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祭りと刺身
念願の鉄板です
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お祭りが終わって酢も作って……
神殿の視察も問題なく終わったので後は干物を作り貯めるだけですが、よく考えたらここだと鯵が釣れないんですよね。
鯖の干物も美味しいので別に構わないんですが……やはり干物なら鯵も欲しい所です。
何にせよアプさんが復活するまでは始められませんし、夕飯を作るのもロウとナクアちゃんが戻るのを待つしか……
「よーキュアちゃん、お邪魔しとるで」
「……何でトゥグア様の世界の、ハイドラ様の信者が多く集まる村に、トゥール様がいらっしゃるんですか?」
風の神殿があるレンやンガイに来るならまだ解りますが……
トゥール様ってハイドラ様と仲が悪いんじゃなかったんですか?
「いやー、神界に呼ぶとまたヨグソ様からどやされてまうからなぁ……ほならウチがこっちに来れば問題ないやろ」
それはそれで問題がありそうな気がしますが……まあいいです。
「とはいえ、あんま長居は出来へんのやけどな……せやから要件をパパッと言うで」
やっぱり制限時間はあるんですね……
ハイドラ様の眷属である翡翠さんが二日酔いでダウンしていたのは幸いでした。
「まずはハイドラからの言伝はな、【サーチ】っちゅーマジシャンが使える魔法を使えば虫食いかどうかは解る、やって……何の事かは知らんけど」
【サーチ】……つまりその魔法を使えば酢締めせずともお刺身が食べられる?
マジシャンという事はあたし達の中で使えるのはコカちゃんだけ……ならロウ達が戻ったらコカちゃんに試して貰いましょう。
「次にトゥグアの伝言はな、【しめ鯖が美味しそうだったから今夜にでもお供えしてくれると嬉しいです】やって」
トゥグア様も中々の食いしん坊ですね……流石はサーグァ様の姉といった所でしょうか?
後で干物や酢ダコも一緒にお供えさせて頂きますよ。
「でな、ウチはこれを渡しに来たんや」
これは……たこ焼き専用の鉄板ではないですか!
しかも新品!
「ウチの世界で取れる魔鉄で作った特注品や、多少雑に扱ったって壊れへんし、錆びたりせえへんから手入れも楽チンやで」
いや仮にも女神様からの贈り物を雑に扱うつもりはありませんけど……
デストさんに頼む手間が省けたのが幸いでしたね。
ってサラッと流しかけましたけど……確か魔鉄はファンタジーなゲーム等で武器なんかに使われる金属だった様な?
それをたこ焼き用の鉄板に……贅沢って物じゃないですよ!
「ウチとハイドラはアルラの件が決着つくまでトゥグアと一緒におるから、ここにおる間だけでもそれでたこ焼きか明石焼きを作って送って欲しいんよ」
あたしも玉子焼きは食べたかったので作るのは構いませんが……
因みにあたしやロウの言う玉子焼きは他県では明石焼きと呼ばれています。
一説ではたこ焼きの原型とか言われていますが……本当なんですかね?
「あたしはソースの作り方を知らないので必然的に玉子焼きになりますが?」
「かまへんよ、どっちか言うたらたこ焼きのが好きやけど明石焼きも美味いしな」
セバスチャンさんがトゥール様はソース味の食べ物を好んでいるとか言ってましたが……やはりたこ焼きが好きなんですね。
幸いここならタコがよく釣れますし、玉子焼きの作り方はよく解っていますから問題はありません。
お祭りの後片付けはドワーフの方々がやってくれたから体力にも余裕があるし。
「おっと時間やな……ほなキュアちゃん、頼んだでー」
精々美味しく作って送らせて頂きます。
……ロウ達が釣れていれば、ですが。
~神界 (トゥグア視点)~
「ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん……」
はい、知ってました。
普段の祈りは落ち着いたというのに、何かを送る時は必ずその詠唱が唱えられますね!
今回はそれを承知でしめ鯖が食べたかったんですけど!
『アレが噂の詠唱かいな……確かにヤバいわぁ』
『もしかしたらトゥールがあの詠唱を捧げられていたかもしれませんね』
『うーん……それでもキュアちゃんはウチの眷属にしたかったわぁ、トゥグアのせいでフラれてもうたけど』
その表現はちょっと違う気がするんですが……
というか狙っていたんなら教えてくれれば良かったのに。
……それでもキュアさんのラブコメ目当てに勧誘していたでしょうけど。
『お、来たで!』
もう届いたんですね……前より早くなっていますよ。
しめ鯖に酢ダコ、いつもの干物に……何でしょうかこの良い匂いがする黄色い球体は?
出来立てなのか熱いですし、1神(ひとり)につき10個ぐらいありますね……以前トゥールに見せて貰ったタコヤキに似てる?
『明石焼きキター!』
明石焼き……ああ、キュアさんの故郷の郷土料理ですか。
傍には塩とスープが添えられていますね……どうやって食べるのでしょうか?
おっと、先に干物は隠しておかなきゃ……見つかったらまたハイドラのオツマミにされてしまいます。
『ウチの世界からソースも持って来たし、さぁ食うで!』
『それで……これはどう食べるのですか?』
『……ウチ流の食い方やからあんま参考にせんといてな、まずこのおダシに3個ぐらい入れて1分近く置いとくんや』
とりあえずトゥールと同じ様にしてみましょう……
『その間に1個をそのまま、3個を塩で食うんや……熱々を頬張るのが美味いんやで』
熱っ!
しかしこれは美味しいですね……成程、この黄色い球体は卵で作ったのでしょうか?
これ自体に味が付いてるからそのままでも美味しいし、塩をふると中のタコと卵の味がよりハッキリとします。
『したら次はおダシと一緒にツルッと啜るんや』
スープも熱い……でも食べるのを止められない!
それにこのおダシ?が全体の味を強調してくれますね。
気のせいかおダシからもタコの味がします。
『最後の3個をこのソースで……んー美味いわぁ』
熱っつ!まだ熱い!
しかしこのソース……まるでこの料理に合わせる為に生まれた様な、そんな味がします。
『はぁ……久々の明石焼き、美味かったわぁ』
『正直タコと聞いて手が出し辛かったのですが……確かに美味しいですね』
そういえばハイドラは昔のトラウマとかでタコが苦手だったわね……
確か2人の仲が悪いのもタコヤキが原因だった様な?
『どや、タコも美味いやろ?』
『そうですね……以前食べさせられたタコヤキとやらはソースと生姜の味しかしなくて美味しいとは思えませんでしたが、これは美味しいです』
『一言余計や!まあ、確かにあん時はソース付け過ぎたかなぁとは思うたけど』
ふむ……仲直り、とは行かないまでもそれなりに蟠りが溶けた様ですね。
『明石焼きを堪能した所で、次は酢ダコとしめ鯖で一杯やりましょう』
『ウチは干物でやりたいわぁ』
『私も干物が……一緒に送られてましたよね?』
くっ……やはり目ざといですね。
キュアさんが作った干物はとても美味しいからじっくりと味わいたいのに!
泣き上戸のハイドラと、笑い上戸のトゥールに分けたらあっという間に無くなっちゃいますよ!
『……ん?また明石焼きと追加の干物が来ましたね』
あら本当に……今度は4人分?
とりあえずさっきの干物は死守できた様だし安心しましたが……
『おお、来たのう』
『『『ヨグソ様!?』』』
『ワシに黙ってこんな美味そうな物を食うとは……お主達はちと冷たいんじゃないか?ん?』
忘れてました……ヨグソ様もサーグァに負けず劣らずの食いしん坊だという事を!
流石に歳のせいか大量には食べられない様ですけど。
『トゥグアにだけは食いしん坊と言われたくないんじゃが……まあよい、ほれトゥール、さっきのソースとやらを出さんか』
『は、はい!』
流石に20個も食べるとお腹が膨れますね……お酒はまた明日にしましょう。
幸い酢ダコやしめ鯖は日持ちしますし。
『成程これは美味いのう……所であのキュアという娘はこのソースは作らんのか?』
『いやぁ、キュアちゃんは作り方を知らんと言うとったし……そもそもトゥグアの世界じゃ材料が揃わんですし』
『そうか……ならトゥール、レシピだけでも信託で贈ってやるんじゃ、あの娘ならその内似た様な物を作れるじゃろ』
『あ、了解や……です!』
……仮にも最高神がそんな私事で信託を出させていいんでしょうか?
私の権限じゃ反対なんて出来ませんし、見守るしかないんですけど。
それに私もキュアさんの作るソースの味には興味がありますから……ここは静観しておきます。
神殿の視察も問題なく終わったので後は干物を作り貯めるだけですが、よく考えたらここだと鯵が釣れないんですよね。
鯖の干物も美味しいので別に構わないんですが……やはり干物なら鯵も欲しい所です。
何にせよアプさんが復活するまでは始められませんし、夕飯を作るのもロウとナクアちゃんが戻るのを待つしか……
「よーキュアちゃん、お邪魔しとるで」
「……何でトゥグア様の世界の、ハイドラ様の信者が多く集まる村に、トゥール様がいらっしゃるんですか?」
風の神殿があるレンやンガイに来るならまだ解りますが……
トゥール様ってハイドラ様と仲が悪いんじゃなかったんですか?
「いやー、神界に呼ぶとまたヨグソ様からどやされてまうからなぁ……ほならウチがこっちに来れば問題ないやろ」
それはそれで問題がありそうな気がしますが……まあいいです。
「とはいえ、あんま長居は出来へんのやけどな……せやから要件をパパッと言うで」
やっぱり制限時間はあるんですね……
ハイドラ様の眷属である翡翠さんが二日酔いでダウンしていたのは幸いでした。
「まずはハイドラからの言伝はな、【サーチ】っちゅーマジシャンが使える魔法を使えば虫食いかどうかは解る、やって……何の事かは知らんけど」
【サーチ】……つまりその魔法を使えば酢締めせずともお刺身が食べられる?
マジシャンという事はあたし達の中で使えるのはコカちゃんだけ……ならロウ達が戻ったらコカちゃんに試して貰いましょう。
「次にトゥグアの伝言はな、【しめ鯖が美味しそうだったから今夜にでもお供えしてくれると嬉しいです】やって」
トゥグア様も中々の食いしん坊ですね……流石はサーグァ様の姉といった所でしょうか?
後で干物や酢ダコも一緒にお供えさせて頂きますよ。
「でな、ウチはこれを渡しに来たんや」
これは……たこ焼き専用の鉄板ではないですか!
しかも新品!
「ウチの世界で取れる魔鉄で作った特注品や、多少雑に扱ったって壊れへんし、錆びたりせえへんから手入れも楽チンやで」
いや仮にも女神様からの贈り物を雑に扱うつもりはありませんけど……
デストさんに頼む手間が省けたのが幸いでしたね。
ってサラッと流しかけましたけど……確か魔鉄はファンタジーなゲーム等で武器なんかに使われる金属だった様な?
それをたこ焼き用の鉄板に……贅沢って物じゃないですよ!
「ウチとハイドラはアルラの件が決着つくまでトゥグアと一緒におるから、ここにおる間だけでもそれでたこ焼きか明石焼きを作って送って欲しいんよ」
あたしも玉子焼きは食べたかったので作るのは構いませんが……
因みにあたしやロウの言う玉子焼きは他県では明石焼きと呼ばれています。
一説ではたこ焼きの原型とか言われていますが……本当なんですかね?
「あたしはソースの作り方を知らないので必然的に玉子焼きになりますが?」
「かまへんよ、どっちか言うたらたこ焼きのが好きやけど明石焼きも美味いしな」
セバスチャンさんがトゥール様はソース味の食べ物を好んでいるとか言ってましたが……やはりたこ焼きが好きなんですね。
幸いここならタコがよく釣れますし、玉子焼きの作り方はよく解っていますから問題はありません。
お祭りの後片付けはドワーフの方々がやってくれたから体力にも余裕があるし。
「おっと時間やな……ほなキュアちゃん、頼んだでー」
精々美味しく作って送らせて頂きます。
……ロウ達が釣れていれば、ですが。
~神界 (トゥグア視点)~
「ふんぐるい むぐるうなふ トゥグア ほまる はうと うがあ ぐああ なふる たぐん……」
はい、知ってました。
普段の祈りは落ち着いたというのに、何かを送る時は必ずその詠唱が唱えられますね!
今回はそれを承知でしめ鯖が食べたかったんですけど!
『アレが噂の詠唱かいな……確かにヤバいわぁ』
『もしかしたらトゥールがあの詠唱を捧げられていたかもしれませんね』
『うーん……それでもキュアちゃんはウチの眷属にしたかったわぁ、トゥグアのせいでフラれてもうたけど』
その表現はちょっと違う気がするんですが……
というか狙っていたんなら教えてくれれば良かったのに。
……それでもキュアさんのラブコメ目当てに勧誘していたでしょうけど。
『お、来たで!』
もう届いたんですね……前より早くなっていますよ。
しめ鯖に酢ダコ、いつもの干物に……何でしょうかこの良い匂いがする黄色い球体は?
出来立てなのか熱いですし、1神(ひとり)につき10個ぐらいありますね……以前トゥールに見せて貰ったタコヤキに似てる?
『明石焼きキター!』
明石焼き……ああ、キュアさんの故郷の郷土料理ですか。
傍には塩とスープが添えられていますね……どうやって食べるのでしょうか?
おっと、先に干物は隠しておかなきゃ……見つかったらまたハイドラのオツマミにされてしまいます。
『ウチの世界からソースも持って来たし、さぁ食うで!』
『それで……これはどう食べるのですか?』
『……ウチ流の食い方やからあんま参考にせんといてな、まずこのおダシに3個ぐらい入れて1分近く置いとくんや』
とりあえずトゥールと同じ様にしてみましょう……
『その間に1個をそのまま、3個を塩で食うんや……熱々を頬張るのが美味いんやで』
熱っ!
しかしこれは美味しいですね……成程、この黄色い球体は卵で作ったのでしょうか?
これ自体に味が付いてるからそのままでも美味しいし、塩をふると中のタコと卵の味がよりハッキリとします。
『したら次はおダシと一緒にツルッと啜るんや』
スープも熱い……でも食べるのを止められない!
それにこのおダシ?が全体の味を強調してくれますね。
気のせいかおダシからもタコの味がします。
『最後の3個をこのソースで……んー美味いわぁ』
熱っつ!まだ熱い!
しかしこのソース……まるでこの料理に合わせる為に生まれた様な、そんな味がします。
『はぁ……久々の明石焼き、美味かったわぁ』
『正直タコと聞いて手が出し辛かったのですが……確かに美味しいですね』
そういえばハイドラは昔のトラウマとかでタコが苦手だったわね……
確か2人の仲が悪いのもタコヤキが原因だった様な?
『どや、タコも美味いやろ?』
『そうですね……以前食べさせられたタコヤキとやらはソースと生姜の味しかしなくて美味しいとは思えませんでしたが、これは美味しいです』
『一言余計や!まあ、確かにあん時はソース付け過ぎたかなぁとは思うたけど』
ふむ……仲直り、とは行かないまでもそれなりに蟠りが溶けた様ですね。
『明石焼きを堪能した所で、次は酢ダコとしめ鯖で一杯やりましょう』
『ウチは干物でやりたいわぁ』
『私も干物が……一緒に送られてましたよね?』
くっ……やはり目ざといですね。
キュアさんが作った干物はとても美味しいからじっくりと味わいたいのに!
泣き上戸のハイドラと、笑い上戸のトゥールに分けたらあっという間に無くなっちゃいますよ!
『……ん?また明石焼きと追加の干物が来ましたね』
あら本当に……今度は4人分?
とりあえずさっきの干物は死守できた様だし安心しましたが……
『おお、来たのう』
『『『ヨグソ様!?』』』
『ワシに黙ってこんな美味そうな物を食うとは……お主達はちと冷たいんじゃないか?ん?』
忘れてました……ヨグソ様もサーグァに負けず劣らずの食いしん坊だという事を!
流石に歳のせいか大量には食べられない様ですけど。
『トゥグアにだけは食いしん坊と言われたくないんじゃが……まあよい、ほれトゥール、さっきのソースとやらを出さんか』
『は、はい!』
流石に20個も食べるとお腹が膨れますね……お酒はまた明日にしましょう。
幸い酢ダコやしめ鯖は日持ちしますし。
『成程これは美味いのう……所であのキュアという娘はこのソースは作らんのか?』
『いやぁ、キュアちゃんは作り方を知らんと言うとったし……そもそもトゥグアの世界じゃ材料が揃わんですし』
『そうか……ならトゥール、レシピだけでも信託で贈ってやるんじゃ、あの娘ならその内似た様な物を作れるじゃろ』
『あ、了解や……です!』
……仮にも最高神がそんな私事で信託を出させていいんでしょうか?
私の権限じゃ反対なんて出来ませんし、見守るしかないんですけど。
それに私もキュアさんの作るソースの味には興味がありますから……ここは静観しておきます。
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