶けるんですよね。
このもどきもアスラさんが魔力で冷し続けてくれているから作れる訳ですし。
ちゃんとレシピも渡しますから明日からも作れるでしょう。
冬は売れないでしょうけれど。
「この歯に染み渡る冷たさと程よい甘さは癖になりそうだ……」
「口の中でガリガリして、少しずつ溶けるのが面白いな」
「ぐおぉぉぉ!あ、頭が割れる様に痛ぇー!」
「は、歯が凍みるぅ!」
あ、やっぱりアイスクリーム頭痛になる人が出ましたね……あれ痛いんですよ、本当に。
少しだけ囓って飴みたいに食べるとなり難い様ですけれど……まあ教える必要はないでしょう。
それと歯はちゃんと毎日磨いていれば痛くなりませんよ。
といってもこの世界の歯磨きは掌一杯の塩をよく噛んでうがいをする事なんですけど……歯ブラシが恋しい。
アプさんはその辺りが本当に厳しくて毎日やらされていますよ。
旅の途中でも朝食は抜いても歯は磨け、って言ってます……まあ歯医者なんて居ませんからね、虫歯になったが最後という奴です。
魔法でも抜けた歯は元に戻りませんからね……当然生えたりもしません。
因みにナクアちゃん、塩を噛む時のジャリジャリとした感じが嫌いな様で……最近はロウのキスをご褒美にして渋々やっています。
思ったよりも早く売り切れてしまったので再び暇になりました……
ガリ○リ君もどきは作ってて楽しかったのですがタクァの魔力がないと作れませんからね……あたしの屋台では無理です。
というか新しい商品のレシピのお礼だとかで大きな氷を頂いてしまったんですが……これをどうしろと?
「お、嬢ちゃん……その氷はどうした?」
「氷屋を手伝ってたらお礼だとかで頂いてしまいました」
「そ、そうか……ん?氷か……よし」
おや?
何か思い付いた様な顔をしていますが……
「暇ならちょいと手伝わないか?いい物を作ってやる」
で、言われるがままに着いて行った訳なのですが……
何故かロウとナクアちゃんにコカちゃんまで居ました。
「……よし、お嬢はこの竈に火を起こしてくれ」
「う、うん……」
何やら金属の箱に大量の塩を詰めて密封していますが……何をする気なのでしょうか?
「嬢ちゃん、こいつに電流を流してくれ」
それ、中で奮迅爆発が起こるんじゃ?
まあ、デストさんのする事だし……密封していたから爆発はしないでしょう、多分。
とりあえず雷(中)で……
って何故か竈に付いていた管を箱に取り付けた?
随分と色んなギミックを詰めてますね、本当に。
「……そろそろいいかな?」
開けた箱を恐る恐る覗いてみたら……やたらときめ細かい粉末?
「よし、上出来だ」
白い粉末……塩の筈なのにちょっと違う様な?
「塩を電気で分解して、そこに二酸化炭素を流すと出来上がるのがこの重曹だ……底には重曹にならなかった塩の塊がある」
重曹……主婦の強い味方と言われるあの重曹ですか!
掃除に使えばどんな汚れも落とし、料理ならお肉を柔らかくする効果もある万能薬品……でも何でまた?
「日本では薬品じゃなくて食品として売られてたけどな……長い間ずっと試行錯誤していたが造れなかった、この重曹が欲しかったんだ」
って人数分のコップにオレンジの果汁とレモン果汁、アマミズの水と普通の水……そこに重曹を入れて混ぜて砕いた氷を?
「あ、コップの中で泡がブクブクしてるー!」
泡……まさか!
「くぅーっ!この口と喉で弾ける感覚……炭酸ジュースだ!」
先程から急に飲みたくて堪らなかった炭酸飲料……まさかその日の内に飲めるとは!
「ちょっと、喉が痛い……けど、甘くて……美味しい」
「おかわりー!」
「お代わりは少し待ってな……ここからが本番だ」
本番?
あたしはこれで充分満足しましたが……まだ何かあると?
「確か嬢ちゃんはアマミズの粉を持ってたよな?それで……カラメルは作れるか?」
「カラメル……成程、目的はコーラですか」
炭酸飲料と言えば何が思い付く、と聞かれたら答えるのは……コーラかサイダーのどちらかでしょう。
それだけ人気がある、かつ美味しいのがコーラです。
「まあ本格的なコーラの作り方は知らんが……気分だけでも味わえる筈だと思ってな」
成程……やりましょう。
アマミズの粉と水をひたすら弱火で煮込み、沸騰して色が変わってきたらかき混ぜ続けて……と。
出来たカラメルを冷ましたらコップに入れて、レモン果汁と水を混ぜて、重曹を加えて混ぜたら氷を入れて……
「……よし、成功だ!」
「おお……久しぶりのコーラだ!」
「何故か懐かしさすら感じますね……日本に居た頃はそんなに好きだった訳ではなかったのですが」
貰えば飲むけど自分で買おうとは思わない……そんな立ち位置だったんですけどね。
しかしまさかこんな簡単に作れるとは……
「これも美味しー!」
「このバチバチ……癖になるかも」
ナクアちゃんとコカちゃんも気に入った様ですね……
うん、重曹を少し貰ってたまに作りましょう。
「受けも上々だな、嬢ちゃん……共同屋台をやらないか?儲けはキッチリ5:5でどうだ?」
「共同……つまりあたしとデストさんでコーラを?」
「といっても俺とジェネは5日後にボリアへ戻るからな……その後も引き続き売っていいぞ」
それ実質7:3ぐらいになりませんかね?
売り物で悩んでいたし有難いお話ではありますが。
「実際これは嬢ちゃんが居なきゃ作れないし、俺にもちゃんとメリットがあるぞ?この重曹は今ボリアで需要があるからな」
成程……重曹そのものが売れると。
そういう事なら遠慮なく。
「という訳で……この塩200キロを重曹にするのを手伝ってくれ」
何気に人使いが荒くないですかね!?
雷を使うのもそれなりに体力を消耗するんですよ!
やりますけど!
終わった頃には夕方になってしまいました……そして疲れました。
夕飯作りはデストさんに丸投げしましたけどね。
あ、餃子はとても美味しかったです。
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