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祭りと刺身
念願のお刺身です
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トゥグア様達に玉子焼きを捧げた翌朝……あの後ヨグソ様から信託があって、追加を作ってまた送る羽目になりましたよ。
それにお返しとやらで何故かソースのレシピを渡されましたが……
まずベースになるウスターソースから作らないといけない上にニンニクと生姜……ガリクとジンジャーが大量に必要となるとグヌットかボリアに行かないと作れませんね。
グヌットはコカちゃんのトラウマだから近付きませんけど。
加えてマヨネーズやケチャップまで必要になる、とくれば大金も必要になってしまいます。
とりあえずソースは置いといて、今は干物とお刺身の為にひたすらお魚を釣ります。
相変わらず餌の虫に触れないコカちゃんには【サーチ】で寄生虫が居ない魚を避ける作業をして貰い、あたしは干物を作りますよ。
この世界にはルアーとかフライとかがありませんからね……
サーチはマジシャンにしか使えない魔法らしいですし……コカちゃんが居てくれて本当に良かった。
因みに翡翠さんは三日酔いになっているのでサーグァ様 (分体)と宿でお休みしています。
代わりに何故かライコが手伝ってくれていますけど……普通に釣りが上手いですね。
「おっきいの釣れたー!」
おお……やりますねナクアちゃん、見事なヒラメを釣りましたか。
掌から糸が出て、それをタモ網代わりにしていますが……まあナクアちゃん自身の技能ですし。
足りない部分を補おうとする工夫は素晴らしいのでちゃんと釣竿を使うなら文句はありませんよ。
「あ、キュアちゃん……ナクアちゃんが釣ったこのヒラメ、虫が居ないよ」
お刺身来たー!?
しかもヒラメ、身は勿論としてエンガワに肝もお刺身にすると美味しいのですよ。
お寿司でも美味しいですが……あたしは握れませんからね。
そもそも日本じゃ回転寿司にすら行けないぐらい貧乏だったからロクに見てすらいませんし。
唯一食べられたのも母の実家がある宮城県で、祖父が出前を頼んでくれた時でしたし……当時は6歳ぐらいだったから食欲が勝っていました。
しかもその後にロウが鯵のお刺身に当たってしまいトラウマで食べられなくなってしまったばかりに……まあ過ぎた事です。
「……何であたいの所にはタコしか来ないんだろうねぇ?」
いやアプさんだけじゃないですからね……ここは比較的にタコが多いだけですから。
「ふむ、鯖が38、イカが16、カレイ4にヒラメ2……それにタコが49、と」
これだけ釣ってお刺身に出来るのがナクアちゃんの釣ったヒラメ1匹だけとは……しかも干物にする予定の鯖が予想以上に少ないですね。
まあ後1週間はここに留まる予定ですし、その間に釣れればいいのです。
あ、ついでに干しダコも作っておきましょう。
焼いてよし、出汁によし、何ならそのまま噛っても美味しい……それに干しダコの出汁は玉子焼きの味付けに最適ですからね。
昨夜は突貫作業で作ったのでギリギリ間に合わずにおダシの方に使いましたけど。
出汁殻の干しダコはピーニャが食べましたよ。
「なあキュア、干しダコを作るんならたこ飯も作らないか?」
「たこ飯ですか……確かにこれだけタコがあるんなら作れますね」
味醂はありませんがたこ飯と聞いて食べたくなりました。
よし、夕飯はヒラメのお刺身としめ鯖、イカは天ぷらにして、ヒラメを煮付けにしつつ、たこ飯を作りましょう。
そうと決まればコカちゃんも干物作りをして貰って、干しダコを作らなくては。
普通に作ると1週間は掛かるからジャンプで省略して……干物は1時間半も干せば充分なのでそのまま、と。
で、1匹は炙って切って……醤油とお酒を混ぜた物に今から漬けておけば夕飯に間に合います。
では干物作りの続きを……
「ロウお兄ちゃん、何だかすごい引きだよー!竿がミシミシしてるー!」
「ナクアーっ!今行くからなんとか踏ん張れ!」
ナクアちゃんが使ってる釣竿が折れかけてる!?
ってこうしてはいられません、あたしも手伝います!
結局アプさんやライコにも手伝って貰ってようやく釣れましたが……釣竿は見事に折れてしまいましたね。
「ハァ……ハァ……何とか、上げられたな」
「ま、まさか……鰤が釣れるとは……ゼェ、ゼェ……」
しかもサイズは1メートル、重さは12キロ以上ありそうです……少し育ち過ぎてますが是非ともお刺身で食べたいですね、灰色で美味しそうには見えませんが。
代償としてナクアちゃんが使っていた釣竿はご臨終となりましたが……まあルイエで買った、1本10ハウトの安物でブリが釣れたのなら健闘したと言っても過言ではないでしょう。
むしろ良くやったと褒めてあげたいぐらいです……後でお墓を建ててあげるべきでしょうか?
「ナクア、こんなおっきいお魚初めて見たー!」
「あ、このお魚も……虫は居ないみたい」
ブリがお刺身に出来る!
日本に居た時はスーパーで値引きシールが貼られたアラを大根と煮た物しか食べた事がないぐらいの高級品……お刺身は初めてなので楽しみですね。
それにしてもお刺身に出来るヒラメも釣ったのはナクアちゃんでしたが……凄い運をお持ちですね。
流石に大きいしお刺身だけじゃ食べ切れないでしょうから半身は照り焼きにでもしましょう。
となるとイカの天ぷらは中止にして……塩辛は沢山作ってあるしスルメにでもしますかね。
「ナクアの釣竿が折れちまったんじゃ今日はここまでだねぇ……明日に備えて釣竿を探さないとならないだろう?」
むぅ……仕方ありません。
次は簡単には折れない釣竿を探しましょう。
幸い今なら資金に余裕がありますし、多少値が張る釣竿でも買えるでしょうからね。
「キュアちゃん……干物作りの続き、しないの?」
「あ……」
そういえばまだ作業の途中でした……ブリに浮かれてすっかり忘れていましたよ。
まあ買い物はアプさんに任せれば間違いがないですし……あたしはコカちゃんと干物、干しダコ、スルメ作りに集中します。
それに夕飯と、今夜のお供えも用意しなくては……
「ウギィっ!」
ライコ……あたしの手つきを真似してタコの塩揉みを!?
しかも上手い!
という訳で、お供えの玉子焼きを送ったから夕飯です。
ついでに干しダコとスルメも送らせて頂きましたよ。
メニューはあたしとナクアちゃんしか食べないしめ鯖、ヒラメとブリのお刺身、カレイの煮付け、ブリの照り焼き、たこ飯です。
お刺身は酸味がないのでロウ以外は食べられると思いますが……
因みにライコは教えてみたらお魚を捌く事も出来る様になりました……恐ろしい猿ですね。
暇が出来たら色んな料理を教えてみましょうか?
「久しぶりのたこ飯が美味ぇ……」
うん、我ながら良い味が出せました。
この干したタコと生から炊いたタコの食感の違いがいいんですよね……米もタコの旨味を吸ってより美味しくなりますし。
タコと一緒にニンジンやシメジ、油揚げなんかを炊き込んでも美味しいんですが今回はタコのみです。
あたしはタコだけのたこ飯が好きなので。
「お刺身が美味しー!」
「ミャー!」
やはりナクアちゃんとトウカは味が解りますね……
ヒラメとブリはお刺身にするなら捌いて1日寝かせた方が美味しいらしいので、いつものジャンプで熟成させましたが……本当に美味しい。
ヒラメは噛めば噛む程に味が出ますし、ブリもムチムチとした食感にとろける様な脂……たまりませんね。
こんなに美味しいのにロウは苦手で、アプさんは3切れで止めてしまいました……
コカちゃんは普通に食べていますけど。
「何て言うか……味はいいけど何かが足りないって気がするんだよねぇ、それにこの匂いがちょっと」
あー……大体解りました。
日本でもお刺身は好きだけどワサビがないと食べられないって人が居ますし、アプさんもその類なのでしょう。
もしワサビを見付けたらもう1度挑戦して貰います。
「この変わった色のお刺身もトロッとしてて美味しー!」
ナクアちゃん……ヒラメの肝の酒蒸しは手を出さなかったのにお刺身は食べるんですか!
ってあたしの分を確保しなくては!
ただでさえ希少な部位なのに……コカちゃんもエンガワを抱えないで!
ピーニャもあたしのしめ鯖を狙わないでくれませんかねぇ!?
「ウギィ……」
「ピー……」
「あ、リンゴとグリンのお代わりですね……」
ライコは気性が荒いとか聞きましたが……あたしの手伝いもしてくれるし、普通に良い子じゃないですか。
翡翠さんと契約していなければペットにしたいぐらいですよ。
それにお返しとやらで何故かソースのレシピを渡されましたが……
まずベースになるウスターソースから作らないといけない上にニンニクと生姜……ガリクとジンジャーが大量に必要となるとグヌットかボリアに行かないと作れませんね。
グヌットはコカちゃんのトラウマだから近付きませんけど。
加えてマヨネーズやケチャップまで必要になる、とくれば大金も必要になってしまいます。
とりあえずソースは置いといて、今は干物とお刺身の為にひたすらお魚を釣ります。
相変わらず餌の虫に触れないコカちゃんには【サーチ】で寄生虫が居ない魚を避ける作業をして貰い、あたしは干物を作りますよ。
この世界にはルアーとかフライとかがありませんからね……
サーチはマジシャンにしか使えない魔法らしいですし……コカちゃんが居てくれて本当に良かった。
因みに翡翠さんは三日酔いになっているのでサーグァ様 (分体)と宿でお休みしています。
代わりに何故かライコが手伝ってくれていますけど……普通に釣りが上手いですね。
「おっきいの釣れたー!」
おお……やりますねナクアちゃん、見事なヒラメを釣りましたか。
掌から糸が出て、それをタモ網代わりにしていますが……まあナクアちゃん自身の技能ですし。
足りない部分を補おうとする工夫は素晴らしいのでちゃんと釣竿を使うなら文句はありませんよ。
「あ、キュアちゃん……ナクアちゃんが釣ったこのヒラメ、虫が居ないよ」
お刺身来たー!?
しかもヒラメ、身は勿論としてエンガワに肝もお刺身にすると美味しいのですよ。
お寿司でも美味しいですが……あたしは握れませんからね。
そもそも日本じゃ回転寿司にすら行けないぐらい貧乏だったからロクに見てすらいませんし。
唯一食べられたのも母の実家がある宮城県で、祖父が出前を頼んでくれた時でしたし……当時は6歳ぐらいだったから食欲が勝っていました。
しかもその後にロウが鯵のお刺身に当たってしまいトラウマで食べられなくなってしまったばかりに……まあ過ぎた事です。
「……何であたいの所にはタコしか来ないんだろうねぇ?」
いやアプさんだけじゃないですからね……ここは比較的にタコが多いだけですから。
「ふむ、鯖が38、イカが16、カレイ4にヒラメ2……それにタコが49、と」
これだけ釣ってお刺身に出来るのがナクアちゃんの釣ったヒラメ1匹だけとは……しかも干物にする予定の鯖が予想以上に少ないですね。
まあ後1週間はここに留まる予定ですし、その間に釣れればいいのです。
あ、ついでに干しダコも作っておきましょう。
焼いてよし、出汁によし、何ならそのまま噛っても美味しい……それに干しダコの出汁は玉子焼きの味付けに最適ですからね。
昨夜は突貫作業で作ったのでギリギリ間に合わずにおダシの方に使いましたけど。
出汁殻の干しダコはピーニャが食べましたよ。
「なあキュア、干しダコを作るんならたこ飯も作らないか?」
「たこ飯ですか……確かにこれだけタコがあるんなら作れますね」
味醂はありませんがたこ飯と聞いて食べたくなりました。
よし、夕飯はヒラメのお刺身としめ鯖、イカは天ぷらにして、ヒラメを煮付けにしつつ、たこ飯を作りましょう。
そうと決まればコカちゃんも干物作りをして貰って、干しダコを作らなくては。
普通に作ると1週間は掛かるからジャンプで省略して……干物は1時間半も干せば充分なのでそのまま、と。
で、1匹は炙って切って……醤油とお酒を混ぜた物に今から漬けておけば夕飯に間に合います。
では干物作りの続きを……
「ロウお兄ちゃん、何だかすごい引きだよー!竿がミシミシしてるー!」
「ナクアーっ!今行くからなんとか踏ん張れ!」
ナクアちゃんが使ってる釣竿が折れかけてる!?
ってこうしてはいられません、あたしも手伝います!
結局アプさんやライコにも手伝って貰ってようやく釣れましたが……釣竿は見事に折れてしまいましたね。
「ハァ……ハァ……何とか、上げられたな」
「ま、まさか……鰤が釣れるとは……ゼェ、ゼェ……」
しかもサイズは1メートル、重さは12キロ以上ありそうです……少し育ち過ぎてますが是非ともお刺身で食べたいですね、灰色で美味しそうには見えませんが。
代償としてナクアちゃんが使っていた釣竿はご臨終となりましたが……まあルイエで買った、1本10ハウトの安物でブリが釣れたのなら健闘したと言っても過言ではないでしょう。
むしろ良くやったと褒めてあげたいぐらいです……後でお墓を建ててあげるべきでしょうか?
「ナクア、こんなおっきいお魚初めて見たー!」
「あ、このお魚も……虫は居ないみたい」
ブリがお刺身に出来る!
日本に居た時はスーパーで値引きシールが貼られたアラを大根と煮た物しか食べた事がないぐらいの高級品……お刺身は初めてなので楽しみですね。
それにしてもお刺身に出来るヒラメも釣ったのはナクアちゃんでしたが……凄い運をお持ちですね。
流石に大きいしお刺身だけじゃ食べ切れないでしょうから半身は照り焼きにでもしましょう。
となるとイカの天ぷらは中止にして……塩辛は沢山作ってあるしスルメにでもしますかね。
「ナクアの釣竿が折れちまったんじゃ今日はここまでだねぇ……明日に備えて釣竿を探さないとならないだろう?」
むぅ……仕方ありません。
次は簡単には折れない釣竿を探しましょう。
幸い今なら資金に余裕がありますし、多少値が張る釣竿でも買えるでしょうからね。
「キュアちゃん……干物作りの続き、しないの?」
「あ……」
そういえばまだ作業の途中でした……ブリに浮かれてすっかり忘れていましたよ。
まあ買い物はアプさんに任せれば間違いがないですし……あたしはコカちゃんと干物、干しダコ、スルメ作りに集中します。
それに夕飯と、今夜のお供えも用意しなくては……
「ウギィっ!」
ライコ……あたしの手つきを真似してタコの塩揉みを!?
しかも上手い!
という訳で、お供えの玉子焼きを送ったから夕飯です。
ついでに干しダコとスルメも送らせて頂きましたよ。
メニューはあたしとナクアちゃんしか食べないしめ鯖、ヒラメとブリのお刺身、カレイの煮付け、ブリの照り焼き、たこ飯です。
お刺身は酸味がないのでロウ以外は食べられると思いますが……
因みにライコは教えてみたらお魚を捌く事も出来る様になりました……恐ろしい猿ですね。
暇が出来たら色んな料理を教えてみましょうか?
「久しぶりのたこ飯が美味ぇ……」
うん、我ながら良い味が出せました。
この干したタコと生から炊いたタコの食感の違いがいいんですよね……米もタコの旨味を吸ってより美味しくなりますし。
タコと一緒にニンジンやシメジ、油揚げなんかを炊き込んでも美味しいんですが今回はタコのみです。
あたしはタコだけのたこ飯が好きなので。
「お刺身が美味しー!」
「ミャー!」
やはりナクアちゃんとトウカは味が解りますね……
ヒラメとブリはお刺身にするなら捌いて1日寝かせた方が美味しいらしいので、いつものジャンプで熟成させましたが……本当に美味しい。
ヒラメは噛めば噛む程に味が出ますし、ブリもムチムチとした食感にとろける様な脂……たまりませんね。
こんなに美味しいのにロウは苦手で、アプさんは3切れで止めてしまいました……
コカちゃんは普通に食べていますけど。
「何て言うか……味はいいけど何かが足りないって気がするんだよねぇ、それにこの匂いがちょっと」
あー……大体解りました。
日本でもお刺身は好きだけどワサビがないと食べられないって人が居ますし、アプさんもその類なのでしょう。
もしワサビを見付けたらもう1度挑戦して貰います。
「この変わった色のお刺身もトロッとしてて美味しー!」
ナクアちゃん……ヒラメの肝の酒蒸しは手を出さなかったのにお刺身は食べるんですか!
ってあたしの分を確保しなくては!
ただでさえ希少な部位なのに……コカちゃんもエンガワを抱えないで!
ピーニャもあたしのしめ鯖を狙わないでくれませんかねぇ!?
「ウギィ……」
「ピー……」
「あ、リンゴとグリンのお代わりですね……」
ライコは気性が荒いとか聞きましたが……あたしの手伝いもしてくれるし、普通に良い子じゃないですか。
翡翠さんと契約していなければペットにしたいぐらいですよ。
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